191 / 276
5部 よみがえる月神編
神馬と月の腕輪2
しおりを挟む
まずはリオン・アルヴァースの言葉を確認しよう。二人が同じ意見になれば、外へ出ることにした。
部屋を出れば、フィーリオナがどうしたと言うように見てくる。それほど時間は経っていないのに、二人が出てきたことに驚いているようだが、二人も休んでいなかったのかと突っ込みたくなった。
「陛下……それ」
手元の紙束を見たクロエが、まさかと言うように見る。
「……セルティが、ここでどうせ休息だろうからとな」
どことなくうんざりしたように言う女王に、二人とも憐れむように見た。さすがに、これはないと思ったのだ。
どう考えても嫌がらせだろう。フィーリオナが出ていても問題ないはずなのだから。
「あの人、恐ろしいな」
引きつった笑みを浮かべたまま、クオンが思わず呟いていた。
「それだけは俺も同意する」
クロエにとっても、なるべくなら敵に回したくない存在、それがセルティ・シーゼルという人物だ。
「ふむ、私もだ」
幼馴染みだからこそ、容赦がないセルティ。本気で怒らせるとやばいことを誰よりも知っている。
それで、とフィーリオナの視線が問いかけた。なにかあったのかと言いたいのだろう。
「あれ、みんな揃ってるの?」
そこへ、リーナも部屋から出てきた。
「じゃあ、気のせいじゃないのかな。なにかが呼んでる気がしたんだけど」
首を傾げて考えるリーナに、クオンとクロエが顔を見合わせる。
「わかるのか? クロエもわからなかったんだぞ」
「そうなの?」
確認するようにリーナが見れば、そうだと言うように頷く。むしろ、なぜ感じ取れるのかと思っているほどだが、これが彼女の能力なのだろう。
「特殊能力か……」
「うちの家系にあるってやつ? お兄様は持ってるらしいとは聞いてるけど」
自分は持っていないと言いたげに見る。少なくとも、自覚するような力はないのだ。
兄はなにかしらの能力を持っているようだと、両親の話から知ったのだが、それでもどのような能力なのかはわかっていない。
「イクティスが言うに、リーナの場合は女神の血が濃いのではないか、ということだ。特徴もセイレーンに近いだろ。シリン・メイ・シリウスと同じ銀髪は、今まで生まれていないそうだからな」
なるほど、と三人とも頷いてから、ハッとしたように姿勢を正す。
騎士団の制服を着ていると気が引き締まるが、旅装していることから緩んでしまったと思ったのだ。相手は女王なのだから、さすがにまずいと。
考えを察してか、フィーリオナは苦笑いを浮かべる。
「そんなに気にしなくていいぞ。城にいるわけでもないのだから」
あまり堅苦しくされるは好きではない、と言われれば、クオンとリーナは顔を見合わせて頷く。
どうしようかと問いかけ、まぁ少しならという返答だ。クロエだけは変える気がないようだが。
「で、外になにかあるということだな。行くか」
「陛下、そちらは?」
済ませなくていいのかとクロエが問いかければ、終わらなくても問題ないと言うからため息が漏れる。これも見越しての嫌がらせではないか、とすら思えてくるから不思議だ。
「このまま送り返してやる」
なんとも言えない笑みを浮かべて言えば、クオンは自分でもこれはやらないと思う。さすがに仕事はやりきってから遊ぶようにしているのだ。
もちろん、そうしないと副官が怖いというのもある。
とにかく出ようと四人が外へ出れば、キラキラと輝く光が見える。昼間では見えなかったかもしれないが、すでに空は暗くなりだしていた。
光は四人を認識したのか、その周りへ流れ込んでいく。まるでそれぞれを確認しているかのようだ。
『月の輝きを秘めたる者よ、預かり物を返そう』
次の瞬間、強い光が視界を奪う。なにが起きているのかと思うが、なぜか警戒心はない。
暖かい光は、警戒よりも安らぎを与えてくれる。不思議だと思うほどに心地よい光。
「馬?」
ようやく前が見えるようになると、そこには美しい馬が一頭立っていた。あまりの美しさに、魅入ったように呟くリーナ。
『月の加護を持つ乙女。星の力を得られる者か』
リーナを見ながら言う馬は、神馬と呼ばれる存在だった。遥か昔に滅びたと言われている、女神が与えた美しき馬。
「あなたは……神馬か。確か、三千年前に祈りの力で蘇ったと聞いたが」
本当にいるとは思わなかったと、フィーリオナも驚いたように言う。王家に伝わっていたが、王族であっても会えた者はいない。
それが神馬という存在だ。
神馬が誰に与えられたものなのかは、誰も知らないことだった。わからないことから、七英雄の誰かだと言う者もいるほどだが、実際にはそうではない。
だが、七英雄と神馬は交流だけはある。神馬の領域を活動拠点のひとつにしていたからだ。
『私は新たに生まれた存在だ。遥か昔、この地にいた神馬ではない』
「同一ではないということか? それとも、俺みたいな感じ?」
神馬に変わりないようだが、どういう存在なのかとクオンが問いかける。
『この地には、封印のひとつが存在していた』
魔王の封印だと、四人ともが頷く。その辺りはバルスデ王国にいる者なら誰でも知っているぐらい、常識として教えられている。
七英雄は魔王を封印した。封印は各地にあり、ひとつは北の大陸にあったことからバルスデ王国が管理していたと。管理していた場所はティンフスであることまで公開している。
そのため、ティンフスは今でも国の管理している村で、基本的には騎士しか入れない地と伝えているのだ。
下手に隠すよりもいいと、ヴェストリア・バルスデ・フォーランが公開したという経緯を持つ。
魔王の封印は神馬の領域に隠されていた。これをやったのは七英雄であるフォーラン・シリウス。
そして、封印を守るためにすべての力を使った神馬は消えてしまった。
『この地に残されたのは、先代の角。それも欠片だった。祈りが欠片を卵にし、新たに私が生まれた』
誰がそのようなことを成したのか。不思議に思ったが、すぐに話してくれるだろうと神馬を見る四人。
ここに関しては、さすがの女王でも知らないことだったのだ。おそらく、シュトラウス家が止めている情報なのだろう。
もしくはセルティかと思うフィーリオナ。セルティの家系とシュトラウス家は同じ情報を持っていたはず、と思ってから考えるのをやめる。
あの二人に関しては、王家でどうにかできる人物ではない。
『祈りは当時の姫、リファラ・バルスデ・フォーランのものだ。彼女の歌声が私を私という存在にした』
故に、神馬はその家系を見守る存在としていたと言う。
「そうか……つまり、ここの管轄はセルティの家系だが、神馬に関してだけはシリウス家ということになるのだな」
納得したようにフィーリオナが言うと、クオンは知らないと言うように首を振る。
・
部屋を出れば、フィーリオナがどうしたと言うように見てくる。それほど時間は経っていないのに、二人が出てきたことに驚いているようだが、二人も休んでいなかったのかと突っ込みたくなった。
「陛下……それ」
手元の紙束を見たクロエが、まさかと言うように見る。
「……セルティが、ここでどうせ休息だろうからとな」
どことなくうんざりしたように言う女王に、二人とも憐れむように見た。さすがに、これはないと思ったのだ。
どう考えても嫌がらせだろう。フィーリオナが出ていても問題ないはずなのだから。
「あの人、恐ろしいな」
引きつった笑みを浮かべたまま、クオンが思わず呟いていた。
「それだけは俺も同意する」
クロエにとっても、なるべくなら敵に回したくない存在、それがセルティ・シーゼルという人物だ。
「ふむ、私もだ」
幼馴染みだからこそ、容赦がないセルティ。本気で怒らせるとやばいことを誰よりも知っている。
それで、とフィーリオナの視線が問いかけた。なにかあったのかと言いたいのだろう。
「あれ、みんな揃ってるの?」
そこへ、リーナも部屋から出てきた。
「じゃあ、気のせいじゃないのかな。なにかが呼んでる気がしたんだけど」
首を傾げて考えるリーナに、クオンとクロエが顔を見合わせる。
「わかるのか? クロエもわからなかったんだぞ」
「そうなの?」
確認するようにリーナが見れば、そうだと言うように頷く。むしろ、なぜ感じ取れるのかと思っているほどだが、これが彼女の能力なのだろう。
「特殊能力か……」
「うちの家系にあるってやつ? お兄様は持ってるらしいとは聞いてるけど」
自分は持っていないと言いたげに見る。少なくとも、自覚するような力はないのだ。
兄はなにかしらの能力を持っているようだと、両親の話から知ったのだが、それでもどのような能力なのかはわかっていない。
「イクティスが言うに、リーナの場合は女神の血が濃いのではないか、ということだ。特徴もセイレーンに近いだろ。シリン・メイ・シリウスと同じ銀髪は、今まで生まれていないそうだからな」
なるほど、と三人とも頷いてから、ハッとしたように姿勢を正す。
騎士団の制服を着ていると気が引き締まるが、旅装していることから緩んでしまったと思ったのだ。相手は女王なのだから、さすがにまずいと。
考えを察してか、フィーリオナは苦笑いを浮かべる。
「そんなに気にしなくていいぞ。城にいるわけでもないのだから」
あまり堅苦しくされるは好きではない、と言われれば、クオンとリーナは顔を見合わせて頷く。
どうしようかと問いかけ、まぁ少しならという返答だ。クロエだけは変える気がないようだが。
「で、外になにかあるということだな。行くか」
「陛下、そちらは?」
済ませなくていいのかとクロエが問いかければ、終わらなくても問題ないと言うからため息が漏れる。これも見越しての嫌がらせではないか、とすら思えてくるから不思議だ。
「このまま送り返してやる」
なんとも言えない笑みを浮かべて言えば、クオンは自分でもこれはやらないと思う。さすがに仕事はやりきってから遊ぶようにしているのだ。
もちろん、そうしないと副官が怖いというのもある。
とにかく出ようと四人が外へ出れば、キラキラと輝く光が見える。昼間では見えなかったかもしれないが、すでに空は暗くなりだしていた。
光は四人を認識したのか、その周りへ流れ込んでいく。まるでそれぞれを確認しているかのようだ。
『月の輝きを秘めたる者よ、預かり物を返そう』
次の瞬間、強い光が視界を奪う。なにが起きているのかと思うが、なぜか警戒心はない。
暖かい光は、警戒よりも安らぎを与えてくれる。不思議だと思うほどに心地よい光。
「馬?」
ようやく前が見えるようになると、そこには美しい馬が一頭立っていた。あまりの美しさに、魅入ったように呟くリーナ。
