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contact2. それを、誰と見るか
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車が高速道路に乗って、改めて本当に行くんだと内心ため息が漏れた。
年が開けたばかりの上に二時も過ぎた高速道路は静かだ。
高速特有の走行音が車内に響くなかに流れる洋楽に耳を傾けながら、道路を照らす等間隔に並ぶ電灯のひかりが流れていくのを眺めていた。
「また一年あっという間なんだろうなぁ」
だからと言って俺と智紀さんの間に会話がないわけじゃない。
会話は不自然に途切れることもなく、苦痛に思うこともないペースで続いてる。
遠出に気が重かったはずの俺が結局笑いながら相槌を打ってしまったりしていた。
智紀さんはやっぱり話術に長けているんだろう。
「俺にとっては今年は長そうです」
視線を前に向け、フロントガラスに映りこんでいる智紀さんを見た。
ふ、とガラス越しに目が合ったような気がする。
「ああ、4月から就職だもんね。楽しみだね」
「そうですね」
もうあと少しすれば大学を卒業して、社会人になる。
就職先も決まっているし志望していた業種だけに楽しみはもちろんあるけれど、それ以上に不安や緊張もある。
春、俺はどんな生活をしてるんだろう。
きっとあっという間にくる新生活に思考を巡らせていたら、笑いを含んだ智紀さんの声が響き、
「ちーくんのスーツ姿楽しみだな。俺にもお祝いさせてね」
奢るよ、とちらり俺を見て目を細めた。
「……ありがとうございます」
一瞬間があいてしまったのは、なんて答えればいいのかわからなかったからだ。
社交辞令だと笑って頷けばいいだけのはず。
なのに、脳裏に浮かんだのは、
"4月もこうして俺と智紀さんが一緒にいることはあるんだろうか"とか、
"きっと春には智紀さんも俺なんか相手にしなくなってるはず"だとか、
よくわからない考えがいくつか沸き上がって絡まったからだ。
智紀さんにとっては深い意味なんてない言葉なんだろうから、真面目に受け取る必要はないだろう。
そう、社交辞令なんだから。
―――……いや、そうじゃなくて。
気付かれないようにため息をそっと静かに吐き出した。
何を俺は本当に些細な言葉を深く考えてしまってるんだろう。
社交辞令だろうとかそういうことまで考える必要なんてないはずだ。
逆の立場だったら俺もそう言ってたかもしれない。
話の流れの一環で、4月俺と智紀さんの交流が続いてるかどうかなんてことを―――いま考える必要なんてない。
ない、はず。
「ちーくん」
「はい」
「どうしたの、就職が不安?」
「え?」
「眉間にしわ寄ってるよ」
ハンドルから外れた片手が俺に伸びて眉間に触れてきた。
冷たくもなく温かすぎてもいない体温。
ぐりぐり、と押してくるその指を掴む。
「なんでもないです。……あの、危ないからちゃんと前見て運転してください」
「はいはい」
おかしそうに笑う智紀さんの指から手を離した。
だけど離れる瞬間にまた掴まれて、指が絡まる。
思わず顔を見たら目が合って、やっぱり笑われた。
「片手ハンドルは危ないですよ」
「だいじょーぶ」
「でも」
「ちょっとだけ、ね? ちーくんチャージさせてよ」
屈託ない言葉に、なんですかそれ、と視線を窓の外に向ける。
忍び笑う声を聞きながら、もう何度目かのため息をまたそっと吐き出す。
今日会うので二度目。
一度目は―――あんなことになったけど、だけど、俺たちの関係はそれだけだ。
顔見知りと呼べばいいのか、知人なのか、なんなのかわからない。
だけどこうして恋人のように指を絡めて手を繋ぐようなこと、する必要はないはず。
俺はそれをほどいてもいいはず。
なのに―――手の甲をときおり滑る指に困惑しながらも―――その手を離すことはできなかった。
***
高速を走りだして二時間ほどしてようやくサービスエリアで休憩することになった。
本当はもっと早くから休んだらどうかと言ってはいたんだけど智紀さんは「ちーくんがトイレ大丈夫なら先進もう」と車を走らせ続けていた。
当たり前のことながら深夜のしかも元旦のサービスエリアに人気はない。
車はちらほら停まってはいるけれど、見渡す限り人の姿はなかった。
店ももちろん閉まっているし、トイレと自販機の灯りがやけに眩しく感じた。
暖まっていた車内から降りれば冷気がいっきに押し寄せてきて身震いしてしまう。
俺はトイレへ智紀さんは一服すると喫煙所に向かった。
トイレで用を足し手を洗いながら鏡に映る自分を見る。
不思議と眠気はなく、目は冴えている。
それでも少し疲れた感じに見えるのは深夜遅いせいか、それともあの人と一緒にいるせいだろうか。
別にドライブ自体は楽しくないわけじゃない。
疲れない程度に会話は続き、沈黙だって落ちたりはしたけれどとくに重いわけでもなく自然なものだった。
ひんやりとした水で手を洗ってトイレをあとにする。
どれくらいで着くんだろう。
しんとした夜の冷気の中で息を白く吐き出しながら、こんなところにいる自分を不思議に思う。
ジャケットのポケットに手を突っ込み視線を彷徨わせると智紀さんの姿が数メートル先に見えた。
俺のほうには背を向け煙草を吸っている。
足を向けかけ、先に自販機に寄ることにした。
寒いし、コーヒーでも買おう。
俺が車に乗った時、智紀さんは俺の分のコーヒーを買っておいてくれていた。
そのコーヒーももうすでに飲んでしまっていたし。
―――ブラックでいいよな。
小銭をいれていってブラックを選ぶ。
静けさの中に缶コーヒーの出てくる音が響き渡って聞こえる。
続けて二本目を買おうとボタンを押しかけたところで、不意に後ろから声がかかった。
「なに、俺のも買ってくれるの?」
驚きで、反射的にボタンを押していた。
「さすが、ちーくん。俺の好みわかってくれてるね」
「……いや適当ですけど」
まだ二回しか会ったことのない智紀さんの好みを俺が知るはずもない。
二本の缶コーヒーを取り出しながら智紀さんは俺の言葉を気にする様子もなく「ありがとう」と微笑む。
そして、
「はい」
そう声がかけられたからコーヒーを渡されるのかと手を差し出したら、コーヒーじゃなく智紀さんの手が重なってきた。
缶コーヒー二本片手に持って、俺の手を繋ぐ。
「……智紀さん」
「なに?」
「手」
「うん?」
相変わらずパッと見は爽やかな笑顔。
他意なんてまったくなさそうなその笑顔が胡散臭く見える、なんて言ったら怒るかな。
いや怒らないだろうな。
きっと『そう?』なんて笑われるだけだろう。
それと同じように、きっといま俺が手を離してほしいなんて言ったって気にしないだろう。
第一、車内でも手を繋いでいたんだし……。
当たり前のように繋がれた手に意味などない。
ただの気まぐれな、戯れだ。
「……手、冷たいですね」
指同士を絡めて繋がれ、伝わってくる冷たさ。
車内では温かかったはずの手は、手の甲に触れる指先からすべて冷え切っていた。
「冬だし」
「確かに」
「俺、意外に冷え症なんだよね」
「そうなんですか?」
「そうそう。だからちーくん温めてよ」
「―――じゃあ、戻りましょう。車。そのコーヒーを持っていれば温まるんじゃないですか」
冷え症だというなら両手にコーヒー持って温まってくれ。
さりげなく手を離そうとしたら、予想通りぎゅっと握りしめられる。
「ちーくんのドS! 僕が温めてあげますよ、とか言わなきゃ」
「……車、戻りましょう」
いろんな意味で冷え切ってしまいそうで、繋がれた手を引っ張り歩き出すと忍び笑いが聞こえてきてそっと溜息をついた。
年が開けたばかりの上に二時も過ぎた高速道路は静かだ。
高速特有の走行音が車内に響くなかに流れる洋楽に耳を傾けながら、道路を照らす等間隔に並ぶ電灯のひかりが流れていくのを眺めていた。
「また一年あっという間なんだろうなぁ」
だからと言って俺と智紀さんの間に会話がないわけじゃない。
会話は不自然に途切れることもなく、苦痛に思うこともないペースで続いてる。
遠出に気が重かったはずの俺が結局笑いながら相槌を打ってしまったりしていた。
智紀さんはやっぱり話術に長けているんだろう。
「俺にとっては今年は長そうです」
視線を前に向け、フロントガラスに映りこんでいる智紀さんを見た。
ふ、とガラス越しに目が合ったような気がする。
「ああ、4月から就職だもんね。楽しみだね」
「そうですね」
もうあと少しすれば大学を卒業して、社会人になる。
就職先も決まっているし志望していた業種だけに楽しみはもちろんあるけれど、それ以上に不安や緊張もある。
春、俺はどんな生活をしてるんだろう。
きっとあっという間にくる新生活に思考を巡らせていたら、笑いを含んだ智紀さんの声が響き、
「ちーくんのスーツ姿楽しみだな。俺にもお祝いさせてね」
奢るよ、とちらり俺を見て目を細めた。
「……ありがとうございます」
一瞬間があいてしまったのは、なんて答えればいいのかわからなかったからだ。
社交辞令だと笑って頷けばいいだけのはず。
なのに、脳裏に浮かんだのは、
"4月もこうして俺と智紀さんが一緒にいることはあるんだろうか"とか、
"きっと春には智紀さんも俺なんか相手にしなくなってるはず"だとか、
よくわからない考えがいくつか沸き上がって絡まったからだ。
智紀さんにとっては深い意味なんてない言葉なんだろうから、真面目に受け取る必要はないだろう。
そう、社交辞令なんだから。
―――……いや、そうじゃなくて。
気付かれないようにため息をそっと静かに吐き出した。
何を俺は本当に些細な言葉を深く考えてしまってるんだろう。
社交辞令だろうとかそういうことまで考える必要なんてないはずだ。
逆の立場だったら俺もそう言ってたかもしれない。
話の流れの一環で、4月俺と智紀さんの交流が続いてるかどうかなんてことを―――いま考える必要なんてない。
ない、はず。
「ちーくん」
「はい」
「どうしたの、就職が不安?」
「え?」
「眉間にしわ寄ってるよ」
ハンドルから外れた片手が俺に伸びて眉間に触れてきた。
冷たくもなく温かすぎてもいない体温。
ぐりぐり、と押してくるその指を掴む。
「なんでもないです。……あの、危ないからちゃんと前見て運転してください」
「はいはい」
おかしそうに笑う智紀さんの指から手を離した。
だけど離れる瞬間にまた掴まれて、指が絡まる。
思わず顔を見たら目が合って、やっぱり笑われた。
「片手ハンドルは危ないですよ」
「だいじょーぶ」
「でも」
「ちょっとだけ、ね? ちーくんチャージさせてよ」
屈託ない言葉に、なんですかそれ、と視線を窓の外に向ける。
忍び笑う声を聞きながら、もう何度目かのため息をまたそっと吐き出す。
今日会うので二度目。
一度目は―――あんなことになったけど、だけど、俺たちの関係はそれだけだ。
顔見知りと呼べばいいのか、知人なのか、なんなのかわからない。
だけどこうして恋人のように指を絡めて手を繋ぐようなこと、する必要はないはず。
俺はそれをほどいてもいいはず。
なのに―――手の甲をときおり滑る指に困惑しながらも―――その手を離すことはできなかった。
***
高速を走りだして二時間ほどしてようやくサービスエリアで休憩することになった。
本当はもっと早くから休んだらどうかと言ってはいたんだけど智紀さんは「ちーくんがトイレ大丈夫なら先進もう」と車を走らせ続けていた。
当たり前のことながら深夜のしかも元旦のサービスエリアに人気はない。
車はちらほら停まってはいるけれど、見渡す限り人の姿はなかった。
店ももちろん閉まっているし、トイレと自販機の灯りがやけに眩しく感じた。
暖まっていた車内から降りれば冷気がいっきに押し寄せてきて身震いしてしまう。
俺はトイレへ智紀さんは一服すると喫煙所に向かった。
トイレで用を足し手を洗いながら鏡に映る自分を見る。
不思議と眠気はなく、目は冴えている。
それでも少し疲れた感じに見えるのは深夜遅いせいか、それともあの人と一緒にいるせいだろうか。
別にドライブ自体は楽しくないわけじゃない。
疲れない程度に会話は続き、沈黙だって落ちたりはしたけれどとくに重いわけでもなく自然なものだった。
ひんやりとした水で手を洗ってトイレをあとにする。
どれくらいで着くんだろう。
しんとした夜の冷気の中で息を白く吐き出しながら、こんなところにいる自分を不思議に思う。
ジャケットのポケットに手を突っ込み視線を彷徨わせると智紀さんの姿が数メートル先に見えた。
俺のほうには背を向け煙草を吸っている。
足を向けかけ、先に自販機に寄ることにした。
寒いし、コーヒーでも買おう。
俺が車に乗った時、智紀さんは俺の分のコーヒーを買っておいてくれていた。
そのコーヒーももうすでに飲んでしまっていたし。
―――ブラックでいいよな。
小銭をいれていってブラックを選ぶ。
静けさの中に缶コーヒーの出てくる音が響き渡って聞こえる。
続けて二本目を買おうとボタンを押しかけたところで、不意に後ろから声がかかった。
「なに、俺のも買ってくれるの?」
驚きで、反射的にボタンを押していた。
「さすが、ちーくん。俺の好みわかってくれてるね」
「……いや適当ですけど」
まだ二回しか会ったことのない智紀さんの好みを俺が知るはずもない。
二本の缶コーヒーを取り出しながら智紀さんは俺の言葉を気にする様子もなく「ありがとう」と微笑む。
そして、
「はい」
そう声がかけられたからコーヒーを渡されるのかと手を差し出したら、コーヒーじゃなく智紀さんの手が重なってきた。
缶コーヒー二本片手に持って、俺の手を繋ぐ。
「……智紀さん」
「なに?」
「手」
「うん?」
相変わらずパッと見は爽やかな笑顔。
他意なんてまったくなさそうなその笑顔が胡散臭く見える、なんて言ったら怒るかな。
いや怒らないだろうな。
きっと『そう?』なんて笑われるだけだろう。
それと同じように、きっといま俺が手を離してほしいなんて言ったって気にしないだろう。
第一、車内でも手を繋いでいたんだし……。
当たり前のように繋がれた手に意味などない。
ただの気まぐれな、戯れだ。
「……手、冷たいですね」
指同士を絡めて繋がれ、伝わってくる冷たさ。
車内では温かかったはずの手は、手の甲に触れる指先からすべて冷え切っていた。
「冬だし」
「確かに」
「俺、意外に冷え症なんだよね」
「そうなんですか?」
「そうそう。だからちーくん温めてよ」
「―――じゃあ、戻りましょう。車。そのコーヒーを持っていれば温まるんじゃないですか」
冷え症だというなら両手にコーヒー持って温まってくれ。
さりげなく手を離そうとしたら、予想通りぎゅっと握りしめられる。
「ちーくんのドS! 僕が温めてあげますよ、とか言わなきゃ」
「……車、戻りましょう」
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