Astray

雲乃みい

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第2部

9

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「んっ……あっ……」

口の中を訳がわからなくなるくらい舐めまわされて舌を吸い上げられて、頭がぼうっとした僕はベッドに運ばれて洋服を脱がされた。
全身に落ちてくる先生の唇。
凍りついたように固まる身体をほぐすように手が這って、唇が吸いついて舌が肌を滑る。
怖い、のに胸の頂を口に含まれて舌で転がされると身体が小さく震えてしまう。
嫌、なのに手で押さえた口から変な声がでて、それがもっと嫌でたまらない。
僕のものを握りこまれて上下に擦られて頭がくらくらする。
なんでこんなに身体が熱いんだろう。
こぼれる呼吸が熱を帯びているのに気づいてる。

「そんなに気持ちいいか?」

女の人のように膨らみなんかない平らな胸に顔を寄せていた先生が僕を見て薄く笑う。
恥ずかしくて怖くて首を振ってぎゅっと目を閉じた。
そのとたん先生が離れるのを感じた。
唾液で濡れた肌が空気にさらされて冷たく震える。
握りこまれてた僕のものがひくひく脈動してるのがわかる。
自分の身体の反応を信じたくなくてひたすら夢であればいいのにって願う僕の耳にベッドが軋む音と先生が動く音が入ってくる。
そして僕の脚が開かれて先生が割って入ってきて、次になにがくるかわかってしまって逃げるように上へと身体を移動させた。
だけど呆気なく先生に腰を抱えられて拘束される。

「っ、う、や、だっ」

持ち上げられた腰。
勃ちあがった僕のものの下―――後孔にひんやりと濡れた先生の指が触れてくる。
この瞬間が一番怖かった。
排泄のための場所に冷たいものを垂らされ、ゆっくりと指を挿しこまれる瞬間が。

「んっ、いたっ」

激しく痛むわけじゃない。
けど圧迫感と鈍く響く違和感にそう叫んでしまう。
窄みをなぞり、指の先を浅く挿入させては出してを繰り返し、何度目かにそっと奥へと入りこんでくる。
思わず息を詰めてしまうと少し萎えかけた僕のものがまた掌に包まれて強めに擦られる。

「っ、ふ……ぁ、や……っあ!」

まだ慣れない後孔への侵入。
怖くて怖くて身体を丸めずにはいられないのに、先生の指が当たり前のようにある一点を擦ったとき背中が勝手にしなって声が高くなってしまった。
手で口を塞ぐと、後孔に指は沈んだまま、手を掴まれ退かされる。
目があって視線を逸らすとその手は僕の顎を固定してキスされる。
執拗に、先生に教えられた前立腺を攻められて、喘ぐ僕の声は先生の咥内に呑み込まれていく。

「……は…」

キスの合間に聞こえてきた先生の掠れた声。
それに何故か背筋が震えて戸惑った。
すぐにまた差し込まれた舌が絡みついてきて―――無意識に僕も舌を絡めて。

「ッん、ん……っ」

指がもう一本増やされて後孔が広げられていく。
僕が全裸なのに対して先生はまだ服を着たままで、素肌に擦れる衣服の感触が妙にじれったい。
そう思うこと自体おかしいのに先生から与えられる快楽の中に僕は引きずりこまれてしまっていた。
「……っ……ぁ」

三本の指が後孔を掻きまわしていて、もう違和感はほとんどなくなっていっている。
長いキスが糸をひいておわり、頭の中は熱と疼きで朦朧としていた。

「もうドロドロだな」

冷たい声が響く。
すぐにそう発した唇は僕の胸にまた落ちてきて吸いついてきた。
敏感に立ち上がった頂はさっき以上に反応する。
吸い上げられてときおり歯を立てられ、後はずっと弄られつづけ、だらだらと涎を垂らしている僕のものは先生の身体に当たって擦れて、先生のものも僕の身体にあたって擦れて、無意識のうちに腰が揺れた。
身体中に広がる疼き。
ぐちゅ、ぐちゅ、と微かに聞こえてくる水音にもっと腰が揺れて。

「淫乱」

言われて、胸の頂を甘噛みされびくびくと身体が震えた。
でも、その快感は絶頂に達するには足らない。
いつもならもう一度はイかされている。
僕だけ二度三度とイかされてから、先生は僕を貫く。
嫌なのに、快感をもう覚えてしまっているのかねだるように気づけば僕の手は先生の髪をそっと掴んでいた。
だけど先生が僕を見て、目が合ってすぐに離す。
だけど先生はすぐにその手を掴んで指を絡めるとシーツに縫い止めた。
身体を起こしたかと思うともう片方の手が僕の片脚を抱え上げる。
腰が少し浮いて後孔に宛がわれた熱。
驚いているとゆっくりと挿入されてくる。
肉壁を押しひろげる硬さと太さに吐息がこぼれた。
あまり痛みはないけど、やっぱり挿れる瞬間は圧迫感がひどくて身じろぎしてしまう。
じわじわと後孔を侵していく先生のものは途中で止まった。
また目が合って、先生は緩く口角を上げる。
一瞬妖艶さを纏う目に、目を奪われたけど、次の瞬間にはなにもかもが真っ白に吹き飛んだ。

「ッん……あっん」

動き出したかと思った先生のものは前立腺を押しつぶすように一気に深く突き刺さる。
そしてすぐにまたわずかに抜くと前立腺ばかり狙って律動しだした。
指とは違う質量のものが肉壁を擦って感じる部分ばかりを突くことに身体が痙攣する。
喘ぎが止められなくって先生に縫い止められてないもう片方の手で口を覆うったらその手も掴まれ起き上がらせられた。
挿れたばかりなのにいきなり対面座位にさせられさらに深く突き刺さって背中がしなった。
腰を抱えられて激しく突き上げられる。
衝撃に声が跳ねあがってしまう。

「……あっ……んっ……せん……せっ」

内臓が引きずり出されるような感覚、なのに、前立腺を突かれるとすべてが弾き飛んで。
僕は強すぎる快感が怖くて必死で先生にしがみついた。
服を着たままの先生のシャツを握りしめて喘いで。
そうしたら先生が僕の口を塞いで咥内を蹂躙する。
僕と先生の間で擦れる僕のものも扱かれて。

「っ……ふ……ッん」

絶頂に達するのなんて、あっという間。
荒く吐く息が自分のものと先生のが混じる。
腰を打ちつけてくる先生の切羽詰まったような吐息に僕は一度目の吐精とオーガズムに達した。
先生のシャツに白濁を吐き出し、それでも律動は激しいままで、呼吸もままならないくらいにイキつづけて。

「ん、んっ、ぁっ」
「……っ」

熱のこもった先生の声が耳元で聞こえた瞬間、熱いものが体内に放出されるのを感じた。

「ぁ、ぁ、ぁ……っ」

それさえ―――気持ちよく感じて、目を閉じていると、ぎゅっときつく抱きしめられたような気が……した。




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