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第3章 Iランク冒険者
3-46 解体
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「(えーっと……確か、ガルダさんは、枯れ葉の上に木屑を置いていた……その上で、点火棒を設置して短剣で削り、粉末目掛けて擦るっ!?)
アレ……? 着かないぞ……? 何処かで、やり方間違えたかな……?」
ガルダが作った焚き火の付近で俺達は、点火棒による着火方法を練習していた。ガルダの説明通り、枯れ葉の上で点火棒(メタルマッチ)を4~5回削る。そして、短剣で思いっきり擦ってみたが、火花は散ってもガルダの様に枯れ葉に引火しなかった。
「リオ、どうした?」
俺が1人でウンウンっと原因について悩むと、両親が側に来て顔を寄せた。
「あ、父ちゃん、母ちゃん。いやね、ガルダさんに教えてもらった通りにやってみたけど、上手く着かないんだ。なんでか分かる?」
「そうね……点火棒の粉末が、足りなかったんじゃ無いの? 見た感じ、摩擦で火花を散らせているけど、火花量が少ないわ。
例え、枯れ葉や落ち葉と言っても、水気を含んでいる場合があるわ。だから、点火棒の粉末は、着火前によく削っておくことが重要だわ」
「ま、初めてやるんだ。1回で出来なくても、恥ずかしい事じゃねぇ。焚き火なんて火が着きさえすれば、なんだって良いんだからな?」
「そうね。例えば、リオは今、手拭いを持っているかしら?」
「えっ? あ、うん。一応、持っているよ。はい、これ」
俺は自身の鞄から、汗拭き用を兼ねて使っている麻で出来た応急処置用の布を取り出して、両親へ手渡した。
「仮に、周囲に枯れ葉や草などが少なくて、火種が作れない時もあるわ。そう言う場合は、こう言う燃えやすい布を切り、糸をほぐして火種の燃料として使う事も出来るわ」
「あ、そうか! 魔法は禁止でも、道具を使う事はアリなんだね。俺はてっきり、母ちゃん達から渡された道具と、自然にある物しか使っちゃダメ、なんだと思っていたよ」
「出来れば今回は、使ってほしくは無いけどな? でも、何が起こるか分からねぇのが、この自然環境だ。そして、焚き火ってのは、火が着きさえすれば全部正解だ。
だから、1つの考え方に固執すると火が着かなくて、痛い目を見るから、気を付けろよ?」
「それに、今回ガルダは、薪を三角形の様に立てて組んでいるけど、難しそうなら薪を四角形に重ねて、塔の様に組み立てる方法もあるわ。
火種を作ったら、必ず薪の1番下に置く様にしなさい。それは、分かるわよね?」
「うん、火は下から上へ、立ち上る様に燃える性質があるからだよね? それに、焚き火の火を安定させるには、薪に効率良く着火させる必要が有るからだよね?」
「その通りよ。薪に着火させたら、焦らず、冷静に枯れ葉や細枝の薪を少しずつ入れて、火力を上げるわ。そして、火が安定し始めたら、少しずつ入れる薪を太くすれば、長く消えにくい焚き火の完成だわ」
「分かったよ、父ちゃん、母ちゃん」
そして、俺達は焚き火を囲いながら、夕食の準備に取りかかった。
その際に、仕留めたグレイウルフの解体見学をした。その時の先生役は、焚き火の解説で手持ち無沙汰になったストールとラナティナ、アリスの3名が担当した。
「これから、解体の説明をするよ~。まず、大前提として解体する時は、拠点では行わず、必ず倒した場所で行う様にね~。今回は例外だから真似しない様にね~」
「えっ? なんでにゃ? アリスおばさん」
