7 / 138
第1章 転生直後は罠だらけ
1-7 父方の祖父母ってどんな人?
しおりを挟む
俺はお金について勉強したら満腹と疲労が相まってそのまま昼を食べずに寝た。その為に気がつけば外は真っ暗だった。
「(前世でも寝る子は育つって言うから今世もある程度の身長が欲しい所だ。あっ! そう言えば、俺の祖父母って如何言う人なんだ? 聞いてみるか)」
「ねーねー! 父ちゃん、母ちゃん! 俺の爺ちゃん達ってさーどんな人なの?」
俺は明日から預けられる祖父母達について知らなかった事に気がつき夕食後まったりしている両親に質問した。
「んっ? ああ、言ってなかったか? この際だし先に言っておくか。なぁ? 母ちゃん」
父は右上を見て言っていない事に気がついた。
「そうね。それがいいわ、アンタ」
母も父の方に目を向けると意見に賛同する。
「そんじゃあ、先ずは俺の両親についてだ。俺の父ちゃんはアランと言う名前で人間種パーソン族の現役冒険者として活躍しているんだ。俺の母ちゃんはミンクと言う名前で純血妖精種ノムルス族の現役鍛治職人なんだ。父も母も明るく元気な人柄をしている」
「アラン爺ちゃんとミンク婆ちゃんか……どっちも現役なんだね」
「そうだな。リオが明日から預けられるのは俺の両親さ。俺やリオのこの茶髪や背丈はノムルスの血は母ちゃん譲りなんだよ」
父は何度も頷き、顔を上げると右手を前に差し出して言った。
「そうなの?」
俺は首を傾げながら質問する。
「おう。俺もあまり身長がある訳じゃねぇが、ノムルス族は全体的に茶髪で小柄が体格が多くてな。俺は160cmはあるが、それでもハーフノムルスの中では高い方だ」
父であるアモンを含めたノムルス族は妖精種の中でも低身長で筋肉質になる傾向が強く出ている。純血種の男性は小柄でゴツい様な見た目で女性は発達途中の少女のような見た目が多い。
「身長の平均ってどのくらいなの?」
「そうだなぁ。母ちゃんの様な純血で140cm前後、俺の様なハーフで150cm前後だったから……。リオの様なクォーターなら160前後じゃねぇか? 個人差によるけど」
父は上を向き右手で後頭部をかきながら話す。
「そっかー。ありがとうね」
「(まぁ、その辺は、大人になってから考えるか。身長はどうやってもコントロール出来ないし)」
「おう、続けるぞ。俺の父アランは確か今年66歳になったんだよ」
「えっ?66歳で現役?嘘でしょ?」
俺は祖父が意外と高齢である事に驚愕する。
「いや、その辺りは会ってみれば分かるから今は割愛するな。んでよ、父の家系が昔から冒険者一族でな。この王都イシュリナで生まれ育ったって言ってたっけか。俺もガキの頃は何度か会った事があるけど父の弟、つまり叔父にアルミン、父の姉、つまり叔母にミルティと言う姉弟が他国にいる」
「ヘェ~他国か……興味あるなぁ……」
俺は他国の存在に胸を躍らせた。
「おう、でっかくなったら行ってみると良いさ」
「うん、そうするよ」
「そんでな、父達ははリオと同い年から俺の爺ちゃんに冒険者としてのイロハを叩き込まれたそうだ。そういや俺も5歳からか……まぁ、いいや。んでな、色々冒険者として活動する中で欠点とか悩んでいた時に母であるミンクに出会ったのが馴れ初めだそうだ」
父は話の最中に胸のあたりで腕を組み思い出しながら説明する。
「まさに運命の出会いってやつだね」
「そうだなぁ。次は母であるミンクについて説明していくぞ。母は今年で95歳になったな。まぁ純血妖精種は基本長寿だから平均寿命280歳前後って言われているから人間換算で……40歳前後……ぐらいか?」
「はぁー凄いな」
「んでよ、母は30年近くを純血ノムルス族の隠れ里で暮らしていたそうだ。でも、昔からの風習でな、女性であるから鍛治場に入る事を許されていなかった事に腹を立て家出したそうだ。あれっ? そう言えば、俺も隠れ里に行った事ねぇな」
父は自分で言いながら祖母の実家に行った事がない事を思い出す様に言う。
「何処にあるんだろうね。地下とかに国を作っていそうだね」
前世の記憶と言うか俺の勝手なイメージを父に伝える。
「ワッハッハ! まさかな~。それでよ、母は実家からとても遠いらしい迷宮王国アローゼンの公爵領にある"パタノール"って言う街に住んで暫くは鍛治見習いとして下積み生活をしていたそうだ」
父は俺のイメージを冗談だと捉え笑う。
