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第2章〜不死編〜
第122話「レベルアップ」
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「なんなのだ‥‥‥今のは」
「やめろ、やめろ」
「ウーロさんにもそういう時期が。非常によくわかりますよ」
「違うて」
「わかるぞウーロ。やつかれも時々、左手が疼く」
「やめろと言っているだろうがぁぁぁぁあ!!」
地団駄を踏み、不機嫌さをあらわにすると周りからドードーと気持ちを抑えるように促された。お前らのせいじゃ!
我は沸き出た怒りの発生源がどこなのか、膨大にある記憶を整理しようとしていただけなのだ。己の中に秘めた闇の力に目覚めたとかそうゆうのではないのだ!
「ウーロ殿。心配いらない」
慰めるようにベタが我の肩に手を当てる。おぉ、お主は味方になってくれるか。やはり良い子じゃのぅお主!と思ったのも束の間。ガマが続きのセリフを吐いた。
「ウーロ殿は偉大なる竜。秘めた力は妄想ではない。本当にある」
「然り然り」
だから違うのだ。
一向にこやつらは誤解を解いてくれない。それもそうだ。変化したはずの肉体はなぜか元の姿に戻っていて、我の中にある内側の力が急に膨れ上がった証拠も残ってないのだ。
さらにはヒカリゴケがあるとはいえ、地下室は薄暗い。我に起こった変化は身長が少し伸びたのと、手に関節ができたことくらいだった。遠くから見てはわからないだろう。
ブレスを喰らっても結局アフロになってたし、シオンたちからすれば、急に力に目覚めたと勘違いしてる痛い奴に見えたのだ。
ダンジョンでも頭のアフロを燃やして松明になったりしたので、火のダメージは受けないと知られていたのも原因の一つか。
「てゆうかウーロさん、前半かっこいいこと言ったあと、結局アフロになっただけですよね」
「そ、そんなことない」
腹を殴って吹き飛ばしたぞ。一回だけ。
『あのー』
なんとかシオンの指摘に反論しようとしていると、言いづらそうな小さな声が会話に入り込む。
声の主はプーレで、半透明の体がさらに薄くなっていた。身体を構成する魔力も減ったような気がする。
『ご迷惑をかけてすみませんでした。ぽんすけがあんな悪い子だったんて知りませんでした』
「いや、知ってる方がおかしいからの?」
ペットのトカゲが邪悪な性格をしてるなんてわかるわけがない。ましてや大きな力を手に入れて世界を征服しようとしているなど。
それでもプーレは申し訳なさそうに顔を下げている。
『皆さんのおかげで、この世の未練は無くなりましたー』
「でもごめん。プーレのペットが死んじゃった」
サエラが謝るとプーレは顔を左右に振った。そして悲しそうに眉を八の字に曲げながらも、無理して作った笑みを浮かべた。
自身の中で混乱を整理しきれていないのだろう。
だが理由はともあれ、ぽんすけが凶暴化した原因はわかった。もう未練はないのは本当なのだと思う。
『仕方ありません。私以外の誰かを怪我させるわけにはいきませんしー。私はあの世に行って、ぽんすけを叱ってこようかと思います』
「それじゃぁ」
『はいー、もう思い残すことはありません』
そう告げると、プーレの身体はみるみるうちに薄くなって消え始めた。我らに礼を言いたくて、律儀に留まっていたらしい。
我はプイッとプーレから顔を逸らし、拗ねるように口を尖らせた。
「はん、はた迷惑な幽霊が消えてせいせいするである。幽霊など存在していいわけがないのだ。とっとと成仏して生まれ変わるのだな。そんで、少しはマシな人生でも送れぃ」
「何ですかウーロさん。ツンデレ?」
「なわけなかろう!!」
もう二度と幽霊など会いたくないだけである。
『はいー。次は大豪邸に住むお嬢様を目指しますー』
ペットは飼い主に似ると言うが、この場合どちらだ。そんなことを思わせるセリフである。
『それでは皆さん、ありがとうございましたー』
ニコニコと手を振り、プーレの存在は完全に消失してしまった。ぽんすけが死んで複雑な気持ちではあったろうが、彼女自身もぽんすけが相当危険な存在になっていたのは察していたのだろう。
少なくともあのふざけた姿をした怪物が竜化していれば、ここら一帯が消滅してもおかしくはない。竜は例外なく災害を引き起こすのだ。
「さて、残った問題はアレじゃな」
消えたプーレを見届けて、次なる問題に目を向けた。そこはベタとガマが《ブラッド・ボム》なる技を披露した場所だ。
そこには巨大な角のようなものが残されていた。
「アレ、なんだろ」
「角みたいに見えますよねー」
サエラとシオンが意見交換を交わす。ぽんすけが爆発したあと、霧散した魔力が再び集結し、新たに構成して出現したのだ。
一部実態を持たない魔力で作られた魔物には、倒したあと同じように魔力が固まってアイテムになると言う話もあるが、それとは違う気がする。ちなみに最底辺に位置する精神生命体は何も残らない。
「我らの奥義は魔力を消し飛ばす技」
「あれが我らの力を無効化した」
ベタとガマが妙に冷静に感想を述べる。おそらくだが、二人の《ブラッド・ボム》とは、魔力を多く含む血液に干渉し、瞬時に発火。爆発させる魔法なのだろうと推測できる。
対有機生命体用として類を見ない凶悪な技だ。ゴーレムくらいじゃないと対処できないだろう。
「ぽんすけはこれを吸収したのだな」
「竜王のカケラとか言ってたな。もしや僅かに残ってる竜王の秘宝なのか?」
メアリーの言う竜王の秘宝とは、我が隠したお宝とかではなく、我が道連れに破壊した武器や防具たちのことだ。
装備品等は完全に消えたらしいが、加工してない鱗や骨とかは未だにどこかに残っているらしく、それらは竜王の秘宝と呼ばれているらしい。
しかし明確に発見されているわけではなく、あくまで学者とか頭の良い奴らがそう言ってるだけなのだと。
「竜王が自爆したときに世界にカケラが散らばったという話だが‥‥‥ウーロは記憶にないのか?」
語尾に近い最後を小声にし、メアリーが尋ねてくるが首を横に振って否定する。そもそも自爆した時点でそのあとどうなったかなど、我が知るわけがない。
こんなことならグロータルにでも聞いとけばよかった。
「しかしこれを吸収し、ぽんすけが強化されたとして‥‥‥一体どうやって取り込んだのだ」
大前提として角の大きさは2メートル近くある。掌サイズのトカゲが体内に吸収するには大きすぎると思うのだ。
みんな同じような疑問を抱えていたのか、ベタとガマ以外は悩むようにうーんと唸った。
竜王信者のこやつらならもっと騒ぐと思ったのだが‥‥‥偽物とでも思っているのか。
とりあえずこの危険物をどうにかしなくてはな。我はなんとなしに角に触れてみた
すげー光った。
「むぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!!」
「「「!?」」」
解き放たれた光の量は尋常じゃなかった。なんの警戒もしていなかったせいで、光を直視してしまったのだ。
め、目が焼ける、シヌゥ!!
「つ、角が」
「ウーロに取り込まれてく‥‥‥」
シオンとサエラの呟きが微かに聞こえ、込み上げる身体の熱に耐え切れず、我は気絶した。
「やめろ、やめろ」
「ウーロさんにもそういう時期が。非常によくわかりますよ」
「違うて」
「わかるぞウーロ。やつかれも時々、左手が疼く」
「やめろと言っているだろうがぁぁぁぁあ!!」
地団駄を踏み、不機嫌さをあらわにすると周りからドードーと気持ちを抑えるように促された。お前らのせいじゃ!
我は沸き出た怒りの発生源がどこなのか、膨大にある記憶を整理しようとしていただけなのだ。己の中に秘めた闇の力に目覚めたとかそうゆうのではないのだ!
「ウーロ殿。心配いらない」
慰めるようにベタが我の肩に手を当てる。おぉ、お主は味方になってくれるか。やはり良い子じゃのぅお主!と思ったのも束の間。ガマが続きのセリフを吐いた。
「ウーロ殿は偉大なる竜。秘めた力は妄想ではない。本当にある」
「然り然り」
だから違うのだ。
一向にこやつらは誤解を解いてくれない。それもそうだ。変化したはずの肉体はなぜか元の姿に戻っていて、我の中にある内側の力が急に膨れ上がった証拠も残ってないのだ。
さらにはヒカリゴケがあるとはいえ、地下室は薄暗い。我に起こった変化は身長が少し伸びたのと、手に関節ができたことくらいだった。遠くから見てはわからないだろう。
ブレスを喰らっても結局アフロになってたし、シオンたちからすれば、急に力に目覚めたと勘違いしてる痛い奴に見えたのだ。
ダンジョンでも頭のアフロを燃やして松明になったりしたので、火のダメージは受けないと知られていたのも原因の一つか。
「てゆうかウーロさん、前半かっこいいこと言ったあと、結局アフロになっただけですよね」
「そ、そんなことない」
腹を殴って吹き飛ばしたぞ。一回だけ。
『あのー』
なんとかシオンの指摘に反論しようとしていると、言いづらそうな小さな声が会話に入り込む。
声の主はプーレで、半透明の体がさらに薄くなっていた。身体を構成する魔力も減ったような気がする。
『ご迷惑をかけてすみませんでした。ぽんすけがあんな悪い子だったんて知りませんでした』
「いや、知ってる方がおかしいからの?」
ペットのトカゲが邪悪な性格をしてるなんてわかるわけがない。ましてや大きな力を手に入れて世界を征服しようとしているなど。
それでもプーレは申し訳なさそうに顔を下げている。
『皆さんのおかげで、この世の未練は無くなりましたー』
「でもごめん。プーレのペットが死んじゃった」
サエラが謝るとプーレは顔を左右に振った。そして悲しそうに眉を八の字に曲げながらも、無理して作った笑みを浮かべた。
自身の中で混乱を整理しきれていないのだろう。
だが理由はともあれ、ぽんすけが凶暴化した原因はわかった。もう未練はないのは本当なのだと思う。
『仕方ありません。私以外の誰かを怪我させるわけにはいきませんしー。私はあの世に行って、ぽんすけを叱ってこようかと思います』
「それじゃぁ」
『はいー、もう思い残すことはありません』
そう告げると、プーレの身体はみるみるうちに薄くなって消え始めた。我らに礼を言いたくて、律儀に留まっていたらしい。
我はプイッとプーレから顔を逸らし、拗ねるように口を尖らせた。
「はん、はた迷惑な幽霊が消えてせいせいするである。幽霊など存在していいわけがないのだ。とっとと成仏して生まれ変わるのだな。そんで、少しはマシな人生でも送れぃ」
「何ですかウーロさん。ツンデレ?」
「なわけなかろう!!」
もう二度と幽霊など会いたくないだけである。
『はいー。次は大豪邸に住むお嬢様を目指しますー』
ペットは飼い主に似ると言うが、この場合どちらだ。そんなことを思わせるセリフである。
『それでは皆さん、ありがとうございましたー』
ニコニコと手を振り、プーレの存在は完全に消失してしまった。ぽんすけが死んで複雑な気持ちではあったろうが、彼女自身もぽんすけが相当危険な存在になっていたのは察していたのだろう。
少なくともあのふざけた姿をした怪物が竜化していれば、ここら一帯が消滅してもおかしくはない。竜は例外なく災害を引き起こすのだ。
「さて、残った問題はアレじゃな」
消えたプーレを見届けて、次なる問題に目を向けた。そこはベタとガマが《ブラッド・ボム》なる技を披露した場所だ。
そこには巨大な角のようなものが残されていた。
「アレ、なんだろ」
「角みたいに見えますよねー」
サエラとシオンが意見交換を交わす。ぽんすけが爆発したあと、霧散した魔力が再び集結し、新たに構成して出現したのだ。
一部実態を持たない魔力で作られた魔物には、倒したあと同じように魔力が固まってアイテムになると言う話もあるが、それとは違う気がする。ちなみに最底辺に位置する精神生命体は何も残らない。
「我らの奥義は魔力を消し飛ばす技」
「あれが我らの力を無効化した」
ベタとガマが妙に冷静に感想を述べる。おそらくだが、二人の《ブラッド・ボム》とは、魔力を多く含む血液に干渉し、瞬時に発火。爆発させる魔法なのだろうと推測できる。
対有機生命体用として類を見ない凶悪な技だ。ゴーレムくらいじゃないと対処できないだろう。
「ぽんすけはこれを吸収したのだな」
「竜王のカケラとか言ってたな。もしや僅かに残ってる竜王の秘宝なのか?」
メアリーの言う竜王の秘宝とは、我が隠したお宝とかではなく、我が道連れに破壊した武器や防具たちのことだ。
装備品等は完全に消えたらしいが、加工してない鱗や骨とかは未だにどこかに残っているらしく、それらは竜王の秘宝と呼ばれているらしい。
しかし明確に発見されているわけではなく、あくまで学者とか頭の良い奴らがそう言ってるだけなのだと。
「竜王が自爆したときに世界にカケラが散らばったという話だが‥‥‥ウーロは記憶にないのか?」
語尾に近い最後を小声にし、メアリーが尋ねてくるが首を横に振って否定する。そもそも自爆した時点でそのあとどうなったかなど、我が知るわけがない。
こんなことならグロータルにでも聞いとけばよかった。
「しかしこれを吸収し、ぽんすけが強化されたとして‥‥‥一体どうやって取り込んだのだ」
大前提として角の大きさは2メートル近くある。掌サイズのトカゲが体内に吸収するには大きすぎると思うのだ。
みんな同じような疑問を抱えていたのか、ベタとガマ以外は悩むようにうーんと唸った。
竜王信者のこやつらならもっと騒ぐと思ったのだが‥‥‥偽物とでも思っているのか。
とりあえずこの危険物をどうにかしなくてはな。我はなんとなしに角に触れてみた
すげー光った。
「むぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!!」
「「「!?」」」
解き放たれた光の量は尋常じゃなかった。なんの警戒もしていなかったせいで、光を直視してしまったのだ。
め、目が焼ける、シヌゥ!!
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