転生後モブ令嬢になりました、もう一度やり直したいです

月兎

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壇上裏手に集まった新役員と先生方とのご挨拶も滞りなく終わった


「生徒会の皆様!!これから1年間よろしくお願いしますね!
まず新入生歓迎パーティーすぐ目前のイベントとして控えております!
ので皆様にはそちらの準備に入ってもらいます」


『ハイ!!』
皆様声を揃えて先生に向かって
返事をしているのをみて、少しだけ引き気味になる


後1ヶ月と少しした頃にはやってくる

新一年生を歓迎と親交を深める為に毎年行われている
学生主導のパーティー
将来の社交界デビューに向けての大切な機会にもなっていて
学園の催としても重要とされているパーティーで


生徒会役員の初仕事でもあり
ヒロインと攻略対象者達のラブゲージを上げていく為にも大切なイベントとなっている
 

ヒロインが誰といい感じになるのか
鑑賞してい気もするけれど、きっとそんな余裕無いかもしれない


改めて次回役員会議の日時を教えられてその後は帰宅することになるので荷物を取りにクラスに戻ろうとすると…


「イリアーナ!!」

…またか


レオン様がイリアーナに声を突然かけた為周りの空気も固まってしまった


「何か御用ですか?」


「少しこちらにこい!」


少しだけ皆さんから離れた所に連れて行かれる

「その…あのだな…
新入生歓迎パーティーのエスコートは…」


「あ、お兄様にお願いしております!!」


「っ!ではドレスは…」


「もう用意してありますわ」


と被せ気味に伝えると、また肩を落としている

肩……脱臼の癖でもついてんじゃなかろーか



「…今までその様に気を使っていただいた事ございませんでしたし?
そのように不満に思われても、此方としても少し困りますわ、今更」

その言葉にレオン様は固まり

少し離れていた所で聞いていた

オスカー様やクラウドが

ブッ
と吹き出している


お兄様は「そこまで言わなくても…」と小声でボヤいている


レオン様を見ると目が潤んでいる

えぇ…………
めんどくさ…


「お話は終わりですかね?では失礼いたします」


面倒でその場をそそくさと後にしようとしたら今度はクラウドに声をかけられた


「イリアーナ!!」


「クラウド!?どうしたの?」


「どうしたのじゃ無くて……何でSクラスに居ないの!?」


あぁ…そうだ何も話してなかったなぁ


「何かあったの?Bクラスにいるって聞いて驚いたし」


「うーん…気分転換………かな?」


「気分転換!?レオン様がSクラスに来だと思った途端、イリアーナはBクラスになって、更にSクラスに編入してきた子も入ったろ?なんかあったのかと思って」


うーん、そう言われると
これから何かあるから何もないとも言い切れない
しかもクラウドもその登場人物の1人だし…

クラウドもこれからその何かに巻き込まれていくだろうなぁ


「え?俺何でそんな可哀想な子見るみたいな顔でみられてんの?」

「何でもないわよ?」

!!

「ねぇクラウドからみて編入して来た子ってどんな印象?」


「どんなって?直接話してないしな、オドオドしてるイメージしか無いな今の所」


編入してきて突然朝っぱらから揉めてその上Sクラスにいるんだもんな…
そりゃオドオドしちゃうかもしれない


と思うと何だか気の毒に思える



ふとアリアの方を見ると、それぞれ会話している中、自分の居場所は無いのに
皆んながまだ帰っていないので、帰るタイミングが分からずオロオロしてる子みたいになってる


というより多分そう…


クラウドが視線の先を辿ってアリアに気がついた

「貴方、一緒に帰ろうって誘ってあげたら?」


「何で俺が誘うんだよ」


まだラブゲージが溜まってないからか?
クラウドが意外と冷たい


あ…

そんな話をしていたら
アリアと目があってしまった


「あっ、あの!イリアーナ様!」

凄い勢いでこっちに来た上に話しかけられた

「少しお話よろしいですか!?」


…いやだけども
ともいえないわね
これ以上オドオドさせそう

「じゃぁまたなイリアーナ」
とクラウドはさっさと何処かに行ってしまった
置いていくとは…


「どうかなさいましたか?」


「今朝あのように失敗してご迷惑をかけてしまって…
一生懸命学んできたつもりなのですが、まだ学園の常識などわからない事が多いいみたいでして
イリアーナ様に教えて頂けないかと思いまして…」


…やだよ
そもそも何で私よ?

…朝助けたから?


初めてみた相手を親と思う感じのやつ?
雛鳥方式なの?そんな馬鹿な


「そんな私は、人様に色々教えれるような立場では無いわ」


何とか逃れる方法を探さなきゃ…


「!!図書室!!」

「図書室…?ですか?」

そうよ図書室ヘルプ機能使えばいいのよ


「図書室に行ってごらんなさい、その方がきっと貴方の役に立つわ」


「図書室…わかりました!ありがとうございます早速行ってみます!」


是非そうしてください
私の平穏な生活のためにも


そこに話を終えたお兄様がやって来て
帰ろうと促してくれて助かったぁ


「イリアーナ、コレはシナリオに会った出来事なの?」

「私が役員に入る事ですか?」

「そう」

「…ありました」

「!!あったの?じゃあ教えて欲しかっよ」

「ごめんなさい…思い出したのは、さっきです…」

「えぇ…こんな大事な事覚えててよ……」


……………本当にそう思います

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