「んっ? なんで態々遠くの国で下積みしたの? 連れ戻されない為?」
「それもあるだろうが、1番は人種・性別差別が殆どないからじゃねぇか?」
「差別? 他国は違うの?」
「おう、軍事帝国ゾルピデムなんかは特に獣人種排斥主義を掲げている国だし、魔法公国フロセミドは魔法至上主義を掲げているしな。どっちもこの国から遠いから母ちゃんの実家はそっち方面だと思っている」
「うわぁ……それは、婆ちゃんも逃げたくなるね」
俺はこの世界の差別に顔を顰める。
「そうだな。そこから10年間住み込みの修業で頭角を表した母はメキメキと実力を付けたそうだ。そしてここ、王都イシュリナに店を構え始めた頃に、客として店を訪れた父と出会い恋に落ちたそうだ」
「さっきの話だね」
「おう、そうだ。父は母の武器の出来栄えや仕事の姿勢に自身と重なる点があって興味を持ち、母も自分の作った武器が大切に扱われていると気が付き、お互いに何となく興味を持ったそうだ。んで紆余曲折あって俺と弟のアレクと妹のメルシェが生まれたんだ」
「えっ? 俺って叔父さんと叔母さんが居るの?」
「おう、確かアレクは軍事帝国ゾルピデムに居て、メルシェは魔法公国フロセミドに居るって手紙に書いてあったしな」
父は懐かしそうな表情で叔父と叔母の近況ついて説明する。
「それにしても、なんで父ちゃんは爺ちゃん達の馴れ初めをそんなに詳しく知っているの?」
「あぁ~っ。あの2人昔から仲が良くてな。聞いてもいねぇのに、何かある度にしこたま聞かされたのさ」
父は頭痛を抑える様に両方のこめかみを抑えて唸った。
「(前世でも寝る子は育つって言うから今世もある程度の身長が欲しい所だ。あっ! そう言えば、俺の祖父母って如何言う人なんだ? 聞いてみるか)」
「ねーねー! 父ちゃん、母ちゃん! 俺の爺ちゃん達ってさーどんな人なの?」
俺は明日から預けられる祖父母達について知らなかった事に気がつき夕食後まったりしている両親に質問した。
「んっ? ああ、言ってなかったか? この際だし先に言っておくか。なぁ? 母ちゃん」
父は右上を見て言っていない事に気がついた。
「そうね。それがいいわ、アンタ」
母も父の方に目を向けると意見に賛同する。
「そんじゃあ、先ずは俺の両親についてだ。俺の父ちゃんはアランと言う名前で人間種パーソン族の現役冒険者として活躍しているんだ。俺の母ちゃんはミンクと言う名前で純血妖精種ノムルス族の現役鍛治職人なんだ。父も母も明るく元気な人柄をしている」
「アラン爺ちゃんとミンク婆ちゃんか……どっちも現役なんだね」
「そうだな。リオが明日から預けられるのは俺の両親さ。俺やリオのこの茶髪や背丈はノムルスの血は母ちゃん譲りなんだよ」
父は何度も頷き、顔を上げると右手を前に差し出して言った。
「そうなの?」
俺は首を傾げながら質問する。
「おう。俺もあまり身長がある訳じゃねぇが、ノムルス族は全体的に茶髪で小柄が体格が多くてな。俺は160cmはあるが、それでもハーフノムルスの中では高い方だ」
父であるアモンを含めたノムルス族は妖精種の中でも低身長で筋肉質になる傾向が強く出ている。純血種の男性は小柄でゴツい様な見た目で女性は発達途中の少女のような見た目が多い。
「身長の平均ってどのくらいなの?」
「そうだなぁ。母ちゃんの様な純血で140cm前後、俺の様なハーフで150cm前後だったから……。リオの様なクォーターなら160前後じゃねぇか? 個人差によるけど」
父は上を向き右手で後頭部をかきながら話す。
「そっかー。ありがとうね」
「(まぁ、その辺は、大人になってから考えるか。身長はどうやってもコントロール出来ないし)」
「おう、続けるぞ。俺の父アランは確か今年66歳になったんだよ」
「えっ?66歳で現役?嘘でしょ?」
俺は祖父が意外と高齢である事に驚愕する。
「いや、その辺りは会ってみれば分かるから今は割愛するな。んでよ、父の家系が昔から冒険者一族でな。この王都イシュリナで生まれ育ったって言ってたっけか。俺もガキの頃は何度か会った事があるけど父の弟、つまり叔父にアルミン、父の姉、つまり叔母にミルティと言う姉弟が他国にいる」
「ヘェ~他国か……興味あるなぁ……」
俺は他国の存在に胸を躍らせた。
「おう、でっかくなったら行ってみると良いさ」
「うん、そうするよ」
