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本編カットシーン
入浴の後は
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呼吸がちゃんとできるようになったドンボは、行為をやったことに対して、かなり怒っていた。
「あの…すみませんっした…」
「もうやらん! はぁ~、これだからケモノは!」
あのせいで顎は痛えし、まだ俺のやつも痛えし…。何よりも、初めてばかり奪われたのが腹が立つ。
まあ…気持ちよかったのは、不幸中の幸いだって認めてやらんこともないが。
「俺もつい勢いで…今日のことは忘れてほしいっす」
「…別に、覚えておくつもりもねぇよ。じゃ、先に部屋戻ってるからな」
寂しそうな顔をしているエドを残して、俺は脱衣所を出た。覚えておくつもりはない、この言葉に嘘はないからな。
だって、覚えておく必要がねぇからな。もう俺とテメェは、そういう関係を持ってるんだからよ。
まっ、下げて上げるってのが定番の流れだろ? アイツも分かってるはずだ。
そう考えて、俺は集合時間10分前まで、デ・ロワーの中庭で寝転がっていた。
気持ちのいい風が、頬を撫でる。その快感は、エドの手を彷彿とさせる。
「ん~、あったけー! ずっと春が続けば良いのによ~」
「あっ…」
「ん? エドじゃねぇか。来いよ、時間まだある-」
「っ!」
「ちょ、なっ⁉︎」
俺の顔を見るなり逃げるって、どういう風の吹き回しだよ、おい! 失礼というか、流石の俺でも傷つくぜ⁉︎
まさか、俺の作戦に気付いてないとかか…? だとしたら、ここは追いかけるのが定石だよな。あのバカめ、本当に下げて上げさせやがって!
「おい待て、エド!」
「もう俺に絡まなくて良いっすから!」
「逃がすかよ!」
いくらヒョウだからって、この俺の足から逃れられると思うなよ! 実験で強化された脚力に、勝てると思うな!
「そうら、捕まえた!」
「もう良いっすよ! また…やな思いさせるだけっすもん…」
「あのなぁ…俺が、いつ、嫌だって言ったよ! だったらあんなあっさりと、承諾するわけねぇだろうが! その……なんだ。テメェに…惚れたんだ。カッコ悪いけどよ」
「へ…惚れた…? 俺にっすか?」
「だったら、他に誰がいんだよ。俺、そんな浮気野郎だと思ってんのか?」
またしても失礼だな。しかも、お前とが初めてだって言っただろうが。この短時間で、他人とヤレるわけねぇだろ。
「そうじゃないんすけど……」
「あれは…俺の技量不足だよ、認める。だから…俺から離れるな。それに…人工呼吸はノーカンだ」
俺の完敗だ、エド。どうやら、俺は自分で分かってなかっただけで、お前みたいなヤツが好みらしい。
今日、それが分かった。昔から、女に興味を持てなかった理由も頷ける。だから、これが俺なりの、最大の恋愛表現だ。
俺の、本当の初めてのキス…。お前で良い。身長差のせいでジャンプしてのものだが…やっぱ、受け止めてくれたな。へへっ、信じてるって、証だぜ。
「これで、良いんだろ? 俺が……こんなことまで言わせんな! あとはテメェで理解しやがれ!」
「ドンボ……はいっす!」
よし。笑顔になったなら、それで良い。そうでなきゃ、俺の隊長としてのメンツもズタボロだからな。
「エド。ゲートの向こうでも…よろしくな」
「もちろんっす!」
俺のパートナー、か。こういうのも、悪くないな。俺と20センチメートルくらい身長高そうなのが、鼻につくけど。
「何か言いたげな顔っすね」
「別になんでもねぇぜ。それじゃ、残り5分だし…戻るぜ!」
エドの手をギュッと握りしめた。離さぬように、ただ、強く。
エドも握り返してくれている。俺たちの恋路は、誰にも邪魔させたしねぇぜ。邪魔して良いのは、俺だけ、ってな!
「あの…すみませんっした…」
「もうやらん! はぁ~、これだからケモノは!」
あのせいで顎は痛えし、まだ俺のやつも痛えし…。何よりも、初めてばかり奪われたのが腹が立つ。
まあ…気持ちよかったのは、不幸中の幸いだって認めてやらんこともないが。
「俺もつい勢いで…今日のことは忘れてほしいっす」
「…別に、覚えておくつもりもねぇよ。じゃ、先に部屋戻ってるからな」
寂しそうな顔をしているエドを残して、俺は脱衣所を出た。覚えておくつもりはない、この言葉に嘘はないからな。
だって、覚えておく必要がねぇからな。もう俺とテメェは、そういう関係を持ってるんだからよ。
まっ、下げて上げるってのが定番の流れだろ? アイツも分かってるはずだ。
そう考えて、俺は集合時間10分前まで、デ・ロワーの中庭で寝転がっていた。
気持ちのいい風が、頬を撫でる。その快感は、エドの手を彷彿とさせる。
「ん~、あったけー! ずっと春が続けば良いのによ~」
「あっ…」
「ん? エドじゃねぇか。来いよ、時間まだある-」
「っ!」
「ちょ、なっ⁉︎」
俺の顔を見るなり逃げるって、どういう風の吹き回しだよ、おい! 失礼というか、流石の俺でも傷つくぜ⁉︎
まさか、俺の作戦に気付いてないとかか…? だとしたら、ここは追いかけるのが定石だよな。あのバカめ、本当に下げて上げさせやがって!
「おい待て、エド!」
「もう俺に絡まなくて良いっすから!」
「逃がすかよ!」
いくらヒョウだからって、この俺の足から逃れられると思うなよ! 実験で強化された脚力に、勝てると思うな!
「そうら、捕まえた!」
「もう良いっすよ! また…やな思いさせるだけっすもん…」
「あのなぁ…俺が、いつ、嫌だって言ったよ! だったらあんなあっさりと、承諾するわけねぇだろうが! その……なんだ。テメェに…惚れたんだ。カッコ悪いけどよ」
「へ…惚れた…? 俺にっすか?」
「だったら、他に誰がいんだよ。俺、そんな浮気野郎だと思ってんのか?」
またしても失礼だな。しかも、お前とが初めてだって言っただろうが。この短時間で、他人とヤレるわけねぇだろ。
「そうじゃないんすけど……」
「あれは…俺の技量不足だよ、認める。だから…俺から離れるな。それに…人工呼吸はノーカンだ」
俺の完敗だ、エド。どうやら、俺は自分で分かってなかっただけで、お前みたいなヤツが好みらしい。
今日、それが分かった。昔から、女に興味を持てなかった理由も頷ける。だから、これが俺なりの、最大の恋愛表現だ。
俺の、本当の初めてのキス…。お前で良い。身長差のせいでジャンプしてのものだが…やっぱ、受け止めてくれたな。へへっ、信じてるって、証だぜ。
「これで、良いんだろ? 俺が……こんなことまで言わせんな! あとはテメェで理解しやがれ!」
「ドンボ……はいっす!」
よし。笑顔になったなら、それで良い。そうでなきゃ、俺の隊長としてのメンツもズタボロだからな。
「エド。ゲートの向こうでも…よろしくな」
「もちろんっす!」
俺のパートナー、か。こういうのも、悪くないな。俺と20センチメートルくらい身長高そうなのが、鼻につくけど。
「何か言いたげな顔っすね」
「別になんでもねぇぜ。それじゃ、残り5分だし…戻るぜ!」
エドの手をギュッと握りしめた。離さぬように、ただ、強く。
エドも握り返してくれている。俺たちの恋路は、誰にも邪魔させたしねぇぜ。邪魔して良いのは、俺だけ、ってな!
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