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第3章 Iランク冒険者
3-33 Iランク中層探索⑤
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「1ヶ月振りだね、中層。この芳醇で、濃厚な空気中の魔力も懐かしさすら感じるよ。それよりもみんな、空中でしっかりと地形を確認した?」
「確認したよ~。本当にワルド達の言っていた通りだったね~」
「勿論にゃ! ワルドさん達の言っていた目印を確認しなかったら、迷子になる事、間違いなしにゃ!!」
「ラート、威張って言う事じゃわよ……プッあはは、でも、ほんとそうね。それじゃ、早速中層探索を開始するわ。ナート、指示を頂戴」
「分かりましたにゃ。中層では、何があるか未知数ですにゃ。魔物の強さも、種類も、戦い方も、数も分からない事だらけですにゃ。
だから、念の為に移動と戦闘を少し変えてみるにゃ。前衛にラートとリオが、中衛にシルルちゃんが、後衛に僕とメルルちゃんが担当するにゃ」
「「「「了解」」」」
「前衛のリオが、最前線で前方に居る敵の攻撃を盾で防ぎながら、前へ進むにゃ。ラートと僕は前と後ろで周囲の索敵と警戒。シルルちゃんは、大槍で僕等の護衛をしながら、状況に応じて動いて欲しいにゃ。指示は、僕が出すからよろしくお願いするにゃ」
「分かった。頼りにしてるぞ!」
「してるよ~」
「任せて欲しいにゃ」
「ラート君、初の前衛だけど、よろしくね」
「うにゃ。リオも頼りにしているにゃ」
そして俺達は、この広大な草原地帯を駆け抜けた。この草原地帯には、びっくりするほど魔物が居ない。途中、岩山の影から俺達を狙っているのでは無いかと疑うが、気配どころか生息している痕跡すら見当たらない。逆に、焚き火の後の様な人工的な痕跡が見られたくらいだった。
聞いていた話を基に、転移直後の乱戦による激戦を想定していた俺達からすると少し拍子抜けに感じた。仕方ないので、10km程駆け足で向かうと草原とは打って変わった森林地帯に到着する。
森林の空気感は、日中の草原地帯の様な暖かな空気とは打って変わり、重く凍える様な冷たい空気を醸し出している。どうやらここからが、中層の入り口だった様だ。
「それじゃ、みんな注意して進むにゃ」
声を発さずに、首を縦に振り意思表示をする。
別に示し合わせたわけではないが、ここは中層で、獣系統の魔物が出ると言う情報がある。つまり、想像通りであれば、声と言うよりも音に敏感な魔物が多数いる世界だと言う事だ。集中した俺達は、五感の全てで周囲をつぶさに観察し、前へ足を進めた。
抜き足差し足忍び足、抜き足差し足忍び足と無駄な音を立てない様に、それでも、素早く歩く様にした。何故なら、幾ら警戒が必要と言っても、ゆっくりのんびりと歩っていては、いつまで経っても第1目標地点である北の三つ子山へ辿り着けないからだ。
転移陣(メタスタシスゲート)の転移中に目測した、北で三つ子の様に連なる山々は、大分小さく見えた。それこそ、城塞都市を出て直ぐの森林地帯と今いる森林地帯が、大体同じくらいか少し短そうに思う程度の距離だ。少なくとも数十kmはあるだろう。
「「ーーっ?!」」
大体距離にして、森林に侵入してから数km離れた地点に差し掛かった時、獣人族のラートとナート兄弟の驚きの息遣いが小さく聞こえた。
「(失敗したな……別に迷宮を舐めていた訳じゃない、舐めていた訳じゃないんだけど……こうなるのなら、こう言う時に、声を出さなくても会話が出来る簡単な手合図(ハンドサイン)を事前に決めておくべきだったな……)」
俺がそう思ったのは、ラートが俺の前に立ち左手を横に伸ばしながら、必死に周囲を警戒する素振りを見せて、何とかして俺達に警戒を促して四苦八苦して居るからだ。
恐らく、獣人種の優れた五感が、敵の索敵に成功したのだろう。それと同時に予想以上の音の数、音の発生源に困惑したのだ。
しかし、俺とシルル、メルルの3人には、何も気がつくことが出来ず、2人が凄く焦って居ると言う情報しか分からない。俺達も決して気を許していた訳ではない。
自身が出来る限り周囲を確認して、耳を研ぎ澄まして音を感じ取ろうとした。それでも、聞こえてくるのは、風に揺れる草木の静かな音だけだった。
そして、2人が武器を手にして構えた事で、流石の俺達も魔物達が囲み込んでいる事に気が付く。それ程、知らぬ間に状況が差し迫っていたのだ。俺達は直ぐに武器を構えて、周囲に更なる警戒を示す。
「来るにゃっ!! 敵は左右後方(・・・・)から多数! 足音からして、恐らく小型で距離不明! 確証は無い! だけど、囲まれて居るにゃ!」
(ヤバい、ヤバい、ヤバいっ! オイラの気のせいかと思ったら、ナートも同じ反応だったにゃ……つまり、そう言う事なんだにゃ!)
