中学生の弟が好きすぎて襲ったつもりが鳴かされる俳優兄

えびフィレオ

文字の大きさ
上 下
106 / 128
両親編

悪夢と予知夢

しおりを挟む
[父親視点]

また浅い眠りから覚めた。
…………。
ここ数日、自分と妻が子を残して死ぬ夢を見る。
信じ難いが………こう数日も立て続けに見ると眠るのが嫌になってくる。
俺の隣で寝息を立てている息子の髪を撫でた
………まだ5歳だ。この子を残していくなんて、絶対にできるわけがない………
「レイ~!起きてる?ミルク作るの手伝って!」
ああ、妻はもう起きていたのか。
アークを起こさないようにベッドから抜け出し、リビングに急いだ。
「おはよう。ノアくんがお腹すいてるみたい」
彼女はフォトン(1歳)をあやしている。
俺たちの子は3人いて、そのうちの2人はまだ幼児だから育児が大変である
キッチンへ歩き、消毒済みの哺乳瓶を使ってミルクを作る
カウンターキッチン越しに、妻の美しい顔を見てみた。
妻の名はネモ。……3人子を産んだが、まったく具合が悪そうには見えない。
そうだ。あれは所詮ただの夢だ。
待ちきれないのか、ノアが気の抜けた声で泣き始めた
「はいはい~、今パパがご飯作ってくれますからねー」
ようやくミルクができた。
すると寝室とリビングを繋ぐ扉が開き…
アークが起きてきた。(彼が開けられるように扉は少し開けておいた)
「父さん、俺がミルクあげたい!」
「お、助かるよ。じゃ俺がノア支えてるから、あげてやってくれ」
…弟にミルクをやるアーク。可愛いな…♡
「ネモ、アーク幼稚園で5人の女の子から告白されたらしいぞ」
「ちょっと!父さんやめろよっ」
「へぇ、すごいわね
誰かと付き合うのかしら?」
「付き合うわけないよ!」
「おっと、全員断ったのか!?
プレイボーイだな~」
顔を赤くして俺を睨む息子がかわいくて、ついからかってしまう。
「フォトンもかわいいな~、幼稚園でモテモテになっちゃうかもな」
なんて言うと、妻は青ざめた顔をした
「ダメよ!フォトンちゃんには経済力があって自立していて不貞行為を働かない相手じゃないと許しませんっ」
経済力の時点で、子供相手では無理なのでは…
「じゃあ、年上と恋愛するって事かい?」
「!!!ロリコンじゃないの!
私の可愛いフォトンちゃんはそう簡単にやらないわよ!」
年上もダメなんだね…
と言っていると、娘が母親に抱きついた
「まーまー♡」
「あら、かわい~♡
はやく復職したいと思ってたけど、フォトンちゃんと会えなくなるのは寂しいわ~~~」
ノアにミルクをあげ終わったので、背中を叩いてげっぷさせているうちに眠ってしまったようだ
妻が長男に声をかける
「アーク、フォトンちゃんと一緒に絵本読んであげよっか?」
「え?俺もう赤ちゃんじゃないよ!」
………。俺はそろそろ仕事にかかろうかな?
あ、でもその前に……
妻に近づき、キスをした。
「ちょ、ちょっと!アークいるでしょ!?」
「関係ないだろ?アーク、父さんと母さんは仲良しなんだよ、いいだろ?」
「知ってるよ…。あ、じゃあ俺もノアにチューしていい?」
!?
「え、えーと…お前とノアが仲良しなのは分かってるが、それとは違くてだな…」
「なんで!?俺もノアとチューしたいっ」
「アーク、ノアは寝ているから起こしちゃダメよ…?」

