38 / 49
38
しおりを挟む
本当に、レオン様の婚約者になりたくて出席の返信をした時が嘘みたい
ぜんっっっぜん行きたくない
どうしましょう…
マーガレット達に整えてもらう為に化粧台の鏡の前に座っているイリアーナ
鏡を前に深い溜息が溢れる
それに気づいたマーガレットが
「先日までレオン様!レオン様!と慕われていらしたのに随分変わられてしまいましたね」
と髪をときながら苦笑いされる
先日レオン様が来られた時もマーガレットはそばに控えていたから
心変わりしました設定をすんなり受け止めてくれている
「今日も出来たら行きたくないわ、こんなに着飾って…、メイクだってわざわざしなくていいんじゃないかしら?」
「あら、イリアーナ様それでは私達の大切なお仕事が無くなってしまいますわ、それにイリアーナ様にとってお茶会は大切な社交の場です」
「社交の場は女性にとって戦場よ!!でしょう?お母様にもいつも言われてるものわかってはいるわ」
「そうですね、その場に向かわれるために常に自信に溢れて堂々と、笑顔を絶やさず、本音を読み取られないようにいつも気丈でいなければなりません
お化粧をすると泣いたら崩れてしまうでしょう?だから涙を見せなくなる
涙を見せずしっかり前を見据えられるようにお化粧をして戦場にむかうのですよ」
…以前の泣いてぐちゃぐちゃになった記憶が蘇る
「それでも泣いてしまったらどうするの?」
「その時は素直にパウダールームにお向かい下さい」
「何それ!なんて普通な回答!」
「でも大切な事ですよ、それでも泣いてしまう位お辛い事があったなら、1人になって心をゆっくり整えるのです
そうしている間にきっと、アイザック様がすぐに駆けつけて来られます」
……そうね、お兄様ならきっとすぐに私を助けようと来てくれるかもしれないわ
少し想像して、おかしくなってクスッと笑うと鏡越しに映るマーガレットと目があった
優しく微笑んでからまた視線を髪に戻して大切そうにヘアメイクをしている
「家の者はイリアーナ様の味方です」
「マーガレット…ありがとう」
*******************************************
お茶会の場に到着してしまった
王宮にある広い園庭で行われていて
もう殆どの方が到着されているのかとても賑わっている
一緒に来てくれていたお兄様は、すでにオスカー様の御学友なのでオスカー様の元へ行ってしまった
お茶会の場に入ると、幼い外見ながら懐かしい見覚えのある子たちが沢山居る
懐かしいわねこの感じ
ふと見るとレオン様の周りを沢山の女の子が囲って、レオン様もニコニコ愛想を振りまいていた
……………あそこには近寄らないでいよう
!!
「クラウド!!」
「イリアーナ!久しぶりだな!」
軽食のサンドイッチを美味しそうに頬張るクラウドがいた
また会えてよかった…
「イリアーナ、殿下の所に行かなくていいの?」
もしゃもしゃ食べながらそう聞かれた
「うん、いいの!私も一緒に食べていい?」
「いいけど、珍しいな」
と立食をクラウドと楽しもうとしていた時
「あら、イリアーナ様御機嫌よう、先にお食事ですの?お茶会の場とても楽しまれているのですね」
でた、アイリーン…
つまりは、レオン様の元へ行かずにこんな所でご飯たべてるの?卑しいと思わないのかしら?
いいわね余裕があるのね
って感じの嫌味か
本当面倒くさい…
「アイリーン様お久しぶりです、そうですね楽しい時間はあっという間ですわね
アイリーン様も私などお気になさらず楽しんでくださいね」
楽しかったけど、今楽しくなくなったわ
はよレオン様の所にでも行きやがれ
なんて思ってはないわよ?