(何処だ……? 何処に居るにゃ? クソッ! 足音が聞こえて居るのに、まだ敵が見えない……?! これだけ、接近されても見えないって事は、生い茂って居る草木を上手く利用出来る、小型の魔物の筈にゃ)
(な、なにぃーっ?! 左右に、後方だってっ!? 嘘でしょ!?)
(あはは……流石のアタイでも笑えないな~)
「(マ、マジかよっ?! 今だって、全然敵影すら見えてないのに……既に囲まれて居るって……冗談きついぜ!)」
敵を未だ感じ取れない者には、言葉に表せないほどの恐怖と不安が募った。そして、敵を感じ取るが視認できない者には、1歩1歩着実に近づく敵の足音にジワジワと心が侵される恐怖を感じていた。
「っ?! 敵を確認! 大きな緑色の鼠が多数!! チクショー! その数、目測100体以上! 何て数にゃ!」
「ひゃ、100体以上っ?! それ程、多いなら流石に俺でも気がつく筈……っ!? そうか! 迷彩色の体毛による擬態か! クソッ! やられた……!!」
あまりの数の多さに思わず声が裏返る。そして、何故これまで、獣人種の索敵に引っ掛からなかったのかと言う問いの答えに辿り着いた時、俺はその場で思わず悪態ついて、自分自身の頭の無さを嘆きたくなった。
(高度な擬態か……なるほど、だから僕達獣人種でも気が付かなかったって訳かにゃ……!! これが、中層の洗礼って事かにゃ……!)
「ナート! どうする!? 早く、アタイに次の指示をくれ!」
「ーーっ!! 分かったにゃ! メルルちゃんとリオは、今すぐラジエイト系で左右に攻撃をお願いするにゃ!」
「分かったよ~! 我願う……風魔力よ……」
「了解! 我願う……土魔力よ……」
俺は構えた武器(ハンマー)と大楯をしまい、両手を開けた状態でラジエイトソイルの放射準備に入る。この状況なら、後衛に徹し左右どちらの手から、臨機応変に放てる様にする為だ。
「シルルちゃんは、メルルちゃんの護衛! ラートは前方の奇襲を警戒しながら、リオの護衛! 僕は片手剣で後方の魔物を相手にするにゃ! ーーっ?! 来るにゃ!」
獣人種では無い俺達は、見えない敵に内心恐怖を抱きながらも気を引き締めた。逆に、見えてしまった2人は、まだまだ増え続ける敵の数に恐怖して、身体を強張らせた。
「確認したよ~。本当にワルド達の言っていた通りだったね~」
「勿論にゃ! ワルドさん達の言っていた目印を確認しなかったら、迷子になる事、間違いなしにゃ!!」
「ラート、威張って言う事じゃわよ……プッあはは、でも、ほんとそうね。それじゃ、早速中層探索を開始するわ。ナート、指示を頂戴」
「分かりましたにゃ。中層では、何があるか未知数ですにゃ。魔物の強さも、種類も、戦い方も、数も分からない事だらけですにゃ。
だから、念の為に移動と戦闘を少し変えてみるにゃ。前衛にラートとリオが、中衛にシルルちゃんが、後衛に僕とメルルちゃんが担当するにゃ」
「「「「了解」」」」
「前衛のリオが、最前線で前方に居る敵の攻撃を盾で防ぎながら、前へ進むにゃ。ラートと僕は前と後ろで周囲の索敵と警戒。シルルちゃんは、大槍で僕等の護衛をしながら、状況に応じて動いて欲しいにゃ。指示は、僕が出すからよろしくお願いするにゃ」
「分かった。頼りにしてるぞ!」
「してるよ~」
「任せて欲しいにゃ」
「ラート君、初の前衛だけど、よろしくね」
「うにゃ。リオも頼りにしているにゃ」
そして俺達は、この広大な草原地帯を駆け抜けた。この草原地帯には、びっくりするほど魔物が居ない。途中、岩山の影から俺達を狙っているのでは無いかと疑うが、気配どころか生息している痕跡すら見当たらない。逆に、焚き火の後の様な人工的な痕跡が見られたくらいだった。
聞いていた話を基に、転移直後の乱戦による激戦を想定していた俺達からすると少し拍子抜けに感じた。仕方ないので、10km程駆け足で向かうと草原とは打って変わった森林地帯に到着する。
森林の空気感は、日中の草原地帯の様な暖かな空気とは打って変わり、重く凍える様な冷たい空気を醸し出している。どうやらここからが、中層の入り口だった様だ。
「それじゃ、みんな注意して進むにゃ」
声を発さずに、首を縦に振り意思表示をする。
別に示し合わせたわけではないが、ここは中層で、獣系統の魔物が出ると言う情報がある。つまり、想像通りであれば、声と言うよりも音に敏感な魔物が多数いる世界だと言う事だ。集中した俺達は、五感の全てで周囲をつぶさに観察し、前へ足を進めた。
抜き足差し足忍び足、抜き足差し足忍び足と無駄な音を立てない様に、それでも、素早く歩く様にした。何故なら、幾ら警戒が必要と言っても、ゆっくりのんびりと歩っていては、いつまで経っても第1目標地点である北の三つ子山へ辿り着けないからだ。
転移陣(メタスタシスゲート)の転移中に目測した、北で三つ子の様に連なる山々は、大分小さく見えた。それこそ、城塞都市を出て直ぐの森林地帯と今いる森林地帯が、大体同じくらいか少し短そうに思う程度の距離だ。少なくとも数十kmはあるだろう。
「「ーーっ?!」」
大体距離にして、森林に侵入してから数km離れた地点に差し掛かった時、獣人族のラートとナート兄弟の驚きの息遣いが小さく聞こえた。
「(失敗したな……別に迷宮を舐めていた訳じゃない、舐めていた訳じゃないんだけど……こうなるのなら、こう言う時に、声を出さなくても会話が出来る簡単な手合図(ハンドサイン)を事前に決めておくべきだったな……)」
俺がそう思ったのは、ラートが俺の前に立ち左手を横に伸ばしながら、必死に周囲を警戒する素振りを見せて、何とかして俺達に警戒を促して四苦八苦して居るからだ。
恐らく、獣人種の優れた五感が、敵の索敵に成功したのだろう。それと同時に予想以上の音の数、音の発生源に困惑したのだ。
しかし、俺とシルル、メルルの3人には、何も気がつくことが出来ず、2人が凄く焦って居ると言う情報しか分からない。俺達も決して気を許していた訳ではない。
自身が出来る限り周囲を確認して、耳を研ぎ澄まして音を感じ取ろうとした。それでも、聞こえてくるのは、風に揺れる草木の静かな音だけだった。
そして、2人が武器を手にして構えた事で、流石の俺達も魔物達が囲み込んでいる事に気が付く。それ程、知らぬ間に状況が差し迫っていたのだ。俺達は直ぐに武器を構えて、周囲に更なる警戒を示す。
「来るにゃっ!! 敵は左右後方(・・・・)から多数! 足音からして、恐らく小型で距離不明! 確証は無い! だけど、囲まれて居るにゃ!」
(ヤバい、ヤバい、ヤバいっ! オイラの気のせいかと思ったら、ナートも同じ反応だったにゃ……つまり、そう言う事なんだにゃ!)
(何処だ……? 何処に居るにゃ? クソッ! 足音が聞こえて居るのに、まだ敵が見えない……?! これだけ、接近されても見えないって事は、生い茂って居る草木を上手く利用出来る、小型の魔物の筈にゃ)
(な、なにぃーっ?! 左右に、後方だってっ!? 嘘でしょ!?)
(あはは……流石のアタイでも笑えないな~)
「(マ、マジかよっ?! 今だって、全然敵影すら見えてないのに……既に囲まれて居るって……冗談きついぜ!)」
敵を未だ感じ取れない者には、言葉に表せないほどの恐怖と不安が募った。そして、敵を感じ取るが視認できない者には、1歩1歩着実に近づく敵の足音にジワジワと心が侵される恐怖を感じていた。
「っ?! 敵を確認! 大きな緑色の鼠が多数!! チクショー! その数、目測100体以上! 何て数にゃ!」
「ひゃ、100体以上っ?! それ程、多いなら流石に俺でも気がつく筈……っ!? そうか! 迷彩色の体毛による擬態か! クソッ! やられた……!!」
あまりの数の多さに思わず声が裏返る。そして、何故これまで、獣人種の索敵に引っ掛からなかったのかと言う問いの答えに辿り着いた時、俺はその場で思わず悪態ついて、自分自身の頭の無さを嘆きたくなった。
(高度な擬態か……なるほど、だから僕達獣人種でも気が付かなかったって訳かにゃ……!! これが、中層の洗礼って事かにゃ……!)
「ナート! どうする!? 早く、アタイに次の指示をくれ!」
「ーーっ!! 分かったにゃ! メルルちゃんとリオは、今すぐラジエイト系で左右に攻撃をお願いするにゃ!」
「分かったよ~! 我願う……風魔力よ……」
「了解! 我願う……土魔力よ……」
俺は構えた武器(ハンマー)と大楯をしまい、両手を開けた状態でラジエイトソイルの放射準備に入る。この状況なら、後衛に徹し左右どちらの手から、臨機応変に放てる様にする為だ。
「シルルちゃんは、メルルちゃんの護衛! ラートは前方の奇襲を警戒しながら、リオの護衛! 僕は片手剣で後方の魔物を相手にするにゃ! ーーっ?! 来るにゃ!」
獣人種では無い俺達は、見えない敵に内心恐怖を抱きながらも気を引き締めた。逆に、見えてしまった2人は、まだまだ増え続ける敵の数に恐怖して、身体を強張らせた。
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