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37 弄ばれる心
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シドの部屋に入ると、彼は自分で髪の毛を乾かしている最中だった。しかし、それはあまりにも目に余る乾かし方で。
「シド……! そんな乾かし方をしたらせっかく綺麗な髪が痛みます! ほら、私が乾かしますからここに座ってください」
シドは私の勢いに驚いたのか、言われるがまま大人しく革製の一人掛けソファーに座った。
髪を乾かすべく私もソファーの背後に移動し、彼の後頭部に目をやる。
――ほら、やっぱり。
ガシガシと乱暴に乾かしていたから、案の定髪の毛がバサバサになっている。元の髪質が良いから絡まってはいないが、こんなふうに痛めてしまうなんてもったいなさすぎだ。
「シド、あなたの髪はとっても綺麗なんですよ。丁寧に扱ってあげてください」
さら艶なシドの漆黒の髪は、努力したとしてもそう簡単に得られるものではないだろう。こんなに良い素材を自ら劣化させるなんて、自分自身に対する冒涜でしかない。
だが、シドはそんなことなんて考えていなさそうに、首にかけていたタオルを頭に被せて言った。
「丁寧も何も、結局乾けばいいんだよ。別にこんな髪っ……綺麗なんかじゃないし」
私は開いた口が塞がらなかった。こんなに綺麗な髪を持っていて、何てことを言うのだろうかと。
「自分で気付いてないんですか? ああ、本当にもったいないっ……」
私は額に曲げた人差し指の甲を当て、半ば呆れ気味に首をゆるゆると横に振った。そして、はぁと息を吐いて彼に告げた。
「決めました。これからは私が責任もって、シドの髪を綺麗にします」
そう言って、私はシドの頭に被せたタオルを手に取り、彼の髪を乾かし始めた。それから間もなく、私の耳に意外な声が届いた。
「ふっ……」
「シド、何か面白いことでも?」
「いや?」
後ろにいるから表情は見えないが、シドが何やら愉しそうに小さく笑った。「いや?」と否定したのに、彼はまた笑い声を零している。
まあ、機嫌が直ったということだろう。怒ったり険しい顔をしたりするよりずっといい。
「いつものシドになって良かったです。さっき急にシドが冷たくなったから、私――」
「……寂しかったか?」
「えっ」
続けようとした言葉を先越され、思わず口から驚きの声が漏れる。すると、酷く優しい声がポツリと告げた。
「……冗談だよ」
そう言うと、シドは一段清々しげな声で言葉を続けた。
「あんたがこの部屋に来るまでの会話、聞こえてたよ」
「会話って、ヴァルド様とのですか?」
別に変なことは言っていないと思うけど、何か引っかかったのだろうか。
「私の主はシドなので、仕事を優先させてください」
「っ……」
「さすが俺に身を捧げただけあるな。あんたの忠誠心に感動したよ」
「それはちょっと言い方が……」
どうして一言一句覚えているんだろうか。
確かに私はシドに私を捧げると言った。だけど、こうして口に出して言われると何だか恥ずかしくなってくる。
「確かに捧げると言いましたが――」
「違うのか?」
私の言葉を遮るシドの切なげな声は、どこか危うさのような雰囲気を孕んでいた。
「違うわけじゃないですけど……」
私が言葉を紡ぐにつれ、明るくなったはずのシドの後ろ姿から、みるみる元気がなくなっているように感じる。
なぜかシドは、突然こうして自信ないような態度を取ることがある。私には理由の見当すらつかず、本当に不思議でならない。
――ああもう、じれったい!
私は髪を拭く手を止めて、タオルを握ったままシドの顔が見える正面へと回った。
「シド」
「……」
真正面に座る真顔の彼を見つめ、私はわざと怒った風に腰に手を当てて言った。
「そもそもそうじゃなきゃ、シドの髪を乾かしたりしないですよ!」
「そう、か……」
「そうですよ。シドってば、たまにっ、キャッ!」
手首を掴まれたかと思えば、面白そうに笑う彼の顔がすぐ目の前にあった。
突然の出来事に理解が追い付かなかったが、美貌を近距離にした私の顔には羞恥の熱が込み上げる。
「シ、シド、突然何をっ……」
今の私の体勢は右手首をシドに掴まれ、残った左手を突っ張り棒のようにシドが座る一人掛けソファーの腕置きに置いている状態だった。
ちょっとでも動こうものなら、革貼りのソファーが軋む音を立てて浅く沈む。それと同時に、風呂上がりのシドの香りが鼻腔に広がった。
「ちょっと、シド。この体勢――」
「……してくれ」
「え?」
「じゃあ、あんたが証明してくれよ。俺に身を捧げたって」
そう告げるシドの深紅の瞳は、私の視線を心ごと射貫いた。
――ちょっと待って、シドったらどうしたのっ……。
こんな人じゃなかったよね!?