『月の加護を持つ乙女。星の力を得られる者か』
リーナを見ながら言う馬は、神馬と呼ばれる存在だった。遥か昔に滅びたと言われている、女神が与えた美しき馬。
「あなたは……神馬か。確か、三千年前に祈りの力で蘇ったと聞いたが」
本当にいるとは思わなかったと、フィーリオナも驚いたように言う。王家に伝わっていたが、王族であっても会えた者はいない。
それが神馬という存在だ。
神馬が誰に与えられたものなのかは、誰も知らないことだった。わからないことから、七英雄の誰かだと言う者もいるほどだが、実際にはそうではない。
だが、七英雄と神馬は交流だけはある。神馬の領域を活動拠点のひとつにしていたからだ。
『私は新たに生まれた存在だ。遥か昔、この地にいた神馬ではない』
「同一ではないということか? それとも、俺みたいな感じ?」
神馬に変わりないようだが、どういう存在なのかとクオンが問いかける。
『この地には、封印のひとつが存在していた』
魔王の封印だと、四人ともが頷く。その辺りはバルスデ王国にいる者なら誰でも知っているぐらい、常識として教えられている。
七英雄は魔王を封印した。封印は各地にあり、ひとつは北の大陸にあったことからバルスデ王国が管理していたと。管理していた場所はティンフスであることまで公開している。
そのため、ティンフスは今でも国の管理している村で、基本的には騎士しか入れない地と伝えているのだ。
下手に隠すよりもいいと、ヴェストリア・バルスデ・フォーランが公開したという経緯を持つ。
魔王の封印は神馬の領域に隠されていた。これをやったのは七英雄であるフォーラン・シリウス。
そして、封印を守るためにすべての力を使った神馬は消えてしまった。
『この地に残されたのは、先代の角。それも欠片だった。祈りが欠片を卵にし、新たに私が生まれた』
誰がそのようなことを成したのか。不思議に思ったが、すぐに話してくれるだろうと神馬を見る四人。
ここに関しては、さすがの女王でも知らないことだったのだ。おそらく、シュトラウス家が止めている情報なのだろう。
もしくはセルティかと思うフィーリオナ。セルティの家系とシュトラウス家は同じ情報を持っていたはず、と思ってから考えるのをやめる。
あの二人に関しては、王家でどうにかできる人物ではない。
『祈りは当時の姫、リファラ・バルスデ・フォーランのものだ。彼女の歌声が私を私という存在にした』
故に、神馬はその家系を見守る存在としていたと言う。
「そうか……つまり、ここの管轄はセルティの家系だが、神馬に関してだけはシリウス家ということになるのだな」
納得したようにフィーリオナが言うと、クオンは知らないと言うように首を振る。
・
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
転生調理令嬢は諦めることを知らない
eggy
ファンタジー
リュシドール子爵の長女オリアーヌは七歳のとき事故で両親を失い、自分は片足が不自由になった。
それでも残された生まれたばかりの弟ランベールを、一人で立派に育てよう、と決心する。
子爵家跡継ぎのランベールが成人するまで、親戚から暫定爵位継承の夫婦を領地領主邸に迎えることになった。
最初愛想のよかった夫婦は、次第に家乗っ取りに向けた行動を始める。
八歳でオリアーヌは、『調理』の加護を得る。食材に限り刃物なしで切断ができる。細かい調味料などを離れたところに瞬間移動させられる。その他、調理の腕が向上する能力だ。
それを「貴族に相応しくない」と断じて、子爵はオリアーヌを厨房で働かせることにした。
また夫婦は、自分の息子をランベールと入れ替える画策を始めた。
オリアーヌが十三歳になったとき、子爵は隣領の伯爵に加護の実験台としてランベールを売り渡してしまう。
同時にオリアーヌを子爵家から追放する、と宣言した。
それを機に、オリアーヌは弟を取り戻す旅に出る。まず最初に、隣町まで少なくとも二日以上かかる危険な魔獣の出る街道を、杖つきの徒歩で、武器も護衛もなしに、不眠で、歩ききらなければならない。
弟を取り戻すまで絶対諦めない、ド根性令嬢の冒険が始まる。
主人公が酷く虐げられる描写が苦手な方は、回避をお薦めします。そういう意味もあって、R15指定をしています。
追放令嬢ものに分類されるのでしょうが、追放後の展開はあまり類を見ないものになっていると思います。
2章立てになりますが、1章終盤から2章にかけては、「令嬢」のイメージがぶち壊されるかもしれません。不快に思われる方にはご容赦いただければと存じます。
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢
岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか?
「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」
「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」
マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる