15 / 21
15.いい匂い
しおりを挟む
響己さんがつくってくれた晩ごはんを食べて、交代でお風呂に入って、ぼくを待っていてくれた響己さんの手を取って、同じ寝室へ入る。
つないだ手ははなされることなく、寝室にひとつしかないベッドへつれていかれた。
ここで一度だけ夜をあかした。
それ以来、お洗濯でシーツを洗うときにしか上がっていない。
「御影、きて」
ベッドに座る響己さんが広げた腕のなかへ入る。
ちょっとぎこちなかったけれど、ぼくは響己さんにしがみつくようにくっついて、腰をまたぐように座った。
胸がぴったりくっついて、とくとく、ほんの少しだけだけど心臓の音がわかる。
ぎゅっと抱っこしてくれる腕を信じて、目の前の肩にほっぺたをくっつけた。
お風呂上がりの響己さんはいいにおいがする。
ボディソープの香りとはちがう。どんなにおいかと聞かれたら困るけれど、なんていうか、芳香剤とか香水とかじゃない感じだ。
涼しい季節の風のようなにおい。
「御影はいいにおいがするね」
「えっ。お風呂でちゃんと洗ったのに……」
鼻をならして響己さんのにおいをかいでいたけれど、ぼくがにおうとなると別だ。
洗い残しがあっただろうかとあわてたら、響己さんは笑って、これはオメガのフェロモンだと言った。
「薬のせいでほとんどわからなくなっていたけど、体が元に戻ってきて、フェロモンも香るようになったんだね。さっぱりした甘いにおいがするよ」
「それってどんなにおいですか?」
「うーん、わたしは甘いものに詳しくなくてね……なんだろうなぁ」
首輪ぎりぎりのところをかがれて、ぼくは恥ずかしいやらくすぐったいやら。
身をよじっても抱きあっているので逃げられず、響己さんの好きなようにしてもらうしかない。
「甘いにおい、きらいですか?」
「そんなことないよ。それに御影のにおいは特別。あぁ、いつまでも嗅いでいたいくらいだ……」
「んふふ、響己さんワンちゃんみたい」
「わたしが犬ならもっと遠慮なくにおいを嗅ぐだろうね。たとえばこんなふうに」
「わっ」
パジャマの首元がくつろげられて、響己さんの鼻先がもぐりこむ。
裾から手が入りこんで素肌を撫でられて、びくんと体がはねた。
と、お腹のあたりにいた手が動きを変える。
指先が小刻みに肌をたどって、こしょこしょとくすぐられ、ぼくはたまらず笑った。
「や、んゃ、あはははっ、くすぐったいよ響己さん……!」
「わたしは犬なんだろう?」
「ワンちゃんは手は使わないし、くすぐってもこないと思いますっ」
「言われてみればたしかに。御影は犬に詳しいんだね」
「それくらいわかりますよ! もうっ」
片手でパジャマを引っ張ると、自称犬の手は引いていった。
くすくす笑いあいながら思う。
触れられることにおびえてしまったぼくを、とっさに怖がらせないようにしてくれた。それくらいぼくにもわかる。
(響己さん、優しすぎるよ……)
底ぬけに優しいあなたと、ちょっぴり怖いあなた。どちらもウソじゃないんだろう。
くすぐられたせいでずれた位置を戻し、響己さんの肩に顔ごと埋まる。
しっかりした男の人の筋ばった肌だ。抱きあっても隙間がぴったり埋まるわけじゃない。ごつごつして、さわり心地はきっとそれほどよくない。
でも世界一安心する場所だ。
秋から冬にうつり変わるときに見上げるほうき雲のような、すずやかなにおいを胸いっぱいに吸い込んで、ぼくはいつしか目を閉じていた。
腕の中の体がずしりと重くなり、肩に規則正しい穏やかな吐息が当たる。
「御影? ……寝ちゃった?」
囁いた声に返事はない。どうやら本当に眠ってしまったようだ。
