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「貴方は?付き添いの方心配なされてない?」
見た感じ良いところの子に間違いはない
お茶会の参加者の1人だろう
そう思って質問した
「僕の事なんか誰も気にしないよ…」
不機嫌そうにプイッと顔を背けられた
………何だか面倒くさそうな子ね
「そんな事はないんじゃ無い?」
「あるよ、周りはいつも僕の事可哀想ねって言いながら陰で笑ってくるだけだ」
「可哀想…ねぇ、何が理由かは知らないけど貴方は自分で可哀想だと思ってるの?」
「…そんな風に思った事ないよ、でも周りがそう言うんだからきっと可哀想な子何じゃないかな?」
「うーん…自分は当たり前だと思ってる普通の事を周りから可哀想って言われるのかー
でもそう言われた瞬間初めて可哀想な子が出来上がる時ってあるよねぇ」
親によく言われていた、結婚して子供産んで家族を持つのが幸せだってそれが出来てない私は気の毒だって
でも、私は幸せだった
うん少しわかる
勝手に可哀想とか決め付けられるのって、なんかしんどいわよねぇ
「んー…他人の価値観の可哀想って言葉に意味ないんじゃ無い?」
「価値観?」
「貴方は今幸せなんでしょう?」
「うん、自分の好きな事も出来て幸せだと…思ってる」
「じゃあいいじゃない!他人の言葉に振り回されなくても!
好きな事とことん突き詰めて楽しそうにしてたらきっと周りも可哀想なんて言わなくなるわよ!」
今度は何か目を見開いてこっちを見て笑われた
真面目に話して笑われるってなんなん…?
年の功だけあってこんなに無駄に説教くさい事言ったのに
笑われて終わったわ…
「アレだね真面目に考えてる僕が、馬鹿みたいに思えてきた」
「言葉に振り回されなくていいんじゃない?って言っただけなのに何で笑うの?」
「ごめん、そう言うつもりじゃなかったんだけど…君って……」
イリアーナ!?どこへ行ったの?
遠くからお兄様の呼ぶ声が聞こえてきた
「!!お兄様だわ、御免なさいもう帰らなきゃ!貴方もいつ迄もここに居ちゃだめよ!心配されるわよ!」
慌てて立ち上がって、お兄様の声がした方に走り出した
「ありがとう!!」
背中越しにお礼を言われたので
「またねー!!」
と言って手を振ったどこの子息かわからないけど、このお茶会に来てるお家ならそのうち嫌でも会うだろう
好きな事を突き詰めるかぁ…
それもいいかもしれないなぁ
そう思いながら走り去るイリアーナの後ろ姿を
少年は見つめていた
「お兄様!!」
「イリアーナ!!どこ行ってたんだ!?クラウドに聞いたら急いでどこか行ったって言うし、なかなか姿が見えないし」
「ごめんなさい少し避難してたの!もう帰る時間?」
そうだと嬉しいなと思って聞いてみた
「残念まだだよ、オスカー殿下がイリアーナに挨拶したいって」
まだ帰れないのねー
残念…
オスカー様の待つ王室にある談話室前に着いた
「オスカー殿下お待たせいたしました、イリアーナを連れてまいりました」
「入って」
そうお兄様が告げて扉を開けて部屋に入ると
幼くてもキラキラオーラ半端ないオスカー様
パッと明るい笑顔になって迎えてくれた
「久しぶりだね!元気にしていた?」
「はい、オスカー殿下、お久しぶりです」
「この前レオンとのお茶会で体調が悪くて帰ったと聞いて心配していたんだ、元気そうでよかったよ!さっ座って」
オスカー様までそのエピソード行ってるのね…
「ご心配をおかけいたしました、その日は少し体調が悪かったようですが、お休みしたらすぐに元気になりました」
「そっかそれなら良かった、今日はもうレオンと顔をあわせたのかい?」
「いえ、素敵な方々達が周りにおられましたので、後ほどと思いましてまだですの」
「へぇ、何だか君らしくないね」
と目を丸くして驚かれた
そんなことないと言いたい所だけど、前なら周りの女の子達を押しのけてレオン様の所に行っただろうなと思うと何も言えなくて
「そうですか?」
としか言えなかった
「じゃあ、今日はずっとここでお話ししようか?イリアーナともっと話してみたかったんだ」
とニコニコした笑顔で告げられた
?????
お兄様は後ろに立って控えているだけで
全く2人の会話に入ってこない事に妙な違和感を覚える
以前の記憶のお兄様の言葉がふと蘇ってきた
『レオン殿下と婚約を解消したら今度こそはオスカー殿下と婚約を結ぶことになると思うよ?』
…………ゆっくりお兄様の方を見ると
やっとレオン様の事を諦めたんだよね?
それならもう問題なくオスカー様と婚約できるよね?
僕はオスカー殿下派閥だからねこれ以上に嬉しい事はないよイリアーナ
と思っているのが顔一面の笑顔に出ていた
お兄様……それは…つまり私に…
無理無理無理!!
絶対無理!!
NO王妃様教育!!
ダメだここに長居すると、何かお兄様の策略にのって気づいたらオスカー様と婚約させられてそう!!