営業スマイル顔負けのニコニコ嘘くさい笑顔を貼り付けて
裏読み必須の口喧嘩バトル
アイリーンとは特に酷かった
これがあるから嫌いなんだ
「あ、ほら殿下がどこかに行かれてしまいますよ?」
と言うとアイリーンは慌ててレオン様の方へ行った
前まで自分もああだったな
1番婚約者に近い存在でもあったのと、気迫で私が近づくと
ザザァと周りの皆んなが道を開けていたわね通いやすかったわ…
「相変わらずこえーな」
クラウドは、まだもしゃもしゃ食べながら今のやり取りを見ていたらしい
貴方も他人事だけど、一応レオン様の御学友候補の身で食べ物ばかり食べててて良いのか?とも思うけど、まぁ言うだけ無駄か…
クラウドだしな
ふとアイリーンの向かった方を見るとレオン様とその周りを囲む女子たち
その瞬間レオン様と目があった
……………あの群、なんか少しづつこっちに近づいて来てるわ…
「クラウド!ちょっと私行く所があるの!またね!」
と慌てて持っていたお皿をクラウドに託してその場から逃げる事にした
園庭の裏、更に裏をかき分けて
お茶会の場の雑談の声も聞こえなくなった
その更に奥に水の流れる音が聞こえたので、惹かれるように流れる音を頼りに歩いていった
ザァァァァ
ついた先には少し小さいけれど、噴水があった
こんな場所があったのね、知らなかったわ
その奥には更に綺麗な花が沢山咲いているのが見えた
その場所から、何か微かに音が聞こえる
何だろうと思い近づいていくと、それが人のグスグスと泣いている声なのに気付く
物音に気付いたのか、先程まで膝を抱えて小さく泣いていた子がこちらに振り返った
「誰!?」
勢いよく振り返ったのは同い年位の可愛らしい男の子だった
「えっと…ごめんなさい、声が聞こえた気がして…」
泣き顔なんか見られたく無いわよね
気まずい瞬間に立ち会ってしまった…
けれどこっちが同じ子供だったからか警戒をといてくれた
「迷子?」
「まぁそうかも…」
「じゃあいいよ」
この子どこの子だろう…
ぜんっっっぜん行きたくない
どうしましょう…
マーガレット達に整えてもらう為に化粧台の鏡の前に座っているイリアーナ
鏡を前に深い溜息が溢れる
それに気づいたマーガレットが
「先日までレオン様!レオン様!と慕われていらしたのに随分変わられてしまいましたね」
と髪をときながら苦笑いされる
先日レオン様が来られた時もマーガレットはそばに控えていたから
心変わりしました設定をすんなり受け止めてくれている
「今日も出来たら行きたくないわ、こんなに着飾って…、メイクだってわざわざしなくていいんじゃないかしら?」
「あら、イリアーナ様それでは私達の大切なお仕事が無くなってしまいますわ、それにイリアーナ様にとってお茶会は大切な社交の場です」
「社交の場は女性にとって戦場よ!!でしょう?お母様にもいつも言われてるものわかってはいるわ」
「そうですね、その場に向かわれるために常に自信に溢れて堂々と、笑顔を絶やさず、本音を読み取られないようにいつも気丈でいなければなりません
お化粧をすると泣いたら崩れてしまうでしょう?だから涙を見せなくなる
涙を見せずしっかり前を見据えられるようにお化粧をして戦場にむかうのですよ」
…以前の泣いてぐちゃぐちゃになった記憶が蘇る
「それでも泣いてしまったらどうするの?」
「その時は素直にパウダールームにお向かい下さい」
「何それ!なんて普通な回答!」
「でも大切な事ですよ、それでも泣いてしまう位お辛い事があったなら、1人になって心をゆっくり整えるのです
そうしている間にきっと、アイザック様がすぐに駆けつけて来られます」
……そうね、お兄様ならきっとすぐに私を助けようと来てくれるかもしれないわ
少し想像して、おかしくなってクスッと笑うと鏡越しに映るマーガレットと目があった
優しく微笑んでからまた視線を髪に戻して大切そうにヘアメイクをしている
「家の者はイリアーナ様の味方です」
「マーガレット…ありがとう」
*******************************************
お茶会の場に到着してしまった
王宮にある広い園庭で行われていて
もう殆どの方が到着されているのかとても賑わっている
一緒に来てくれていたお兄様は、すでにオスカー様の御学友なのでオスカー様の元へ行ってしまった
お茶会の場に入ると、幼い外見ながら懐かしい見覚えのある子たちが沢山居る
懐かしいわねこの感じ
ふと見るとレオン様の周りを沢山の女の子が囲って、レオン様もニコニコ愛想を振りまいていた
……………あそこには近寄らないでいよう
!!
「クラウド!!」
「イリアーナ!久しぶりだな!」
軽食のサンドイッチを美味しそうに頬張るクラウドがいた
また会えてよかった…
「イリアーナ、殿下の所に行かなくていいの?」
もしゃもしゃ食べながらそう聞かれた
「うん、いいの!私も一緒に食べていい?」
「いいけど、珍しいな」
と立食をクラウドと楽しもうとしていた時
「あら、イリアーナ様御機嫌よう、先にお食事ですの?お茶会の場とても楽しまれているのですね」
でた、アイリーン…
つまりは、レオン様の元へ行かずにこんな所でご飯たべてるの?卑しいと思わないのかしら?
いいわね余裕があるのね
って感じの嫌味か
本当面倒くさい…
「アイリーン様お久しぶりです、そうですね楽しい時間はあっという間ですわね
アイリーン様も私などお気になさらず楽しんでくださいね」
楽しかったけど、今楽しくなくなったわ
はよレオン様の所にでも行きやがれ
なんて思ってはないわよ?