少し考えて、寝室を見渡し、そっと体をずらして御影ごとシーツへ横になる。倒れ込んだ衝撃はゼロにはならなかったが、御影は目を覚まさなかった。
良かれと思って連れて行った先で騒動に巻き込ませてしまった。気疲れがあるに決まっている。
「はぁ……やっぱり閉じ込めておくのが一番間違いがない……」
響己がそう望めば、きっと彼は嫌と言わない。微笑んで頷いて、外に出ようとしなくなるだろう。
でもそれではいけない。
まだ若く成長の余地を残したこの子には、もっと色々な機会が与えられて然るべきだ。
まだそこまで考えられないようだが、いずれは彼が途中で放棄せざるを得なくなった教育や、暗いところのない真っ当な仕事を経験するべきだろう。外へ出れば、夜の仕事と無縁の知人友人もできるだろう。
そう頭ではわかっている。
わかっていても、閉じ込めたくなる。
外に出したら自分以外の人間と出会うことになる。その中に本当に彼が望むアルファが現れたらどうする。敵はアルファだけとは限らない。彼が他に興味を移すのも、他の有象無象に傷つけられるのも許せそうにない。
なんて心が狭いんだ。今更か。
思わず吐いた溜息が御影の黒髪をサラサラと揺らしてしまい、息を呑む。
「……」
相変わらず御影は起きない。
溜まった空気を細く長く吐き出して、腕の中の青年を見る。
特別に美しいオメガではない。
なのにどうしてか目を引かれる。
バーでもカフェでも、めざとい者は御影の魅力に気づいて気配を追っていた。
プロポーズのようなことをしたアルファもいたほどだ。子どもだったので、御影自身冗談だと思って受け流したようだが。
バーで暴れたあのアルファも、御影を手に入れられなかった敗残者に違いない。「ユカ」を見るのとは明らかに違うぎらついた欲望を隠すそぶりすらなかった。
だがもはや全て、過ぎ去ったものだ。
今の御影とこれからの御影を手にしたのは他でもない自分で、それを御影も望んでくれている。これほどの幸福は他にない。
「おやすみ、御影。良い夢を」
なめらかな額に触れるだけの祝福を贈る。
自宅の寝室に人を入れたことがなかった。外で行きずりの相手と同衾しても、夜を越したことはなかった。
そのせいで他人の存在に上手く馴染めず、眠れなかったことで御影を遠慮させてしまった自分の体質がこんなにも憎い。
寝不足がなんだ。
この手に御影を抱いたままいられるのなら何晩でも徹夜してやる。
そう決意したというのに、響己の意識はあっさりと眠りに呑まれ、気づいたら朝だった。
つないだ手ははなされることなく、寝室にひとつしかないベッドへつれていかれた。
ここで一度だけ夜をあかした。
それ以来、お洗濯でシーツを洗うときにしか上がっていない。
「御影、きて」
ベッドに座る響己さんが広げた腕のなかへ入る。
ちょっとぎこちなかったけれど、ぼくは響己さんにしがみつくようにくっついて、腰をまたぐように座った。
胸がぴったりくっついて、とくとく、ほんの少しだけだけど心臓の音がわかる。
ぎゅっと抱っこしてくれる腕を信じて、目の前の肩にほっぺたをくっつけた。
お風呂上がりの響己さんはいいにおいがする。
ボディソープの香りとはちがう。どんなにおいかと聞かれたら困るけれど、なんていうか、芳香剤とか香水とかじゃない感じだ。
涼しい季節の風のようなにおい。
「御影はいいにおいがするね」
「えっ。お風呂でちゃんと洗ったのに……」
鼻をならして響己さんのにおいをかいでいたけれど、ぼくがにおうとなると別だ。
洗い残しがあっただろうかとあわてたら、響己さんは笑って、これはオメガのフェロモンだと言った。
「薬のせいでほとんどわからなくなっていたけど、体が元に戻ってきて、フェロモンも香るようになったんだね。さっぱりした甘いにおいがするよ」
「それってどんなにおいですか?」
「うーん、わたしは甘いものに詳しくなくてね……なんだろうなぁ」
首輪ぎりぎりのところをかがれて、ぼくは恥ずかしいやらくすぐったいやら。
身をよじっても抱きあっているので逃げられず、響己さんの好きなようにしてもらうしかない。
「甘いにおい、きらいですか?」
「そんなことないよ。それに御影のにおいは特別。あぁ、いつまでも嗅いでいたいくらいだ……」
「んふふ、響己さんワンちゃんみたい」
「わたしが犬ならもっと遠慮なくにおいを嗅ぐだろうね。たとえばこんなふうに」
「わっ」
パジャマの首元がくつろげられて、響己さんの鼻先がもぐりこむ。
裾から手が入りこんで素肌を撫でられて、びくんと体がはねた。
と、お腹のあたりにいた手が動きを変える。
指先が小刻みに肌をたどって、こしょこしょとくすぐられ、ぼくはたまらず笑った。
「や、んゃ、あはははっ、くすぐったいよ響己さん……!」
「わたしは犬なんだろう?」
「ワンちゃんは手は使わないし、くすぐってもこないと思いますっ」
「言われてみればたしかに。御影は犬に詳しいんだね」
「それくらいわかりますよ! もうっ」
片手でパジャマを引っ張ると、自称犬の手は引いていった。
くすくす笑いあいながら思う。
触れられることにおびえてしまったぼくを、とっさに怖がらせないようにしてくれた。それくらいぼくにもわかる。
(響己さん、優しすぎるよ……)
底ぬけに優しいあなたと、ちょっぴり怖いあなた。どちらもウソじゃないんだろう。
くすぐられたせいでずれた位置を戻し、響己さんの肩に顔ごと埋まる。
しっかりした男の人の筋ばった肌だ。抱きあっても隙間がぴったり埋まるわけじゃない。ごつごつして、さわり心地はきっとそれほどよくない。
でも世界一安心する場所だ。
秋から冬にうつり変わるときに見上げるほうき雲のような、すずやかなにおいを胸いっぱいに吸い込んで、ぼくはいつしか目を閉じていた。
腕の中の体がずしりと重くなり、肩に規則正しい穏やかな吐息が当たる。
「御影? ……寝ちゃった?」
囁いた声に返事はない。どうやら本当に眠ってしまったようだ。
少し考えて、寝室を見渡し、そっと体をずらして御影ごとシーツへ横になる。倒れ込んだ衝撃はゼロにはならなかったが、御影は目を覚まさなかった。
良かれと思って連れて行った先で騒動に巻き込ませてしまった。気疲れがあるに決まっている。
「はぁ……やっぱり閉じ込めておくのが一番間違いがない……」
響己がそう望めば、きっと彼は嫌と言わない。微笑んで頷いて、外に出ようとしなくなるだろう。
でもそれではいけない。
まだ若く成長の余地を残したこの子には、もっと色々な機会が与えられて然るべきだ。
まだそこまで考えられないようだが、いずれは彼が途中で放棄せざるを得なくなった教育や、暗いところのない真っ当な仕事を経験するべきだろう。外へ出れば、夜の仕事と無縁の知人友人もできるだろう。
そう頭ではわかっている。
わかっていても、閉じ込めたくなる。
外に出したら自分以外の人間と出会うことになる。その中に本当に彼が望むアルファが現れたらどうする。敵はアルファだけとは限らない。彼が他に興味を移すのも、他の有象無象に傷つけられるのも許せそうにない。
なんて心が狭いんだ。今更か。
思わず吐いた溜息が御影の黒髪をサラサラと揺らしてしまい、息を呑む。
「……」
相変わらず御影は起きない。
溜まった空気を細く長く吐き出して、腕の中の青年を見る。