「あーー…えー」
背中に妙な汗が流れる
この空間から早く逃げた方がいい気がする
「そうです!私クラウドにお皿持っててってお願いしてそのままだったんです!!急いで戻らなくちゃ!!」
とりあえず慌てて立ち上がって、部屋から退室する事にした
「ちょ!イリアーナ!」
「ごめんなさいオスカー殿下、お兄様失礼致します!!」
ご挨拶だけ済ませてその場から逃げた
見た感じ良いところの子に間違いはない
お茶会の参加者の1人だろう
そう思って質問した
「僕の事なんか誰も気にしないよ…」
不機嫌そうにプイッと顔を背けられた
………何だか面倒くさそうな子ね
「そんな事はないんじゃ無い?」
「あるよ、周りはいつも僕の事可哀想ねって言いながら陰で笑ってくるだけだ」
「可哀想…ねぇ、何が理由かは知らないけど貴方は自分で可哀想だと思ってるの?」
「…そんな風に思った事ないよ、でも周りがそう言うんだからきっと可哀想な子何じゃないかな?」
「うーん…自分は当たり前だと思ってる普通の事を周りから可哀想って言われるのかー
でもそう言われた瞬間初めて可哀想な子が出来上がる時ってあるよねぇ」
親によく言われていた、結婚して子供産んで家族を持つのが幸せだってそれが出来てない私は気の毒だって
でも、私は幸せだった
うん少しわかる
勝手に可哀想とか決め付けられるのって、なんかしんどいわよねぇ
「んー…他人の価値観の可哀想って言葉に意味ないんじゃ無い?」
「価値観?」
「貴方は今幸せなんでしょう?」
「うん、自分の好きな事も出来て幸せだと…思ってる」
「じゃあいいじゃない!他人の言葉に振り回されなくても!
好きな事とことん突き詰めて楽しそうにしてたらきっと周りも可哀想なんて言わなくなるわよ!」
今度は何か目を見開いてこっちを見て笑われた
真面目に話して笑われるってなんなん…?
年の功だけあってこんなに無駄に説教くさい事言ったのに
笑われて終わったわ…
「アレだね真面目に考えてる僕が、馬鹿みたいに思えてきた」
「言葉に振り回されなくていいんじゃない?って言っただけなのに何で笑うの?」
「ごめん、そう言うつもりじゃなかったんだけど…君って……」
イリアーナ!?どこへ行ったの?
遠くからお兄様の呼ぶ声が聞こえてきた
「!!お兄様だわ、御免なさいもう帰らなきゃ!貴方もいつ迄もここに居ちゃだめよ!心配されるわよ!」
慌てて立ち上がって、お兄様の声がした方に走り出した
「ありがとう!!」
背中越しにお礼を言われたので
「またねー!!」
と言って手を振ったどこの子息かわからないけど、このお茶会に来てるお家ならそのうち嫌でも会うだろう
好きな事を突き詰めるかぁ…
それもいいかもしれないなぁ
そう思いながら走り去るイリアーナの後ろ姿を
少年は見つめていた
「お兄様!!」
「イリアーナ!!どこ行ってたんだ!?クラウドに聞いたら急いでどこか行ったって言うし、なかなか姿が見えないし」
「ごめんなさい少し避難してたの!もう帰る時間?」
そうだと嬉しいなと思って聞いてみた
「残念まだだよ、オスカー殿下がイリアーナに挨拶したいって」
まだ帰れないのねー
残念…
オスカー様の待つ王室にある談話室前に着いた
「オスカー殿下お待たせいたしました、イリアーナを連れてまいりました」
「入って」
そうお兄様が告げて扉を開けて部屋に入ると
幼くてもキラキラオーラ半端ないオスカー様
パッと明るい笑顔になって迎えてくれた
「久しぶりだね!元気にしていた?」
「はい、オスカー殿下、お久しぶりです」
「この前レオンとのお茶会で体調が悪くて帰ったと聞いて心配していたんだ、元気そうでよかったよ!さっ座って」
オスカー様までそのエピソード行ってるのね…
「ご心配をおかけいたしました、その日は少し体調が悪かったようですが、お休みしたらすぐに元気になりました」
「そっかそれなら良かった、今日はもうレオンと顔をあわせたのかい?」
「いえ、素敵な方々達が周りにおられましたので、後ほどと思いましてまだですの」
「へぇ、何だか君らしくないね」
と目を丸くして驚かれた
そんなことないと言いたい所だけど、前なら周りの女の子達を押しのけてレオン様の所に行っただろうなと思うと何も言えなくて
「そうですか?」
としか言えなかった
「じゃあ、今日はずっとここでお話ししようか?イリアーナともっと話してみたかったんだ」
とニコニコした笑顔で告げられた
?????
お兄様は後ろに立って控えているだけで
全く2人の会話に入ってこない事に妙な違和感を覚える
以前の記憶のお兄様の言葉がふと蘇ってきた
『レオン殿下と婚約を解消したら今度こそはオスカー殿下と婚約を結ぶことになると思うよ?』
…………ゆっくりお兄様の方を見ると
やっとレオン様の事を諦めたんだよね?
それならもう問題なくオスカー様と婚約できるよね?
僕はオスカー殿下派閥だからねこれ以上に嬉しい事はないよイリアーナ
と思っているのが顔一面の笑顔に出ていた
お兄様……それは…つまり私に…
無理無理無理!!
絶対無理!!
NO王妃様教育!!
ダメだここに長居すると、何かお兄様の策略にのって気づいたらオスカー様と婚約させられてそう!!
「あーー…えー」
背中に妙な汗が流れる
この空間から早く逃げた方がいい気がする
「そうです!私クラウドにお皿持っててってお願いしてそのままだったんです!!急いで戻らなくちゃ!!」
とりあえず慌てて立ち上がって、部屋から退室する事にした
「ちょ!イリアーナ!」
「ごめんなさいオスカー殿下、お兄様失礼致します!!」
ご挨拶だけ済ませてその場から逃げた
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