「そんでな、父達ははリオと同い年から俺の爺ちゃんに冒険者としてのイロハを叩き込まれたそうだ。そういや俺も5歳からか……まぁ、いいや。んでな、色々冒険者として活動する中で欠点とか悩んでいた時に母であるミンクに出会ったのが馴れ初めだそうだ」
父は話の最中に胸のあたりで腕を組み思い出しながら説明する。
「まさに運命の出会いってやつだね」
「そうだなぁ。次は母であるミンクについて説明していくぞ。母は今年で95歳になったな。まぁ純血妖精種は基本長寿だから平均寿命280歳前後って言われているから人間換算で……40歳前後……ぐらいか?」
「はぁー凄いな」
「んでよ、母は30年近くを純血ノムルス族の隠れ里で暮らしていたそうだ。でも、昔からの風習でな、女性であるから鍛治場に入る事を許されていなかった事に腹を立て家出したそうだ。あれっ? そう言えば、俺も隠れ里に行った事ねぇな」
父は自分で言いながら祖母の実家に行った事がない事を思い出す様に言う。
「何処にあるんだろうね。地下とかに国を作っていそうだね」
前世の記憶と言うか俺の勝手なイメージを父に伝える。
「ワッハッハ! まさかな~。それでよ、母は実家からとても遠いらしい迷宮王国アローゼンの公爵領にある"パタノール"って言う街に住んで暫くは鍛治見習いとして下積み生活をしていたそうだ」
父は俺のイメージを冗談だと捉え笑う。
「んっ? なんで態々遠くの国で下積みしたの? 連れ戻されない為?」
「それもあるだろうが、1番は人種・性別差別が殆どないからじゃねぇか?」
「差別? 他国は違うの?」
「おう、軍事帝国ゾルピデムなんかは特に獣人種排斥主義を掲げている国だし、魔法公国フロセミドは魔法至上主義を掲げているしな。どっちもこの国から遠いから母ちゃんの実家はそっち方面だと思っている」
「うわぁ……それは、婆ちゃんも逃げたくなるね」
俺はこの世界の差別に顔を顰める。
「そうだな。そこから10年間住み込みの修業で頭角を表した母はメキメキと実力を付けたそうだ。そしてここ、王都イシュリナに店を構え始めた頃に、客として店を訪れた父と出会い恋に落ちたそうだ」
「さっきの話だね」
「おう、そうだ。父は母の武器の出来栄えや仕事の姿勢に自身と重なる点があって興味を持ち、母も自分の作った武器が大切に扱われていると気が付き、お互いに何となく興味を持ったそうだ。んで紆余曲折あって俺と弟のアレクと妹のメルシェが生まれたんだ」
「えっ? 俺って叔父さんと叔母さんが居るの?」
「おう、確かアレクは軍事帝国ゾルピデムに居て、メルシェは魔法公国フロセミドに居るって手紙に書いてあったしな」
父は懐かしそうな表情で叔父と叔母の近況ついて説明する。
「それにしても、なんで父ちゃんは爺ちゃん達の馴れ初めをそんなに詳しく知っているの?」
「あぁ~っ。あの2人昔から仲が良くてな。聞いてもいねぇのに、何かある度にしこたま聞かされたのさ」
父は頭痛を抑える様に両方のこめかみを抑えて唸った。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説

神様のミスで女に転生したようです
結城はる
ファンタジー
34歳独身の秋本修弥はごく普通の中小企業に勤めるサラリーマンであった。
いつも通り起床し朝食を食べ、会社へ通勤中だったがマンションの上から人が落下してきて下敷きとなってしまった……。
目が覚めると、目の前には絶世の美女が立っていた。
美女の話を聞くと、どうやら目の前にいる美女は神様であり私は死んでしまったということらしい
死んだことにより私の魂は地球とは別の世界に迷い込んだみたいなので、こっちの世界に転生させてくれるそうだ。
気がついたら、洞窟の中にいて転生されたことを確認する。
ん……、なんか違和感がある。股を触ってみるとあるべきものがない。
え……。
神様、私女になってるんですけどーーーー!!!
小説家になろうでも掲載しています。
URLはこちら→「https://ncode.syosetu.com/n7001ht/」

ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら
七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中!
※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります!
気付いたら異世界に転生していた主人公。
赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。
「ポーションが不味すぎる」
必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」
と考え、試行錯誤をしていく…

憧れのスローライフを異世界で?
さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。
日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。
結婚しても別居して私は楽しくくらしたいので、どうぞ好きな女性を作ってください
シンさん
ファンタジー
サナス伯爵の娘、ニーナは隣国のアルデーテ王国の王太子との婚約が決まる。
国に行ったはいいけど、王都から程遠い別邸に放置され、1度も会いに来る事はない。
溺愛する女性がいるとの噂も!
それって最高!好きでもない男の子供をつくらなくていいかもしれないし。
それに私は、最初から別居して楽しく暮らしたかったんだから!
そんな別居願望たっぷりの伯爵令嬢と王子の恋愛ストーリー
最後まで書きあがっていますので、随時更新します。
表紙はエブリスタでBeeさんに描いて頂きました!綺麗なイラストが沢山ございます。リンク貼らせていただきました。
月が導く異世界道中
あずみ 圭
ファンタジー
月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。
真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。
彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。
これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。
漫遊編始めました。
外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。
あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~
深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公
じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい
…この世界でも生きていける術は用意している
責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう
という訳で異世界暮らし始めちゃいます?
※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです
※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
転生王子はダラけたい
朝比奈 和
ファンタジー
大学生の俺、一ノ瀬陽翔(いちのせ はると)が転生したのは、小さな王国グレスハートの末っ子王子、フィル・グレスハートだった。
束縛だらけだった前世、今世では好きなペットをモフモフしながら、ダラけて自由に生きるんだ!
と思ったのだが……召喚獣に精霊に鉱石に魔獣に、この世界のことを知れば知るほどトラブル発生で悪目立ち!
ぐーたら生活したいのに、全然出来ないんだけどっ!
ダラけたいのにダラけられない、フィルの物語は始まったばかり!
※2016年11月。第1巻
2017年 4月。第2巻
2017年 9月。第3巻
2017年12月。第4巻
2018年 3月。第5巻
2018年 8月。第6巻
2018年12月。第7巻
2019年 5月。第8巻
2019年10月。第9巻
2020年 6月。第10巻
2020年12月。第11巻 出版しました。
PNもエリン改め、朝比奈 和(あさひな なごむ)となります。
投稿継続中です。よろしくお願いします!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる