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18・名無し、仕事をする。
02基本。
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わけわからないが殺すまでだ。
まだマーク・リングストンの殺しは未完了だがかなりの深手を負わせた。
運が良ければ、いや運が悪ければ死に至る。
だったら目撃者を消して、さっさとトンズラこくしかない。
観察、洞察、抹殺。
殺しの基本は見ることだ、隙や弱点やタイミングが合わされば人は死ぬ。
それを見極めれば良いのだ。
と、早速謎の男はよそ見をして何かに気を取られる。
はい、殺したあ!
私は首を狙って振る。
誰相手に隙見せてんのよ。
しかし、確信のある軌道のナイフは寸前でかわされてほぼ同時に腹部を斬り付けれる。
「痛っ、この!」
私は腹部の傷を押さえて距離をとる。
速すぎる、なにこいつ、本当に人間なの?
でも今の一太刀は明らかに手加減をしている、私を生け捕りにするつもりのようだ。
それが一番の隙、要は舐めんじゃねえって話よ。
私は上着の内側から五発装填連射拳銃を抜いて、五発一気にぶっぱなす。
連続する破裂音。
同時に、私はかろうじて捉えた。
謎の男が破裂音とほぼ同時に、ブレた。
手が何本にも見えるくらいに素早い動きと、金属が弾ける音が鳴り響いて。
謎の男は、何事も無かったかのように無傷で立っていた。
「……え、今……何したの? 弾丸を、斬ったの? ナイフで⁉ 嘘でしょ⁉」
私は驚愕の声を漏らす。
絶対にありえない、人間が拳銃から発射された弾丸を斬るなんて。
気配の殺し方、卓越したナイフ捌き、人間離れした技術。
この動きには覚えがある。
もしかして、こいつ。
「……まさか、あんたナンバーシリーズの暗殺者なの? なんでナンバーシリーズなんてのがこんなとこいんのよ!」
私は記憶を確かめるために、謎の男に問いかける。
ナンバーシリーズ。
大昔、この国とは別の今はもうない国で作られた暗殺者集団。
人の域を超えた、卓越した技量を持ち合わせる。人を殺す為だけに作られた殺人用自動人形のようなものだ。
大義の為に標的を殺す為だけに育てられ、大義の為には自身の命すらいとわない。
私のように金のために殺しをやって、やばくなったらバックれるような偽物ではなく本物の暗殺者だ。
二百五十年ほど前に突如国が滅んだ際に、このメルバリア王国がナンバーシリーズの生き残りを回収し秘密裏に育成を続けている。
裏ではほとんど伝説のような存在だが、ナンバーシリーズは確かに実在する。
だが妙だ。この男の技量はナンバーシリーズのそれとしか思えないが本当にナンバーシリーズなら私は最初の一太刀で殺されている。
ナンバーシリーズが殺す以外のことをするなんてことがあるのか……?
どちらにしても私のピンチには変わりないけども。
「……ナンバーシリーズについて何を知っている?」
私の言葉に、男は口を開く。
会話が成立するの? よく見れば少し、動揺している……?
「あら、お話できるのね。ナンバーシリーズって寡黙なのかと――」
「良いから話せ」
男は私の無駄口にナイフを向けて、答えを催促する。
ああやっぱり、こいつは違うナンバーシリーズじゃあない。
ナンバーシリーズはこんなやり方はしない、暗殺と抹殺と瞬殺しかやらないというか出来ない。
ならばまだ隙はある。
それなら本当にこいつは何者なんだって謎は残るが今はとりあえず置いておこう。
「……私が知っているのはナンバースリーオーワン、三百一番目の暗殺者。一回仕事が被って揉めたことがあるのよ。結局標的も取られたけど」
私は自分の持つ情報を偽りなく語り出す。
私も別にナンバーシリーズについて詳しいわけじゃあない。
この国が抱える暗殺者集団で、あまりの性能に王族も持て余してるって話を噂程度で聞いたくらいだ。
じゃなきゃ、王族もうちの組織に公爵殺しを依頼したりなんかしないだろう。
騎士団や一般的な兵士たちとは別口の軍事力として切り札として抱えておきたいとかそんなとこなんでしょ。しらんけど。
まだマーク・リングストンの殺しは未完了だがかなりの深手を負わせた。
運が良ければ、いや運が悪ければ死に至る。
だったら目撃者を消して、さっさとトンズラこくしかない。
観察、洞察、抹殺。
殺しの基本は見ることだ、隙や弱点やタイミングが合わされば人は死ぬ。
それを見極めれば良いのだ。
と、早速謎の男はよそ見をして何かに気を取られる。
はい、殺したあ!
私は首を狙って振る。
誰相手に隙見せてんのよ。
しかし、確信のある軌道のナイフは寸前でかわされてほぼ同時に腹部を斬り付けれる。
「痛っ、この!」
私は腹部の傷を押さえて距離をとる。
速すぎる、なにこいつ、本当に人間なの?
でも今の一太刀は明らかに手加減をしている、私を生け捕りにするつもりのようだ。
それが一番の隙、要は舐めんじゃねえって話よ。
私は上着の内側から五発装填連射拳銃を抜いて、五発一気にぶっぱなす。
連続する破裂音。
同時に、私はかろうじて捉えた。
謎の男が破裂音とほぼ同時に、ブレた。
手が何本にも見えるくらいに素早い動きと、金属が弾ける音が鳴り響いて。
謎の男は、何事も無かったかのように無傷で立っていた。
「……え、今……何したの? 弾丸を、斬ったの? ナイフで⁉ 嘘でしょ⁉」
私は驚愕の声を漏らす。
絶対にありえない、人間が拳銃から発射された弾丸を斬るなんて。
気配の殺し方、卓越したナイフ捌き、人間離れした技術。
この動きには覚えがある。
もしかして、こいつ。
「……まさか、あんたナンバーシリーズの暗殺者なの? なんでナンバーシリーズなんてのがこんなとこいんのよ!」
私は記憶を確かめるために、謎の男に問いかける。
ナンバーシリーズ。
大昔、この国とは別の今はもうない国で作られた暗殺者集団。
人の域を超えた、卓越した技量を持ち合わせる。人を殺す為だけに作られた殺人用自動人形のようなものだ。
大義の為に標的を殺す為だけに育てられ、大義の為には自身の命すらいとわない。
私のように金のために殺しをやって、やばくなったらバックれるような偽物ではなく本物の暗殺者だ。
二百五十年ほど前に突如国が滅んだ際に、このメルバリア王国がナンバーシリーズの生き残りを回収し秘密裏に育成を続けている。
裏ではほとんど伝説のような存在だが、ナンバーシリーズは確かに実在する。
だが妙だ。この男の技量はナンバーシリーズのそれとしか思えないが本当にナンバーシリーズなら私は最初の一太刀で殺されている。
ナンバーシリーズが殺す以外のことをするなんてことがあるのか……?
どちらにしても私のピンチには変わりないけども。
「……ナンバーシリーズについて何を知っている?」
私の言葉に、男は口を開く。
会話が成立するの? よく見れば少し、動揺している……?
「あら、お話できるのね。ナンバーシリーズって寡黙なのかと――」
「良いから話せ」
男は私の無駄口にナイフを向けて、答えを催促する。
ああやっぱり、こいつは違うナンバーシリーズじゃあない。
ナンバーシリーズはこんなやり方はしない、暗殺と抹殺と瞬殺しかやらないというか出来ない。
ならばまだ隙はある。
それなら本当にこいつは何者なんだって謎は残るが今はとりあえず置いておこう。
「……私が知っているのはナンバースリーオーワン、三百一番目の暗殺者。一回仕事が被って揉めたことがあるのよ。結局標的も取られたけど」
私は自分の持つ情報を偽りなく語り出す。
私も別にナンバーシリーズについて詳しいわけじゃあない。
この国が抱える暗殺者集団で、あまりの性能に王族も持て余してるって話を噂程度で聞いたくらいだ。
じゃなきゃ、王族もうちの組織に公爵殺しを依頼したりなんかしないだろう。
騎士団や一般的な兵士たちとは別口の軍事力として切り札として抱えておきたいとかそんなとこなんでしょ。しらんけど。
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