5 / 30
第1部
4
しおりを挟む
指で慣らしはしたが、スムーズには入らなかった。
質量が違う俺の半身に遥は驚いたように俺を見て、そして視線を落とす。
今は俺が腰を引き寄せているから遥の位置からは結合部は見えないだろう。
だけど、はっきりと何が行われてるかはわかるはずだ。
肉壁を押し広げながら腰を進めていく。
熱く締めつけてくる内側に気を抜けばあっという間に持っていかれそうだ。
「イ……ッ」
信じられない、といった表情で痛みに顔を歪ませる遥。
「どう? 突っ込まれた感想は」
乱れそうになる息をなだめながら声をかける。
愕然としている遥は唇を震わせていた。
なにか言いたそうにはしているが、衝撃が強すぎるのか言葉が出ないらしい。
「ほら、お前と俺と繋がってんぞ?」
ローションの滑りをかりて、少し強引に根元まで一気にねじ込んだ。
「ひ…ッ、っああ」
遥の身体が大きく揺れる。
遥のナカは熱すぎてきつすぎて狂いそうになる。
本能のままに動きたくなる。
それを押さえこんで遥の身体に密着するように身体を寄せた。
動かしてはないが体勢的に一層深く挿ったのか眉を寄せて遥が呻く。
「遥。わかるか、俺が」
お前を犯す、俺のものが。
至近距離で顔をのぞきこめば、止まっていた涙がこぼれ出す。
「……な、ん……で」
なんで?
―――そんなもん、決まってる。
「せんせ……っ、なんでっ」
ぐずぐずとしゃくりあげる遥の目元を、頬を舌で味わうようにゆっくり舐める。
いやだと首を振る遥に、埋まっている半身で奥をノックするように腰を動かした。
「ンッ、ぃ……った」
快感にはまだ遠いだろう。
苦痛に息を荒げている遥の唇に唇で塞ぐ。
驚いたように縮こまる舌を無理やり絡めて、吸い上げて、舐めまわす。
手を密着した身体同士の隙間に潜り込ませ遥の胸の突起を抓った。
「……んっふ、ンンっ」
挿入で萎えかけてきていた遥の半身が俺が身体を揺することで腹部で擦れあいまた硬さを取り戻す。
ころ合いを見計らって、ゆっくりと腰を動かしだした。
前立腺を狙いながらゆっくり、深く突き動かす。
「ッ、ん、ぁ」
キスの合間に漏れてくる声はやっぱり甘い。
散々時間をかけて開いてきた身体。
そのせいかもう俺のものに馴染みだしているような気さえする。
「遥」
俺を見ろ、と片手を頬に添えた。
「イイ、だろ?」
遥は首を振る。
「腰、揺れてるぞ?」
嘲笑えば、遥は大粒の涙をこぼし、だが後孔は一層きつく俺を締めあげる。
「お前は俺のが好きだってさ」
涙でぐしゃぐしゃになって絶望と恐怖と快感をない交ぜにした顔が―――
笑えるほど、愛おしい。
突くたびに震える身体も、聞こえ漏れる喘ぎも、全部狂ったように俺を駆り立てる。
「お前は俺に犯されて感じてんだよ。わかってんだろ?」
もう遥はなにも言わずにすすり泣いて―――ヨガった。
キスをやめ、遥の脚を抱えて馴染みきった結合部から音がするくらいの律動を始めた。
「……ひ……ッあ、や……っああ」
俺に突き動かされ揺さぶられる遥はもう喘ぐだけ。
遥を追い込めば追い込むほどに俺も追い込まれる。
響くのは腰を打ち付ける音とローションの溢れる音と、そして俺の息遣いと遥の息遣いと喘ぎ。
もう雨の音さえも聞こえなかった。
夢中になって遥に杭を打ち込み続け―――
遥の唇が寝言でも呟くように微かに動いた。
『イク』
と、確かに動いて、音なく聞こえたその言葉に俺は激しく腰を打ちつけて白濁を吐き出した。
雨は、止まない。
床に横たわる遥は疲れ切った顔で寝息を立てていた。
立て続けに二回シて、最後は気を失った。
四回はその前にイかせていたから、それもしょうがないだろ。
……こいつ体力なさそうだもんな。
ふと、笑いが漏れ、遥の髪を撫でた。
部屋には性交特有のにおいがいまだに充満している。
遥自身、まだ生々しく白濁が肌にこびりついている。
セックスなんてもの知らなさそうなあどけない寝顔をした遥に乱れた姿はアンバランスだ。
「……遥」
耳に舌を這わせると、微かに身じろいだが目を覚ます様子はなかった。
雨は、止まない。
たぶんもう、ずっと止まない。
「お前にとっては地獄の始まりだな」
心なんて―――伴わなくてもいい。
ただ身体だけ―――俺のところに堕ちればいい。
堕ちるまで、壊して噛み砕いて、犯し続けてやる。
我ながら歪んだ感情に笑いが出て、そっと遥に口づけた。
そして雨音を聞きながら遥の耳に唇を寄せて。
『―――』
たぶん、本人には一生言うことのない、言葉を囁いた。
***第一部・了***
質量が違う俺の半身に遥は驚いたように俺を見て、そして視線を落とす。
今は俺が腰を引き寄せているから遥の位置からは結合部は見えないだろう。
だけど、はっきりと何が行われてるかはわかるはずだ。
肉壁を押し広げながら腰を進めていく。
熱く締めつけてくる内側に気を抜けばあっという間に持っていかれそうだ。
「イ……ッ」
信じられない、といった表情で痛みに顔を歪ませる遥。
「どう? 突っ込まれた感想は」
乱れそうになる息をなだめながら声をかける。
愕然としている遥は唇を震わせていた。
なにか言いたそうにはしているが、衝撃が強すぎるのか言葉が出ないらしい。
「ほら、お前と俺と繋がってんぞ?」
ローションの滑りをかりて、少し強引に根元まで一気にねじ込んだ。
「ひ…ッ、っああ」
遥の身体が大きく揺れる。
遥のナカは熱すぎてきつすぎて狂いそうになる。
本能のままに動きたくなる。
それを押さえこんで遥の身体に密着するように身体を寄せた。
動かしてはないが体勢的に一層深く挿ったのか眉を寄せて遥が呻く。
「遥。わかるか、俺が」
お前を犯す、俺のものが。
至近距離で顔をのぞきこめば、止まっていた涙がこぼれ出す。
「……な、ん……で」
なんで?
―――そんなもん、決まってる。
「せんせ……っ、なんでっ」
ぐずぐずとしゃくりあげる遥の目元を、頬を舌で味わうようにゆっくり舐める。
いやだと首を振る遥に、埋まっている半身で奥をノックするように腰を動かした。
「ンッ、ぃ……った」
快感にはまだ遠いだろう。
苦痛に息を荒げている遥の唇に唇で塞ぐ。
驚いたように縮こまる舌を無理やり絡めて、吸い上げて、舐めまわす。
手を密着した身体同士の隙間に潜り込ませ遥の胸の突起を抓った。
「……んっふ、ンンっ」
挿入で萎えかけてきていた遥の半身が俺が身体を揺することで腹部で擦れあいまた硬さを取り戻す。
ころ合いを見計らって、ゆっくりと腰を動かしだした。
前立腺を狙いながらゆっくり、深く突き動かす。
「ッ、ん、ぁ」
キスの合間に漏れてくる声はやっぱり甘い。
散々時間をかけて開いてきた身体。
そのせいかもう俺のものに馴染みだしているような気さえする。
「遥」
俺を見ろ、と片手を頬に添えた。
「イイ、だろ?」
遥は首を振る。
「腰、揺れてるぞ?」
嘲笑えば、遥は大粒の涙をこぼし、だが後孔は一層きつく俺を締めあげる。
「お前は俺のが好きだってさ」
涙でぐしゃぐしゃになって絶望と恐怖と快感をない交ぜにした顔が―――
笑えるほど、愛おしい。
突くたびに震える身体も、聞こえ漏れる喘ぎも、全部狂ったように俺を駆り立てる。
「お前は俺に犯されて感じてんだよ。わかってんだろ?」
もう遥はなにも言わずにすすり泣いて―――ヨガった。
キスをやめ、遥の脚を抱えて馴染みきった結合部から音がするくらいの律動を始めた。
「……ひ……ッあ、や……っああ」
俺に突き動かされ揺さぶられる遥はもう喘ぐだけ。
遥を追い込めば追い込むほどに俺も追い込まれる。
響くのは腰を打ち付ける音とローションの溢れる音と、そして俺の息遣いと遥の息遣いと喘ぎ。
もう雨の音さえも聞こえなかった。
夢中になって遥に杭を打ち込み続け―――
遥の唇が寝言でも呟くように微かに動いた。
『イク』
と、確かに動いて、音なく聞こえたその言葉に俺は激しく腰を打ちつけて白濁を吐き出した。
雨は、止まない。
床に横たわる遥は疲れ切った顔で寝息を立てていた。
立て続けに二回シて、最後は気を失った。
四回はその前にイかせていたから、それもしょうがないだろ。
……こいつ体力なさそうだもんな。
ふと、笑いが漏れ、遥の髪を撫でた。
部屋には性交特有のにおいがいまだに充満している。
遥自身、まだ生々しく白濁が肌にこびりついている。
セックスなんてもの知らなさそうなあどけない寝顔をした遥に乱れた姿はアンバランスだ。
「……遥」
耳に舌を這わせると、微かに身じろいだが目を覚ます様子はなかった。
雨は、止まない。
たぶんもう、ずっと止まない。
「お前にとっては地獄の始まりだな」
心なんて―――伴わなくてもいい。
ただ身体だけ―――俺のところに堕ちればいい。
堕ちるまで、壊して噛み砕いて、犯し続けてやる。
我ながら歪んだ感情に笑いが出て、そっと遥に口づけた。
そして雨音を聞きながら遥の耳に唇を寄せて。
『―――』
たぶん、本人には一生言うことのない、言葉を囁いた。
***第一部・了***
0
お気に入りに追加
90
あなたにおすすめの小説
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
私の事を調べないで!
さつき
BL
生徒会の副会長としての姿と
桜華の白龍としての姿をもつ
咲夜 バレないように過ごすが
転校生が来てから騒がしくなり
みんなが私の事を調べだして…
表紙イラストは みそかさんの「みそかのメーカー2」で作成してお借りしています↓
https://picrew.me/image_maker/625951
寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる