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31・妹が婚約破棄されたので、大笑いしてやりました。【全4話】

04大笑い。

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 だんだん立ち上がるのが遅くなってきたし、面倒なので叩き続けます。

 指を一本一本折り、膝を割り、歯を弾けさせ、右目をつぶし、あごを叩いて気絶させ、折れた指を潰して痛みで起こし、首に木剣を押し当てて落とし、金的で起こしました。 

 途中、観衆かんしゅうの中からもうやめろとの声も飛びましたが「止めたいのなら剣を取りなさい」と返すと、その声もなくなった。

 その頃には「ごめんなさい」とか「すみませんでした」とか「許してください」とか、地にう虫から出てもしょうがない言葉は粗方あらかた吐かせることが出来たようで、泣きじゃくる息遣いきづか程度ていどしか聞こえて来なくなりました。

 ではそろそろ。



 私はトニーへ選択肢せんたくしを与えます。

 すると。

「あ、あやばりまじゅ、あば、あやばり、あやまります、ごめんなさ――びっ」

 答えたトニーの頭を叩き、おもてせさせる。

「私に謝ってどうするのだ愚図ぐず、謝る相手を違えてどうするのだ。では、今から向かいますよ」

「……は、は……い」

 返事をして頭を上げようとしたので再び私は頭を叩き伏せさせ。

「何をしているのですか? 

 と、まだこのおよんで状況を理解できない虫にしっかりと教えてさしあげました。

 虫は返事もせず、そのままの体制でって進み出しました。

 そこで、顔面蒼白そうはくで様子を見ていたシェルに。

「もし、次騎士団にこのような虫が湧いたら、。貴方は騎士としてのほこりを持って騎士団をより気高いものへと創り変えなさい」

 そう言ってから一言。

「でなければ、まず貴方を輪切りにしますわよ」

 と、付け加え、騎士団に向けて大笑いしてやりました。

 さて、大いに笑いながら地をうトニーを引き連れてコニーの元へ歩き出したところで私の妹が婚約破棄と、その報復の話はおおよそおしまいでございます。

 その後のことを強いて語るのなら、私はうトニーと共に歩いてコニーの元へと向かいました。

 ひたいこすらせわせていると、地に赤い線を引きながらの移動になるのですが、途中途中で頭を地面から浮かせようとすると線が途切れるのでその度に頭を叩き位置を戻しました。

 体力の限界から何度も意識を失い、その度に叩き水をかけて目を覚まさせて、到着した頃には翌日の朝でございました。

 泥や血に塗れ、糞尿を垂れ流し、指が千切れていることにも気づかないような無惨むざんな姿の元婚約者を見て。

「にど、二度と現れんなぁ!! 一生死ね!!」

 と、何度も蹴り飛ばして、大泣きしたので。

 私は妹を抱き寄せて屋敷へと戻りました。

 トニーのその後については知りません。

 シェルから聞いたところだと騎士団からは除名じょめいされたとのこと。

 まあ息をすることが出来る程度ていどに留めておいたので息はしているのでしょう。

 いつかその姿を見て、妹と大笑いしてやりたいと思います。
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