書斎にこもり、紙を広げる
俺は作家で、妻は腕利きの弁護士だ
今書いているのは…端的に言うと不倫の話だ
俺は純愛なんてものは書かない。つい歪んだ恋愛ばかり書いてしまう
……しかし、今書いているものもまったく筆が進まなくなってしまった……
ただの不倫なんて、ありきたりすぎる。
そもそも女と男という枠に囚われている時点で、その辺にある恋愛小説と大差ない代物じゃないか。
はぁ………もっと毒薬のような過激さが欲しい。
もっと、主人公をクズにするには…
ふと、机の上に飾られた妻の写真が目に入る
美しいな………
妻は堅実な稼ぎ頭だが、実は淫魔の体質を持つ。
本人は嫌気が差しているらしいが、自分は妖艶で大変よろしいんじゃないかと思っている
…!そうだ。不倫相手を淫魔にしてみよう。
それも最初は無垢な少年に見せかけておいて、主人公が手を出して溺れきったところで淫魔の姿と化した彼女の腕の中で殺される……あぁ………最高じゃないか!
そうと決まれば構想も練り直しだ。
…………
………
書いているうちに泣き声が聞こえるので、席を立って世話をしに行く
オムツ替えたが、まだ泣いている…
うむむむむ……み、ミルク…?
「ノア…!」
ネモとお勉強をしていたアークがやってきた
「こらっアーク!この問題解いてからにしなさい」
「で、でもノアが…!」
「まあまあ、アークはノアが心配で来たんだろ?エラいなぁ」
なんて言ってると、アークはじっと弟を見つめている。
「………父さん、ノア寒そう」
…え?全くそんな風には見えないが、その辺から毛布を1枚取って被せてやるとすぐに泣き止んだ
「アークすごいなぁ、さすが元赤ちゃん」
と頭を撫でてやる
「いや元赤ちゃんはみんなそうだろ…」
なんて照れてて、かわいい
「ノア…俺がついてるから大丈夫だぞ」
なんて言って彼は弟の頭を撫でると、次男は兄に向かって笑っていた。
うぅ…なんて愛らしいんだ…!
「あーう、あーう」
ん、フォトンが何か言っている。
「フォトン…!かわいいなぁ」なでなで
「きゃー♡」
アークって言ってたのか…?な、なんて事だ…!
まだパパって言ってもらったこともないのに…!
「アーク、お前パパ向いてるよ」
「へ?」
アークもいずれは誰かと結婚して、誰かの父親になるのだろうか?
そう思うと目頭が熱くなってくる
「アーク~!そろそろお勉強しますよー」
「はーい」


自然と夢の中だとわかる
曇った空、黒い傘……黒い服を着た人……
………なんだこれ、葬式か?
一体誰の…………
……………っ
標には、紛れもなく……
俺と妻の名が刻んであった。
…………、、さすがに恐怖で震えていると、
向こうに子供が3人立っているのがわかる
……赤色の髪をした中学生程度の端正な見た目の少年と、
まだ年端もいかない金髪の少女と黒髪の少年が立っていた。
………まさか、この子達……俺たちの子か…?
フォトンらしき少女は、アークらしき少年に抱きついて泣いている。
あぁ……嘘だろ!?なんなんだよこの間から…!
さすがの俺でも、受け入れられなくてどうしようもなくなる
こ、こんな夢見せてなんだって言うんだ…!
妹の髪を撫でるアーク。ただ泣きじゃくるフォトン。幼さから、何が起こっているのか分かっていないノア……
胸が押しつぶされそうだ…こんな夢、早く覚めてしまえ…!
「…さん」
…!
「とうさんっ」
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

こども病院の日常

moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。 18歳以下の子供が通う病院、 診療科はたくさんあります。 内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc… ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。 恋愛要素などは一切ありません。 密着病院24時!的な感じです。 人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。 ※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。 歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。

お兄ちゃんはお医者さん!?

すず。
恋愛
持病持ちの高校1年生の女の子。 如月 陽菜(きさらぎ ひな) 病院が苦手。 如月 陽菜の主治医。25歳。 高橋 翔平(たかはし しょうへい) 内科医の医師。 ※このお話に出てくるものは 現実とは何の関係もございません。 ※治療法、病名など ほぼ知識なしで書かせて頂きました。 お楽しみください♪♪

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

ある少年の体調不良について

雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。 BLもしくはブロマンス小説。 体調不良描写があります。

処理中です...