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第3章 Iランク冒険者
3-2 Iランク正式登録
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Iランク迷宮から冒険者ギルドに戻ってきた俺達は、ギルド受付をしているエリーの元へ報告に向かった。
「あ! 八重の潮風団の皆さん、彼等は迷宮でもやっていけそうですか?」
俺たちに気がついたエリーは、大きく手を振るとパーティーリーダーであるライザルに向かって試験の合否を聞いた。
「おう、全員Iランク迷宮で活動しても問題無く動けそうだった。もう、見習いからIランクに昇格で問題は無い」
「かしこまりました。では、そのように処理しますので、準備の為に2番の番号札を持って少々お待ちください」
「ほれ、リオ坊、持ってろ」
「うん、エリーさん、ライザルさん、ありがとう」
「うふふ、フィデリオ君、おめでとう。少し待っていてね」
5角形の絵馬の様な金属の板に大きく"2"と書かれた番号札を俺が、エリーからライザルを通して受け取るとアリスは、微笑みながら準備の為にその場を離れた。
「あ、そう言えば、リンネルさんって、結婚したんだってね。おめでとうございます」
エリーの準備ができるまでの間に受付から少し離れた位置にいる俺は、ライザルに向かって彼の姉であるリンネルの祝いの言葉を伝えた。
「おう、ありがとな、リオ坊。それとな、姉ちゃんが言うには、妊娠3~4ヶ月らしいわ」
「えっ!? もうそんなに経つの!? しまったなぁ……今度、お祝いを兼ねてまたパンを買いに行こうと思っていたけど、やめた方が良い?」
「いや、気にする事はねぇよ。幸い、店は義兄さんが切り盛りしてっから、今、姉ちゃんは暇なんだとよ。話し相手にでもなってくれよ」
「そういう事なら是非とも行きますって伝えておいて下さい」
結婚の話自体は半年前からリンネル達の父である果物屋の店主バルサガンに聞いていた。しかし、お互いに仕事や予定が合わず、運悪く挨拶が出来ずそのままになっていた為にリンネルの妊娠は驚愕だった。
「おう、それにしても……結婚に……子供か……。俺も姉ちゃんに子供が出来たら、叔父さんか」
「そう言えば、あまり個人の問題だから聞きにくかったけど、アミラさんとはどうなったの?」
ライザルとの出会いは、俺がミンク祖母に預けられて祖母の店の手伝いをしていた時にライザルが、アミラーシアをナンパしている時だった。
当時は2人の関係性がどんな感じなのか想像の範囲でしか分からなかったが、最近は、ライザルか時間があればアミラと話す為に足繁く通っては、楽しそうに会話している光景をよく見る。
「くっくっくっ。聞いて驚け! アミラとは今月で交際1年になるんだ!」
「えっ!? 何で言ってくれなかったの!? ライザルさん、おめでとう!」
「おう! ありがとよ。言わなかったのは、去年、リオ坊が忙しそうだったからな。会った時に言おうと思っていたんだけど、その都度言い忘れていたな、結果今になったんだ。ごめんな」
「ああ~まあ、確かに今日の試験を1発合格する為に何が来ても良いように準備していたしなぁ。それなら仕方ないよ。んで、ライザルさんは、アミラさんに求婚を申し出るの?」
「ーー!? ぐっ!? 全く、お前は聞き辛いことをよく聞けるな……」
急に"カァーッ"と顔を赤くして目を逸らすライザルは、恥ずかしげに頬をかく。
「それが取り柄ですので」
ライザルの反応に対して、まるでなんとでもない様に話す俺は、緩みそうになる表情を必死に堪え無表情を貫いた。
「嘘つけ! まあ……アレだ……近々やる交際1周年記念の時に……な? 俺もこの1年で実力も蓄えも準備出来たから、アミラに言うつもりだ。俺より先にアミラに言ったら絶交だかんな? 絶対に言うんじゃねぇぞ?」
「ーー!? 勿論だよ! ライザルさん、頑張ってね!」
「おう! ありがとな」
