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歳月は過ぎ、サンクスト国新設されたルベミト学校の新入生入試の申し込みの時期になった
まず一次試験として映像を保存できる魔術具に専攻内容を保存して送り
そこから選ばれた者だけが、学校入試をサンクスト国の新設された学校で行われるらしい
サンクスト国は国の魔力量も多く
一人一人の魔力もアデインセル国に比べると遥かに多いいゆえとても豊かな大国で
どんどん魔力量が減り、ほとんどの者が魔力に頼らずに生きる事が当たり前となっているアデインセル国とは対照的だ
イリアーナ自身も魔術具に慣れ親しんではいなくてとても珍しいもなので
暫く映像記録用の魔術具を見つめていた
「魔術具って綺麗なんですね…」
見た目は宝石のの様でキラキラ輝いているし装飾も施されている
「そうですね、記録用魔術具にしては美しくて珍しいですわ、他国の公爵令嬢であるイリアーナ様の為に特別にご用意されたのかもしれませんね」
「そうなの?そんな特別扱いの様な事はあまりして欲しくないけど…」
少し困った顔をしていたら
「そんな簡単には訳にはいかないですわ、イリアーナ様をお迎えするのは外交にも関わる事ですもの」
とベル先生にクスクス笑われてしまった
そうか、外交か…
私が学校に入る希望を出したから、アデインセル国側から打診して
サンクスト国は受け入れる準備を用意してくれていたのよね
それを要らないで切り捨てて良いものではないわね…
感謝しなきゃいけない事だわ…
でもこんなに高価そうな魔術具に映像を収めてお粗末な腕前だと思われたら…
何だか恥ずかしいわ
「大丈夫です、イリアーナ様の歌声はとても美しく、技術も身についておられますし
何よりイリアーナがお歌いになると、周りがキラキラと光り輝くのですきっと審査される方々も見惚れてしまわれますわ」
不安そうなのが伝わったのかベル先生が気付いて声をかけてくれた
「そうだといいのだけど…」
「歌と、ピアノのみのものと、ピアノを弾きながら歌っているものと順番に撮って参りましょう!
大丈夫です、私達もついております」
その優しい先生の言葉に励まされて頷く
ベル先生とクルーラ先生と練習と本番の映像撮影を繰り返しながら
魔術具に撮り終えた、説明書にあった通り録画が全て終わったので装飾にあったボタンを押すと
シュ!!
と目の前から消えて無くなった
……魔術具って凄い便利なのね!!
一次試験が終われば、サンクスト国に初めて行けるんだと思うと
どんな世界が待っているのかとてもワクワクしてきた
結果が分かるまで不安だけど、受かるといいな…
魔術具が消えて無くなった場所を見つめながらしっかり拝んでみた
数週間が過ぎた頃
お兄様とロイと3人で談話室でお茶をしていた所に
花を持った美しい青い鳥が現れた
突然の事に3人でビックリ固まっていると
青い鳥はイリアーナの所に寄ってきて花を受け取る様に催促しているみたいだったので
恐る恐る鳥から花を受け取る
ポンッと花びらが舞い散り青い鳥は消えてしまった
状況がよくわからないままに手元を見ると
花だった物が封筒に変わっていた
「ルベミト学校からだわ…」
「では今のが魔法ですか!?凄いです!お姉さま開けてみてください!!」
興奮気味のロイと対照的に、落ち着いているお兄様を見ると
コクンと頷いた
恐る恐る封を開けてみると
パァン!!とクラッカーの様な音が鳴り響き
「一次試験合格おめでとうございます!!
これから最終試験のご案内をさせてもらいます!!
ご主人様をサポート致しますのは私、青葉でございます!!
ご主人様!どうぞよろしくお願いいたします!!」
中から飛び出してきたのは
羽の生えた猫……
白猫ちゃんで目が開いてるのか開いてないのかわからない…
「猫が、飛んでる?」
「猫ではございません!青葉でございます!!」
ズイッとお互いの鼻がくっつくのではないかと思う位の距離感に、思わず後ろに下がってしまう
「えっと…あ、青葉さん?」
「青葉です!!」
「……青葉」
「はい!ご主人様!」
「私は、一次試験に合格したという事で間違い無いのかしら?」
「はい!さようでございます!!
つきましては只今からサンクスト国にご案内させていただきます!」
「ちょっと待って!!今から!?」
青葉とのやり取りをポカンと見ていたお兄様が慌てて質問した
「はいー!2時試験開始まで少し時間はございますが、試験ギリギリに入国するより、多少でも環境に慣れてから受けてもらったほうが良いのではと
私を作った主がもうしておりましたー!」
作った…
っていう事はこの青葉も魔法でできてるの?凄いわ!!
「いや!それでもだね!いくらなんでも今すぐは難しいよ!用意を何もしてないんだから!!」
「ご主人様に必要な物は、すでに全てご用意出来ておりますのでご主人様が来ていただくだけでございますよ?」
「そっ!それでもだよ!
今すぐ連れて行かれては、父様、お母様にも何も言えずに行ってしまう事になるだろう?」
「それは流石にダメだわ!青葉!もう少し時間をくれない?」
そうお願いしてみると
顔を左右に振りながら
「仕方ないですねぇ~では明日の夜まで待ちます」
「何で、このネ……アオバと言うのはちょっと偉そうなんだ?」
………それは……私にもわかりませんお兄様
まず一次試験として映像を保存できる魔術具に専攻内容を保存して送り
そこから選ばれた者だけが、学校入試をサンクスト国の新設された学校で行われるらしい
サンクスト国は国の魔力量も多く
一人一人の魔力もアデインセル国に比べると遥かに多いいゆえとても豊かな大国で
どんどん魔力量が減り、ほとんどの者が魔力に頼らずに生きる事が当たり前となっているアデインセル国とは対照的だ
イリアーナ自身も魔術具に慣れ親しんではいなくてとても珍しいもなので
暫く映像記録用の魔術具を見つめていた
「魔術具って綺麗なんですね…」
見た目は宝石のの様でキラキラ輝いているし装飾も施されている
「そうですね、記録用魔術具にしては美しくて珍しいですわ、他国の公爵令嬢であるイリアーナ様の為に特別にご用意されたのかもしれませんね」
「そうなの?そんな特別扱いの様な事はあまりして欲しくないけど…」
少し困った顔をしていたら
「そんな簡単には訳にはいかないですわ、イリアーナ様をお迎えするのは外交にも関わる事ですもの」
とベル先生にクスクス笑われてしまった
そうか、外交か…
私が学校に入る希望を出したから、アデインセル国側から打診して
サンクスト国は受け入れる準備を用意してくれていたのよね
それを要らないで切り捨てて良いものではないわね…
感謝しなきゃいけない事だわ…
でもこんなに高価そうな魔術具に映像を収めてお粗末な腕前だと思われたら…
何だか恥ずかしいわ
「大丈夫です、イリアーナ様の歌声はとても美しく、技術も身についておられますし
何よりイリアーナがお歌いになると、周りがキラキラと光り輝くのですきっと審査される方々も見惚れてしまわれますわ」
不安そうなのが伝わったのかベル先生が気付いて声をかけてくれた
「そうだといいのだけど…」
「歌と、ピアノのみのものと、ピアノを弾きながら歌っているものと順番に撮って参りましょう!
大丈夫です、私達もついております」
その優しい先生の言葉に励まされて頷く
ベル先生とクルーラ先生と練習と本番の映像撮影を繰り返しながら
魔術具に撮り終えた、説明書にあった通り録画が全て終わったので装飾にあったボタンを押すと
シュ!!
と目の前から消えて無くなった
……魔術具って凄い便利なのね!!
一次試験が終われば、サンクスト国に初めて行けるんだと思うと
どんな世界が待っているのかとてもワクワクしてきた
結果が分かるまで不安だけど、受かるといいな…
魔術具が消えて無くなった場所を見つめながらしっかり拝んでみた
数週間が過ぎた頃
お兄様とロイと3人で談話室でお茶をしていた所に
花を持った美しい青い鳥が現れた
突然の事に3人でビックリ固まっていると
青い鳥はイリアーナの所に寄ってきて花を受け取る様に催促しているみたいだったので
恐る恐る鳥から花を受け取る
ポンッと花びらが舞い散り青い鳥は消えてしまった
状況がよくわからないままに手元を見ると
花だった物が封筒に変わっていた
「ルベミト学校からだわ…」
「では今のが魔法ですか!?凄いです!お姉さま開けてみてください!!」
興奮気味のロイと対照的に、落ち着いているお兄様を見ると
コクンと頷いた
恐る恐る封を開けてみると
パァン!!とクラッカーの様な音が鳴り響き
「一次試験合格おめでとうございます!!
これから最終試験のご案内をさせてもらいます!!
ご主人様をサポート致しますのは私、青葉でございます!!
ご主人様!どうぞよろしくお願いいたします!!」
中から飛び出してきたのは
羽の生えた猫……
白猫ちゃんで目が開いてるのか開いてないのかわからない…
「猫が、飛んでる?」
「猫ではございません!青葉でございます!!」
ズイッとお互いの鼻がくっつくのではないかと思う位の距離感に、思わず後ろに下がってしまう
「えっと…あ、青葉さん?」
「青葉です!!」
「……青葉」
「はい!ご主人様!」
「私は、一次試験に合格したという事で間違い無いのかしら?」
「はい!さようでございます!!
つきましては只今からサンクスト国にご案内させていただきます!」
「ちょっと待って!!今から!?」
青葉とのやり取りをポカンと見ていたお兄様が慌てて質問した
「はいー!2時試験開始まで少し時間はございますが、試験ギリギリに入国するより、多少でも環境に慣れてから受けてもらったほうが良いのではと
私を作った主がもうしておりましたー!」
作った…
っていう事はこの青葉も魔法でできてるの?凄いわ!!
「いや!それでもだね!いくらなんでも今すぐは難しいよ!用意を何もしてないんだから!!」
「ご主人様に必要な物は、すでに全てご用意出来ておりますのでご主人様が来ていただくだけでございますよ?」
「そっ!それでもだよ!
今すぐ連れて行かれては、父様、お母様にも何も言えずに行ってしまう事になるだろう?」
「それは流石にダメだわ!青葉!もう少し時間をくれない?」
そうお願いしてみると
顔を左右に振りながら
「仕方ないですねぇ~では明日の夜まで待ちます」
「何で、このネ……アオバと言うのはちょっと偉そうなんだ?」
………それは……私にもわかりませんお兄様
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