特別に美しいオメガではない。
なのにどうしてか目を引かれる。
バーでもカフェでも、めざとい者は御影の魅力に気づいて気配を追っていた。
プロポーズのようなことをしたアルファもいたほどだ。子どもだったので、御影自身冗談だと思って受け流したようだが。
バーで暴れたあのアルファも、御影を手に入れられなかった敗残者に違いない。「ユカ」を見るのとは明らかに違うぎらついた欲望を隠すそぶりすらなかった。
だがもはや全て、過ぎ去ったものだ。
今の御影とこれからの御影を手にしたのは他でもない自分で、それを御影も望んでくれている。これほどの幸福は他にない。
「おやすみ、御影。良い夢を」
なめらかな額に触れるだけの祝福を贈る。
自宅の寝室に人を入れたことがなかった。外で行きずりの相手と同衾しても、夜を越したことはなかった。
そのせいで他人の存在に上手く馴染めず、眠れなかったことで御影を遠慮させてしまった自分の体質がこんなにも憎い。
寝不足がなんだ。
この手に御影を抱いたままいられるのなら何晩でも徹夜してやる。
そう決意したというのに、響己の意識はあっさりと眠りに呑まれ、気づいたら朝だった。
29
お気に入りに追加
905
あなたにおすすめの小説
次男は愛される
那野ユーリ
BL
ゴージャス美形の長男×自称平凡な次男
佐奈が小学三年の時に父親の再婚で出来た二人の兄弟。美しすぎる兄弟に挟まれながらも、佐奈は家族に愛され育つ。そんな佐奈が禁断の恋に悩む。
素敵すぎる表紙は〝fum☆様〟から頂きました♡
無断転載は厳禁です。
【タイトル横の※印は性描写が入ります。18歳未満の方の閲覧はご遠慮下さい。】
12月末にこちらの作品は非公開といたします。ご了承くださいませ。
近況ボードをご覧下さい。
ド天然アルファの執着はちょっとおかしい
のは
BL
一嶌はそれまで、オメガに興味が持てなかった。彼らには托卵の習慣があり、いつでも男を探しているからだ。だが澄也と名乗るオメガに出会い一嶌は恋に落ちた。その瞬間から一嶌の暴走が始まる。
【アルファ→なんかエリート。ベータ→一般人。オメガ→男女問わず子供産む(この世界では産卵)くらいのゆるいオメガバースなので優しい気持ちで読んでください】
【完結】あなたの恋人(Ω)になれますか?〜後天性オメガの僕〜
MEIKO
BL
この世界には3つの性がある。アルファ、ベータ、オメガ。その中でもオメガは希少な存在で。そのオメガで更に希少なのは┉僕、後天性オメガだ。ある瞬間、僕は恋をした!その人はアルファでオメガに対して強い拒否感を抱いている┉そんな人だった。もちろん僕をあなたの恋人(Ω)になんてしてくれませんよね?
前作「あなたの妻(Ω)辞めます!」スピンオフ作品です。こちら単独でも内容的には大丈夫です。でも両方読む方がより楽しんでいただけると思いますので、未読の方はそちらも読んでいただけると嬉しいです!
後天性オメガの平凡受け✕心に傷ありアルファの恋愛
※独自のオメガバース設定有り
仔犬のキス 狼の口付け ~遅発性オメガは義弟に執心される~
天埜鳩愛
BL
ハピエン約束! 義兄にしか興味がない弟 × 無自覚に翻弄する優しい義兄
番外編は11月末までまだまだ続きます~
<あらすじ>
「柚希、あの人じゃなく、僕を選んで」
過剰な愛情を兄に注ぐ和哉と、そんな和哉が可愛くて仕方がない柚希。
二人は親の再婚で義兄弟になった。
ある日ヒートのショックで意識を失った柚希が覚めると項に覚えのない噛み跡が……。
アルファの恋人と番になる決心がつかず、弟の和哉と宿泊施設に逃げたはずだったのに。なぜ?
柚希の首を噛んだのは追いかけてきた恋人か、それともベータのはずの義弟なのか。
果たして……。
<登場人物>
一ノ瀬 柚希 成人するまでβ(判定不能のため)だと思っていたが、突然ヒートを起こしてΩになり
戸惑う。和哉とは元々友人同士だったが、番であった夫を亡くした母が和哉の父と再婚。
義理の兄弟に。家族が何より大切だったがあることがきっかけで距離を置くことに……。
弟大好きのブラコンで、推しに弱い優柔不断な面もある。
一ノ瀬 和哉 幼い頃オメガだった母を亡くし、失意のどん底にいたところを柚希の愛情に救われ
以来彼を一途に愛する。とある理由からバース性を隠している。
佐々木 晶 柚希の恋人。柚希とは高校のバスケ部の先輩後輩。アルファ性を持つ。
柚希は彼が同情で付き合い始めたと思っているが、実際は……。
この度、以前に投稿していた物語をBL大賞用に改稿・加筆してお届けします。
第一部・第二部が本篇 番外編を含めて秋金木犀が香るころ、ハロウィン、クリスマスと物語も季節と共に
進行していきます。どうぞよろしくお願いいたします♡
☆エブリスタにて2021年、年末年始日間トレンド2位、昨年夏にはBL特集に取り上げて
頂きました。根強く愛していただいております。
幸せの温度
本郷アキ
BL
※ラブ度高めです。直接的な表現もありますので、苦手な方はご注意ください。
まだ産まれたばかりの葉月を置いて、両親は天国の門を叩いた。
俺がしっかりしなきゃ──そう思っていた兄、睦月《むつき》17歳の前に表れたのは、両親の親友だという浅黄陽《あさぎよう》33歳。
陽は本当の家族のように接してくれるけれど、血の繋がりのない偽物の家族は終わりにしなければならない、だってずっと家族じゃいられないでしょ? そんなのただの言い訳。
俺にあんまり触らないで。
俺の気持ちに気付かないで。
……陽の手で触れられるとおかしくなってしまうから。
俺のこと好きでもないのに、どうしてあんなことをしたの? 少しずつ育っていった恋心は、告白前に失恋決定。
家事に育児に翻弄されながら、少しずつ家族の形が出来上がっていく。
そんな中、睦月をストーキングする男が現れて──!?
お世話したいαしか勝たん!
沙耶
BL
神崎斗真はオメガである。総合病院でオメガ科の医師として働くうちに、ヒートが悪化。次のヒートは抑制剤無しで迎えなさいと言われてしまった。
悩んでいるときに相談に乗ってくれたα、立花優翔が、「俺と一緒にヒートを過ごさない?」と言ってくれた…?
優しい彼に乗せられて一緒に過ごすことになったけど、彼はΩをお世話したい系αだった?!
※完結設定にしていますが、番外編を突如として投稿することがございます。ご了承ください。
【完結】利害が一致したクラスメイトと契約番になりましたが、好きなアルファが忘れられません。
亜沙美多郎
BL
高校に入学して直ぐのバース性検査で『突然変異オメガ』と診断された時田伊央。
密かに想いを寄せている幼馴染の天海叶翔は特殊性アルファで、もう一緒には過ごせないと距離をとる。
そんな折、伊央に声をかけて来たのがクラスメイトの森島海星だった。海星も突然変異でバース性が変わったのだという。
アルファになった海星から「契約番にならないか」と話を持ちかけられ、叶翔とこれからも友達として側にいられるようにと、伊央は海星と番になることを決めた。
しかし避けられていると気付いた叶翔が伊央を図書室へ呼び出した。そこで伊央はヒートを起こしてしまい叶翔に襲われる。
駆けつけた海星に助けられ、その場は収まったが、獣化した叶翔は後遺症と闘う羽目になってしまった。
叶翔と会えない日々を過ごしているうちに、伊央に発情期が訪れる。約束通り、海星と番になった伊央のオメガの香りは叶翔には届かなくなった……はずだったのに……。
あるひ突然、叶翔が「伊央からオメガの匂いがする」を言い出して事態は急変する。
⭐︎オメガバースの独自設定があります。
オメガ社長は秘書に抱かれたい
須宮りんこ
BL
芦原奏は二十九歳の若手社長として活躍しているオメガだ。奏の隣には、元同級生であり現在は有能な秘書である高辻理仁がいる。
高校生の時から高辻に恋をしている奏はヒートのたびに高辻に抱いてもらおうとするが、受け入れてもらえたことはない。
ある時、奏は高辻への不毛な恋を諦めようと母から勧められた相手と見合いをする。知り合った女性とデートを重ねる奏だったが――。
※この作品はエブリスタとムーンライトノベルスにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる