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16.アルファの覚悟
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ひびきさん、起きて。目覚まし鳴ってるよ、ひびきさん……。
何度かくりかえして、肩をゆらすと、うっすらと目が開いて、ぱちぱちとまばたきする。
「おはよう」
「……ぉはよぅ……?」
響己さんは明らかにまだ寝ぼけていた。
こんな無防備な響己さんを見たことがなかったので、なんだかむずむずする。得した気分だ。
ぼくは初めて響己さんより早く目覚めた。
それはたぶん、いつもとちがう場所で、いつもと違いすぎる枕で寝たせいだ。
まさかの響己さんの腕枕。
固くてやわらかい特別な枕で、寝心地は正直そんなによくないけど、響己さんのにおいと体温につつまれて眠れるところがどんな枕と比べても最高。
ぼくたちはついに、いっしょのベッドで眠ることができた。
「眠いならまだ寝てて。今日はぼくがごはんつくるよ」
横になったままぼーっとしてる響己さんを置いて部屋を出る。
このおうちで料理をしたことはまだないけど、食材と家電の置き場所や使い方はだいたいわかってる。それに朝ごはんなら、料理というほどの調理はしないからぼくでもできるはず。
まずは手と顔を洗って、食パンをオーブントースターに入れる。
この食パンは、なんだかものすごくおいしいやつだ。分厚くてふわふわやわらかくて、そのままでもカリッと焼いてもおいしい。なくなりそうになるといつの間にか買い足される。
冷蔵庫には常に3種類以上のジャムが入ってる。ぼくはお気に入りのブルーベリーのジャムとバターを取り出した。
この冷蔵庫にはマーガリンがはいってなくて、ジャム以外はぬらないのかと思いきや、響己さんはこのバターをぬってパンを食べるのが好きみたい。
パンはトースターにおまかせするとして、あとはコーヒーとサラダだ。
響己さんは立派なおうちに住んでいて、食べるものも着るものも良いものばかりだけど、コーヒーには全然こだわりがないらしく、粉にお湯をそそぐだけのものを毎朝飲んでる。コーヒーがなければ紅茶でも緑茶でもいいらしい。
そのふしぎなアンバランスさのおかげで、ぼくにも響己さんの朝食が用意できるわけだけど。
あとは冷蔵庫の下の段に入ってるたくさんの野菜の中から、切らなくていいレタスとプチトマトを洗ってちぎってお皿に盛る。なんだか物足りないので、響己さんがやっていたのをまねて、サラダチキンをちぎってのせてみた。
そうこうしているうちにトースターが元気に鳴ったので、あたたかいうちにバターとジャムをぬる。
「ひびきさーん、ごはんだよー」
テーブルにお皿を運んでいると、響己さんがのそのそと寝室から出てきた。
パジャマのままでテーブルをぼーっと見下ろして、次にぼくをぼーっと見つめる。
「……これ、御影が?」
「うん。響己さんがつくってくれるごはんに比べたらぜんぜんだけど、って、わぁ」
無言でハグされた。
「みかげ、好きだ……結婚してくれ」
どうやらまだ寝ぼけているらしい。
「はいはい、顔洗ってきて?」
「……」
なんだかうらめしそうな目で見られたけど、寝ぐせまみれでシャキッとしてない響己さんのまま出社させるわけにいかない。
のそのそと洗面所へ向かう背中を見送って、思う。
ついお客さん相手みたいにあしらってしまったな、とか。
「つがいになって」とは言われたけど「結婚して」と言われたのははじめてだったな、とか。
アルファはオメガのつがいをたくさん持てるけど、結婚相手はバースに関わらずひとりだけだから、けっこう重いことを朝一番に言うんだな、とか。
冗談ならそんなこと、言わないでほしかったな、とか。
色々考えながらテーブルの準備を終えたぼくの前に座ったのは、いつもどおりシャキッとした響己さんだった。
「ありがとう、御影が作った朝ごはんを食べられるなんて夢のようだよ」
「こんなので良かったら明日もつくりますよ」
「本当に? 嬉しいな。じゃあ婚姻届だけでも早めに出してしまおうか」
「え?」
「え?」
トーストをかじって固まったぼくを、コーヒーのマグカップを持ったまま固まった響己さんが見つめる。
「…………あぁ、なるほど、さっきのは夢か」
「さっきのって?」
「わたしが御影に結婚してくれと言って……御影が『はい』と言ってくれる夢だった」
ぼくが言ったのは「はいはい」のような気がする。
でも一応、だいぶ事実がねじ曲がっているけど、夢ではない。