営業スマイル顔負けのニコニコ嘘くさい笑顔を貼り付けて
裏読み必須の口喧嘩バトル
アイリーンとは特に酷かった
これがあるから嫌いなんだ
「あ、ほら殿下がどこかに行かれてしまいますよ?」
と言うとアイリーンは慌ててレオン様の方へ行った
前まで自分もああだったな
1番婚約者に近い存在でもあったのと、気迫で私が近づくと
ザザァと周りの皆んなが道を開けていたわね通いやすかったわ…
「相変わらずこえーな」
クラウドは、まだもしゃもしゃ食べながら今のやり取りを見ていたらしい
貴方も他人事だけど、一応レオン様の御学友候補の身で食べ物ばかり食べててて良いのか?とも思うけど、まぁ言うだけ無駄か…
クラウドだしな
ふとアイリーンの向かった方を見るとレオン様とその周りを囲む女子たち
その瞬間レオン様と目があった
……………あの群、なんか少しづつこっちに近づいて来てるわ…
「クラウド!ちょっと私行く所があるの!またね!」
と慌てて持っていたお皿をクラウドに託してその場から逃げる事にした
園庭の裏、更に裏をかき分けて
お茶会の場の雑談の声も聞こえなくなった
その更に奥に水の流れる音が聞こえたので、惹かれるように流れる音を頼りに歩いていった
ザァァァァ
ついた先には少し小さいけれど、噴水があった
こんな場所があったのね、知らなかったわ
その奥には更に綺麗な花が沢山咲いているのが見えた
その場所から、何か微かに音が聞こえる
何だろうと思い近づいていくと、それが人のグスグスと泣いている声なのに気付く
物音に気付いたのか、先程まで膝を抱えて小さく泣いていた子がこちらに振り返った
「誰!?」
勢いよく振り返ったのは同い年位の可愛らしい男の子だった
「えっと…ごめんなさい、声が聞こえた気がして…」
泣き顔なんか見られたく無いわよね
気まずい瞬間に立ち会ってしまった…
けれどこっちが同じ子供だったからか警戒をといてくれた
「迷子?」
「まぁそうかも…」
「じゃあいいよ」
この子どこの子だろう…
10
お気に入りに追加
3,868
あなたにおすすめの小説

このやってられない世界で
みなせ
ファンタジー
筋肉馬鹿にビンタをくらって、前世を思い出した。
悪役令嬢・キーラになったらしいけど、
そのフラグは初っ端に折れてしまった。
主人公のヒロインをそっちのけの、
よく分からなくなった乙女ゲームの世界で、
王子様に捕まってしまったキーラは
楽しく生き残ることができるのか。
皇帝の番~2度目の人生謳歌します!~
saku
恋愛
竜人族が治める国で、生まれたルミエールは前世の記憶を持っていた。
前世では、一国の姫として生まれた。両親に愛されずに育った。
国が戦で負けた後、敵だった竜人に自分の番だと言われ。遠く離れたこの国へと連れてこられ、婚約したのだ……。
自分に優しく接してくれる婚約者を、直ぐに大好きになった。その婚約者は、竜人族が治めている帝国の皇帝だった。
幸せな日々が続くと思っていたある日、婚約者である皇帝と一人の令嬢との密会を噂で知ってしまい、裏切られた悲しさでどんどんと痩せ細り死んでしまった……。
自分が死んでしまった後、婚約者である皇帝は何十年もの間深い眠りについていると知った。
前世の記憶を持っているルミエールが、皇帝が眠っている王都に足を踏み入れた時、止まっていた歯車が動き出す……。
※小説家になろう様でも公開しています

皇太子夫妻の歪んだ結婚
夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。
その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。
本編完結してます。
番外編を更新中です。

取り巻き令嬢Aは覚醒いたしましたので
モンドール
恋愛
揶揄うような微笑みで少女を見つめる貴公子。それに向き合うのは、可憐さの中に少々気の強さを秘めた美少女。
貴公子の周りに集う取り巻きの令嬢たち。
──まるでロマンス小説のワンシーンのようだわ。
……え、もしかして、わたくしはかませ犬にもなれない取り巻き!?
公爵令嬢アリシアは、初恋の人の取り巻きA卒業を決意した。
(『小説家になろう』にも同一名義で投稿しています。)
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。

前世と今世の幸せ
夕香里
恋愛
【商業化予定のため、時期未定ですが引き下げ予定があります。詳しくは近況ボードをご確認ください】
幼い頃から皇帝アルバートの「皇后」になるために妃教育を受けてきたリーティア。
しかし聖女が発見されたことでリーティアは皇后ではなく、皇妃として皇帝に嫁ぐ。
皇帝は皇妃を冷遇し、皇后を愛した。
そのうちにリーティアは病でこの世を去ってしまう。
この世を去った後に訳あってもう一度同じ人生を繰り返すことになった彼女は思う。
「今世は幸せになりたい」と
※小説家になろう様にも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる