40 / 49
40
しおりを挟む
部屋を出てクラウドのいる園庭へと向かうために王城内の通路を歩いて園庭へと繋がる道に出ると
「キャ!」
クラウドのいる場所を探そうと辺りをキョロキョロ見回していると、突然後ろから手を掴まれ驚いて振り向くと、息を切らしてゼェハァ言っているレオン様だった
………凄い囲まれていたのに他の子達はどうしたんだろう
もっとちゃんと囲ってくれて無いと困るよ
「…何故王城内から出てきた?」
「?お兄様に連れられてオスカー殿下にご挨拶に伺っていました」
そう告げるとカッとレオン様の目が見開いた
…怖いよ
「何を話した?」
「だからご挨拶です」
そう言うと一瞬怪訝そうな顔をされたけれど
、ため息をついて手を離してくれた
「お前自分が、私の婚約者候補である自覚はあるのか?」
無いよ
と言いたいけど、そんなあからさまに言うのもこの場ではまずいか…
「んー、候補はあくまでも候補です、婚約者候補は私だけではございませんし、レオン殿下には先程ご一緒に居られた御令嬢達の方が、気が合うのではございませんか?」
そう言うとレオン様の顔があからさまに不機嫌になった
「お前は婚約者候補筆頭だろうが!!それが簡単に無くなると思うな!!」
前の時も
王命だからって言われて、今回はまだ正式な婚約に至ってないのに筆頭だってそう頭ごなしに怒られて
政略結婚ってのはわかっていても、そこに心が無さすぎる
何かよくわからない怒りが沸々と湧いてきて
黒いモヤモヤした感情が溢れてくる
「………そんなものなんだって言うんですか?」
「え?」
「私の事嫌いなら陛下に嫌なものは嫌だってハッキリ言えばいいじゃないですか!?
筆頭だとか、王命だとかそんな事でなんでずっと振り回されなきゃいけないんですか!?」
「えっ?ちょっ?イリアーナ?」
慌ててレオン様が落ち着かせようとするけどもう遅い、子供だからなのか怒りに対して自制のコントロールが上手くいかない
「もう私に構わないで下さい!!」
「えぇ!?」
「失礼します!!」
キッと睨みつけその言葉だけ残して
急ぎ足でクラウドのいる場所に向かった
なんだろう今日急いでどっかいってばっかりで凄く気持ちが疲れた
目に涙が溢れそうだけど、マーガレットの言葉を思い出して
キュッと前をみて耐えた
泣いてパウダールームに居てもきっとお兄様は迎えにきてくれるだろう、でもその後オスカー様の元へ連れて行かれそうだもの
お兄様も今は少し全面的に味方になってくれるようには見えないわ
ずっと歩いて行くと園庭に戻り、クラウドが居た
……まだ食べてる
少し呆れながらその様子を見ながら近づくとイリアーナに気づいた
「おぅ!お花摘み長かったな!!アイザック様がさがしてたぞ!!」
「なっ!!クラウド!!お花摘みにいってた訳じゃないの!!
それにそんな事大きな声で言わないで!!」
トイレに行っていたと思ってたのか!?
それを周りに聞こえそうな声で言うなんて!
クラウド油断も隙もない無神経さだわ!しかも行ってないし!!
「そっか!!イリアーナが遅いからイリアーナの分も食べたぞ、新しく何か取ろうか?」
……無神経だけど良い子なのよね、その無神経さも、大きくなるにつれて
クラウドの姉妹に徹底的に修正されて、ざっくばらんな性格だけど基本紳士に育つし
「今はいいわ、ありがとう」
「何があったの?」
じっと私の顔を見たクラウドは、少し疲れていそうな所を読み取ったのかそう聞いてきた
「何かって程のことじゃないけど、少し疲れちゃった」
「アイザック様のところには行かなくていいのか?」
「さっき会ってお兄様の御用はすませてきたわ」
トイレじゃありません
とばかりに周りに聞こえる声で言っておく
「そうか、じゃあ少し休もうか?」
そう言ってお茶会場から少しだけ離れた場所にあるベンチへ案内してくれた
スッとジャケットのポケットからハンカチを出して、ベンチに敷いてイリアーナを座らせた
「姉様から、男性のハンカチはいざというとき女性に差し出すものだって言われてたけど本当だな役に立った」
きっと自分が紳士みたいな事しているのが恥ずかしいのだろう
照れ臭そうな顔してそう言いながらイリアーナの隣に座った
確かにクラウドらしからぬ行動でビックリしたけれど、レオン様と揉めた後だっただけにその心遣いがとても嬉しく感じた
「クラウドありがとう」
「何かあったの?」
「何かって程の事でもないの」
流石にクラウドに
私転生者でその上一回死んで、またやり直してるの
婚約者候補から遠のきたいのに
何故か向こうが、怒りながら絡んでくるのよ意味わかんなくない?
なんてことは言えたら楽だろうけど言えない
じっとイリアーナの顔を、本心を探るように見つめてくる
「レオン殿下に先に挨拶行かなかった事と何か関係あるの?」
ギクッ
妙な所で察しがいいのは何なのか…
野生の本能なの?
「さぁ…」
近くでお茶会は続いている
誰が聞き耳を立てているかわからない状況で会話できることは少ない
それを察してください
と言う心込めた視線をクラウドに送ったら、一応理解してくれたようで
それ以上はその話には触れてこなかった
そのかわりにとばかりに、イリアーナを楽しませる為に、最近クラウドがどんな風にお姉様にしごかれているかのエピソードを面白おかしく話して聞かせてくれて
その話をクスクス笑いながらイリアーナも聞いて、お茶会の時間で1番楽しい時間を過ごした
「キャ!」
クラウドのいる場所を探そうと辺りをキョロキョロ見回していると、突然後ろから手を掴まれ驚いて振り向くと、息を切らしてゼェハァ言っているレオン様だった
………凄い囲まれていたのに他の子達はどうしたんだろう
もっとちゃんと囲ってくれて無いと困るよ
「…何故王城内から出てきた?」
「?お兄様に連れられてオスカー殿下にご挨拶に伺っていました」
そう告げるとカッとレオン様の目が見開いた
…怖いよ
「何を話した?」
「だからご挨拶です」
そう言うと一瞬怪訝そうな顔をされたけれど
、ため息をついて手を離してくれた
「お前自分が、私の婚約者候補である自覚はあるのか?」
無いよ
と言いたいけど、そんなあからさまに言うのもこの場ではまずいか…
「んー、候補はあくまでも候補です、婚約者候補は私だけではございませんし、レオン殿下には先程ご一緒に居られた御令嬢達の方が、気が合うのではございませんか?」
そう言うとレオン様の顔があからさまに不機嫌になった
「お前は婚約者候補筆頭だろうが!!それが簡単に無くなると思うな!!」
前の時も
王命だからって言われて、今回はまだ正式な婚約に至ってないのに筆頭だってそう頭ごなしに怒られて
政略結婚ってのはわかっていても、そこに心が無さすぎる
何かよくわからない怒りが沸々と湧いてきて
黒いモヤモヤした感情が溢れてくる
「………そんなものなんだって言うんですか?」
「え?」
「私の事嫌いなら陛下に嫌なものは嫌だってハッキリ言えばいいじゃないですか!?
筆頭だとか、王命だとかそんな事でなんでずっと振り回されなきゃいけないんですか!?」
「えっ?ちょっ?イリアーナ?」
慌ててレオン様が落ち着かせようとするけどもう遅い、子供だからなのか怒りに対して自制のコントロールが上手くいかない
「もう私に構わないで下さい!!」
「えぇ!?」
「失礼します!!」
キッと睨みつけその言葉だけ残して
急ぎ足でクラウドのいる場所に向かった
なんだろう今日急いでどっかいってばっかりで凄く気持ちが疲れた
目に涙が溢れそうだけど、マーガレットの言葉を思い出して
キュッと前をみて耐えた
泣いてパウダールームに居てもきっとお兄様は迎えにきてくれるだろう、でもその後オスカー様の元へ連れて行かれそうだもの
お兄様も今は少し全面的に味方になってくれるようには見えないわ
ずっと歩いて行くと園庭に戻り、クラウドが居た
……まだ食べてる
少し呆れながらその様子を見ながら近づくとイリアーナに気づいた
「おぅ!お花摘み長かったな!!アイザック様がさがしてたぞ!!」
「なっ!!クラウド!!お花摘みにいってた訳じゃないの!!
それにそんな事大きな声で言わないで!!」
トイレに行っていたと思ってたのか!?
それを周りに聞こえそうな声で言うなんて!
クラウド油断も隙もない無神経さだわ!しかも行ってないし!!
