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蛍なのは解せないけれど
純粋に褒めてもらえたのは嬉しい
それぞれパート分けされてイリアーナはソプラノでソロパートも任せられた
楽譜を配ってもらって自分のパートを指でなぞる
嬉しくてくすぐったい
その日ランチをエミリアと約束していたので2人でテーブルに座って食事をとっていた
「本当に素敵でしたわ~!イリアーナ様ほどお歌がお上手でしたらきっとお隣の国にある学校の声楽科にも入られてしまいそうですわね!」
「お隣の国って……」どこのお隣の国だろ?
そう思っている事に気づいたエミリアがすぐに反応した
「サンクスト国にあるルベミト学校ですわ!」
サンクスト国については知っているけど…
ルベミト学校は聞き馴染みがないなぁ
「比較的新しい学校で比較的自由な校風が人気になっているそうですわ、勉強だけでは無くて、スポーツや音楽、美術などそれぞれ秀でた方が通われるそうですの、サンクスト国の王子も通われているそうですよ」
「へぇ…王子と言えば同じ年頃と言えばガイウェン殿下かな?」
「そうです!!」
イリアーナが色々勉強していたから隣国の情報ある程度は知ってはいたけど、学校の事までは知らなかった
そんな学校あるんだ、楽しそう
「まぁそんなお話は少し置いておいて…」
突然エミリアが真剣な表情になった
「いいんですの?」
?
「なにがです?」
「レオン殿下ですよ!以前からイリアーナ様に対して当たりが強いとは聞いた事がございましたが、今Sクラスであの編入してきた方などと仲良くされていると聞きました!よろしいのですか!?婚約者はイリアーナ様ですのに!!」
そう
シナリオはちゃんと進んでいる
わざわざ確認はしないけど
アリアと攻略対象者達
仲もいいみたい、だけど何か違うというか
役員で集まる姿を見る限り
仲はいいけど、ただそれだけという雰囲気が
それぞれ漂っていて
Sクラスの周りの女子の方々からは
やはり嫉妬からか、アリアは良く思われていないようなんだけど
良い子なんだよねぇ凄く
人懐っこくて可愛い
思ってる事が顔に出易くて、コロコロ表情も変わって見ていて飽きない
「うーん…良いんじゃ無いかしら?」
「いいのですか?」
と不満そうなエミリアに聞かれる
「あまり気にしていないわよ?」
本当はただ関わりたくないからほっといてる…
とは流石に言えないからね…
「長年婚約者様をされていると慣れてしまわれるのですかね?」
「それもあるかもしれないわねー!あまり気にしていないからエミリアも気にしすぎないでね」
「イリアーナ様がそうおっしゃるなら、わかりました」
ふぅと少しため息をつきながら
でも納得してくれたみたい
私的には、あの挙動不審で妙に突っかかったりしてくるレオン様の方が面倒なのでどうにかして欲しい
エミリアは初めの時こそ私に対して緊張していたけれど、話してみると気が合って色々な事を気後れせずに話すようになった
Sクラスにいた時は女子達との腹の探り合いのみたいな会話ばかりで疲れていたけど
Bクラスに来てエミリアや他のクラスメイト達も初めは距離があったけれどだんだん打ち解けてきて
今では普通に色々話せるようになってちゃんと自分の居場所を感じる
やっぱりクラス変わってみて良かった
*******************************************
パーティーまで気づけば後数日となって生徒会役員達も最後の仕事に追われていた
「アリア様!!」
「イリアーナ様!?何かございましたか?」
「以前約束していたでしょう?はいコサージュ」
と約束をしていたコサージュを渡すとアリアの目がうるうると涙ぐんでいた
何だろう?何か余計なことでもしたのかな?
「イリアーナ様本当にご用意してくださったんですね…とても嬉しいです!!」
「そこまで喜んで貰えるなんて用意してよかったわ、では…」
「あっあの!!」
コサージュ渡すだけ渡して、さっさと去ろうとしていたのに呼び止められてしまったのでアリアの方に向き直した
「どうしかしたのかしら?」
「お呼び止めしてごめんなさい…その…えっと……エスコートのお相手についてお伺いしたいのですけど…」
「エスコート?そういえばアリア様はお相手お決まりになりましたの?」
「イエ!まだなんです!それで…」
まだなんですって…もうすぐよ?
いくらなんでももう決まってないのはまずいんじゃない?
…………1人に決められないのかしら?
選びたい放題?さすがヒロインね
「クラスの方で頼めそうな方はいらっしゃらないの?」
と聞くと俯き気味に頭を横にふっている
フワフワの髪の毛が気持ちよさそう…
今はそこじゃないか
でもおかしいな、仲良さそうにしるのにな誰も申し込まないなんて…
「失礼な事かもしれないけど聞いてもいいかしら?どなたかお好きな方は…」
そう言うと顔が途端に真っ赤になった
どうやらこれは…
居るのかじゃあその相手に頼めばいいじゃん
「その方にお願いすればいいのでは?」
「あの…その…私は、そう言うわけにもいかなくてですね…」
もじもじしすぎて何を言いたいのか
要領を得ない
困ってしまった
「私がイリアーナをエスコートするから其方はアイク殿に頼めばいい」
…………背後から聞こえた声に振り返ると
レオン様がいた
何でだよ、それなら2人で行きなよ
「それでは殿下がアリア様をエスコートされては?」
「婚約者はイリアーナだぞ、イリアーナを差し置いて他の者をエスコートできるか?」
いや、ゲームの中でしてなかったわよ
アリアがレオン様ルートの時なんかラブラブでエスコートするじゃない
去年の初めてのパーティーだって一緒に出てない、レオン様は確か…そうお姉様とでてらしたはず
声もかけてもらえなくて私はお父様がエスコートしてくれたのよね
不審そうな顔をして助けを求めようとお兄様を探す、目があったと思ったら
『相手は王族そう言われたら、もう逆らえない』
と読めそうなくらいに顔に出ていた
ロイにお兄様の秘密告げ口したくなってきた
でもそう言われてしまうと
何も言い返せない
今からアリアのパートナーを探しても
きっともう間に合わないだろうし…
「わかりましたわ、では殿下お願いしてもよろしいですか?アリア様は私の兄でもよろしいのかしら?」
「大丈夫です!イリアーナ様ありがとうございます」
そう言った後レオン様とアリアが何かアイコンタクトをとっていた
何だろうこの仕組まれた感……
純粋に褒めてもらえたのは嬉しい
それぞれパート分けされてイリアーナはソプラノでソロパートも任せられた
楽譜を配ってもらって自分のパートを指でなぞる
嬉しくてくすぐったい
その日ランチをエミリアと約束していたので2人でテーブルに座って食事をとっていた
「本当に素敵でしたわ~!イリアーナ様ほどお歌がお上手でしたらきっとお隣の国にある学校の声楽科にも入られてしまいそうですわね!」
「お隣の国って……」どこのお隣の国だろ?
そう思っている事に気づいたエミリアがすぐに反応した
「サンクスト国にあるルベミト学校ですわ!」
サンクスト国については知っているけど…
ルベミト学校は聞き馴染みがないなぁ
「比較的新しい学校で比較的自由な校風が人気になっているそうですわ、勉強だけでは無くて、スポーツや音楽、美術などそれぞれ秀でた方が通われるそうですの、サンクスト国の王子も通われているそうですよ」
「へぇ…王子と言えば同じ年頃と言えばガイウェン殿下かな?」
「そうです!!」
イリアーナが色々勉強していたから隣国の情報ある程度は知ってはいたけど、学校の事までは知らなかった
そんな学校あるんだ、楽しそう
「まぁそんなお話は少し置いておいて…」
突然エミリアが真剣な表情になった
「いいんですの?」
?
「なにがです?」
「レオン殿下ですよ!以前からイリアーナ様に対して当たりが強いとは聞いた事がございましたが、今Sクラスであの編入してきた方などと仲良くされていると聞きました!よろしいのですか!?婚約者はイリアーナ様ですのに!!」
そう
シナリオはちゃんと進んでいる
わざわざ確認はしないけど
アリアと攻略対象者達
仲もいいみたい、だけど何か違うというか
役員で集まる姿を見る限り
仲はいいけど、ただそれだけという雰囲気が
それぞれ漂っていて
Sクラスの周りの女子の方々からは
やはり嫉妬からか、アリアは良く思われていないようなんだけど
良い子なんだよねぇ凄く
人懐っこくて可愛い
思ってる事が顔に出易くて、コロコロ表情も変わって見ていて飽きない
「うーん…良いんじゃ無いかしら?」
「いいのですか?」
と不満そうなエミリアに聞かれる
「あまり気にしていないわよ?」
本当はただ関わりたくないからほっといてる…
とは流石に言えないからね…
「長年婚約者様をされていると慣れてしまわれるのですかね?」
「それもあるかもしれないわねー!あまり気にしていないからエミリアも気にしすぎないでね」
「イリアーナ様がそうおっしゃるなら、わかりました」
ふぅと少しため息をつきながら
でも納得してくれたみたい
私的には、あの挙動不審で妙に突っかかったりしてくるレオン様の方が面倒なのでどうにかして欲しい
エミリアは初めの時こそ私に対して緊張していたけれど、話してみると気が合って色々な事を気後れせずに話すようになった
Sクラスにいた時は女子達との腹の探り合いのみたいな会話ばかりで疲れていたけど
Bクラスに来てエミリアや他のクラスメイト達も初めは距離があったけれどだんだん打ち解けてきて
今では普通に色々話せるようになってちゃんと自分の居場所を感じる
やっぱりクラス変わってみて良かった
*******************************************
パーティーまで気づけば後数日となって生徒会役員達も最後の仕事に追われていた
「アリア様!!」
「イリアーナ様!?何かございましたか?」
「以前約束していたでしょう?はいコサージュ」
と約束をしていたコサージュを渡すとアリアの目がうるうると涙ぐんでいた
何だろう?何か余計なことでもしたのかな?
「イリアーナ様本当にご用意してくださったんですね…とても嬉しいです!!」
「そこまで喜んで貰えるなんて用意してよかったわ、では…」
「あっあの!!」
コサージュ渡すだけ渡して、さっさと去ろうとしていたのに呼び止められてしまったのでアリアの方に向き直した
「どうしかしたのかしら?」
「お呼び止めしてごめんなさい…その…えっと……エスコートのお相手についてお伺いしたいのですけど…」
「エスコート?そういえばアリア様はお相手お決まりになりましたの?」
「イエ!まだなんです!それで…」
まだなんですって…もうすぐよ?
いくらなんでももう決まってないのはまずいんじゃない?
…………1人に決められないのかしら?
選びたい放題?さすがヒロインね
「クラスの方で頼めそうな方はいらっしゃらないの?」
と聞くと俯き気味に頭を横にふっている
フワフワの髪の毛が気持ちよさそう…
今はそこじゃないか
でもおかしいな、仲良さそうにしるのにな誰も申し込まないなんて…
「失礼な事かもしれないけど聞いてもいいかしら?どなたかお好きな方は…」
そう言うと顔が途端に真っ赤になった
どうやらこれは…
居るのかじゃあその相手に頼めばいいじゃん
「その方にお願いすればいいのでは?」
「あの…その…私は、そう言うわけにもいかなくてですね…」
もじもじしすぎて何を言いたいのか
要領を得ない
困ってしまった
「私がイリアーナをエスコートするから其方はアイク殿に頼めばいい」
…………背後から聞こえた声に振り返ると
レオン様がいた
何でだよ、それなら2人で行きなよ
「それでは殿下がアリア様をエスコートされては?」
「婚約者はイリアーナだぞ、イリアーナを差し置いて他の者をエスコートできるか?」
いや、ゲームの中でしてなかったわよ
アリアがレオン様ルートの時なんかラブラブでエスコートするじゃない
去年の初めてのパーティーだって一緒に出てない、レオン様は確か…そうお姉様とでてらしたはず
声もかけてもらえなくて私はお父様がエスコートしてくれたのよね
不審そうな顔をして助けを求めようとお兄様を探す、目があったと思ったら
『相手は王族そう言われたら、もう逆らえない』
と読めそうなくらいに顔に出ていた
ロイにお兄様の秘密告げ口したくなってきた
でもそう言われてしまうと
何も言い返せない
今からアリアのパートナーを探しても
きっともう間に合わないだろうし…
「わかりましたわ、では殿下お願いしてもよろしいですか?アリア様は私の兄でもよろしいのかしら?」
「大丈夫です!イリアーナ様ありがとうございます」
そう言った後レオン様とアリアが何かアイコンタクトをとっていた
何だろうこの仕組まれた感……
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