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第69話 お手柄!

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ある日シルフィーが見つけてきた。

ナニって?

村で旅人の話を耳にして見つけてきたと言う、梅の実くらいのズッシリした感じの実。

ナニか、と聞くと。

「ねぇ、これってアリヤが欲しがっていた調味料に近いと思うの。」

そう言ってポトリと手のひらに落とされた実はしっとりした触感で熟れすぎたアボカドの様な色味と柔らかさだった。

「ミションの実って言うんですって。完熟前はまた違う調味料になるらしいよ?」

漂う香りは。

「味噌だ!」

思わず叫ぶ。

「ねぇ、これどこで手に入るの?」

シルフィーに詰め寄る。

「うーん、覚えて無いな~でもグランに頼んだら増やせるんじゃ無い?」

ねー、グラン?とシルフィーはニッコリ微笑む。

そうたね、とグランも請け負う。

「じゃあ、早速お願いしてもいい?!」

そうお願いすれば、私達が愛し仔のお願いを断れる訳ないじゃ無い、アリヤからの頼み事、嬉しい~と言いながらフワフワと去っていく。

「数日時間が欲しい。実がなったら呼ぶ…」

グランも心なしかウキウキした感じで去っていった。

手元にはミションの実が一粒。

あぁ、どうしよう。日本人にとって欠かせない調味料、味噌だ。少し硬めの皮を慎重に剥く。中から茶色いペースト状の果実が現れた。

少し摘んで舐めてみる。口の中にふわりと広がる大豆の香りと。

懐かしさにポロリと涙が溢れた…
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