本当にどうしよう、こんなっ……。
自分のものとは思えないほど、瞬く間に心臓の鼓動が激しくなる。
そのとき、唐突にシドが私の手首を握る手を解いた。
そして、あろうことかその手で私の右手を握った。
それも、一本一本指を絡めるように――まさに私が知る恋人繋ぎそのもの握り方で。
「っ……!」
もう私の心臓は爆発寸前だった。というか、身体全部が心臓になったみたいにドクドクと脈打っている。
この体勢のままでは心臓の音が聞こえているかもしれない。いや、もう恐らく聞こえてしまているだろう。
それに、私の手からも彼にドキドキが伝わっているはずだ。これは非常にまずい。
そう思ったとき、シドが羞恥に染まる私の顔を覗き込んで、甘い笑顔で訊ねてきた。
「答えて、オーロラ?」
「ど、ど、どうやって証明するって言うんですかっ……」
「ん? オーロラがうんって言ってくれたら、それだけでいいよ」
これまで聞いた中で一番優しいシドの声だった。そのせいか、私の口は勝手に動いて――
「うん……」
主従関係だというのに余裕も無い私は、本当に彼に言われたままそう言って頷くことしかできなかった。
だが、彼はその答えを聞くと満足そうに微笑み私の手をパッと離した。
「ふっ……オーロラ。ほら、ここまだ乾いてないぞ?」
何ごともなかったかのように振る舞うシドは、私をからかうような声で髪の毛を掴んで見せる。
その笑顔を見るだけで、私の心はドクンと強く脈打った。もう、完全にやってしまったのかもしれない。
そんな感情に支配されている私に、シドは無邪気に付け加える。
「ヴァルド様に言った通り、ちゃんと仕事しないとな」
「と、当然です! シド、ちゃんと前を向いていてくださいね!」
これ以上間抜けな赤面を晒すわけにはいかないと、私は再びシドの背後に回って髪を乾かし始めた。
こうして頭がおかしくなりそうなほど一方的にドキドキさせられた私は、ふわふわと浮遊するような感覚で彼の髪を完璧に乾かし、早々に退室した。
◇◇◇
「……まずい」
シドの部屋を出て少しリビングに近いところで独り言ちた。すると、ある人物がそんな私の独り言に反応した。
「何がまずいなのですか?」
「アール!」
聞かれていたのかと、ちょっと焦ってしまう。私の声に驚いたのか、キッチンに居たのであろうベリーまでもが駆け寄ってきた。
「どうしたの? って、オーロラその顔! 大丈夫?」
「えっ……」
「あっ、気付かなかったなのです! もしかして具合が悪くなったですか? お顔が真っ赤なのです!」
アールはそう言うと、オロオロとした様子で心配そうに私を見つめる。
「無理しないでくださいです」
「そうだよ、オーロラ。病み上がりでしょ?」
気遣うようにベリーがそう言った瞬間だった。
「オーロラ、それは本当か?」
「ヴァルド様……!」
声が聞こえてリビングから来たのだろう。ヴァルド様は私の姿を捉えると、心配そうな表情で歩み寄ってきた。
「病み上がりとは知らなかったんだ。話はいいから、今日は早く休んでくれ」
「よろしいのですか?」
「もちろんだ。体調が万全なとき、たくさん話をしよう」
何ということだろう。まさかの本人からの申し出に、私は心の中でガッツポーズをした。
「はい、そのようにさせていただきます」
ヴァルド様はやはり神。善良な心で私の体調を気遣ってくれたのだと感謝をしながら、私は彼に一礼した。
こうしてあれよあれよという間に、私は運よくヴァルド様とのお喋りタイムを避けることに成功した。
だが、正直それどころではない。
急ぎ足で自室に戻り寝支度を整えた私は、ベッドへ横になるなり布団をガバッと頭のてっぺんまで被った。
「どうしよう……」
こんなことになるはずではなかった。
こんな展開、想像もしていなかった。
まさか、主人であるシドを好きになってしまう日が来るだなんて……。
「シド……! そんな乾かし方をしたらせっかく綺麗な髪が痛みます! ほら、私が乾かしますからここに座ってください」
シドは私の勢いに驚いたのか、言われるがまま大人しく革製の一人掛けソファーに座った。
髪を乾かすべく私もソファーの背後に移動し、彼の後頭部に目をやる。
――ほら、やっぱり。
ガシガシと乱暴に乾かしていたから、案の定髪の毛がバサバサになっている。元の髪質が良いから絡まってはいないが、こんなふうに痛めてしまうなんてもったいなさすぎだ。
「シド、あなたの髪はとっても綺麗なんですよ。丁寧に扱ってあげてください」
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だが、シドはそんなことなんて考えていなさそうに、首にかけていたタオルを頭に被せて言った。
「丁寧も何も、結局乾けばいいんだよ。別にこんな髪っ……綺麗なんかじゃないし」
私は開いた口が塞がらなかった。こんなに綺麗な髪を持っていて、何てことを言うのだろうかと。
「自分で気付いてないんですか? ああ、本当にもったいないっ……」
私は額に曲げた人差し指の甲を当て、半ば呆れ気味に首をゆるゆると横に振った。そして、はぁと息を吐いて彼に告げた。
「決めました。これからは私が責任もって、シドの髪を綺麗にします」
そう言って、私はシドの頭に被せたタオルを手に取り、彼の髪を乾かし始めた。それから間もなく、私の耳に意外な声が届いた。
「ふっ……」
「シド、何か面白いことでも?」
「いや?」
後ろにいるから表情は見えないが、シドが何やら愉しそうに小さく笑った。「いや?」と否定したのに、彼はまた笑い声を零している。
まあ、機嫌が直ったということだろう。怒ったり険しい顔をしたりするよりずっといい。
「いつものシドになって良かったです。さっき急にシドが冷たくなったから、私――」
「……寂しかったか?」
「えっ」
続けようとした言葉を先越され、思わず口から驚きの声が漏れる。すると、酷く優しい声がポツリと告げた。
「……冗談だよ」
そう言うと、シドは一段清々しげな声で言葉を続けた。
「あんたがこの部屋に来るまでの会話、聞こえてたよ」
「会話って、ヴァルド様とのですか?」
別に変なことは言っていないと思うけど、何か引っかかったのだろうか。
「私の主はシドなので、仕事を優先させてください」
「っ……」
「さすが俺に身を捧げただけあるな。あんたの忠誠心に感動したよ」
「それはちょっと言い方が……」
どうして一言一句覚えているんだろうか。
確かに私はシドに私を捧げると言った。だけど、こうして口に出して言われると何だか恥ずかしくなってくる。
「確かに捧げると言いましたが――」
「違うのか?」
私の言葉を遮るシドの切なげな声は、どこか危うさのような雰囲気を孕んでいた。
「違うわけじゃないですけど……」
私が言葉を紡ぐにつれ、明るくなったはずのシドの後ろ姿から、みるみる元気がなくなっているように感じる。
なぜかシドは、突然こうして自信ないような態度を取ることがある。私には理由の見当すらつかず、本当に不思議でならない。
――ああもう、じれったい!
私は髪を拭く手を止めて、タオルを握ったままシドの顔が見える正面へと回った。
「シド」
「……」
真正面に座る真顔の彼を見つめ、私はわざと怒った風に腰に手を当てて言った。
「そもそもそうじゃなきゃ、シドの髪を乾かしたりしないですよ!」
「そう、か……」
「そうですよ。シドってば、たまにっ、キャッ!」
手首を掴まれたかと思えば、面白そうに笑う彼の顔がすぐ目の前にあった。
突然の出来事に理解が追い付かなかったが、美貌を近距離にした私の顔には羞恥の熱が込み上げる。
「シ、シド、突然何をっ……」
今の私の体勢は右手首をシドに掴まれ、残った左手を突っ張り棒のようにシドが座る一人掛けソファーの腕置きに置いている状態だった。
ちょっとでも動こうものなら、革貼りのソファーが軋む音を立てて浅く沈む。それと同時に、風呂上がりのシドの香りが鼻腔に広がった。
「ちょっと、シド。この体勢――」
「……してくれ」
「え?」
「じゃあ、あんたが証明してくれよ。俺に身を捧げたって」
そう告げるシドの深紅の瞳は、私の視線を心ごと射貫いた。
――ちょっと待って、シドったらどうしたのっ……。
こんな人じゃなかったよね!?
