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4・国から追放されそうな魔女は、どうせ追い出されるならと、恋人と駆け落ちしちゃいました。【全4話】
04終わらせない。
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その言葉を聞いて、私は自分が泣いていることに気づく。
そして、その一言でまた私は彼を確信した。
そこからは、あっという間に二人は恋に落ちて、一月も経たないうちに互いにぞっこんであった。
また幸せな日々をやり直し、愛し合った。
そして、六十余年の月日が流れ。
再び別れの時が来た。
彼の時間が止まるその時まで添い遂げ、唇を重ねた。
「また会いましょう」
そして、二十余年の月日が流れた。
私は木こりとして生きる彼と出会い。
六十余年の月日が流れた。
唇を重ね。
「また会いましょう」
二十余年の月日が流れた。
私は料理人を営む彼と出会い。
六十余年の月日が流れた。
「また会いましょう」
二十余年の月日が流れた。
私は医者として生きる彼と出会い。
六十余年の月日が流れた。
「また会いましょう」
二十余年の月日が流れた。
私は投獄された彼と出会い。
六十余年の月日が流れた。
「また会いましょう」
二十余年の月日が流れた。
私は何度も彼と添い遂げて、何度も彼に恋をする。
何度も、何度も、何度も、何度も。
私と彼は恋をする。
そしてそんなことを続けて、千年ほど時が経った。
私は今何の因果か千年の時を経て、一番初めに彼と出会ったあの場所で彼と暮らしている。
だからなのか、あの駆け落ちした時から今に至るまでを思い返し物思いにふけていた。
帰ってくることは無いと思ってたけど彼とまたこの地で暮らせるのは感慨深いし、領地という概念ごとなくなっていたが、街の名前としてリングストンが残って居たのも少し嬉しかった。
彼はこのリングストンの街で郵便局に勤めている。
私はちょっとした機械工学というほどのものではないけど、フリーで技術職の仕事をしている。
先日も鉱山採掘に使うという遠隔操作起爆式爆弾の制作依頼をこなしたばかりだ。
なかなかの臨時収入だったので、彼と旅行にでも行こうと思う。
私の、私達の幸せな日々はこれからも続くのだ。
さて、私が物思いにふけるのを止めて彼の為に晩御飯の支度を始めたところで私の初恋と、その恋に終わりはないという話はおおよそおしまいである。
この後のことを強いて語るなら、私達はこの街で六十余年ほど二人で暮らして私は彼の最後に添い遂げた。
そして二十余年の時を経て、再び彼と出会い、また幸せに暮らすのだろう。
何度でも繰り返す。
何度でも好きになる。
何度でも愛し合う。
私の恋に終わりはないのだ。
私はこの恋を、絶対に終わらせない。
そして、その一言でまた私は彼を確信した。
そこからは、あっという間に二人は恋に落ちて、一月も経たないうちに互いにぞっこんであった。
また幸せな日々をやり直し、愛し合った。
そして、六十余年の月日が流れ。
再び別れの時が来た。
彼の時間が止まるその時まで添い遂げ、唇を重ねた。
「また会いましょう」
そして、二十余年の月日が流れた。
私は木こりとして生きる彼と出会い。
六十余年の月日が流れた。
唇を重ね。
「また会いましょう」
二十余年の月日が流れた。
私は料理人を営む彼と出会い。
六十余年の月日が流れた。
「また会いましょう」
二十余年の月日が流れた。
私は医者として生きる彼と出会い。
六十余年の月日が流れた。
「また会いましょう」
二十余年の月日が流れた。
私は投獄された彼と出会い。
六十余年の月日が流れた。
「また会いましょう」
二十余年の月日が流れた。
私は何度も彼と添い遂げて、何度も彼に恋をする。
何度も、何度も、何度も、何度も。
私と彼は恋をする。
そしてそんなことを続けて、千年ほど時が経った。
私は今何の因果か千年の時を経て、一番初めに彼と出会ったあの場所で彼と暮らしている。
だからなのか、あの駆け落ちした時から今に至るまでを思い返し物思いにふけていた。
帰ってくることは無いと思ってたけど彼とまたこの地で暮らせるのは感慨深いし、領地という概念ごとなくなっていたが、街の名前としてリングストンが残って居たのも少し嬉しかった。
彼はこのリングストンの街で郵便局に勤めている。
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この後のことを強いて語るなら、私達はこの街で六十余年ほど二人で暮らして私は彼の最後に添い遂げた。
そして二十余年の時を経て、再び彼と出会い、また幸せに暮らすのだろう。
何度でも繰り返す。
何度でも好きになる。
何度でも愛し合う。
私の恋に終わりはないのだ。
私はこの恋を、絶対に終わらせない。
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