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8・執事、とある一日。
03晩。
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放課後、家に戻った俺たちは別々の行動を取る。
アビィは主に自室に籠り、勉強に励む。
今まで閉鎖的な環境で育った分、様々なものへの興味が尽きない。
故に学園の図書館で本を借りてきては、この国の歴史や文化を調べたり。最新の技術などに関する資料を読みふけている。
俺はその間に掃除や洗濯、晩飯の支度をする。
「晩飯が出来た」
「おっけ、すぐ行くわ」
そんな流れで二人で食卓を囲む。
その際にアビィは、今日はこんなことがあったとか。そんなたわいもないことを嬉々として喋る。
俺はこの時間が嫌いじゃない。
夜、食事を終えたら、今度はアビィを風呂に入れる。
タオルを泡立てアビィの身体を丹念に洗う。
この時間に関しては毎回本当にアビィの神経を疑いたくなるが、アビィ自身はご満悦で特に裸体を見られることに対して何も思わないようだ。
出会った当初は傷だらけで痩せてガリガリだったけど、俺の世話の甲斐あってか傷も癒えてだいぶ健康的な肉付きとなってきた。
俺はこれでも普通の一般的な成人男性なので、若い女性の裸体に何も思わないわけではないのだが。
まあ仕事となれば別だ。
仕事で洗っているのなら、裸体も晩飯で使ったジャガイモと、そう変わらない。
風呂に入れたら再びアビィは眠くなるまで、自室にこもって本を読むので、俺はその間に晩飯の洗い物をしたりする。
夜が深くなった頃、ちらりとアビィの様子を見に行く。
調べ物などに精を出している時は、ここらでお茶や少し夜食を出すのだが今夜はもう寝に入るところだった。
「あ、もう寝るね。おやすみナイン。あんたも早く寝なさいよ」
「ああ了解、おやすみアビィ」
部屋の灯りを消してアビィは眠りにつく。
俺は一人になり、ここで漸く自分の時間になる。
と、言っても殆ど無趣味な俺はやることがないので身体を鍛える。
ここ数日でやっとあの暴力怪人からのダメージが抜けきったので、身体を動かせるようになった。
身体を鍛えて、ナイフを磨き、一人で風呂に入る。
これで基本的に俺の一日は終わり。
なのだが。
「……あ、ああ……っ! 嫌あああ‼」
風呂上がりに聞こえた悲鳴に、最速でアビィの元へと動く。
駆けつけると、アビィは酷く憔悴したように大粒の涙を流して泣いていた。
「……落ち着け、大丈夫だ。俺が居る、大丈夫だから」
俺はアビィを落ち着かせるように宥める。
たまにアビィはこうなる。
起きたら全然覚えて居ないように飄々としているが、突然夜中に取り乱すように泣き出すことがある。
悪い夢を見ていたのだろう。
今までの境遇を考えたら、仕方がない。
「……ナイン……っ」
アビィは震えながら俺に縋るように抱きつく。
「もう大丈夫だ。俺が守ってやる、命じるのなら幸せにだってしてやる」
俺はアビィを宥めながら、頭を抱くように髪を撫でる。
やがてアビィは落ち着いたようでそのまま眠りについた。
毎回、こうなったアビィを見ると心がざわつく。
この感情はなんだろうか。
過去に、前世に、似たような感情を覚えた気がするけど。
「……これはまだ、恋じゃない」
俺はそう呟いて、アビィを起こさぬように暫くそのまま動かずに待った。
…………ん、まぶたを透けて光が目に入る。
早朝、どうやら俺はあのまま眠ってしまったようだ。
当然アビィはぐっすりと眠っているので、静かに気配を殺してベッドから出る。
さて、朝食の支度をしよう。
こうして、俺のとある一日はまた始まりを迎える。
アビィは主に自室に籠り、勉強に励む。
今まで閉鎖的な環境で育った分、様々なものへの興味が尽きない。
故に学園の図書館で本を借りてきては、この国の歴史や文化を調べたり。最新の技術などに関する資料を読みふけている。
俺はその間に掃除や洗濯、晩飯の支度をする。
「晩飯が出来た」
「おっけ、すぐ行くわ」
そんな流れで二人で食卓を囲む。
その際にアビィは、今日はこんなことがあったとか。そんなたわいもないことを嬉々として喋る。
俺はこの時間が嫌いじゃない。
夜、食事を終えたら、今度はアビィを風呂に入れる。
タオルを泡立てアビィの身体を丹念に洗う。
この時間に関しては毎回本当にアビィの神経を疑いたくなるが、アビィ自身はご満悦で特に裸体を見られることに対して何も思わないようだ。
出会った当初は傷だらけで痩せてガリガリだったけど、俺の世話の甲斐あってか傷も癒えてだいぶ健康的な肉付きとなってきた。
俺はこれでも普通の一般的な成人男性なので、若い女性の裸体に何も思わないわけではないのだが。
まあ仕事となれば別だ。
仕事で洗っているのなら、裸体も晩飯で使ったジャガイモと、そう変わらない。
風呂に入れたら再びアビィは眠くなるまで、自室にこもって本を読むので、俺はその間に晩飯の洗い物をしたりする。
夜が深くなった頃、ちらりとアビィの様子を見に行く。
調べ物などに精を出している時は、ここらでお茶や少し夜食を出すのだが今夜はもう寝に入るところだった。
「あ、もう寝るね。おやすみナイン。あんたも早く寝なさいよ」
「ああ了解、おやすみアビィ」
部屋の灯りを消してアビィは眠りにつく。
俺は一人になり、ここで漸く自分の時間になる。
と、言っても殆ど無趣味な俺はやることがないので身体を鍛える。
ここ数日でやっとあの暴力怪人からのダメージが抜けきったので、身体を動かせるようになった。
身体を鍛えて、ナイフを磨き、一人で風呂に入る。
これで基本的に俺の一日は終わり。
なのだが。
「……あ、ああ……っ! 嫌あああ‼」
風呂上がりに聞こえた悲鳴に、最速でアビィの元へと動く。
駆けつけると、アビィは酷く憔悴したように大粒の涙を流して泣いていた。
「……落ち着け、大丈夫だ。俺が居る、大丈夫だから」
俺はアビィを落ち着かせるように宥める。
たまにアビィはこうなる。
起きたら全然覚えて居ないように飄々としているが、突然夜中に取り乱すように泣き出すことがある。
悪い夢を見ていたのだろう。
今までの境遇を考えたら、仕方がない。
「……ナイン……っ」
アビィは震えながら俺に縋るように抱きつく。
「もう大丈夫だ。俺が守ってやる、命じるのなら幸せにだってしてやる」
俺はアビィを宥めながら、頭を抱くように髪を撫でる。
やがてアビィは落ち着いたようでそのまま眠りについた。
毎回、こうなったアビィを見ると心がざわつく。
この感情はなんだろうか。
過去に、前世に、似たような感情を覚えた気がするけど。
「……これはまだ、恋じゃない」
俺はそう呟いて、アビィを起こさぬように暫くそのまま動かずに待った。
…………ん、まぶたを透けて光が目に入る。
早朝、どうやら俺はあのまま眠ってしまったようだ。
当然アビィはぐっすりと眠っているので、静かに気配を殺してベッドから出る。
さて、朝食の支度をしよう。
こうして、俺のとある一日はまた始まりを迎える。
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