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第1章〜ウロボロス復活〜
第1話「我、復活」
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うめき声が洞窟の中で響いた。いつもと違う声質に若干の戸惑いを覚えたが、まぁ自分が発したのだとすぐに理解できた。
「うぬぅ~」
ひさびさに動かす身体は固まってこそいなかったが、運動などしていない柔らかさがあって動かしにくい。堅牢な鱗もゴムのように軟弱だ。まだ完全に再生しきれていないのだろう。
それでも一つ一つの感覚が、我が生きているのだという証明になる。
思わず笑いがこみ上げた。
「ク、ク、ク、我は蘇ったぞ」
我は誰もいない洞窟の中で不敵な笑みを浮かべた。身体の中で徐々に力が湧き上がってくる感覚が登ってくる。そうだそうだ、この感覚だ。
我は数百年前、勇者に討たれるのではなく自らエネルギーを暴発させて自爆した。いわゆる自殺というやつである。
不死竜である我はたとえ肉体を損傷してもすぐに回復し、回復できない致命傷を負っても魂は死なず、何度でも蘇ることができる。‥‥‥体の再構築に100年かかってしまうが。
この特性ゆえ、人間たちに利用されてきたのだが‥‥‥まぁそこはどうでもいい。重要なのは我は死んでも蘇るという点である。
我は殺されても100年経てば生き返る。だが自殺は初めての経験だったのだ。
自爆は我の体の一片も残すことなく消し去った。なので死体がないのだ。一から体を作り直すのにどれだけの時間がかかるのだろうか?100年か、200年か。
ともあれ通常より復活に時間がかかることは間違いない。その時間は、人間にとって途方も無い時間であるはずだ。
おそらくしばらくの間は、人間どもは我の復活の時期を察知できないはず。もう討伐されるのはごめんだ。
いや、別に人間が怖いとかそんなんじゃないし。ただ勇者って我を倒すくらい強いから用心しなきゃだし!
「ぐぬぬおのれ人間め‥‥‥あ、そうだ。どこに行くか決めなくてはな!」
頭の中から忌々しい銀色の鎧を投げ捨て、我はこれからの生活のための思考へ切り替えた。
そう、我の目的はただ一つ!それは竜王などという肩書きなど投げ捨て、ただの野良ドラゴンとして安定した生活を送るのである!いくら復活することができるとはいえ、やはり死ぬというのはかなりの苦痛だ。もう慣れたけれど。
人間にバレぬうちに、スローライフを送るための目的地を探さなければ。我は頭に詰まったさまざまな地域の情報を思い浮かべる。
まず、スタートラインであるこの地は巨獣の壁とよばれる山岳地帯だ。
削り出したかのような岩に覆われて、麓以外は草木の姿はほとんど見えない。
遠目から見ると山がうずくまる獣に見えることから、この名がついたらしい。
厄介なのが、麓に住むエルフとよばれる人間たちの集落だ。彼らは我の復活を観察して、確認ができたら大国へ連絡を送るうざったい連中である。
しかもエルフはふつうの人間と違いかなりの長寿だ。1000年生きる者もいるのだから恐ろしい。我を覚えている者もいるかもしれぬ。
ここを出るときは慎重に行動せねば。
次に、ベヒモスウォールを越えれば豊かな土地が広がる帝国領地。北方人を中心とした巨大国家で、土地の広さはこの大陸でトップだ。
その分人口も多いので、ここに向かうのは賢い選択とは言えない。
さらに進むと外国との境界を隔てる氷山が並ぶ氷の大地が広がっている。そこには生物の数も少なく、人間が足を踏み込めばたちまちに凍りついてしまうと言われているほどだ。
‥‥‥寒いのは嫌だな。我、変温動物だし。
「‥‥‥まずい。我が平穏に暮らせる土地がないぞ」
頭を抱えて我はうずくまる。そもそもベヒモスウォールから出たことがほとんどない我の外への知識は、ほぼゼロと言って等しい。
近所にあんな店あったなぁくらいしか知らん。引きこもりがまさかこんなところで蝕んでくるとはぐぬぬ。
「いっそ、このままバレぬように引きこもるか?」
我は洞窟を見上げて呟いた。高さ10メートルはあろう大きな洞窟は、我が自我に目覚めた頃から変わりない。
洞窟なのだから変化していても見分けがつかないだけかもしれんが‥‥‥。
ん?ちょっとまて、見上げているだと?おかしい。我はあることに気がついた。少なくともこの洞窟よりも大きな体をしていたはずだ。
以前の我は首から尻尾までなら20メートルはある巨体を有していた。翼も大きく、手足も太い。こんな洞窟の中で復活すれば、腸詰めの肉のようにパンパンに詰まってしまうだろう。
自然にこの中で蘇ったせいで、違和感を感じるのが遅れた。そうだ、そういえば声も何だか高い気がする。それに手足も小さく短いかも。
「ま、まさか‥‥‥」
嫌な予感がする。我は近場にある水たまりに向かって走る。
洞窟の中は湿度が高いので、天井から落ちた水滴がこうして小さな水たまりを作ったりするのだ。
水の底は黒曜石のような黒い石の地面がある。そのおかげで水が光を反射し、簡易的な鏡として我の顔を映した。
蛇のような顔だったはずなのに、丸みを帯びている。人形のようだ。
ツノも固そうには見えず、軟骨のように柔らかいのだと見ただけでわかる。
首が短く、胴は二頭身と言ってしまっても構わないかもしれない。短足で、両手は爪が生えてるおかげでそこそこ長い。
翼も頼りなく、広げようとしても筋肉がないのか思い通りに動かない。
「おいおいそんな、嘘だろう‥‥‥!?」
この愛くるしさをも感じさせる小さな姿は、間違いなく自分のものだ。
「何で我、子竜になっているのだぁぁぁあ!!」
なぜか赤子の姿となってしまった自分を見て、我は死に際に放った時と同じような断末魔を叫んだのだった。
時を同じくして、ベヒモスウォールの麓にある小さな村。ここは古来より伝説の不死竜、竜王ウロボロスの復活を予言する「竜の巫女姫」がいることで有名であった。
竜王ウロボロスが復活しなくなってから随分と廃れてしまったが、寿命の長いエルフなので村の人口は依然として数を維持したままだった。
そんな中、他の家よりは少し大きな家の中で1人の老婆が悲鳴をあげた。
「ぎゃぁぁぁぁああああああああああ!!」
家の中は窓も扉も全て塞がれており、外からの光を完全に遮断している。
昼間だというのに真夜中のような暗闇の中で、白に赤い線の入った巫女服を着ていた老婆が、唯一の光源であるロウソクを押し倒して頭を抱えた。
完全に錯乱していた。老婆は誰にも聞こえない部屋の中で叫んだ。
「竜王が、竜王が蘇ったぁぁぁぁぁぁぁ!!」
そしてまた別の場所。ドロドロとした粘土質な土が大地を覆う湿地帯。そこには多くの人間の死骸が転がっていた。
かつてこの地は戦場であり、戦死した兵士が泥に埋まってそのまま保存されることが多々あった。
時としてそれらの死骸は動く死体となり、生者を襲うようになるのだ。
しかしこれらのウォーカーの死骸は、皆動くことなく眠りについている。数多の死体は首が切断されたり折られたり、頭部そのものが消失しているモノばかりだった。
それをやったのであろう二つの小さな影が、ゆっくりと天を見上げた。曇り空の中、一点の陽の光が差し込んだ。
影がケタケタと笑う。
「竜王さま。竜王さま。」
「お目覚め。」
「心待ちにしてた。」
「歓喜。歓喜。」
二つの影は仲良く手を繋ぎ、スキップするように歩き出すとそのまま霧の中へ消えていった。
「ふふ、ふふふ」
薄暗い古城の奥。古い台座の上にまたがった小さな竜がクスクスと笑みをこぼした。
蛇のように長い尾を、愛玩動物であるかのように撫でた。
「ウロボロス‥‥‥あぁ随分と遅いお目覚めだね。ふふふ、ずっと君のことを待ってたんだよ」
緑色の鱗に覆われたそれは、ボロ布の外套を着込み、ぴょんっと小さくジャンプして台座から降りた。体重自体が軽いのか、着地音は一切しない。
「さぁて、仕込みしないとね」
小さな竜はそう言うと、長い長い廊下を歩き始めた。クスクスと小さな笑いが古城に響く。
「竜王が蘇った」
白いタイルに柱、そして天井。白銀で作ったかのような純白さと輝きを両立した部屋で、1人の老人が重い体を椅子から持ち上げた。
ギィッと木と木が擦り合うと音がし、歩くと靴と床の合わさる硬質な足音がなった。
老人が無った先には、跪いた騎士がいた。
「かの邪竜が蘇った。勇者よ。必ずや仕留めるのだぞ」
「はっ」
老人の言葉に深くこうべを垂れた騎士は、俯いた顔を不気味に歪めた。
ウロボロスの復活は、案外世界中にバレていたのを本人は知る由もない。
「うぬぅ~」
ひさびさに動かす身体は固まってこそいなかったが、運動などしていない柔らかさがあって動かしにくい。堅牢な鱗もゴムのように軟弱だ。まだ完全に再生しきれていないのだろう。
それでも一つ一つの感覚が、我が生きているのだという証明になる。
思わず笑いがこみ上げた。
「ク、ク、ク、我は蘇ったぞ」
我は誰もいない洞窟の中で不敵な笑みを浮かべた。身体の中で徐々に力が湧き上がってくる感覚が登ってくる。そうだそうだ、この感覚だ。
我は数百年前、勇者に討たれるのではなく自らエネルギーを暴発させて自爆した。いわゆる自殺というやつである。
不死竜である我はたとえ肉体を損傷してもすぐに回復し、回復できない致命傷を負っても魂は死なず、何度でも蘇ることができる。‥‥‥体の再構築に100年かかってしまうが。
この特性ゆえ、人間たちに利用されてきたのだが‥‥‥まぁそこはどうでもいい。重要なのは我は死んでも蘇るという点である。
我は殺されても100年経てば生き返る。だが自殺は初めての経験だったのだ。
自爆は我の体の一片も残すことなく消し去った。なので死体がないのだ。一から体を作り直すのにどれだけの時間がかかるのだろうか?100年か、200年か。
ともあれ通常より復活に時間がかかることは間違いない。その時間は、人間にとって途方も無い時間であるはずだ。
おそらくしばらくの間は、人間どもは我の復活の時期を察知できないはず。もう討伐されるのはごめんだ。
いや、別に人間が怖いとかそんなんじゃないし。ただ勇者って我を倒すくらい強いから用心しなきゃだし!
「ぐぬぬおのれ人間め‥‥‥あ、そうだ。どこに行くか決めなくてはな!」
頭の中から忌々しい銀色の鎧を投げ捨て、我はこれからの生活のための思考へ切り替えた。
そう、我の目的はただ一つ!それは竜王などという肩書きなど投げ捨て、ただの野良ドラゴンとして安定した生活を送るのである!いくら復活することができるとはいえ、やはり死ぬというのはかなりの苦痛だ。もう慣れたけれど。
人間にバレぬうちに、スローライフを送るための目的地を探さなければ。我は頭に詰まったさまざまな地域の情報を思い浮かべる。
まず、スタートラインであるこの地は巨獣の壁とよばれる山岳地帯だ。
削り出したかのような岩に覆われて、麓以外は草木の姿はほとんど見えない。
遠目から見ると山がうずくまる獣に見えることから、この名がついたらしい。
厄介なのが、麓に住むエルフとよばれる人間たちの集落だ。彼らは我の復活を観察して、確認ができたら大国へ連絡を送るうざったい連中である。
しかもエルフはふつうの人間と違いかなりの長寿だ。1000年生きる者もいるのだから恐ろしい。我を覚えている者もいるかもしれぬ。
ここを出るときは慎重に行動せねば。
次に、ベヒモスウォールを越えれば豊かな土地が広がる帝国領地。北方人を中心とした巨大国家で、土地の広さはこの大陸でトップだ。
その分人口も多いので、ここに向かうのは賢い選択とは言えない。
さらに進むと外国との境界を隔てる氷山が並ぶ氷の大地が広がっている。そこには生物の数も少なく、人間が足を踏み込めばたちまちに凍りついてしまうと言われているほどだ。
‥‥‥寒いのは嫌だな。我、変温動物だし。
「‥‥‥まずい。我が平穏に暮らせる土地がないぞ」
頭を抱えて我はうずくまる。そもそもベヒモスウォールから出たことがほとんどない我の外への知識は、ほぼゼロと言って等しい。
近所にあんな店あったなぁくらいしか知らん。引きこもりがまさかこんなところで蝕んでくるとはぐぬぬ。
「いっそ、このままバレぬように引きこもるか?」
我は洞窟を見上げて呟いた。高さ10メートルはあろう大きな洞窟は、我が自我に目覚めた頃から変わりない。
洞窟なのだから変化していても見分けがつかないだけかもしれんが‥‥‥。
ん?ちょっとまて、見上げているだと?おかしい。我はあることに気がついた。少なくともこの洞窟よりも大きな体をしていたはずだ。
以前の我は首から尻尾までなら20メートルはある巨体を有していた。翼も大きく、手足も太い。こんな洞窟の中で復活すれば、腸詰めの肉のようにパンパンに詰まってしまうだろう。
自然にこの中で蘇ったせいで、違和感を感じるのが遅れた。そうだ、そういえば声も何だか高い気がする。それに手足も小さく短いかも。
「ま、まさか‥‥‥」
嫌な予感がする。我は近場にある水たまりに向かって走る。
洞窟の中は湿度が高いので、天井から落ちた水滴がこうして小さな水たまりを作ったりするのだ。
水の底は黒曜石のような黒い石の地面がある。そのおかげで水が光を反射し、簡易的な鏡として我の顔を映した。
蛇のような顔だったはずなのに、丸みを帯びている。人形のようだ。
ツノも固そうには見えず、軟骨のように柔らかいのだと見ただけでわかる。
首が短く、胴は二頭身と言ってしまっても構わないかもしれない。短足で、両手は爪が生えてるおかげでそこそこ長い。
翼も頼りなく、広げようとしても筋肉がないのか思い通りに動かない。
「おいおいそんな、嘘だろう‥‥‥!?」
この愛くるしさをも感じさせる小さな姿は、間違いなく自分のものだ。
「何で我、子竜になっているのだぁぁぁあ!!」
なぜか赤子の姿となってしまった自分を見て、我は死に際に放った時と同じような断末魔を叫んだのだった。
時を同じくして、ベヒモスウォールの麓にある小さな村。ここは古来より伝説の不死竜、竜王ウロボロスの復活を予言する「竜の巫女姫」がいることで有名であった。
竜王ウロボロスが復活しなくなってから随分と廃れてしまったが、寿命の長いエルフなので村の人口は依然として数を維持したままだった。
そんな中、他の家よりは少し大きな家の中で1人の老婆が悲鳴をあげた。
「ぎゃぁぁぁぁああああああああああ!!」
家の中は窓も扉も全て塞がれており、外からの光を完全に遮断している。
昼間だというのに真夜中のような暗闇の中で、白に赤い線の入った巫女服を着ていた老婆が、唯一の光源であるロウソクを押し倒して頭を抱えた。
完全に錯乱していた。老婆は誰にも聞こえない部屋の中で叫んだ。
「竜王が、竜王が蘇ったぁぁぁぁぁぁぁ!!」
そしてまた別の場所。ドロドロとした粘土質な土が大地を覆う湿地帯。そこには多くの人間の死骸が転がっていた。
かつてこの地は戦場であり、戦死した兵士が泥に埋まってそのまま保存されることが多々あった。
時としてそれらの死骸は動く死体となり、生者を襲うようになるのだ。
しかしこれらのウォーカーの死骸は、皆動くことなく眠りについている。数多の死体は首が切断されたり折られたり、頭部そのものが消失しているモノばかりだった。
それをやったのであろう二つの小さな影が、ゆっくりと天を見上げた。曇り空の中、一点の陽の光が差し込んだ。
影がケタケタと笑う。
「竜王さま。竜王さま。」
「お目覚め。」
「心待ちにしてた。」
「歓喜。歓喜。」
二つの影は仲良く手を繋ぎ、スキップするように歩き出すとそのまま霧の中へ消えていった。
「ふふ、ふふふ」
薄暗い古城の奥。古い台座の上にまたがった小さな竜がクスクスと笑みをこぼした。
蛇のように長い尾を、愛玩動物であるかのように撫でた。
「ウロボロス‥‥‥あぁ随分と遅いお目覚めだね。ふふふ、ずっと君のことを待ってたんだよ」
緑色の鱗に覆われたそれは、ボロ布の外套を着込み、ぴょんっと小さくジャンプして台座から降りた。体重自体が軽いのか、着地音は一切しない。
「さぁて、仕込みしないとね」
小さな竜はそう言うと、長い長い廊下を歩き始めた。クスクスと小さな笑いが古城に響く。
「竜王が蘇った」
白いタイルに柱、そして天井。白銀で作ったかのような純白さと輝きを両立した部屋で、1人の老人が重い体を椅子から持ち上げた。
ギィッと木と木が擦り合うと音がし、歩くと靴と床の合わさる硬質な足音がなった。
老人が無った先には、跪いた騎士がいた。
「かの邪竜が蘇った。勇者よ。必ずや仕留めるのだぞ」
「はっ」
老人の言葉に深くこうべを垂れた騎士は、俯いた顔を不気味に歪めた。
ウロボロスの復活は、案外世界中にバレていたのを本人は知る由もない。
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