言葉は普段通りだが、いつに無く真剣な眼差しで注意するアリスに俺達は首を傾げながら聞き返した。
「それは、血の匂いを嗅ぎつけて、他の獣や魔物が、誘き寄せられる可能性が高いからよ~。でも、今回は来たとしてもグレイウルフで、野営の際に襲って来て貰いたいから、わざとやっているだけだよ~」
「な、なるほどですにゃ……確かに、襲って来て貰った方が、訓練になるですにゃ……」
「ラート、そう言う事ですにゃ。みんなも野営の時は、襲われる前提で望んで欲しいですにゃ」
「わ、分かったにゃ、母さん」
ラナティナとアリスの2人が、真剣な表情で注意すると他の大人組が、無言で何度も同意する様に頷いた。
「それじゃ、手順を話していくよ~。まずは、魔物を仕留めたら、首を落としてから足を吊り上げる様にして、血抜きを行うんだよ~。血抜きが速く上手くいくほど、お肉の価値は上がるから、やる時は仮死状態にする事をお勧めするよ~。
今回は、仕留めてから大分時間が経っちゃって、血が固まっちゃったから、質はかなり悪いわ~。普通なら、血生臭い味で食べられる物では無いわ~」
「えっ!? じゃあ、今日はお肉抜きですか!? そんな!?」
まさかの状況に、口を大きく開き驚愕した俺は、肩を落として落ち込んだ。お腹は成長期なのか"ぐぅ~"っと鳴っている。
「リオ君、安心してね~。今回は、裏技を使うわ~。アーシャ、お願い」
「任せて頂戴」
母アーシャは、グレイウルフの右前足を左手で持つと、右手から水魔力を口に流し込む。するとグレイウルフの肛門からドクドクと排泄物や血液が流れ出て、キツイ匂いを撒き散らした。
「今回の様に、水魔法の熟練魔法使いが居れば、体内で固まった血や糞尿を体外へ、洗い流すことが出来るわ~。それによって、お肉の味もかなりマシになるわ~」
「そして、次は、解体になるにゃ。解体は、刃物で胸から肛門にかけて切り、内臓を取り出すにゃ。この時、血抜きや内臓の処理を迅速で対応すれば、食べられる事もあるにゃ。
でも、今回は水魔力で綺麗にしたと言っても、時間が経ち過ぎているにゃ。安全を考慮して、食べない方向でいくにゃ。食べない内臓は、本来なら即座に燃やすか、土に埋めるかして処理するにゃ。
今回は、アリスが言った様に、野営中にグレイウルフが来る為の引き餌にするから、取っておくにゃ」
「うへぇ、内臓や血が臭いよ……」
余りの臭さに俺達は、思わず鼻を摘み咳き込む。獣人種のラートとナート兄弟に至っては、気絶しそうな表情で苦しそうだった。
「まあ、シルルちゃん、俺達獣人種でも、慣れれば耐えられるんだから、君も頑張って耐えなさいにゃ」
「わ、分かりました……ストールおじ様」
涙目のシルルは、ストールやラナティナを見ると表情はあまり変化していない。しかし、鼻をムズムズと何度も動かしていて、我慢しているのが分かった。
「内臓の処理が終えたら、皮剥ぎをするにゃ。皮剥ぎは、短剣を使って首から下にかけて、少しずつ削る感じで剥いでいくにゃ。
剥いだ皮は、そのまま持って使うも良し、商会やギルドで売るのもアリにゃ。だけど、今回は臨時の毛布や敷布などにして、使う事を勧めるにゃ」
「そうですにゃ。今の季節でも、雨が降ると肌寒いですにゃ。寒さは、正確な判断を鈍られせたり、体力を消耗させるキッカケになりますにゃ。その為、時間があれば、積極的に解体を身に付けておくと野営が楽になりますにゃ」
「ストールおじさん、ラナティナおばさん、分かりました。今後の参考にさせていただきます」
解体見学を終えた後は、その肉と森で採取した、木の実やキノコを焼いて夕食を摂った。今回の味付けは、母アーシャが、普段から持ち歩いている調味料を使用している為、それなりに美味しく頂いた。
「(ただし、明日や明後日も使えるとは、限らないからな……早く、魔法鞄が欲しいところだ……)」
俺は内心無い物ねだりしながら、夕食を摂り空腹を満たした。
アレ……? 着かないぞ……? 何処かで、やり方間違えたかな……?」
ガルダが作った焚き火の付近で俺達は、点火棒による着火方法を練習していた。ガルダの説明通り、枯れ葉の上で点火棒(メタルマッチ)を4~5回削る。そして、短剣で思いっきり擦ってみたが、火花は散ってもガルダの様に枯れ葉に引火しなかった。
「リオ、どうした?」
俺が1人でウンウンっと原因について悩むと、両親が側に来て顔を寄せた。
「あ、父ちゃん、母ちゃん。いやね、ガルダさんに教えてもらった通りにやってみたけど、上手く着かないんだ。なんでか分かる?」
「そうね……点火棒の粉末が、足りなかったんじゃ無いの? 見た感じ、摩擦で火花を散らせているけど、火花量が少ないわ。
例え、枯れ葉や落ち葉と言っても、水気を含んでいる場合があるわ。だから、点火棒の粉末は、着火前によく削っておくことが重要だわ」
「ま、初めてやるんだ。1回で出来なくても、恥ずかしい事じゃねぇ。焚き火なんて火が着きさえすれば、なんだって良いんだからな?」
「そうね。例えば、リオは今、手拭いを持っているかしら?」
「えっ? あ、うん。一応、持っているよ。はい、これ」
俺は自身の鞄から、汗拭き用を兼ねて使っている麻で出来た応急処置用の布を取り出して、両親へ手渡した。
「仮に、周囲に枯れ葉や草などが少なくて、火種が作れない時もあるわ。そう言う場合は、こう言う燃えやすい布を切り、糸をほぐして火種の燃料として使う事も出来るわ」
「あ、そうか! 魔法は禁止でも、道具を使う事はアリなんだね。俺はてっきり、母ちゃん達から渡された道具と、自然にある物しか使っちゃダメ、なんだと思っていたよ」
「出来れば今回は、使ってほしくは無いけどな? でも、何が起こるか分からねぇのが、この自然環境だ。そして、焚き火ってのは、火が着きさえすれば全部正解だ。
だから、1つの考え方に固執すると火が着かなくて、痛い目を見るから、気を付けろよ?」
「それに、今回ガルダは、薪を三角形の様に立てて組んでいるけど、難しそうなら薪を四角形に重ねて、塔の様に組み立てる方法もあるわ。
火種を作ったら、必ず薪の1番下に置く様にしなさい。それは、分かるわよね?」
「うん、火は下から上へ、立ち上る様に燃える性質があるからだよね? それに、焚き火の火を安定させるには、薪に効率良く着火させる必要が有るからだよね?」
「その通りよ。薪に着火させたら、焦らず、冷静に枯れ葉や細枝の薪を少しずつ入れて、火力を上げるわ。そして、火が安定し始めたら、少しずつ入れる薪を太くすれば、長く消えにくい焚き火の完成だわ」
「分かったよ、父ちゃん、母ちゃん」
そして、俺達は焚き火を囲いながら、夕食の準備に取りかかった。
その際に、仕留めたグレイウルフの解体見学をした。その時の先生役は、焚き火の解説で手持ち無沙汰になったストールとラナティナ、アリスの3名が担当した。
「これから、解体の説明をするよ~。まず、大前提として解体する時は、拠点では行わず、必ず倒した場所で行う様にね~。今回は例外だから真似しない様にね~」
「えっ? なんでにゃ? アリスおばさん」
言葉は普段通りだが、いつに無く真剣な眼差しで注意するアリスに俺達は首を傾げながら聞き返した。
「それは、血の匂いを嗅ぎつけて、他の獣や魔物が、誘き寄せられる可能性が高いからよ~。でも、今回は来たとしてもグレイウルフで、野営の際に襲って来て貰いたいから、わざとやっているだけだよ~」
