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キザキ ケイ

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【ハッピーBL】

オアシスの神は真心を受け取る

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広大で過酷なドルエ砂漠を管理し、砂漠に唯一存在するオアシスを統べる神・ヴェローシは、砂漠を渡る旅人や動物たちを時に助け、また排除しながら永い時を生きてきた。
過去の栄華すら感じられないほど生き物の気配が絶えた地で、ヴェローシは今日も仮の姿である鷹となって砂漠中を見回っている。
そんなある日、ヴェローシは砂丘に埋もれ沈みかけていた人間の男を救った。
人々がもたらす「心」を糧に生きる神ヴェローシは、目を覚ました男が差し出す心を受け取ることにしたのだが───。

【キーワード】
軟派な攻め / 神様受け / ファンタジー / 性描写あり


 ◆ ― ◆ ― ◆ ― ◆



 乾いた風が砂塵を巻き上げ、遥か彼方まで続く砂地を渡っていく。
 天は雲ひとつない蒼穹、地には灰がかった黄茶色の砂地がどこまでも広がっている。見渡す限り人工物はなく、乾き焦げたような芳香が生物の気配を消し去る。
 知あるものにはドルエ砂漠と呼ばれている一帯の砂漠地域。
 ヴェローシはオアシスを司る、この砂漠で唯一の神だ。

 この地で生き物は長く生きられない。
 過去には文明を築こうとした人間もいたが、彼らの遺物が風化した今、この砂漠に訪れるのは旅のもののみだ。
 ヴェローシはそんな旅のものを時に助け、時に排除しながら砂漠の平和を守っている。
 死から最も遠い神という存在が一柱いるだけの、死したように寂しい地。
 訪れるものの少なさから、他の神が生まれ出ることすら絶えて久しい。
 それでもここを治め、原型を留めておくことが、ヴェローシの生まれた意味であり存在理由だ。

「旅団だ。そろそろ水が恋しい頃かな」

 10人ほどの人間の群れが、あらゆる布で砂風を防ぎながらのろのろと進む姿を捉える。
 ヴェローシは仮の姿である鷹の体を操り、風を切って進路を定めた。
 この地に足を踏み入れると、生き物は急激に喉の乾きを覚えるらしい。
 他の砂漠とは比べ物にならないほどだというその希求は、たちどころに彼らの手元の水を失わせる。そうして次第に飢え乾き、進みは鈍り、いつしか膝を折って砂海に溺れる。
 そうなる前に救いの手を差し伸べてやるのが、ヴェローシの主な役目だった。

 わざと羽を大きく打ち鳴らし、中空で円を描く。
 大げさなパフォーマンスではあるが、これが必要なものは多い。人間は特別鈍感な生き物で、特に鼻が利かない。この姿は彼らの視覚に訴えるものだ。
 俯いて歩くだけだった人間のうち数人が、ヴェローシの姿を認めた。
 いくつもの視線を感じながら進行方向を南に取る。これまたわざとらしく飛行高度を下げると、布の隙間から覗く瞳が大きく見開かれた。

「見ろ、オアシスだ……!」

 人間たちはそれまでの鈍重さが嘘のように早足で、助け合いながらラクダを引き連れてオアシスに入った。
 ヴェローシが彼らの姿を見つけてから、この場所に移動させた「楽園」だ。
 このオアシスはヴェローシの意思ひとつで砂漠のどこにでも移動させられる、いわば手足のような存在である。
 砂漠の総面積から見れば小指の先もないほど、小さな緑地。
 砂地と続いているとは思えないほど、この地だけは植生に満ち生命力に溢れている。
 温暖地帯に生える草木たちが放つ生気はむせ返るほど瑞々しい。中には果物が生る木々もあり、通年何かしらの実が取れる。
 中央には澄んだ水を湛えた泉がある。
 水気に飢えた人間が頭を突っ込んで飲んだとしても腹を下さない、極めて清廉な水だ。もちろん神の力でそのように保っている。
 そして泉のそばには、一つだけ人工的なものが置かれている。
 人の背丈ほどある石柱を縦にいくつも重ねた塔だ。灰色のその岩には模様が彫り込まれ、石柱の一番上のものは横に大きく平たい翼を広げている。
 いつか人間たちがこの地に文明を興した際、ヴェローシの姿を模して作った彫刻だった。
 造形を気に入って、特別にこのオアシスに置かせたのだが、今となっては便利なものとして利用させてもらっている。

「助けてくださりありがとうございます。砂漠の神様……」
「心ばかりのものですが、お納めくださいませ」

 オアシスを利用したものたちは皆、この石塔に捧げ物を置いていく。
 それは食べ物であったり、衣類であったり、装飾品であったりする。砂漠越えのために極限まで荷物を減らしている彼らの、命を救われた代償が塔の前に置かれる。
 その「心」を糧として存在しているのが、ヴェローシのような土着の神だ。
 彼らはひとしきり自らの言語で感謝を述べ、オアシスの水や果物を手に入れ、やがて去っていく。
 彼らが通り過ぎた後の静かなオアシスで、ヴェローシは仮の姿を解きのんびりと石塔の元に腰を下ろした。見慣れない食べ物を口にして一喜一憂し、衣服や装飾品を眺め、身に着けてみたりして、贈り物を喜ぶ。
 そうするとオアシスはまた一層豊かに富み、次の遭難者のために受け入れの準備をする。
 幾日も幾年も、そんな日々を過ごしてきた。

 水を求めて来たものとヴェローシは会話をしない。
 疲れているときに未知の存在に話しかけられたくはないだろうし、人間とは異なるものの用意した水だと知れば飲まないかもしれない。
 砂漠の守護神は人にも動物にも死んでほしくなかった。
 だからこそ、彼らに一時だけでも安息を得てほしくて、姿を隠してオアシスだけを提供している。
 そんな日々が寂しくないと言えば嘘になるが───多くを求めることはしない。
 神は人とは違うもの。決定的な部分が相反する。
 ヴェローシはそれをよく理解していいた。



 その日、ヴェローシは砂漠の西で人間を見つけた。
 最初は見間違いかと思った。その人間は倒れ伏して、動いていなかったからだ。
 風で削られながら刻々と形を変える砂丘の一つに、体を半分以上埋もれさせている。派手な色の頭巾ターバンが風にはためいていなければ見逃してしまっただろう。

「……っ!」

 考えるより先に体が動いた。
 鷹の姿を解き、そのままの勢いで落下する。
 砂地に触れるまでに元の姿を取り戻すと、すぐさま砂を掘ってそれを引き上げた。

「おい、生きているか」

 頬を叩いて呼吸と脈を確認する。
 元気とは言い難い状況ではあるが、死んではいないようだった。
 しかし意識は戻らない。
 逡巡したのは一瞬だった。だらりと力なく垂れている腕を肩に回し、体を持ち上げる。
 砂から掘り出した体はヴェローシより大柄で重く、運ぶのはとても大変だったが、なんとか引き摺ってオアシスに帰り着くことができた。
 砂地より遥かに歩きやすい土の上を進み、ずっしりと肩にのしかかる体を柔らかな草地にどさりと落とす。
 人間は僅かに呻いたが、起きなかった。
 久しぶりに重たいものを持って負荷がかかった腰や肩を回しながら、うつ伏せに倒れた人間を見下ろす。

 人間は男のようだ。手足が長く、背もかなり高い。
 呼吸がしにくいだろうと顔の布をずらしてやると、彫りの深い横顔が現れた。肌の色は褐色だ。砂漠の向こう、西方の民族の特徴を持っている。髪の色は黒に近い茶で、砂にまみれた癖毛はやや絡まり気味だ。
 それより気になるのは、男がろくに荷物を持っていないという点だった。
 体に布を厳重に巻き付けてはいるが、どちらかと言えば軽装な部類だ。そのうえ荷袋の類も見当たらない。
 先程の砂丘に落として埋もれてしまったのだろうか。

「あとで荷物がないと騒いだら、面倒か」

 親切心で拾ったが、これは煩わしいことになったかもしれない。
 そんな予感を覚えつつ、ヴェローシは再び鷹に姿を変えて飛び立った。オアシスを移動させたおかげでそれほど離れてはいない男の発見場所を探す。
 砂漠に落とした荷物など、すぐに砂に埋もれて失われてしまうものだが、ここは神の庭たる地だ。異物があればヴェローシにはある程度感じ取れる。
 しかしこの付近では荷物の存在を感知できなかった。
 朽ちた遺跡の痕、動物の骨、枯木の残骸。周辺にはその程度しかない。

(単身、砂漠越えの装備もなく軽装、水すら持っていないとは……思った以上に厄介かもしれん)

 鷹の姿では吐くことのできない溜め息を飲み込んで、ヴェローシは急ぎオアシスに帰った。
 草地に転がした男の体は、移動も身じろぎもせずまだそこにあった。
 体に巻き付いている砂除けを一枚剥ぎ取り、中の衣類の砂埃を払ってやる。
 予想通り男は日常使いの服しか身に着けておらず、まるで上着一枚羽織っただけで家から出てきたかのような装いだ。
 オアシスの水に浸した布巾で手足を拭ってやる。服を残らず脱がせてまで世話してやるつもりはないが、見える部分くらいはやってやろうという気にはなる。
 そっと顔の砂を払ってやると、かさついた唇が目についた。
 砂丘での発見状態から、それなりに喉が乾いているだろうと推測できる。
 目が覚めた時に喉の乾きで咳き込む可能性がある。それはまた煩わしいかもしれない、とヴェローシは再び水場へ布を持っていった。

 少し前に商隊をオアシスに招いた際、彼らは食べ物ではなく、次の街で売るつもりであっただろう商品をいくつか置いていった。
 その中に入っていた、ふわふわとした手触りの手ぬぐいを引っ張り出す。
 布というのは乾いて固いものだという認識があったヴェローシは、動物の腹の毛より柔らかいこの手布巾を気に入っていた。本当は旅人に使いたくなどないが、他に代わりがないのだから仕方がない。
 吸水性の高い布に水を含ませ、男の口に充てがう。乾いた唇が湿り、反射のように口唇が開いた。
 意識がなくても、水を吸うことはできるらしい。これならすぐさま命を失うことはないだろう。ヴェローシは無意識に詰めていた息を吐き出し、男の口元に何度も水を運んだ。

(人間の介抱など、幾年ぶりだろうか……とうにやり方など忘れたと思っていたが、覚えているものだな)

 水を含ませるのをやめても、男は目を覚まさなかった。
 その横に腰掛け、急速に光を失いつつある空を眺める。生き物を焼く荒々しい太陽が身を隠すと、慈悲深き月が天空を支配する。
 月は優しく砂漠を照らし、弱った生き物を平等に彼方へ連れ去る。母神として崇められる反面、太陽以上に救いを与えないその姿は畏怖の対象でもある。
 命に別条はないはずだが、拾った男がすぐさま月女神に連れて行かれては寝覚めが悪い。乾いた木を組んで焚き火を設置した。
 ヴェローシは商人からの捧げものを漁り、薄手のブランケットを取り出した。
 自分には必要のないものだが、人間は砂漠の夜は堪えるだろう。眠り続ける男に掛けてやる。
 ついでに厚手の絨毯も見つけたので、男の体をごろんと転がして絨毯の上に寝かせた。
 半回転させるだけでも苦労したので途中でやめようかと思ったが、絨毯に顔を埋めて窒息されたら世話した甲斐がない。なんとかもう半回転させ、仰向けに戻してやる。

(疲れたな……)

 商人の絨毯は大きく、人間が3,4人は楽に寝転がれるほどある。
 ヴェローシは妙な一日を振り返りながら、ゆっくりと瞼を下ろした。



 ヴェローシは砂漠の神であり、オアシスの中では全知全能と言っても良い立場だが、仮の姿も元の姿も生物とあまり変わりがない。
 食事は不要だが食べることはできる。睡眠も取る。傷を負うこともある。
 だがすべてにおいて欲求というものは少なく、砂漠の見回りのため眠らないことが多かった。
 鷹の姿で木に止まって休むのではなく、元の姿で横になって眠るのは随分と久しぶりのことだった。

「ちょっと、お兄さん?」

 声をかけられ、顔を撫でられる感触で目が開いた。
 深い睡眠から引き上げられた時の、すぐには脳が回転しない状況をぼんやりと受け入れる。

「おい、お兄さんってば、二度寝?」

 再び閉じかけた瞼が、ようやくしっかり持ち上がった。
 誰かに覗き込まれている。
 ヴェローシが目を覚ましたからか、その人物はにこりと笑って体を起こした。

「良かった、このまま起きないかと思った。おはよう」
「……お早う」

 絨毯の上に広がった髪をかき集めながら起き上がると、周囲はまだ暗かった。
 眠るつもりがなかったから消さずにいた焚き火が、ぱちぱちと音を立てて燃え続けている。

「お早うではないではないか。まだ夜だ」
「ごめんごめん。でも話を聞きたくてさ。俺を助けてくれたのは、お兄さんなんでしょ?」

 じっとり睨みつけたヴェローシに対し、男は軽薄な笑みを浮かべた。
 聞いてもいないのに経緯を話してくる。
 どうやら世話になっていた者と仲違いをし、逃げ延びた先がこの砂漠だったようだ。
 人間の色恋に疎いヴェローシにも、男の相手がただの同居人ではないことは察せられたし、彼がろくに荷物を持っていない理由も理解できた。恐らく金品も持っていないのだろう。

「お兄さん」などという呼び名も気に入らないが、嘘しかないと言わんばかりの男の笑顔はもっと厭らしい。この愛想と口先だけで、人生の大部分を渡ってこれたのではと感じた。
 面倒だが、一度立場を分からせてやったほうが良いかもしれない。

「私はこの砂漠の守護神、そしてこのオアシスを司る神、名をヴェローシ」

 引きずるほどに長い髪をばさりと背中に流す。
 ヴェローシが月を背負って立つと、現実離れした青紫の髪と黄茶の瞳が引き立って、とても神々しく見えると言われたことがあった。
 人の姿が幼さを残した青年のようなヴェローシは、意図して威厳を出したい時にこうするようにしていた。
 人間と変わらない身であるからこそ、神であることの証明は難しい。
 年若く見えるヴェローシを侮り、下卑た考えを持つ人間にもこれまで何度も出会った。その度に神罰を与えてきたが、揉め事ははじめから無いほうが良い。
 案の定、絨毯にだらしなく座っていた男もヴェローシの威容を前に慌てて姿勢を正した。

「神様、無礼をお許しください。命を救っていただき、ありがとうございます」
「良い。体は大事ないのか」
「おかげさまで、なんともありません」
「このドルエの地は、他の砂漠より過酷であると聞く。お前のように軽装では死にに来たも同然だ。人の街の近くまで送ってやる。夜が明けたらすぐに出ていけ」

 男は目を見開いてヴェローシの言葉に驚き、それから顔を伏せた。

「あの、神様。助けていただいた上に無礼を承知で申しますが……ここにもうしばらく置いてもらうことは、できませんか?」
「ならん」

 ヴェローシはすぐさま男の言葉を切り捨てた。
 オアシスの居心地の良さに、ここを住処にしようとしたものは過去にも居た。人間にも、動物にも。
 動物は、長くとも半年ほど経てば自然とどこかへ移動して姿を消す。だから渡り鳥を始め、動物の滞在は許可してきた。
 しかし人間は、加減を知らない。
 神の庭たるこの場所を拠点に、新しく街や文明を築こうとまでしたものもいた。
 ヴェローシは砂漠に人間が住むことを歓迎しない。
 一時の羽休めは許す。しかしひとたびオアシスに住み着こうとした人間はすべて追い出し、必要なら多少脅しつけてでも出て行かせる。
 この男のようにヴェローシに正面切って滞在を求めた人間は初めてだったが、神の心は変わらなかった。

「どうしてもダメ、ですか」
「ならん。一晩は許す。日が昇ったら出ていけ。戻ることも許さぬ」

 オアシスを求めて再び砂漠に足を踏み入れても、二度と助けない。
 言外にそう告げて睥睨すると、男は不満そうではあったが頷いて頭を下げた。

「ところで神様、助けていただいたお礼をしたく思います。ドルエ砂漠のオアシスの神は、贈り物をすることで旅人を助けてくれると聞きました」
「いかにも。心を尽くした捧げものこそ我が糧」

 男の殊勝な態度に、ヴェローシは鼻を鳴らした。
 滞在したいなどと言われた時はどうてやろうかと思ったが、見た目に反して話の分かる青年のようだ。
 贈り物に込められた心次第ではもう一晩くらいは置いてやってもいいかもしれない。

「それなら、心を込めて贈ります。俺の真心、受け取ってくださいますよね?」

 男はにっこりと、あの嘘くさい笑みを浮かべる。
 ヴェローシは鷹揚に頷いてみせた。
 人間から直に「心」を受け取るのは、本当にいつぶりだろうか。石柱に供えられる捧げものでも十分に足りてはいるが、やはり直接受け取るものはヴェローシ側の気持ちが違う。

 久方ぶりに人と話すことの高揚感で、ヴェローシは忘れていた。
 この男はどうにも油断できないと思ったことを。
 砂漠で行き倒れていた男は、捧げられるような「物」など持っていなかったことを。

 確かに心を受け取るとは言った。
 しかしこんなことになるなど、ヴェローシは全く予想していなかった。

「考え事? ずいぶん余裕だね」
「ぅ、あっ……や、めろ」
「そんなこと言って、気持ちよさそうなじゃん」
「あっ……!」

 中に埋め込まれた指を強く一点に押し付けられて、情けない声が喉から迸る。
 ヴェローシは身につけていた着衣を腕に巻き付けられ、あられもなく素肌を晒されていた。おまけにうつ伏せにされ、腰だけを高く掲げた状態で、男の力強い腕にがっちりと固められている。
 足をばたつかせても男はびくともしない。
 逃げるために仮の姿を取ろうとしても、内臓を直に触る指の存在感に怖気づいてしまい、小柄な鷹に変じるのは躊躇われた。
 それに引っ切りなしに体中を刺激され、变化のために集中する時間がない。

「んっ……そんなとこ、触る、なぁ……」
「ドロドロにしてるくせに、よく言う」

 普段は存在を意識することもない、脚の間に垂れ下がった男性器を大きな手のひらで刺激されヴェローシの細い背が仰反る。
 だらだらと先走りが溢れている様を揶揄われ、頬がかぁっと熱くなった。
 男はヴェローシを腕で押さえつけながら、ヴェローシの雄芯を扱いて、さらに後蕾を遠慮なく指で犯してくる。

「あ、ぁ、そこ、や……っ」
「気持ちよさそうにしちゃって。嫌じゃない、でしょっ」
「あぁっ!」

 埋められていた男の指が一斉に引き抜かれ、腰ががくりと落ちた。
 呼吸が整わない。体が熱い。
 神であるヴェローシに触れようとする者など、これまでいなかった。動物が時折親愛を持って身を寄せてくる以外に、他者の体温など知らずにこれまで生きてきた。
 それなのにこの男は、まるで畏れなど知らぬようにヴェローシの体を暴く。

「感じちゃって、かわいい。すごく敏感だけど本当に初めてなの?」

 勝手に溢れる涙を絨毯で拭い、必死で首を振る。
 こんなこと誰ともしたことがない。
「快感」について、存在の知識はあっても、自らの身で経験したことなどなかった。人間同士だけの営みなど神には縁がないと思っていた。
 縛られた腕と力が入らない足をなんとか動かして横臥の姿勢にし、男を強く睨みつける。
 しかし泣き濡れ、紅潮した頬の幼気なヴェローシの威嚇など男に効くはずもない。

「もう十分気持ちよさそうだけど、俺も気持ちよくなりたいから、これ……いいよね?」

 男に肩を掴まれ仰向けにさせられ、唇を甘く食まれる。
 白い肌に鮮烈なコントラストを刻む濃桃色の唇は、何度も嬲られすでにぽってりと腫れ濡れていた。
 ぬるりと入り込む舌を、同じく舌で押し返そうとするのにそれすら絡め取られてしまう。
 他者から敬われるあまり、他を攻撃するという思想を持たない神は、舌を噛んで抵抗することも自由な足で蹴り上げることも考えつかない。
 好き勝手に唇を貪られる最中、下腹に自分とは別の熱塊を感じヴェローシはびくりと身を震わせた。
 ヴェローシの薄い腹に押し付けられたそれは、恐ろしいほどの質量を持って存在を主張している。
 目を見開いた無垢な神を、男は愉快そうに見下ろして微笑んだ。

「これをあなたに『贈ります』。受け取ってくれるんだよね」
「い……や、だ。こんな、人間のような、ことを」
「あ、セックス自体は知ってるんだ。もったいないなぁ、こんなキレイな神様なのに今まで誰も快楽を教えてあげなかったなんて」

 ───でもその分、俺がたっぷり教えてあげる。
 男は脱ぎ捨てた衣類を探り、細長い容器を取り出した。栓を抜いて、中から出てきたとろみのある液体を手に取る。
 先程、ヴェローシの後孔を探るときにも用いられたものだ。
 砂漠で拾った男はほとんど荷物を持っていなかった。それこそ身につけている衣類や外套程度しか。
 水や食料などの必需品を差し置いて、そんなものを持っているなんて誰が予想するだろう。

「おま、え、持っているではないかっ、捧げるものを!」
「あ、これ? 欲しいならあげるよ、ほら」
「あっ違、ナカに入れるなぁっ……!」

 男はあろうことか、細い容器の口をヴェローシの綻んだ蕾に充てがい、そのまま傾けた。内臓をぬるい液体で満たされる感覚に、それだけで背筋が震えてしまう。
 残った液を男は自らの昂りにも擦り付け、半ば放心状態のヴェローシの腰を抱え直す。

「大丈夫、痛いことはしない。心を込めて、ご奉仕するから」

 浅ましくぱくぱくと刺激を求めるヴェローシの蜜口に、男の屹立がひたりと押し当てられた。
 そのままゆっくりと侵入され、それを防ぐすべがない。

「う、ぐっ……」
「ほら、力抜いて。気持ちよくしてあげるから、さぁ───ヴェローシ」
「あっ、ぁあ!」
「……ふ、名前呼ばれるの嬉しかった?」

 一瞬力が抜け、その隙に奥まで侵入されてしまった。
 頭が真っ白になるような衝撃と、間違えようもない男の充溢を体の内側で感じ取り、ヴェローシは気が遠くなりそうになる。

「全部入った。あんたのナカ、俺のを絞り取ろうと蠢いてるよ」
「っ……」

 耳元に落とされた囁きのせいでさらに後孔を食いしめてしまい、中に入り込んだものの存在感を殊更強く意識してしまった。
 全身を支配する痺れは甘く絶え間ない。
 心とは裏腹の体の反応に、ヴェローシは目を見開いて浅く呼吸を繰り返すしかなかった。

 名を呼ばれるなど、特別なことではないはずなのに。
 かつてこの地に在った文明が栄え、それに神も手を貸していた、気が遠くなるほどに過去たる時代。
 ヴェローシの名は石柱に刻まれ、毎日のように人々が口にした。
 ヴェローシの象徴たる石柱の根本には数え切れないほどの供物が置かれ、人々は皆拝跪して神を尊んだ。
 それがいつしか頻度が下がり、捧げものが減り、争いが起き、人々は散り散りになった。
 誰も神であるヴェローシのことを省みず、手を差し伸べることもなく、いつしかこの地はただの砂漠に戻った。
 最後に残った石柱の刻印も、風化してもう読めない。
 オアシスに立ち寄る人間は己の名を呼ばない。
 それなのに、それだからこそ、忘れられた名を呼ばれたことに対する衝撃は大きかった。

「……ぁ」

 水の膜が張った瞳を瞬かせると、ぽろりと一粒零れて視界が晴れる。
 焚き火はいつしか熾となっていた。
 夜に輝く星々のせいで明るい空を背にして、その男はヴェローシを組み敷いている。
 体の一部をヴェローシの胎内に埋めたまま、じっと動かない。額に汗が浮かんでくる。
 ヴェローシの金茶の瞳と目が合うと、男は微笑んだ。
 嘘いつわりを感じない自然な笑みだった。

「お前の……名は」
「やっと聞いてくれた。スネイと呼んで、ヴェローシ」
「……スネイ」

 無理矢理に大きく開かれた両脚の間に他者がいることが、この上なく不快だったはずだ。
 それなのに今は、あり得ない場所に異物を受け入れているというのに、嫌悪感は消えている。
 未知の経験に対する恐怖は消えていないが、じわじわと沸き起こる感覚が苦痛ではないことをヴェローシは理解し始めていた。
 方法は理解し難いが、男が「心を込めて」ヴェローシに奉仕しているのはどうやら事実のようだ。捧げものを得たときの深い充足感がスネイから発せられている。
 尚且つ、この男はヴェローシの名を知った。
 ぼんやりとした輪郭の神に祈るのではなく、ヴェローシという形を持った個に心を捧げる、その覚悟。
 名を教え、名を知ること。
 それだけでこの男を懐に入れてしまったことに、ヴェローシは歯噛みした。
 この先に期待している───自分の浅ましさが悔しい。

 頭上で放り出していた腕を、絡みついた布ごと引き寄せて目元を拭う。
 過去に類を見ないほど涙を流したヴェローシの顔はきっと酷いことになっているだろう。
 先程までと空気が違うヴェローシに、スネイは若干困惑していた。
 頭上の男に向かって、組み敷かれたままヴェローシは不敵に笑う。

「お前の心を受け取る用意が、当初私にはなかった。しかし今ならば、受け取ってやっても良いと思えている」
「……ヴェローシ、それって」
「この地の神に『真心』を差し出してみせよ、人間スネイ」

 捧げられたものを拒絶するなど、広大な砂漠地帯を住処とする神らしくない狭量さだった。
 今でも、男の体を持つヴェローシが受け入れる側だというのはなんとなく納得がいかないが、捧げる側が奉仕するというものを断ることはない。
 スネイの顔がじわじわと朱に染まっていく。
 感極まったようにぎゅうと抱きしめられ、ヴェローシの背骨が浮いた。
 抱擁を返すために、腕の部分だけ一瞬変化させて絡まった布から腕を取り出す。
 スネイの背に手を回すと、彼は驚いてヴェローシの顔を見てから、先程よりも嬉しそうに笑った。

「絶対満足させてみせるよ、ヴェローシ」
「あぁ。……あ」
「何?」
「その、ゆ、ゆっくり……してくれ」

 自分から行為をねだるような言葉に、ヴェローシは火照った頬を隠して照れた。
 神を相手にしているからか、スネイの元々の性質のためか、彼の施す前戯はいささか性急だったように思う。
 彼が強引に事を進め続けていたら、痛みに慣れていないヴェローシは恐慌のあまり暴れていたかもしれない。砂漠と水場を司るヴェローシは大地の神の末席、彼らは総じて怒ったときが最も恐ろしい。
 天変地異など起こさずに済んでよかった、とヴェローシが安堵の息を吐くと、スネイがますます抱く腕の力を強くしてきた。

「あ~もう……こんなにハマるつもりなかったんだけど……」
「? なんだ?」
「なんでもない。それよりヴェローシ、さっきのお願いだけど……ごめんね、先に謝っておくよ」
「え、なっ……ひ、ぁあっ!」
「俺も余裕ないから、無理かも」

 指とは比べ物にならない圧力を、内壁の感じる場所に押し付けられてヴェローシは甲高く喘いだ。
 それどころか、スネイの長大なものは指では届かなかった奥の奥、閉じられた最奥部分まで容赦なく暴いていく。
 初めて切り開かれた処女地はきつく侵入者を拒み、痛みを伴うはずだった。
 それなのにどうしてか、快楽を感じてしまう。
 がつがつと行き止まりを突かれる度、甘い声が勝手に迸った。理解できない体の変化が怖くて、汗に濡れた長髪をぱさぱさと振ってヴェローシは乱れる。
 これが、受け入れることを決めた代償なのか。
 快感が強すぎて苦しい。
 そんな反応すらスネイには情欲を煽る仕草に見えて仕方がなかった。

「ヴェローシ、きもちいい?」
「わ、かんな……ぁ、そこダメぇっ!」
「ここ?」
「は、ぅあっ! あっあっ、や、ぁあ……やらぁ……っ!」

 一際強く穿たれ、反射で体が丸まった。脚の間のスネイの体ごと深く抱き込み、全身を駆け巡った衝撃に耐える。

「ぁ、あぁああっ───」

 ヴェローシに自覚はなかったが、それは彼の神身が初めて味わう絶頂だった。
 雄を嬉しそうに食い締める腸壁に、スネイも引きずられ逐情する。
 涙腺が壊れたように雫が溢れて止まらない。腹の中が熱い。
 初めての感覚ばかりで混乱の極みにあるヴェローシの髪を撫で、宥めるように梳く。するとスネイの背に縋り付いていた細い指がぎゅっと強く着衣を握った。
 その仕草がスネイの心のうちに何かの感情をじわりと広げる。

 やがてヴェローシは疲れ果てたように腕の中で目を閉じた。眠ってしまったようだ。白皙の頬がさらに青白く、涙に濡れて光っている。
 それを拭ってやりながら思い返す。
 嫌だと何度も叫んで、子供より弱々しい抵抗をしてきた、性的なことを何も知らなかった小柄な神。
 それなのに最後には、慈悲深き月女神のように笑みさえ浮かべてスネイを受け入れた。

「ヤバいかもなぁ、これは」

 眠る体を抱え直して呟いた言葉は虚空に消える。
 無数の星々と月が輝く夜空だけが、一人と一柱を照らし続けていた。




 夜明けの気配と共に二人で眠ったはずの絨毯の上で、スネイは一人で目を覚ました。

「あれ?」

 横の空間に温もりはない。
 体を起こすと、薄い毛布がぱさりと落ちた。その下は裸で、昨夜の記憶も確かにある。
 夢のようなひとときだった……とはいえ、本当に夢ではないはずだが。
 疑問符を浮かべるスネイの頭上に、翼を打つ音が響いた。
 見上げると遥か上空で、優雅に円を描く猛禽がいる。そのまま鳥は滑空し、スネイのすぐそばに着陸した。
 茶褐色の翼からすぅっと色が抜け、青紫の人毛と真っ白の肌に変わる。
 鋭く遠方を見据える黄茶の瞳はそのままに、大きく丸い少年のような双眸に形だけを変えた。
 スネイがぽかんと見守るなか、腕を一振りして質素な刺繍服を身に纏ったヴェローシは、間抜け顔の旅人を見て薄く笑う。

「お早う、人間」
「あ、おはよ……って呼び名!」
「人間、で合っているだろう」
「昨日はあんなに情熱的に名前を呼びあったのに、もう忘れちゃったの?」

 明らかな意図を持って腰を辿るスネイの手を、ヴェローシは軽く叩いた。

「勘違いするな。私はお前の『心』を受け取った。捧げものをする人間にはそれなりに報いる。それだけのこと」
「えっ! じゃああの熱い一夜も、俺のご奉仕も全部宿代だって言うのか!」
「そうだ。我ら大地を司る神はあまねく生物に博愛の心を持っている。お前の供物は、初めは少し戸惑ったが、心がこもっていた」

 唖然とするスネイの前で、ヴェローシは何度も頷く。

「今まで供物といえば物品であると思い込んでいたのが恥ずかしい。これからは行動による奉仕も視野に入れておこう」
「待って待って、俺以外のやつと昨日みたいなことするって!?」
「あぁ。あのような行為が『悪くない』ことは、昨日嫌というほど知ったのでな」

 あっけらかんとするヴェローシにスネイは頭を抱えた。
 初めは、純真無垢で何も知らなそうな、それでいて妙に時代がかった話し方をする雰囲気のある少年をからかってやろうと思っただけだった。
 幸い、男の相手はスネイの「得意技」だ。
 一時期は男役専門の男娼でも食って行けていたスネイは、己の技術に自信があった。
 しかし昨夜は、ヴェローシの予想以上の痴態と、すべてを包み込むかのような心に触れ、抑えが効かなくなってしまった。
 初心者相手に散々やらかしてしまった自覚はある。
 それがまさか気に入られ、しかし自分は竿扱いで他の相手を求められるなど、想定外もいいところだった。

 この現実離れした───さっき鳥から変身するまでは半信半疑だった、神である彼が、見知らぬ誰かと抱き合っている場面が脳裏に浮かぶ。
 スネイの妄想にしか過ぎないそれは、猛烈な不快感を内腑に沸き起こらせた。

「あんたは俺のこと『博愛』の対象なのかもしれないけど、あいにく俺は違う」

 手を取られ、そこに唇を寄せられてヴェローシはおやと思った。
 ヴェローシを見つめる青年の表情は、昨日軽薄に誘いを掛けてきたときのものとも、昨夜好き勝手にヴェローシの体を弄んだときのものとも違う。
 獲物を見つけ、それを絶対に逃さないと決意した、肉食獣の眼だ。
 昨夜知ったものとは違うぴりぴりとした高揚がヴェローシの表皮を撫ぜていく。

「あんたを他のやつには渡さない」
「……ほう?」
「まして、昨日みたいなことは俺とだけだ。俺の心を奪った責任、取ってもらわなきゃ気が済まねぇ」
「心を奪ったつもりはないが……具体的には?」
「ここに住む」
「ならん」

 十数時間前にもしたようなやりとりに、再び否を突きつけられスネイはがっくり肩を落とした。

「なんでよ! 今のはいける雰囲気だったでしょ!」
「雰囲気など知らん。だめなものはだめだ」
「だからなんで!」

 理由を問いただされ、ヴェローシは改めて思い悩んだ。
 過去、神の庇護の下で争い消えていった人間たちに、現代の人間を重ねているという部分はある。
 神と人という違いから、過度に関係性が崩れるような行動は慎むべきという意識も持っている。
 しかし現状スネイは神とオアシスを足がかりに人の文明を築こうという気概はなさそうだし、神と人という崇高な関係性を性欲で打ち崩した後だ。今更拒否したところで、あっさり諦めない気もする。
 そこまで考えて、ヴェローシはひとつ決定的な理由を見出した。

「このオアシスには肉の身を持つもののための住処はない。お前が住むことはできない」
「なんだ、じゃあ家を建てられればいいのか。それなら簡単だ」
「えっ、おい」

 スネイは握っていたヴェローシの手を放り出し、背後に広がるオアシスの緑地へ分け入った。
 草木や木の枝に触れたり折り曲げたりしながら、なにごとかブツブツと呟いている。
 終いには、道具があれば簡単な家屋が作れそうだと胸を張ってヴェローシに許可を取りに来た。

「私は、ここに住むのはならんと言った」
「それは俺のことを心配しての言葉でしょ? 自分の住処くらい自分で用意できるから大丈夫」
「そういう意味では───」
「俺がここに住めば、ヴェローシをもっと気持ちよく……いや、『真心』を捧げることができるよ? なんなら毎日でも」
「……毎日……」

 神は供物がなくとも直ちに消えはしない。
 存在を忘れられて、誰も訪れることなく、神自身すら存在を諦めたとき、神は死を迎える。万物に還り、再び世界の礎となる日を待つ。
 そのための糧が人がもたらす供物であり、心であり、信心と呼ばれるものだ。
 時折訪れる旅人たちが捧げる僅かなものですら甘美にヴェローシを満たす。
 それが毎日、スネイのように奉仕することに手慣れたものから捧げられるとしたら……。
 誘惑と戦うヴェローシの様子は、スネイには昨夜の熱いひと時を思い起こしているようにしか映らなかった。
 満更でもなさそうな神の態度にスネイは気を良くし、一気に距離を詰める。

「なんならご奉仕だけじゃなく、物品も捧げるよ。定期的に街に行って持って帰ってくる。土着の神様なら砂漠から移動できないだろ? 俺が行ってやるからさ」
「……おまえ、一文無しであろう。街からなにを持ってくるというのだ」
「そりゃあ、そこらでちょちょいと女の子に声をかければいくらでも」

 ヴェローシは冷めた目で男を見つめた。
 人間の見目など気にすることもないが、なるほどスネイは整った容姿をしているかもしれない。このような男に歓声をあげる女たちの姿を、遥か昔に見たことがあった。

「それよりまずは大工道具だな!ちょっくら街で仕入れてくるから、ここで待っててくれ。俺の家を建てる場所も考えといてくれよ!」
「待て、私は了承したわけでは」
「いってきます、愛しの神様」

 素早く髪をかきあげられ、額に口付けが落ちる。
 手慣れた動作の上に、流れるように体を離したスネイを叱って突き放す隙がない。
 額を押さえてぽかんとするヴェローシに笑顔で手を振って、スネイはオアシスを出て行った。
 彼がここを去るために助けになればと、夜のうちにオアシスを街の近くに移動させておいたため、今度はさほど苦労せずに帰り着けるだろう。

「なんなのだ、あれは……」

 触れられた額が熱い。神経など通っていないはずの、持ち上げられた髪束すらむずむずと居心地が悪い気がしてしまう。
 余韻を振り切るようにヴェローシは身を翻し、仮の姿へ変じて飛び立った。

 その後スネイは大工道具をぶら下げたまま、移動してしまったオアシスを探し回って再び倒れ、もう一度ヴェローシに拾われることになるが───それはまた別のお話である。



おわり
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