本当にどうしよう、こんなっ……。
自分のものとは思えないほど、瞬く間に心臓の鼓動が激しくなる。
そのとき、唐突にシドが私の手首を握る手を解いた。
そして、あろうことかその手で私の右手を握った。
それも、一本一本指を絡めるように――まさに私が知る恋人繋ぎそのもの握り方で。
「っ……!」
もう私の心臓は爆発寸前だった。というか、身体全部が心臓になったみたいにドクドクと脈打っている。
この体勢のままでは心臓の音が聞こえているかもしれない。いや、もう恐らく聞こえてしまているだろう。
それに、私の手からも彼にドキドキが伝わっているはずだ。これは非常にまずい。
そう思ったとき、シドが羞恥に染まる私の顔を覗き込んで、甘い笑顔で訊ねてきた。
「答えて、オーロラ?」
「ど、ど、どうやって証明するって言うんですかっ……」
「ん? オーロラがうんって言ってくれたら、それだけでいいよ」
これまで聞いた中で一番優しいシドの声だった。そのせいか、私の口は勝手に動いて――
「うん……」
主従関係だというのに余裕も無い私は、本当に彼に言われたままそう言って頷くことしかできなかった。
だが、彼はその答えを聞くと満足そうに微笑み私の手をパッと離した。
「ふっ……オーロラ。ほら、ここまだ乾いてないぞ?」
何ごともなかったかのように振る舞うシドは、私をからかうような声で髪の毛を掴んで見せる。
その笑顔を見るだけで、私の心はドクンと強く脈打った。もう、完全にやってしまったのかもしれない。
そんな感情に支配されている私に、シドは無邪気に付け加える。
「ヴァルド様に言った通り、ちゃんと仕事しないとな」
「と、当然です! シド、ちゃんと前を向いていてくださいね!」
これ以上間抜けな赤面を晒すわけにはいかないと、私は再びシドの背後に回って髪を乾かし始めた。
こうして頭がおかしくなりそうなほど一方的にドキドキさせられた私は、ふわふわと浮遊するような感覚で彼の髪を完璧に乾かし、早々に退室した。
◇◇◇
「……まずい」
シドの部屋を出て少しリビングに近いところで独り言ちた。すると、ある人物がそんな私の独り言に反応した。
「何がまずいなのですか?」
「アール!」
聞かれていたのかと、ちょっと焦ってしまう。私の声に驚いたのか、キッチンに居たのであろうベリーまでもが駆け寄ってきた。
「どうしたの? って、オーロラその顔! 大丈夫?」
「えっ……」
「あっ、気付かなかったなのです! もしかして具合が悪くなったですか? お顔が真っ赤なのです!」
アールはそう言うと、オロオロとした様子で心配そうに私を見つめる。
「無理しないでくださいです」
「そうだよ、オーロラ。病み上がりでしょ?」
気遣うようにベリーがそう言った瞬間だった。
「オーロラ、それは本当か?」
「ヴァルド様……!」
声が聞こえてリビングから来たのだろう。ヴァルド様は私の姿を捉えると、心配そうな表情で歩み寄ってきた。
「病み上がりとは知らなかったんだ。話はいいから、今日は早く休んでくれ」
「よろしいのですか?」
「もちろんだ。体調が万全なとき、たくさん話をしよう」
何ということだろう。まさかの本人からの申し出に、私は心の中でガッツポーズをした。
「はい、そのようにさせていただきます」
ヴァルド様はやはり神。善良な心で私の体調を気遣ってくれたのだと感謝をしながら、私は彼に一礼した。
こうしてあれよあれよという間に、私は運よくヴァルド様とのお喋りタイムを避けることに成功した。
だが、正直それどころではない。
急ぎ足で自室に戻り寝支度を整えた私は、ベッドへ横になるなり布団をガバッと頭のてっぺんまで被った。
「どうしよう……」
こんなことになるはずではなかった。
こんな展開、想像もしていなかった。
まさか、主人であるシドを好きになってしまう日が来るだなんて……。
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