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1・婚約破棄された上に冤罪裁判が始まり段々腹が立ってきたので、ぶちギレてみました。【全3話】
01腹が立ってきた。
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私、キャロライン・エンデスヘルツはエンデスヘルツ公爵家の、いわゆる公爵令嬢である。
加えて私はこの国の第一王子である、プライデル・メルバリアの婚約者である。
幼き頃から許嫁として育てられ、プライデル様に釣り合う淑女である為に礼儀作法から勉学、料理や裁縫、芸術や音楽、身嗜みや容姿の美しさに至るまで磨き上げ続けてきた。
「これだけは誰にも負けないというものを持ちなさい」
それが両親からの教えだった。
強制され矯正され続けてきたものの、私は苦ではなかった。
私は王子を好きだったのだ。
親同士、いや最早この出会いは国ぐるみで結ばれた誰かの意図で作られたものだったのだろう。
でも、それはあくまでもきっかけだ。
きっかけはなんであれ、私は王子と出会ってその日のうちには気になっていたし、一月経つ頃にはぞっこんだった。
学園でご一緒出来るようになり、私の心はただただ満たされていった。
顔を合わせるだけで、声をかけて貰えるだけで、私は幸せだった。
こんなに幸せなのに、この先二人で生きていくとなると、これ以上の幸せを私は受け入れられるのか不安になるくらいだった。
でもそんな不安を思う度、私は幸せ者だと笑みが零れた。
そんな明くる日、プライデル様は特定の女生徒と行動を共にすることが多いことに気づいた。
女生徒はリーサ・フライア、平民の出身ながら努力を惜しまず奨学金を得て学園に入学した勤勉な人。
まだまだ身分制度の厳しいこの国において彼女の努力と言うのは目を見張るものがある。
彼女の努力にはとても頭が上がらない、それほどまでに彼女の功績は素晴らしいのだ。
この国を背負って立つプライデル様、そしてそれを支える私は彼女のような人を尊重し、全ての国民が様々な進路を選べるような未来を創っていかなくてはならない。
リーサ女史がプライデル様と一緒にいることは、当然のことだと思っていたし、例えそういうことでも無かったとしても心の芯の部分は私と繋がっていると、信じていた。
信じることで目を閉じて、耳を塞ぎ、口を閉じた。
しかし、学園での卒業パーティーで事は起こった。
プライデル様と、その御学友の方々、そしてリーサ女史による、私への糾弾が始まった。
私の学業に対する不正行為、並びにリーサ女史に行った卑劣な差別的行為。
証人として様々な生徒達が私の悪事を証言してゆく。
呆気に取られている間に、みるみる私は悪の公爵令嬢となる。
その証言を聞く度にプライデル様は目を伏せて震えるほどの怒りを顕にしてゆく。
そして遂には、言う。
「婚約なぞ破棄だ。貴様はこの学園、いやこの国にいらん」
私はその言葉に、言葉を失う。
手足が酷く冷たく、焦りから目がチカチカと身体は熱をもっているはずなのに、私は。
もつれる足で私はプライデル様の元へと近くに寄ろうとする。
「おい! 動くな! 捕らえろ‼」
そんな怒号と共に私の身体は床へと伏せられ押さえつけられる。
私を押さえつけたのはプライデル様の御学友である、ウォール・バルカードだった。
バルカード家は騎士の家系で、ウォール自身も騎士見習いの身であった。
「この期に及んでなにをするつもりなのだ! リーサに詫びのひとつも無いのか‼」
と、押さえつけた私を怒鳴りつけた。
面を上げて、リーサ女史を探す。
リーサ女史はプライデル様の腕に掴まりながら私の様子を伺っていた。
ここで私は何を言えば良いのだろうか。
実はこの一連の流れに対して私は全くもって、身に覚えがないのである。
学業成績において不正行為を働いたこともなければ、リーサ女史を貶めるような言動も行動も起こしていない。
というか、幼き頃から勉学に勤しんできた私が学業成績において不正行為を行う必要はないし、公爵家という身分が保証されているのにも関わらず平民を貶めて自分の地位を上げたりする必要もないのだ。
私はそんな弱くは出来ていないし、他者の手を借りなくてはならないような育てられ方はされていないのだ。
だいたいなんなのでしょうかこの状況は。
明らかに何者かの意図を感じずにはいられないし、婚約者を前に王子の腕に掴まっている人物が犯人としか思えない。
それになんで私は組み伏せられて怒鳴られているのでしょう。
見習いとはいえ騎士道を志す者が淑女の身体に触れて暴力を振るい、国と国民を護るべき存在が国民に手を上げるとは何事なのでしょう。
待て待てそういえば婚約を破棄するとか言った後に、私をこの国から追い出すみたいなことも言っていなかったか? エンデスヘルツ家の不祥事をあげつらい追放するのであればこの国の政治バランスはどうなるのかわからないのでしょうか。
ああ、もうさっきから野次もうるさい。
なんなんだ、殆ど知らないぞ私はこの人達を。
なんだろう。
だんだんと腹が立ってきた。
加えて私はこの国の第一王子である、プライデル・メルバリアの婚約者である。
幼き頃から許嫁として育てられ、プライデル様に釣り合う淑女である為に礼儀作法から勉学、料理や裁縫、芸術や音楽、身嗜みや容姿の美しさに至るまで磨き上げ続けてきた。
「これだけは誰にも負けないというものを持ちなさい」
それが両親からの教えだった。
強制され矯正され続けてきたものの、私は苦ではなかった。
私は王子を好きだったのだ。
親同士、いや最早この出会いは国ぐるみで結ばれた誰かの意図で作られたものだったのだろう。
でも、それはあくまでもきっかけだ。
きっかけはなんであれ、私は王子と出会ってその日のうちには気になっていたし、一月経つ頃にはぞっこんだった。
学園でご一緒出来るようになり、私の心はただただ満たされていった。
顔を合わせるだけで、声をかけて貰えるだけで、私は幸せだった。
こんなに幸せなのに、この先二人で生きていくとなると、これ以上の幸せを私は受け入れられるのか不安になるくらいだった。
でもそんな不安を思う度、私は幸せ者だと笑みが零れた。
そんな明くる日、プライデル様は特定の女生徒と行動を共にすることが多いことに気づいた。
女生徒はリーサ・フライア、平民の出身ながら努力を惜しまず奨学金を得て学園に入学した勤勉な人。
まだまだ身分制度の厳しいこの国において彼女の努力と言うのは目を見張るものがある。
彼女の努力にはとても頭が上がらない、それほどまでに彼女の功績は素晴らしいのだ。
この国を背負って立つプライデル様、そしてそれを支える私は彼女のような人を尊重し、全ての国民が様々な進路を選べるような未来を創っていかなくてはならない。
リーサ女史がプライデル様と一緒にいることは、当然のことだと思っていたし、例えそういうことでも無かったとしても心の芯の部分は私と繋がっていると、信じていた。
信じることで目を閉じて、耳を塞ぎ、口を閉じた。
しかし、学園での卒業パーティーで事は起こった。
プライデル様と、その御学友の方々、そしてリーサ女史による、私への糾弾が始まった。
私の学業に対する不正行為、並びにリーサ女史に行った卑劣な差別的行為。
証人として様々な生徒達が私の悪事を証言してゆく。
呆気に取られている間に、みるみる私は悪の公爵令嬢となる。
その証言を聞く度にプライデル様は目を伏せて震えるほどの怒りを顕にしてゆく。
そして遂には、言う。
「婚約なぞ破棄だ。貴様はこの学園、いやこの国にいらん」
私はその言葉に、言葉を失う。
手足が酷く冷たく、焦りから目がチカチカと身体は熱をもっているはずなのに、私は。
もつれる足で私はプライデル様の元へと近くに寄ろうとする。
「おい! 動くな! 捕らえろ‼」
そんな怒号と共に私の身体は床へと伏せられ押さえつけられる。
私を押さえつけたのはプライデル様の御学友である、ウォール・バルカードだった。
バルカード家は騎士の家系で、ウォール自身も騎士見習いの身であった。
「この期に及んでなにをするつもりなのだ! リーサに詫びのひとつも無いのか‼」
と、押さえつけた私を怒鳴りつけた。
面を上げて、リーサ女史を探す。
リーサ女史はプライデル様の腕に掴まりながら私の様子を伺っていた。
ここで私は何を言えば良いのだろうか。
実はこの一連の流れに対して私は全くもって、身に覚えがないのである。
学業成績において不正行為を働いたこともなければ、リーサ女史を貶めるような言動も行動も起こしていない。
というか、幼き頃から勉学に勤しんできた私が学業成績において不正行為を行う必要はないし、公爵家という身分が保証されているのにも関わらず平民を貶めて自分の地位を上げたりする必要もないのだ。
私はそんな弱くは出来ていないし、他者の手を借りなくてはならないような育てられ方はされていないのだ。
だいたいなんなのでしょうかこの状況は。
明らかに何者かの意図を感じずにはいられないし、婚約者を前に王子の腕に掴まっている人物が犯人としか思えない。
それになんで私は組み伏せられて怒鳴られているのでしょう。
見習いとはいえ騎士道を志す者が淑女の身体に触れて暴力を振るい、国と国民を護るべき存在が国民に手を上げるとは何事なのでしょう。
待て待てそういえば婚約を破棄するとか言った後に、私をこの国から追い出すみたいなことも言っていなかったか? エンデスヘルツ家の不祥事をあげつらい追放するのであればこの国の政治バランスはどうなるのかわからないのでしょうか。
ああ、もうさっきから野次もうるさい。
なんなんだ、殆ど知らないぞ私はこの人達を。
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だんだんと腹が立ってきた。
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