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第50話 その正体は!

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この世界でお米の入手が可能になった。

と、いうか裏に勝手に生えてたんだけど。そうなるとご飯のお供が欲しい訳です。漬け物もレパートリーが欲しいし、おにぎりのお供って言ったらなんだ?

唐揚げ?!いいんじゃない?鶏肉が欲しいけど、村のおかみさんとクリスさんに聞けばわかるよね、きっと。

アレクに頼んで村に行こう。

早速村へと向かう。村で鶏を見たことが無いけど、新鮮な卵は入手出来てるから何かしらの鳥が居ると思うんだけど。

「おかみさーん!」

村に着くと真っ直ぐおかみさんの店に足を運ぶ。キャベツっぽいのと、白菜っぽいヤツを横目で確認しつつ、鶏肉ってある?って聞いてみた。

「あぁ、鶏肉かい?それならクリスの所から分けてもらいな。あそこは商売で使うから大量に買い付けてるからね。」

森で取れる肉なら獣肉も扱ってる食料品店がいいらしきけど、トリは分けてもらった方がいいって…

「わかったよ。クリスさんに聞いてみるね。帰りにまた寄るから!」

帰りにあの野菜達を買って帰ろうとほくそ笑んだ。




食堂に着くなり「クリスさーん!」と呼びながら店に入る。

「アリヤじゃない。どうしたの?」

相変わらず突然ねぇ、と言われながらおかみさんに教えてもらった通り、鶏肉が欲しい事を伝える。

「あぁ、トリね。それならこっちへ。ダン!食糧庫行ってくるね!」

クリスさんは開店準備をしているらしい旦那様に声をかけ、私達を案内して厨房を抜け更に奥にある食糧庫まで連れてきてくれた。

「さて。トリってどの部位が欲しいの?」

そう言われて唐揚げと言えばやっぱりモモ肉でしょう。なので、モモ肉が欲しいと言えば。

「モモ肉ね。ちょっとまって…」

そう言ってクリスさんが食糧庫に入って少し待つと。はい、コレ。と渡されたのは結構大きな塊。これ、モモ肉?丸鳥?なに?

「えっ…モモ肉でいいんだけど?!」

びっくりしてクリスさんにいうと。

「だからそれよ。片脚分だけど足りない?」

いやいや、まって。片脚って。七面鳥まるっとくらいあるよね?ニワトリの足なら何羽分??

あまりにも私がびっくりしているからだろうが、教えてくれた。

「見たことない?コカトリスの肉なの。養コカトリスよ。」

…コカトリス?視線で生き物を石化させるっていう?食べて大丈夫なの?

不安そうに肉を見つめる私に笑いながらクリスさんは続ける。

「肉自体は毒も何もないし、良く動いているからとっても美味しいのよ。それに最近アリヤが食べてる卵、あれもコカトリスの卵よ。」

なんと。確かに大きめの卵だと思っていたけど。知らないうちにコカトリス食べてたんだ…濃厚で美味しい卵だけどさ。

「雌は卵とるから肉はイマイチなの。食べるなら断然雄!ウチの食堂はコカトリスの雄肉仕入れてるから、美味しいよ!」

アリヤには色々教えてもらっているから今回はお代は気にしないで、って。美味しい物出来たらまた教えてね、って。

あと、興味があるなら、ってクリスさんの食堂と取引のあるコカトリス牧場教えてもらった。ミルクもそこから仕入れているって。

お肉を手に入ったし、おかみさんの所に戻ろう。
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