5年近い友達であり、兄貴分の先輩冒険者に秘密を打ち明けてもらった事に嬉しくなった俺は、何処となく心が熱くなるのを感じた。
そして、俺達はお互いの右腕でバッテン印を作る様にぶつけて言葉とは違った挨拶を行った。
「お~い、ライザル、何してんの? 置いていくよ~」
ギルドの入り口の方から熊人族の女性ターニャが手を振り、ライザルを呼ぶ声がした。
そこにはライザル以外のメンバーが今まさにギルドから出ていくところだった。
「おう! 今行く! んじゃあ、俺はもう行くわ。Iランク昇格おめでとうな、リオ坊……じゃねぇか……じゃあな、リオ」
「ーー!? うん! またね、ライザルさん!」
俺にとっての兄貴分であるライザルに弟分としてではなく、1人の同業者仲間として認められた事に俺は、胸の奥が熱くなり、改めて昇格試験に受かった事を感じていた。
「番号札2番の方~! 準備ができましたので受付にお越しください!」
「あ、は~い! それじゃあ、みんな行こうか!」
「行くぞー!」
「行こ~」
「行くにゃ!」
「行きますにゃ!」
エリーに呼ばれた俺達は、2番の番号札を持ち先程居た受付所に向かった。
「お待たせしました。では、まずギルド証をお預かりします」
「どうぞにゃ!」
このメンバー最年長のラートが代表して全員のギルド証を集めてエリーに手渡した。
「次にこのパーソナルボードに手をかざし、"ステータス更新"っと言ってください。それで、正式登録は終了です」
「"ステータス更新"にゃ」
「はい、ラートさん、Iランク冒険者として登録されました。手続きは終了です。次はどなたから登録しますか?」
「じゃあ、僕がやりますにゃ」
手を挙げたナートが、前に進みIランク冒険者の正式登録を行う。
いつものナートであれば、俺やメルル、シルルに順番を譲り自分は最後に行うと言う紳士的な態度ではあるが、今回はナート自身も浮き足立っているご様子でいつもよりも幼く見えた。
ラート、ナートと年齢順に登録を済ませている為に後の順は、シルル、メルル、俺の順で登録した。
「それでは、ご登録が済みましたので、此方の魔道具をお渡しします」
「アリスさん、それは一体何ですか~」
「此方は正式登録した戦闘系ギルドに所属する者に与えられる"制限の腕輪"と言う魔道具になります。ギルド証と同様の手順で、この白く丸い封印石に自身の血を付着させながら"ステータス同期"と言葉を発する事で自由に力量の筋力を制限する事ができます」
制限の腕輪の見た目は、まさに腕時計の様だった。腕時計の鉄っぽい金属ケースに本来、文字盤が入っている所を中に封印石が埋め込まれていて、黒色の魔物の革とバックルが付いている。
「なるほどにゃ! オイラ達の強くなった力に制限をかけて日常生活に支障がないようにする為のものかにゃ」
「"ステータス同期"」
修業の一環で魔物との戦闘を繰り返した俺は、日常生活を行う上で楽にはなったが、それ以上に有り余る力に少し恐怖を感じており、直ぐにナイフで親指を切り力を制限のした。
「皆さん、ご注目して下さい。今、フィデリオ君が行ったように白い封印石が、黒く染まり、黒茶色に変化すれば成功です」
「ヘェ~こんな風に変化するんだ~」
「この魔道具の装備は、どの国でも"装備義務"と言う扱いになりますのでご注意下さい。これは、無料で贈与いたします。紛失や破壊した場合の再取得には、ご申請して下さい」
「分かったわ」
「(冒険者には義務は無いが、"装備義務と言う扱いになる"か……詰まりは、他国の入国審査で入国拒否される可能性があるって事かな?)」
「それでは、改めましてIランクのご説明に入らせて頂きます。皆様は、正式登録の中では1番低いランクになります。その為に自身と同じランクの内容しか受ける事ができません」
「うにゃ? 他のランクの人達は違うかにゃ?」
「勿論です。例えば先程の八重の潮風団の方々はHランクになります。その為に彼らは、Hランク以外にも下に位置するIランクの内容も受ける事ができます。よろしいですか?」
「うにゃ! 分かったにゃ!」
冒険者のランクは、上がれば上がるほどギルド内の信頼が上がり結果的にできる仕事の数が増えていく。俺達Iランクは、Iランク1つだけだが、ライザル達Hランクはギルドに信頼されている為にIランクとHランク両方を受ける事ができる。
「続いて収益の手段についてですが、主に迷宮探索と依頼になります。依頼は、各種様々あり皆様がこれまで行ってきた雑用から採取、護衛など幅広くあります。迷宮探索は、魔物との戦闘で得られる肉や骨、魔物の心臓付近にある"魔石"を回収して、私達と売買契約を結ぶ事で収益となります」
エリーがそう言って取り出したのは、彼女の拳よりも2回りも小さい、外側が透明で中心に淡く光る赤色の宝石の様に綺麗な石だった。
「エリーさん、魔物関連の物を商人ギルドに直接持っていっても良いのですかにゃ?」
「それは一向に構いません。しかし、その場合ですと冒険者ギルドよりも安く買い叩かれる可能性も高く、万が一その様な問題が発生した場合は私達では対応しかねますので、自己責任でお願いします」
「うわぁ~面倒くさそ~」
「また、売買契約が成立した場合は、その商人と交わした契約書の控えをご提出をお願いします。納税計算に使いますので、必ずご提出下さい。万が一ご提出されなかった場合は、脱税者として刑罰を受ける事もありますが、その場合も私達では対応しかねますので、ご注意下さい」
「分かりました。その際は必ず提出します」
転生を実感して5年が経った今だからこそ分かるパーソナルボックスやギルドカードの様な前世の科学技術にも引けを取らない魔道具技術の進化に俺は、前世と同様に書類関係はキチンとやろうと心に決めた。
「では最後に、昇格についてです。冒険者ギルドの昇格の基準は、各迷宮の最深部にある"鍵"を取得して下さい」
「鍵……ですか?」
「そうです。各迷宮の最深部には、その迷宮を形作る為の核となるモノが存在しております。それを私達は迷宮鍵印(ラビリンスキーサイン)と呼んでいます」
「どうすれば、その、迷宮鍵印ってやつを取得できるんですか?」
「迷宮鍵印を軸にその場に住み着いている守護魔物(ガーディアンモンスター)を倒す事で、光り輝く魔法陣と共に紋様が刻まれた円柱形のモノが出現します。それに、触れる事で貴方達の身体に特別な時にしか出ない刻印が付与されます」
「ほ、他には、ありますかにゃ?」
「ランクが上がれば上がる程に依頼層も上がります。その為にGランク以上の昇格には軽い面談がありますのでご注意下さい。説明は以上となります。何かご質問はありませんか?」
「みんな、俺は特に無いけど何かある?」
「アタイも無いな」
「アタイも~」
「オイラもにゃ!」
「僕もありませんにゃ」
迷宮について初めて聞くモノ、初めて聞く言葉に俺たち5人は夢にまで見た冒険者になったと言う実感と興奮を隠しきれなかった。
「では、これにてご説明を終了させて頂きます。うふふ、みんな、Iランク昇格おめでとう! 頑張ってね!」
「「「「「ありがとうございました((にゃ))」」」」」
淡々と説明を終えたエリーは、仕事モードから表情を一転させるといつもの様な優しい笑みを浮かべ激励をした為に、俺達はその場で感謝の意を表した。
「よう! リオ、昇格したんだな。おめでとう」
「おめでとう、リオ」
「あっ! 父ちゃんに母ちゃん! それにガルダおじさん達も! 依頼ですか?」
背後から聞こえる両親の声に振り向くと、ギルド入り口付近に両親とそのパーティーメンバーが待機していた。
「うむ、それもあるが君達の昇格を祝福と私達からの最後の試練を伝えに来たのだ」
「えっ? 父さん、なにそれーアタイも初耳だよー」
「シルル、それは言っていないからだ。そして、これは、私達だけで君達が昇格出来たらと事前に決めておいた事だ。よく聞きなさい」
片膝立ちになりシルルとメルルに目線を合わせたガルダは、彼女らの頭を撫でながら真剣な眼差しで娘の質問に答えた。
「まずは、フィデリオ君、メルルちゃん、シルルちゃん、ラート、ナート、昇格おめでとうにゃ。これで、君達も大人と同じ冒険者になる事が出来た事を1人の冒険者として嬉しく思うにゃ」
嬉しそうに、誇らしげに、それでいてどこかホッとした表情のストールは、拍手をしながら祝いの言葉を俺達に送った。
「だが、君達はまだ未成年……詰まりは子供である。私達もまだ子供な君達に危険な事をしてほしくは無いと思っている。だが、子供扱いは、君達のこれまでの努力に対する侮辱である事もまた事実である」
厳しそうに、優しく微笑むガルダの顔は少しずつ心配そうな、苦しそうな表情に変わっていった。
「だから、お前らに俺達から試練を与える。お前ら5人で一団を組みIランク迷宮を踏破してみろ。それが出来れば、俺達は、今後一切、冒険者のお前らをガキ扱いしないと誓おう。お前らが旅に出ようが、他の奴らと組んで迷宮探索しようが、文句は言わねえ。分かったか?」
まるで"お前達ならこんな試練なんて簡単に超えられるだろ?"と言わんばかりに不敵に笑う父は、俺達の心に発破をかける。
「「「「「はい((にゃ))!!」」」」」
年相応に冒険者になれた事に浮かれていた俺達は、発破をかけられたことにより少し恥ずかしくなった。
それは、冒険者になる事がゴールでは無く、ここがスタートラインだったからだ。俺達は、この時に初めてスタートを切ったのだと思い、浮かれた心をかき消す様に、"こんな試験なんて簡単に超えてやる"と各々の両親に吠えた。
~ステータス~
[名前]フィデリオ
[年齢]10歳
[種族]妖精種 クォーターノムルス
[強度]9/100(70/90)
[力量]生力1930/2730魔力2471/2621筋力1092速力1638知力1529器力85/85(仰力269/269)
[職業]
(一覧)
「・魔術士1/20(0/100)」
「・土魔法使い1/20(0/100)
「・水魔法使い1/20(0/100)」
「・闘士1/20(0/100)」
「・武器使い(棒)5/20(40/100)」
「・武器使い(鎚)10/20(135/200)」
「・武器使い(体)10/20(115/200)」
「・武器使い(獣)5/20(23/100)」
「・武器使い(投擲)10/20(186/200)」
「・鍛治師5/20(0/50)」
「・薬師3/20(15/30)」
「・商人10/20(80/100)」
「・祈念師8/20(75/80)」
[技能]
(一覧)
『特殊技能』
・自然回復速度向上Ⅰ 1/10(58/1000)
・魔力回復速度向上Ⅰ 1/10(350/1000)
・土魔法親和性向上Ⅰ 1/10(250/1000)
・水魔法親和性向上Ⅰ 1/10(100/1000)
『魔力技能』
・土魔法3/10(105/1000)
・水魔法3/10(69/1000)
・魔力感知Ⅲ 2/10(58/1060)
・魔力操作2/10(3597/10000)
・魔力放出Ⅰ 3/10(2086/10000)
『戦闘技能』
・筋力向上Ⅲ 1/10(15/1030)
・解体6/10(28/60)
・棒術Ⅰ 6/10(45/60)
・鎚術Ⅱ 1/10(65/100)
・盾術Ⅰ 8/10(76/80)
・投擲(石)Ⅱ 5/10(56/200)
・投擲(刃)Ⅱ 1/10(65/100)
・木登りⅠ 5/10(1/50)
・逃走Ⅱ 4/10(1/180)
・追跡Ⅰ 8/10(55/80)
・隠密Ⅱ 1/10(54/100)
『耐性技能』
・魅了耐性Ⅰ 1/10(0/10)
・土魔耐性Ⅲ 1/10(358/1030)
・水魔耐性Ⅲ 1/10(57/1030)
・魔酔耐性Ⅲ 3/10(70/1090)
・魔力耐性Ⅰ 3/10(4580/10000)
・身体苦痛耐性Ⅱ 2/10(37/120)
・恐怖耐性Ⅱ 2/10(98/120)
・暑さ耐性Ⅰ 9/10(1/90)
・寒さ耐性Ⅰ 9/10(1/90)
『知力技能』
・目利き(鉱物)3/10(12/30)
・目利き(薬草)2/10(6/20)
・暗算10/10(0/0)
・演算3/10(1/300)
『器力技能』
・加工Ⅰ 5/10(32/50)
・調薬Ⅰ 2/10(12/20)
『仰力技能』
・祈念8/10(1/80)
[称号]イシュリナの祝福を受けし者、誘惑に打ち勝つ者、Iランク冒険者
「あ! 八重の潮風団の皆さん、彼等は迷宮でもやっていけそうですか?」
俺たちに気がついたエリーは、大きく手を振るとパーティーリーダーであるライザルに向かって試験の合否を聞いた。
「おう、全員Iランク迷宮で活動しても問題無く動けそうだった。もう、見習いからIランクに昇格で問題は無い」
「かしこまりました。では、そのように処理しますので、準備の為に2番の番号札を持って少々お待ちください」
「ほれ、リオ坊、持ってろ」
「うん、エリーさん、ライザルさん、ありがとう」
「うふふ、フィデリオ君、おめでとう。少し待っていてね」
5角形の絵馬の様な金属の板に大きく"2"と書かれた番号札を俺が、エリーからライザルを通して受け取るとアリスは、微笑みながら準備の為にその場を離れた。
「あ、そう言えば、リンネルさんって、結婚したんだってね。おめでとうございます」
エリーの準備ができるまでの間に受付から少し離れた位置にいる俺は、ライザルに向かって彼の姉であるリンネルの祝いの言葉を伝えた。
「おう、ありがとな、リオ坊。それとな、姉ちゃんが言うには、妊娠3~4ヶ月らしいわ」
「えっ!? もうそんなに経つの!? しまったなぁ……今度、お祝いを兼ねてまたパンを買いに行こうと思っていたけど、やめた方が良い?」
「いや、気にする事はねぇよ。幸い、店は義兄さんが切り盛りしてっから、今、姉ちゃんは暇なんだとよ。話し相手にでもなってくれよ」
「そういう事なら是非とも行きますって伝えておいて下さい」
結婚の話自体は半年前からリンネル達の父である果物屋の店主バルサガンに聞いていた。しかし、お互いに仕事や予定が合わず、運悪く挨拶が出来ずそのままになっていた為にリンネルの妊娠は驚愕だった。
「おう、それにしても……結婚に……子供か……。俺も姉ちゃんに子供が出来たら、叔父さんか」
「そう言えば、あまり個人の問題だから聞きにくかったけど、アミラさんとはどうなったの?」
ライザルとの出会いは、俺がミンク祖母に預けられて祖母の店の手伝いをしていた時にライザルが、アミラーシアをナンパしている時だった。
当時は2人の関係性がどんな感じなのか想像の範囲でしか分からなかったが、最近は、ライザルか時間があればアミラと話す為に足繁く通っては、楽しそうに会話している光景をよく見る。
「くっくっくっ。聞いて驚け! アミラとは今月で交際1年になるんだ!」
「えっ!? 何で言ってくれなかったの!? ライザルさん、おめでとう!」
「おう! ありがとよ。言わなかったのは、去年、リオ坊が忙しそうだったからな。会った時に言おうと思っていたんだけど、その都度言い忘れていたな、結果今になったんだ。ごめんな」
「ああ~まあ、確かに今日の試験を1発合格する為に何が来ても良いように準備していたしなぁ。それなら仕方ないよ。んで、ライザルさんは、アミラさんに求婚を申し出るの?」
「ーー!? ぐっ!? 全く、お前は聞き辛いことをよく聞けるな……」
急に"カァーッ"と顔を赤くして目を逸らすライザルは、恥ずかしげに頬をかく。
「それが取り柄ですので」
ライザルの反応に対して、まるでなんとでもない様に話す俺は、緩みそうになる表情を必死に堪え無表情を貫いた。
「嘘つけ! まあ……アレだ……近々やる交際1周年記念の時に……な? 俺もこの1年で実力も蓄えも準備出来たから、アミラに言うつもりだ。俺より先にアミラに言ったら絶交だかんな? 絶対に言うんじゃねぇぞ?」
「ーー!? 勿論だよ! ライザルさん、頑張ってね!」
「おう! ありがとな」
5年近い友達であり、兄貴分の先輩冒険者に秘密を打ち明けてもらった事に嬉しくなった俺は、何処となく心が熱くなるのを感じた。
そして、俺達はお互いの右腕でバッテン印を作る様にぶつけて言葉とは違った挨拶を行った。
「お~い、ライザル、何してんの? 置いていくよ~」
ギルドの入り口の方から熊人族の女性ターニャが手を振り、ライザルを呼ぶ声がした。
そこにはライザル以外のメンバーが今まさにギルドから出ていくところだった。
「おう! 今行く! んじゃあ、俺はもう行くわ。Iランク昇格おめでとうな、リオ坊……じゃねぇか……じゃあな、リオ」
「ーー!? うん! またね、ライザルさん!」
俺にとっての兄貴分であるライザルに弟分としてではなく、1人の同業者仲間として認められた事に俺は、胸の奥が熱くなり、改めて昇格試験に受かった事を感じていた。
「番号札2番の方~! 準備ができましたので受付にお越しください!」
「あ、は~い! それじゃあ、みんな行こうか!」
「行くぞー!」
「行こ~」
「行くにゃ!」
「行きますにゃ!」
エリーに呼ばれた俺達は、2番の番号札を持ち先程居た受付所に向かった。
「お待たせしました。では、まずギルド証をお預かりします」
「どうぞにゃ!」
このメンバー最年長のラートが代表して全員のギルド証を集めてエリーに手渡した。
「次にこのパーソナルボードに手をかざし、"ステータス更新"っと言ってください。それで、正式登録は終了です」
「"ステータス更新"にゃ」
「はい、ラートさん、Iランク冒険者として登録されました。手続きは終了です。次はどなたから登録しますか?」
「じゃあ、僕がやりますにゃ」
手を挙げたナートが、前に進みIランク冒険者の正式登録を行う。
いつものナートであれば、俺やメルル、シルルに順番を譲り自分は最後に行うと言う紳士的な態度ではあるが、今回はナート自身も浮き足立っているご様子でいつもよりも幼く見えた。
ラート、ナートと年齢順に登録を済ませている為に後の順は、シルル、メルル、俺の順で登録した。
「それでは、ご登録が済みましたので、此方の魔道具をお渡しします」
「アリスさん、それは一体何ですか~」
「此方は正式登録した戦闘系ギルドに所属する者に与えられる"制限の腕輪"と言う魔道具になります。ギルド証と同様の手順で、この白く丸い封印石に自身の血を付着させながら"ステータス同期"と言葉を発する事で自由に力量の筋力を制限する事ができます」
制限の腕輪の見た目は、まさに腕時計の様だった。腕時計の鉄っぽい金属ケースに本来、文字盤が入っている所を中に封印石が埋め込まれていて、黒色の魔物の革とバックルが付いている。
「なるほどにゃ! オイラ達の強くなった力に制限をかけて日常生活に支障がないようにする為のものかにゃ」
「"ステータス同期"」
修業の一環で魔物との戦闘を繰り返した俺は、日常生活を行う上で楽にはなったが、それ以上に有り余る力に少し恐怖を感じており、直ぐにナイフで親指を切り力を制限のした。
「皆さん、ご注目して下さい。今、フィデリオ君が行ったように白い封印石が、黒く染まり、黒茶色に変化すれば成功です」
「ヘェ~こんな風に変化するんだ~」
「この魔道具の装備は、どの国でも"装備義務"と言う扱いになりますのでご注意下さい。これは、無料で贈与いたします。紛失や破壊した場合の再取得には、ご申請して下さい」
「分かったわ」
「(冒険者には義務は無いが、"装備義務と言う扱いになる"か……詰まりは、他国の入国審査で入国拒否される可能性があるって事かな?)」
「それでは、改めましてIランクのご説明に入らせて頂きます。皆様は、正式登録の中では1番低いランクになります。その為に自身と同じランクの内容しか受ける事ができません」
「うにゃ? 他のランクの人達は違うかにゃ?」
「勿論です。例えば先程の八重の潮風団の方々はHランクになります。その為に彼らは、Hランク以外にも下に位置するIランクの内容も受ける事ができます。よろしいですか?」
「うにゃ! 分かったにゃ!」
冒険者のランクは、上がれば上がるほどギルド内の信頼が上がり結果的にできる仕事の数が増えていく。俺達Iランクは、Iランク1つだけだが、ライザル達Hランクはギルドに信頼されている為にIランクとHランク両方を受ける事ができる。
「続いて収益の手段についてですが、主に迷宮探索と依頼になります。依頼は、各種様々あり皆様がこれまで行ってきた雑用から採取、護衛など幅広くあります。迷宮探索は、魔物との戦闘で得られる肉や骨、魔物の心臓付近にある"魔石"を回収して、私達と売買契約を結ぶ事で収益となります」
エリーがそう言って取り出したのは、彼女の拳よりも2回りも小さい、外側が透明で中心に淡く光る赤色の宝石の様に綺麗な石だった。
「エリーさん、魔物関連の物を商人ギルドに直接持っていっても良いのですかにゃ?」
「それは一向に構いません。しかし、その場合ですと冒険者ギルドよりも安く買い叩かれる可能性も高く、万が一その様な問題が発生した場合は私達では対応しかねますので、自己責任でお願いします」
「うわぁ~面倒くさそ~」
「また、売買契約が成立した場合は、その商人と交わした契約書の控えをご提出をお願いします。納税計算に使いますので、必ずご提出下さい。万が一ご提出されなかった場合は、脱税者として刑罰を受ける事もありますが、その場合も私達では対応しかねますので、ご注意下さい」
「分かりました。その際は必ず提出します」
転生を実感して5年が経った今だからこそ分かるパーソナルボックスやギルドカードの様な前世の科学技術にも引けを取らない魔道具技術の進化に俺は、前世と同様に書類関係はキチンとやろうと心に決めた。
「では最後に、昇格についてです。冒険者ギルドの昇格の基準は、各迷宮の最深部にある"鍵"を取得して下さい」
「鍵……ですか?」
「そうです。各迷宮の最深部には、その迷宮を形作る為の核となるモノが存在しております。それを私達は迷宮鍵印(ラビリンスキーサイン)と呼んでいます」
「どうすれば、その、迷宮鍵印ってやつを取得できるんですか?」
「迷宮鍵印を軸にその場に住み着いている守護魔物(ガーディアンモンスター)を倒す事で、光り輝く魔法陣と共に紋様が刻まれた円柱形のモノが出現します。それに、触れる事で貴方達の身体に特別な時にしか出ない刻印が付与されます」
「ほ、他には、ありますかにゃ?」
「ランクが上がれば上がる程に依頼層も上がります。その為にGランク以上の昇格には軽い面談がありますのでご注意下さい。説明は以上となります。何かご質問はありませんか?」
「みんな、俺は特に無いけど何かある?」
「アタイも無いな」
「アタイも~」
「オイラもにゃ!」
「僕もありませんにゃ」
迷宮について初めて聞くモノ、初めて聞く言葉に俺たち5人は夢にまで見た冒険者になったと言う実感と興奮を隠しきれなかった。
「では、これにてご説明を終了させて頂きます。うふふ、みんな、Iランク昇格おめでとう! 頑張ってね!」
「「「「「ありがとうございました((にゃ))」」」」」
淡々と説明を終えたエリーは、仕事モードから表情を一転させるといつもの様な優しい笑みを浮かべ激励をした為に、俺達はその場で感謝の意を表した。
「よう! リオ、昇格したんだな。おめでとう」
「おめでとう、リオ」
「あっ! 父ちゃんに母ちゃん! それにガルダおじさん達も! 依頼ですか?」
背後から聞こえる両親の声に振り向くと、ギルド入り口付近に両親とそのパーティーメンバーが待機していた。
「うむ、それもあるが君達の昇格を祝福と私達からの最後の試練を伝えに来たのだ」
「えっ? 父さん、なにそれーアタイも初耳だよー」
「シルル、それは言っていないからだ。そして、これは、私達だけで君達が昇格出来たらと事前に決めておいた事だ。よく聞きなさい」
片膝立ちになりシルルとメルルに目線を合わせたガルダは、彼女らの頭を撫でながら真剣な眼差しで娘の質問に答えた。
「まずは、フィデリオ君、メルルちゃん、シルルちゃん、ラート、ナート、昇格おめでとうにゃ。これで、君達も大人と同じ冒険者になる事が出来た事を1人の冒険者として嬉しく思うにゃ」
嬉しそうに、誇らしげに、それでいてどこかホッとした表情のストールは、拍手をしながら祝いの言葉を俺達に送った。
「だが、君達はまだ未成年……詰まりは子供である。私達もまだ子供な君達に危険な事をしてほしくは無いと思っている。だが、子供扱いは、君達のこれまでの努力に対する侮辱である事もまた事実である」
厳しそうに、優しく微笑むガルダの顔は少しずつ心配そうな、苦しそうな表情に変わっていった。
「だから、お前らに俺達から試練を与える。お前ら5人で一団を組みIランク迷宮を踏破してみろ。それが出来れば、俺達は、今後一切、冒険者のお前らをガキ扱いしないと誓おう。お前らが旅に出ようが、他の奴らと組んで迷宮探索しようが、文句は言わねえ。分かったか?」
まるで"お前達ならこんな試練なんて簡単に超えられるだろ?"と言わんばかりに不敵に笑う父は、俺達の心に発破をかける。
「「「「「はい((にゃ))!!」」」」」
年相応に冒険者になれた事に浮かれていた俺達は、発破をかけられたことにより少し恥ずかしくなった。
それは、冒険者になる事がゴールでは無く、ここがスタートラインだったからだ。俺達は、この時に初めてスタートを切ったのだと思い、浮かれた心をかき消す様に、"こんな試験なんて簡単に超えてやる"と各々の両親に吠えた。
~ステータス~
[名前]フィデリオ
[年齢]10歳
[種族]妖精種 クォーターノムルス
[強度]9/100(70/90)
[力量]生力1930/2730魔力2471/2621筋力1092速力1638知力1529器力85/85(仰力269/269)
[職業]
(一覧)
「・魔術士1/20(0/100)」
「・土魔法使い1/20(0/100)
「・水魔法使い1/20(0/100)」
「・闘士1/20(0/100)」
「・武器使い(棒)5/20(40/100)」
「・武器使い(鎚)10/20(135/200)」
「・武器使い(体)10/20(115/200)」
「・武器使い(獣)5/20(23/100)」
「・武器使い(投擲)10/20(186/200)」
「・鍛治師5/20(0/50)」
「・薬師3/20(15/30)」
「・商人10/20(80/100)」
「・祈念師8/20(75/80)」
[技能]
(一覧)
『特殊技能』
・自然回復速度向上Ⅰ 1/10(58/1000)
・魔力回復速度向上Ⅰ 1/10(350/1000)
・土魔法親和性向上Ⅰ 1/10(250/1000)
・水魔法親和性向上Ⅰ 1/10(100/1000)
『魔力技能』
・土魔法3/10(105/1000)
・水魔法3/10(69/1000)
・魔力感知Ⅲ 2/10(58/1060)
・魔力操作2/10(3597/10000)
・魔力放出Ⅰ 3/10(2086/10000)
『戦闘技能』
・筋力向上Ⅲ 1/10(15/1030)
・解体6/10(28/60)
・棒術Ⅰ 6/10(45/60)
・鎚術Ⅱ 1/10(65/100)
・盾術Ⅰ 8/10(76/80)
・投擲(石)Ⅱ 5/10(56/200)
・投擲(刃)Ⅱ 1/10(65/100)
・木登りⅠ 5/10(1/50)
・逃走Ⅱ 4/10(1/180)
・追跡Ⅰ 8/10(55/80)
・隠密Ⅱ 1/10(54/100)
『耐性技能』
・魅了耐性Ⅰ 1/10(0/10)
・土魔耐性Ⅲ 1/10(358/1030)
・水魔耐性Ⅲ 1/10(57/1030)
・魔酔耐性Ⅲ 3/10(70/1090)
・魔力耐性Ⅰ 3/10(4580/10000)
・身体苦痛耐性Ⅱ 2/10(37/120)
・恐怖耐性Ⅱ 2/10(98/120)
・暑さ耐性Ⅰ 9/10(1/90)
・寒さ耐性Ⅰ 9/10(1/90)
『知力技能』
・目利き(鉱物)3/10(12/30)
・目利き(薬草)2/10(6/20)
・暗算10/10(0/0)
・演算3/10(1/300)
『器力技能』
・加工Ⅰ 5/10(32/50)
・調薬Ⅰ 2/10(12/20)
『仰力技能』
・祈念8/10(1/80)
[称号]イシュリナの祝福を受けし者、誘惑に打ち勝つ者、Iランク冒険者
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