「な、なるほどですにゃ……確かに、襲って来て貰った方が、訓練になるですにゃ……」
「ラート、そう言う事ですにゃ。みんなも野営の時は、襲われる前提で望んで欲しいですにゃ」
「わ、分かったにゃ、母さん」
ラナティナとアリスの2人が、真剣な表情で注意すると他の大人組が、無言で何度も同意する様に頷いた。
「それじゃ、手順を話していくよ~。まずは、魔物を仕留めたら、首を落としてから足を吊り上げる様にして、血抜きを行うんだよ~。血抜きが速く上手くいくほど、お肉の価値は上がるから、やる時は仮死状態にする事をお勧めするよ~。
今回は、仕留めてから大分時間が経っちゃって、血が固まっちゃったから、質はかなり悪いわ~。普通なら、血生臭い味で食べられる物では無いわ~」
「えっ!? じゃあ、今日はお肉抜きですか!? そんな!?」
まさかの状況に、口を大きく開き驚愕した俺は、肩を落として落ち込んだ。お腹は成長期なのか"ぐぅ~"っと鳴っている。
「リオ君、安心してね~。今回は、裏技を使うわ~。アーシャ、お願い」
「任せて頂戴」
母アーシャは、グレイウルフの右前足を左手で持つと、右手から水魔力を口に流し込む。するとグレイウルフの肛門からドクドクと排泄物や血液が流れ出て、キツイ匂いを撒き散らした。
「今回の様に、水魔法の熟練魔法使いが居れば、体内で固まった血や糞尿を体外へ、洗い流すことが出来るわ~。それによって、お肉の味もかなりマシになるわ~」
「そして、次は、解体になるにゃ。解体は、刃物で胸から肛門にかけて切り、内臓を取り出すにゃ。この時、血抜きや内臓の処理を迅速で対応すれば、食べられる事もあるにゃ。
でも、今回は水魔力で綺麗にしたと言っても、時間が経ち過ぎているにゃ。安全を考慮して、食べない方向でいくにゃ。食べない内臓は、本来なら即座に燃やすか、土に埋めるかして処理するにゃ。
今回は、アリスが言った様に、野営中にグレイウルフが来る為の引き餌にするから、取っておくにゃ」
「うへぇ、内臓や血が臭いよ……」
余りの臭さに俺達は、思わず鼻を摘み咳き込む。獣人種のラートとナート兄弟に至っては、気絶しそうな表情で苦しそうだった。
「まあ、シルルちゃん、俺達獣人種でも、慣れれば耐えられるんだから、君も頑張って耐えなさいにゃ」
「わ、分かりました……ストールおじ様」
涙目のシルルは、ストールやラナティナを見ると表情はあまり変化していない。しかし、鼻をムズムズと何度も動かしていて、我慢しているのが分かった。
「内臓の処理が終えたら、皮剥ぎをするにゃ。皮剥ぎは、短剣を使って首から下にかけて、少しずつ削る感じで剥いでいくにゃ。
剥いだ皮は、そのまま持って使うも良し、商会やギルドで売るのもアリにゃ。だけど、今回は臨時の毛布や敷布などにして、使う事を勧めるにゃ」
「そうですにゃ。今の季節でも、雨が降ると肌寒いですにゃ。寒さは、正確な判断を鈍られせたり、体力を消耗させるキッカケになりますにゃ。その為、時間があれば、積極的に解体を身に付けておくと野営が楽になりますにゃ」
「ストールおじさん、ラナティナおばさん、分かりました。今後の参考にさせていただきます」
解体見学を終えた後は、その肉と森で採取した、木の実やキノコを焼いて夕食を摂った。今回の味付けは、母アーシャが、普段から持ち歩いている調味料を使用している為、それなりに美味しく頂いた。
「(ただし、明日や明後日も使えるとは、限らないからな……早く、魔法鞄が欲しいところだ……)」
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