そう説明すると、響己さんはなんとも言えないくしゃくしゃした顔になって、それから真顔になった。
「御影、きみはつがいになることは承諾してくれたけど、結婚については、その、どう思う?」
「どう、と聞かれても……ぼくには縁がなさそうだなと思ってます」
「……そうか……」
響己さんは右手にカップを持ったまま、左手で頭を抱えてしまった。
ぼくの返答がよくなかったことは明らかだ。気の利いたことを言って、朝食を再開してほしかったけれど、そんなことぼくにできるはずもなく。
「あのね、ぼく、響己さんだけのものにしてほしいと言ったけど、ぼくだけの響己さんをほしがったわけじゃないんです」
「それ、は、同じじゃないのか?」
「アルファはたくさんつがいを持てるから」
オメガはうなじを噛まれたら、そのアルファだけがぜんぶになると聞く。
発情期にもとめるのも、フェロモンがさそうのも、気持ちをあずけるのも、ぜんぶだって。
だからぼくが響己さんのつがいになれば、ぼくには響己さんだけだけど、響己さんは……アルファはそうじゃない。
アルファはオメガのつがいをいくらでもつくることができる。
お店の子たちが事故でつがい関係になってしまったとき、彼ら彼女らは泣きながら、もしくは泣きつかれた顔で言っていた。「おめかけさん扱いなら上等。発情期の相手をしてもらえるかすらわからない」って。
響己さんは、オメガを噛んで放置するようなひとじゃないってわかってる。
でもアルファなのだから、オメガひとりだけにする必要はない。
楽しむために見目の良いオメガ、子どもを産ませるために女オメガ、という使い分けをするアルファも多いと聞く。
「なるほど。だいぶ信用してもらえてると思えてきたところにこれか」
「響己さん?」
「なんでもないよ。そうだね、その辺を説明してないわたしが悪い。少し、時間をもらえるかな」
「はい……」
時間がほしいというのは、うなじを噛むのはもう少し先で、という意味だろうか。
どのみちぼくに選択肢はないので、はいとうなずく。
ただ、できることはある。
響己さんがいってきますと言って出ていった。ぼくはいってらっしゃいと手を振って見送った。
それからはさっそく行動開始だ。
本来、数ヶ月に一度のオメガの発情はあまり周期が乱れることはなくて、ぼくも周期的に発情期を迎えていたのだけど、あるときから周期がぜんぜん読めなくなってしまった。
わからなければわからないなりに、おつとめをせいいっぱいがんばって周期のことも忘れていたけれど、落ちついている今は発情周期をきちんとおぼえておかないといけない。
オメガの発情にはいくつか前触れがあって、そのひとつが数日前から始まる発熱。
このおうちの救急箱がどこにあるかは教わってあったし、箱の中には体温計もあった。裏が白いチラシを新聞の間から引っ張りだして、さっそく体温と計測日時を記録する。
つがいになるにしても、避けるにしても、周期はわかっていたほうがいいだろう。その一心だった。
響己さんの言う「時間がほしい」というのは、意外と短い日数だった。
仕事を終えて帰宅した響己さんと晩ごはんを食べて、それから「話がある」と向かいあって座ったソファ。
「こういうの、知ってるかい?」
響己さんが差し出してきたのは一冊のパンフレットだ。
さらさらした手触りのいい紙にはいろいろな写真やイラストがそえられているけれど、いまいちよくわからない。
「響己さん、これはなんのパンフレットですか?」
「アルファの去勢手術について紹介するパンフレットだよ」
「きょ……ッ」
ぼくは絶句してパンフレットを取り落とした。
キョセイ、去勢……? それはつまり、子どもができないようにするということで。
「ちんちん、切っちゃうの!?」
「いやちんちんは切らない。切るのは中の管だけだよ」
「あ、そうなんですか……」
去勢という単語を聞いた瞬間、おまたが信じられないくらいキュッと縮んだ感触があってドキドキしてしまった。よかった、ちんちんは無事。
「えと、でもこれアルファの……なんで、響己さんが……?」
「うん。もうちょっと後ろの方のページ開いてくれる?」
言われた通りにページを送っていくと、雰囲気の違う紙面があらわれはじめた。まるで商品カタログみたいな見た目だ。
「これは差し歯なんだ。アルファの犬歯に合わせて作られてる」
「アルファの犬歯……?」
「オメガのうなじを噛んで番にするのは、アルファの特殊な犬歯の能力があるからこそなんだ。これはパイプカットと違って、オメガを番にする能力を失うための手術。一応『去勢』の一種だよ」
真剣な表情の響己さんがまっすぐぼくに言う。
「わたしは御影を番にしたら、この手術を受けて犬歯を抜く。御影以外に番は作らない、その証明のために」
何度かくりかえして、肩をゆらすと、うっすらと目が開いて、ぱちぱちとまばたきする。
「おはよう」
「……ぉはよぅ……?」
響己さんは明らかにまだ寝ぼけていた。
こんな無防備な響己さんを見たことがなかったので、なんだかむずむずする。得した気分だ。
ぼくは初めて響己さんより早く目覚めた。
それはたぶん、いつもとちがう場所で、いつもと違いすぎる枕で寝たせいだ。
まさかの響己さんの腕枕。
固くてやわらかい特別な枕で、寝心地は正直そんなによくないけど、響己さんのにおいと体温につつまれて眠れるところがどんな枕と比べても最高。
ぼくたちはついに、いっしょのベッドで眠ることができた。
「眠いならまだ寝てて。今日はぼくがごはんつくるよ」
横になったままぼーっとしてる響己さんを置いて部屋を出る。
このおうちで料理をしたことはまだないけど、食材と家電の置き場所や使い方はだいたいわかってる。それに朝ごはんなら、料理というほどの調理はしないからぼくでもできるはず。
まずは手と顔を洗って、食パンをオーブントースターに入れる。
この食パンは、なんだかものすごくおいしいやつだ。分厚くてふわふわやわらかくて、そのままでもカリッと焼いてもおいしい。なくなりそうになるといつの間にか買い足される。
冷蔵庫には常に3種類以上のジャムが入ってる。ぼくはお気に入りのブルーベリーのジャムとバターを取り出した。
この冷蔵庫にはマーガリンがはいってなくて、ジャム以外はぬらないのかと思いきや、響己さんはこのバターをぬってパンを食べるのが好きみたい。
パンはトースターにおまかせするとして、あとはコーヒーとサラダだ。
響己さんは立派なおうちに住んでいて、食べるものも着るものも良いものばかりだけど、コーヒーには全然こだわりがないらしく、粉にお湯をそそぐだけのものを毎朝飲んでる。コーヒーがなければ紅茶でも緑茶でもいいらしい。
そのふしぎなアンバランスさのおかげで、ぼくにも響己さんの朝食が用意できるわけだけど。
あとは冷蔵庫の下の段に入ってるたくさんの野菜の中から、切らなくていいレタスとプチトマトを洗ってちぎってお皿に盛る。なんだか物足りないので、響己さんがやっていたのをまねて、サラダチキンをちぎってのせてみた。
そうこうしているうちにトースターが元気に鳴ったので、あたたかいうちにバターとジャムをぬる。
「ひびきさーん、ごはんだよー」
テーブルにお皿を運んでいると、響己さんがのそのそと寝室から出てきた。
パジャマのままでテーブルをぼーっと見下ろして、次にぼくをぼーっと見つめる。
「……これ、御影が?」
「うん。響己さんがつくってくれるごはんに比べたらぜんぜんだけど、って、わぁ」
無言でハグされた。
「みかげ、好きだ……結婚してくれ」
どうやらまだ寝ぼけているらしい。
「はいはい、顔洗ってきて?」
「……」
なんだかうらめしそうな目で見られたけど、寝ぐせまみれでシャキッとしてない響己さんのまま出社させるわけにいかない。
のそのそと洗面所へ向かう背中を見送って、思う。
ついお客さん相手みたいにあしらってしまったな、とか。
「つがいになって」とは言われたけど「結婚して」と言われたのははじめてだったな、とか。
アルファはオメガのつがいをたくさん持てるけど、結婚相手はバースに関わらずひとりだけだから、けっこう重いことを朝一番に言うんだな、とか。
冗談ならそんなこと、言わないでほしかったな、とか。
色々考えながらテーブルの準備を終えたぼくの前に座ったのは、いつもどおりシャキッとした響己さんだった。
「ありがとう、御影が作った朝ごはんを食べられるなんて夢のようだよ」
「こんなので良かったら明日もつくりますよ」
「本当に? 嬉しいな。じゃあ婚姻届だけでも早めに出してしまおうか」
「え?」
「え?」
トーストをかじって固まったぼくを、コーヒーのマグカップを持ったまま固まった響己さんが見つめる。
「…………あぁ、なるほど、さっきのは夢か」
「さっきのって?」
「わたしが御影に結婚してくれと言って……御影が『はい』と言ってくれる夢だった」
ぼくが言ったのは「はいはい」のような気がする。
でも一応、だいぶ事実がねじ曲がっているけど、夢ではない。
そう説明すると、響己さんはなんとも言えないくしゃくしゃした顔になって、それから真顔になった。
「御影、きみはつがいになることは承諾してくれたけど、結婚については、その、どう思う?」
「どう、と聞かれても……ぼくには縁がなさそうだなと思ってます」
「……そうか……」
響己さんは右手にカップを持ったまま、左手で頭を抱えてしまった。
ぼくの返答がよくなかったことは明らかだ。気の利いたことを言って、朝食を再開してほしかったけれど、そんなことぼくにできるはずもなく。
「あのね、ぼく、響己さんだけのものにしてほしいと言ったけど、ぼくだけの響己さんをほしがったわけじゃないんです」
「それ、は、同じじゃないのか?」
「アルファはたくさんつがいを持てるから」
オメガはうなじを噛まれたら、そのアルファだけがぜんぶになると聞く。
発情期にもとめるのも、フェロモンがさそうのも、気持ちをあずけるのも、ぜんぶだって。
だからぼくが響己さんのつがいになれば、ぼくには響己さんだけだけど、響己さんは……アルファはそうじゃない。
アルファはオメガのつがいをいくらでもつくることができる。
お店の子たちが事故でつがい関係になってしまったとき、彼ら彼女らは泣きながら、もしくは泣きつかれた顔で言っていた。「おめかけさん扱いなら上等。発情期の相手をしてもらえるかすらわからない」って。
響己さんは、オメガを噛んで放置するようなひとじゃないってわかってる。
でもアルファなのだから、オメガひとりだけにする必要はない。
楽しむために見目の良いオメガ、子どもを産ませるために女オメガ、という使い分けをするアルファも多いと聞く。
「なるほど。だいぶ信用してもらえてると思えてきたところにこれか」
「響己さん?」
「なんでもないよ。そうだね、その辺を説明してないわたしが悪い。少し、時間をもらえるかな」
「はい……」
時間がほしいというのは、うなじを噛むのはもう少し先で、という意味だろうか。
どのみちぼくに選択肢はないので、はいとうなずく。
ただ、できることはある。
響己さんがいってきますと言って出ていった。ぼくはいってらっしゃいと手を振って見送った。
それからはさっそく行動開始だ。
本来、数ヶ月に一度のオメガの発情はあまり周期が乱れることはなくて、ぼくも周期的に発情期を迎えていたのだけど、あるときから周期がぜんぜん読めなくなってしまった。
わからなければわからないなりに、おつとめをせいいっぱいがんばって周期のことも忘れていたけれど、落ちついている今は発情周期をきちんとおぼえておかないといけない。
オメガの発情にはいくつか前触れがあって、そのひとつが数日前から始まる発熱。
このおうちの救急箱がどこにあるかは教わってあったし、箱の中には体温計もあった。裏が白いチラシを新聞の間から引っ張りだして、さっそく体温と計測日時を記録する。
つがいになるにしても、避けるにしても、周期はわかっていたほうがいいだろう。その一心だった。
響己さんの言う「時間がほしい」というのは、意外と短い日数だった。
仕事を終えて帰宅した響己さんと晩ごはんを食べて、それから「話がある」と向かいあって座ったソファ。
「こういうの、知ってるかい?」
響己さんが差し出してきたのは一冊のパンフレットだ。
さらさらした手触りのいい紙にはいろいろな写真やイラストがそえられているけれど、いまいちよくわからない。
「響己さん、これはなんのパンフレットですか?」
「アルファの去勢手術について紹介するパンフレットだよ」
「きょ……ッ」
ぼくは絶句してパンフレットを取り落とした。
キョセイ、去勢……? それはつまり、子どもができないようにするということで。
「ちんちん、切っちゃうの!?」
「いやちんちんは切らない。切るのは中の管だけだよ」
「あ、そうなんですか……」
去勢という単語を聞いた瞬間、おまたが信じられないくらいキュッと縮んだ感触があってドキドキしてしまった。よかった、ちんちんは無事。
「えと、でもこれアルファの……なんで、響己さんが……?」
「うん。もうちょっと後ろの方のページ開いてくれる?」
言われた通りにページを送っていくと、雰囲気の違う紙面があらわれはじめた。まるで商品カタログみたいな見た目だ。
「これは差し歯なんだ。アルファの犬歯に合わせて作られてる」
「アルファの犬歯……?」
「オメガのうなじを噛んで番にするのは、アルファの特殊な犬歯の能力があるからこそなんだ。これはパイプカットと違って、オメガを番にする能力を失うための手術。一応『去勢』の一種だよ」
真剣な表情の響己さんがまっすぐぼくに言う。
「わたしは御影を番にしたら、この手術を受けて犬歯を抜く。御影以外に番は作らない、その証明のために」
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