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映画デート編
天才俳優
しおりを挟む映画が始まった
兄さんとボクは1番後ろの席に座る
日曜日だが、1番早い時間に来たせいか同じ列には誰も座っていなかった
なんだ…?前の方に女性客がたくさん座っている
「なるべく近くでアーク様みたいよね~♡」
「アイドルの×くんもかっこよくない?」
「でも一番かっこいいのはアーク様でしょ!」
わ…やっぱり兄さん人気なんだ…。
ふふ。兄さんかっこいいもんな…。ちょっと誇らしくなった
と思い横に座っている張本人を見ると、ポップコーンをバリバリ食べていた
「ちょっと!まだ始まってないのに無くなっちゃいますよっ」
「ん、ノアも食べたいのか?ほらアーン♡」
違うってーー!!
とかなんとかやっていると映画が始まった
「あーやっぱり俺超イケメンだな~」
……。
「ほらここのシーン、イケメンじゃね?」
………。
「兄さん、ここは家じゃないんですっ
かっこいいのは分かりますが静かにしてくださいっ」
「…………」
あ、静かになった。
あ……兄さんが多めに出てくるシーンになった。
彼は主役である女性教師の先輩教師の役をやったらしい
理科の先生だと言っていたが、すごくかっこいい…
『分からないことがあれば、何でも聞いてくださいね』ニコッ
………!!!!
や、やばい……かっこいい……
他にもイケメン役としてその辺のアイドルが出演してたりしているが、兄さんが一番かっこいい…。
『主人公先生は可愛いですね……♡
こんなに可愛いなら生徒たちも放っておかないでしょう?』
うぅ………兄さんが女性を口説くとしたら、こんな風にやるんだろうな。
『そ、そんなこと…!むしろ男子生徒からは、からかわれてるくらいですよっ…』
『からかわれている……?へぇ…』
!!画面の中の兄さんは、主人公に近づき唇を触る
その細い指が、爪が……桜色の唇を押して……
え、えろい………!!
「ん…なんかここのシアター暑くね……?」
あなたのせいですよっ…!!
『し、失礼しますっ』『おっと』
画面の兄さんは、逃げようとする主人公を捕まえ………抱きしめた
わ、わぁ………顔がどんどん熱くなってくる
こ、こんなの高校生が見る内容じゃないっ!
なのにどんどん兄さんの演技に釘付けになっていく
彼は主人公の頬を撫で、見つめ合い、、
「おーい、ノア~…そろそろキスシーン……」
・・・・
「……聞いてる?のあ~」とんとん
・・・・・・・
画面の中の2人は唇を………
と思ったら、細い指がボクの頬を包み、横を向かされた
スクリーンに映された美しい顔が目の前、に…!
「んっ………!?」
映像の中でしているのと同じように、キスをされた
そして唇を離し、すぐにまたキスをされる。
ボクの腰を撫でる。
全て映画と同じ動作だった
そ、そんな………♡
やっと唇を話したと思ったら、今度は耳元に寄り、、
『ふふっ、嫌がらないんだ…♡』
~~~~~!!?!?
『……もっとすごいこと、しましょうか…♡』
だ、だめ………!!
『だ、ダメですっ!今度こそ失礼しますー!』タタタッ
ふ、ふぅ……危なかった………。
…映画が終わった
結局その映画で、主人公は誰を選ぶことも無くモテモテなまま終わった。
……中途半端な態度とってないで、早く誰か1人に決めてあげないと相手に失礼なんじゃないか…?
と現実的な事を考えていたが創作物だとあの終わり方が都合良いのだろう。
シアタールームを出て、ゴミを捨てる
「いや~あれは我ながら天才演技だわ~
俺かっこよかっただろ?」
うぅ………なんだかはずかしくて、マトモに兄さんの顔が見れない……!!
顔見れないまま、ボクは兄の手を握った
「…ん、どうしたんだよ♡かわいいなぁ」
「……った、です……」
「ん?」
「に、兄さんすごくかっこよかったです…!」
「…!嬉しい♡ノアにそう言って貰えるのが1番嬉しいぞ♡」なでなで
うぅ…………
恥ずかしながら抱きついて甘えたいけど、映画館だし……。
「で、でも、、途中のアレはずるいですよっ」
「ん……キスしたことか?」
わ、わざわざ言わなくてもっっ
「だってノア画面に釘付けだったから♡そんなに俺がイケメンだった?」
…………。悔しいけど、頷く
「…♡ふふっ、でも横向けば実物いるからな?」
そ、そうだけど…!今は恥ずかしくてその実物が見れないっ……
「ノア、この後どうする?」
「んー…ボク本屋で参考書買いたいけど、それ以外に行きたい場所はないです」
「ん、じゃあ本買って飯食って帰ってイチャイチャすっか♡」
結局そうなるんだ……
本屋で理系向けの数学の参考書を選ぶ
んー……分かりやすいのがいいんだけど…。
あ、クチコミで1位の本だ。これにしようかな
「のあっ♡何見てんの?」
「…!兄さん!数学の本ですよ」
「へーえ…俺高校の時は授業中寝てたから数学はもう忘れたわ~」
(※実はアークを大学に通っている設定にしようかこの期に及んで悩んでいる作者であった。)
む…それ、不特定多数に兄さんのエロい寝顔を見られたってこと…?
「ふーん……ボクお会計してきますっ」
「え?俺なんか変なこと言った!?のあ?」
「…あ!兄さん今月なんか雑誌に載ってましたっけ?」
「ん、今月は△△と○○に載ってるハズだぞ!買ってくれるのか?♡」
も、もちろん………
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「・・・。自分で持っときたいんですっ」
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に、兄さん……
「でも!せめて雑誌2冊は俺に払わせてくれ!
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………ふふっ。
「じゃあ、それでお願いします」
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