「そっか!!イリアーナが遅いからイリアーナの分も食べたぞ、新しく何か取ろうか?」
……無神経だけど良い子なのよね、その無神経さも、大きくなるにつれて
クラウドの姉妹に徹底的に修正されて、ざっくばらんな性格だけど基本紳士に育つし
「今はいいわ、ありがとう」
「何があったの?」
じっと私の顔を見たクラウドは、少し疲れていそうな所を読み取ったのかそう聞いてきた
「何かって程のことじゃないけど、少し疲れちゃった」
「アイザック様のところには行かなくていいのか?」
「さっき会ってお兄様の御用はすませてきたわ」
トイレじゃありません
とばかりに周りに聞こえる声で言っておく
「そうか、じゃあ少し休もうか?」
そう言ってお茶会場から少しだけ離れた場所にあるベンチへ案内してくれた
スッとジャケットのポケットからハンカチを出して、ベンチに敷いてイリアーナを座らせた
「姉様から、男性のハンカチはいざというとき女性に差し出すものだって言われてたけど本当だな役に立った」
きっと自分が紳士みたいな事しているのが恥ずかしいのだろう
照れ臭そうな顔してそう言いながらイリアーナの隣に座った
確かにクラウドらしからぬ行動でビックリしたけれど、レオン様と揉めた後だっただけにその心遣いがとても嬉しく感じた
「クラウドありがとう」
「何かあったの?」
「何かって程の事でもないの」
流石にクラウドに
私転生者でその上一回死んで、またやり直してるの
婚約者候補から遠のきたいのに
何故か向こうが、怒りながら絡んでくるのよ意味わかんなくない?
なんてことは言えたら楽だろうけど言えない
じっとイリアーナの顔を、本心を探るように見つめてくる
「レオン殿下に先に挨拶行かなかった事と何か関係あるの?」
ギクッ
妙な所で察しがいいのは何なのか…
野生の本能なの?
「さぁ…」
近くでお茶会は続いている
誰が聞き耳を立てているかわからない状況で会話できることは少ない
それを察してください
と言う心込めた視線をクラウドに送ったら、一応理解してくれたようで
それ以上はその話には触れてこなかった
そのかわりにとばかりに、イリアーナを楽しませる為に、最近クラウドがどんな風にお姉様にしごかれているかのエピソードを面白おかしく話して聞かせてくれて
その話をクスクス笑いながらイリアーナも聞いて、お茶会の時間で1番楽しい時間を過ごした
11
お気に入りに追加
3,868
あなたにおすすめの小説

このやってられない世界で
みなせ
ファンタジー
筋肉馬鹿にビンタをくらって、前世を思い出した。
悪役令嬢・キーラになったらしいけど、
そのフラグは初っ端に折れてしまった。
主人公のヒロインをそっちのけの、
よく分からなくなった乙女ゲームの世界で、
王子様に捕まってしまったキーラは
楽しく生き残ることができるのか。
皇帝の番~2度目の人生謳歌します!~
saku
恋愛
竜人族が治める国で、生まれたルミエールは前世の記憶を持っていた。
前世では、一国の姫として生まれた。両親に愛されずに育った。
国が戦で負けた後、敵だった竜人に自分の番だと言われ。遠く離れたこの国へと連れてこられ、婚約したのだ……。
自分に優しく接してくれる婚約者を、直ぐに大好きになった。その婚約者は、竜人族が治めている帝国の皇帝だった。
幸せな日々が続くと思っていたある日、婚約者である皇帝と一人の令嬢との密会を噂で知ってしまい、裏切られた悲しさでどんどんと痩せ細り死んでしまった……。
自分が死んでしまった後、婚約者である皇帝は何十年もの間深い眠りについていると知った。
前世の記憶を持っているルミエールが、皇帝が眠っている王都に足を踏み入れた時、止まっていた歯車が動き出す……。
※小説家になろう様でも公開しています

皇太子夫妻の歪んだ結婚
夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。
その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。
本編完結してます。
番外編を更新中です。

取り巻き令嬢Aは覚醒いたしましたので
モンドール
恋愛
揶揄うような微笑みで少女を見つめる貴公子。それに向き合うのは、可憐さの中に少々気の強さを秘めた美少女。
貴公子の周りに集う取り巻きの令嬢たち。
──まるでロマンス小説のワンシーンのようだわ。
……え、もしかして、わたくしはかませ犬にもなれない取り巻き!?
公爵令嬢アリシアは、初恋の人の取り巻きA卒業を決意した。
(『小説家になろう』にも同一名義で投稿しています。)
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。

前世と今世の幸せ
夕香里
恋愛
【商業化予定のため、時期未定ですが引き下げ予定があります。詳しくは近況ボードをご確認ください】
幼い頃から皇帝アルバートの「皇后」になるために妃教育を受けてきたリーティア。
しかし聖女が発見されたことでリーティアは皇后ではなく、皇妃として皇帝に嫁ぐ。
皇帝は皇妃を冷遇し、皇后を愛した。
そのうちにリーティアは病でこの世を去ってしまう。
この世を去った後に訳あってもう一度同じ人生を繰り返すことになった彼女は思う。
「今世は幸せになりたい」と
※小説家になろう様にも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる