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良かった、まだ先生は来てないみたい
慌てて教室に戻ったせいで息が少し上がっている
胸に手をおきながら呼吸を整えた
周りから見られている興味本位の視線を感じるが、それ以上に隣からの視線…
チラッと確認をしてから話しかけてみた
「先程は失礼いたしました」
「いっいえ大丈夫です!」
「まだ先生が来られてなくて安心しましたわ、ディラン様にお伺いしたいのですが、Bクラスはやっぱり皆様顔馴染みの方々なのですか?」
「そうですね…
でも前回Aクラスの方やCクラスの方も半分位いると思います」
「あら、そんなにいらっしゃるのね…」
「はい、見かけなかった方々もおられますし…馴染みの顔は半数くらいですね」
「そうなのね、皆様と仲良くしていただけるといいのだけど…」
「そっそんな!皆んな仲良くして頂きたいと…
その瞬間ガラッと教室の扉が開いて先生が教壇の前に立った
眼鏡をかけているけど、大人な空気溢れる美人な先生
「今回Bクラスの担任になりましたエルザですよろしくね!
クラスの人達もそれぞれ入れ替わってるみたいだしとりあえず自己紹介からしましょう」
自己紹介が滞りなく終わった為、先生の自己紹介や最近会ったことなど話してくれていたところに授業が終わる鐘の音が鳴った
「あら、もうこんな時間ね、この後新年度の式と生徒会役員発表も行われるので、講堂に移動してね」
そこからパラパラと其々講堂に向かい始める
「あっ!あの!」
振り向くと、席を教えてくれたエミリア・バイロン令嬢がいた
「えっと…」
「私の事、エミリアと呼びください!」
「エミリア様?」
「先程お伝え出来なかったので…
イリアーナ様!もしご迷惑でなければご一緒に講堂に行きませんか!?」
「よろしいのですか?私で?」
こんな風に声をかけてもらえるとは思ってなかったので
イリアーナの顔が照れて頬が桜色に色づく
「ハイ!ご迷惑でないですか!?」
「そんな!ご迷惑だなんて…とても嬉しいです!」
2人で顔を色づいた顔を見あって微笑む
「では参りましょう」
講堂に着くまで、今流行のカフェや雑貨屋さんなど、他愛も無い話をした
今までSクラスの女子生徒とは、いつも何処かお互い壁があって、牽制しあって心安い会話は出来なかったイリアーナにとって
その感覚は初めてで、すこしくすぐったいようでとても嬉しかった
講堂に着いてから決められた席に座り壇上を見ると十数名座れる位の椅子が置かれている
生徒会役員は基本的に上級生からの推薦で
2年生と3年生で構成され
主に2年生がメインで取り仕切る形になっている
昨年の生徒会会長はオスカー殿下が行い
副会長の1人にお兄様も入っていた
まぁ今年は攻略対象者のほとんどで構成されるだろう
校長先生の挨拶が始まって
少ししたら生徒会役員の名前を呼び出し始めて呼ばれたものから壇上に上がる
会長 レオン・アデインセル
副会長 オスカー・アデインセル
副会長 クラウド・イーストン
まぁ、そうだろうな
書記 アリア・クリスフォード
呼ばれた瞬間ざわざわし始めた
まぁそれはそうだ、編入してきたばかりの令嬢が生徒会役員だもんな
でも入らないとゲームにならないしね
呼ばれたアリアを目で追うと
凄く戸惑った様子で壇上に向かっている
周りの視線も恐ろしい…
呼ばれるメンバーの殆どがSクラス
なので他人事の様に鑑賞していた
次々と発表される中
書記のもう1人の方はお兄様だった
今年も生徒会なのねー
また暫く忙しくされるわねー
会計 イリアーナ・ガブリエラ
………………は?
なんっ!
Bクラスから突然呼ばれて一気に注目が自分に来るのがわかる
壇上にいるお兄様に目を向けると
目が合わない、何で?
ちょっと待って
私……ゲームの中で生徒会なんかやってた?
シナリオが変わったの?どっち!?
思い出せ!思い出せ!
ぐるぐるぐるぐると必死に思い出す
……………………やってるぅ…
チラッと
毎回ヒロインのアリアの横に見切れてるぅ…
あぁ生徒会役員一緒にやってるから、
アリアに突っかかって文句言ってくる事が出来てたんだ…
そしてそれを私は面倒でスキップしていた、うん
何故私は今までこの展開を忘れてたの?
あぁそうか、転生前の私が馬鹿だからだ
馬鹿は死んでも治らない…
そういう事なのね
と悲しみに暮れていると
「イリアーナ様…」
とエミリアに声をかけられ壇上に行く様に促される
いぎたぐないーーーーーー!
あの中はいりたくないーーーーー!
渋々とのろのろ速度で壇上に向かい
椅子に腰掛けた
壇上から見ると生徒達1人1人がよく見える
隣の子達とヒソヒソ何か言っていたり
興味なさげにしていたり
きっと元のイリアーナなら張り切っていた事だろう…
でも私はただの見せ物になってる気分で心底いやだ…
チラッと横目で見ると
お兄様は硬く目を瞑っている、意地でも目を合わせない気らしい
アリアは顔色がすこぶる悪い、倒れないかしら?
気になって更に横のアリアを見ようとすると
レオン様とオスカー様もこちらを見ていて目があってしまった
レオン様は眉間にシワを寄せて睨まれてしまったけど、オスカー様は相変わらず素敵な笑顔で微笑まれて
ついまた心の中で拝んでしまう
会長としてレオン様が挨拶を行い
新年度の先生方の挨拶も終わり
退室前に壇上裏に生徒会メンバーは呼ばれた
その瞬間を逃さずバシィ!とお兄様を捕まえる
「お兄様…これは…どなたの推薦でこうなったのですか?」
そう言うと、お兄様は諦めた様に
「オスカー殿下だよ…その…イリアーナならBクラス落ちしていたところで問題ないと…」
何と…
確かにオスカー様にそう言われてはお兄様も無理矢理な事はできないか…
「あの!!」ふと声のした方を見たら
アリアがいた
「はい、なにか?」
「あの!今朝は助けて頂いてありがとうございました!」
「…あれは貴方を助けた訳ではなくてよ?」
「それでも!とても嬉しかったんです!ありがとうございます!私アリアと申します!」
そうキラキラした目で言われてしまうと邪険にも出来ない
「イリアーナと申します」
「イリアーナ様!!これからどうぞよろしくお願いします!」
やっぱり、ヒロインと言うだけあるなぁ
とても可愛らしくて、笑顔も素敵で、性格の良さそうな子だなぁ
慌てて教室に戻ったせいで息が少し上がっている
胸に手をおきながら呼吸を整えた
周りから見られている興味本位の視線を感じるが、それ以上に隣からの視線…
チラッと確認をしてから話しかけてみた
「先程は失礼いたしました」
「いっいえ大丈夫です!」
「まだ先生が来られてなくて安心しましたわ、ディラン様にお伺いしたいのですが、Bクラスはやっぱり皆様顔馴染みの方々なのですか?」
「そうですね…
でも前回Aクラスの方やCクラスの方も半分位いると思います」
「あら、そんなにいらっしゃるのね…」
「はい、見かけなかった方々もおられますし…馴染みの顔は半数くらいですね」
「そうなのね、皆様と仲良くしていただけるといいのだけど…」
「そっそんな!皆んな仲良くして頂きたいと…
その瞬間ガラッと教室の扉が開いて先生が教壇の前に立った
眼鏡をかけているけど、大人な空気溢れる美人な先生
「今回Bクラスの担任になりましたエルザですよろしくね!
クラスの人達もそれぞれ入れ替わってるみたいだしとりあえず自己紹介からしましょう」
自己紹介が滞りなく終わった為、先生の自己紹介や最近会ったことなど話してくれていたところに授業が終わる鐘の音が鳴った
「あら、もうこんな時間ね、この後新年度の式と生徒会役員発表も行われるので、講堂に移動してね」
そこからパラパラと其々講堂に向かい始める
「あっ!あの!」
振り向くと、席を教えてくれたエミリア・バイロン令嬢がいた
「えっと…」
「私の事、エミリアと呼びください!」
「エミリア様?」
「先程お伝え出来なかったので…
イリアーナ様!もしご迷惑でなければご一緒に講堂に行きませんか!?」
「よろしいのですか?私で?」
こんな風に声をかけてもらえるとは思ってなかったので
イリアーナの顔が照れて頬が桜色に色づく
「ハイ!ご迷惑でないですか!?」
「そんな!ご迷惑だなんて…とても嬉しいです!」
2人で顔を色づいた顔を見あって微笑む
「では参りましょう」
講堂に着くまで、今流行のカフェや雑貨屋さんなど、他愛も無い話をした
今までSクラスの女子生徒とは、いつも何処かお互い壁があって、牽制しあって心安い会話は出来なかったイリアーナにとって
その感覚は初めてで、すこしくすぐったいようでとても嬉しかった
講堂に着いてから決められた席に座り壇上を見ると十数名座れる位の椅子が置かれている
生徒会役員は基本的に上級生からの推薦で
2年生と3年生で構成され
主に2年生がメインで取り仕切る形になっている
昨年の生徒会会長はオスカー殿下が行い
副会長の1人にお兄様も入っていた
まぁ今年は攻略対象者のほとんどで構成されるだろう
校長先生の挨拶が始まって
少ししたら生徒会役員の名前を呼び出し始めて呼ばれたものから壇上に上がる
会長 レオン・アデインセル
副会長 オスカー・アデインセル
副会長 クラウド・イーストン
まぁ、そうだろうな
書記 アリア・クリスフォード
呼ばれた瞬間ざわざわし始めた
まぁそれはそうだ、編入してきたばかりの令嬢が生徒会役員だもんな
でも入らないとゲームにならないしね
呼ばれたアリアを目で追うと
凄く戸惑った様子で壇上に向かっている
周りの視線も恐ろしい…
呼ばれるメンバーの殆どがSクラス
なので他人事の様に鑑賞していた
次々と発表される中
書記のもう1人の方はお兄様だった
今年も生徒会なのねー
また暫く忙しくされるわねー
会計 イリアーナ・ガブリエラ
………………は?
なんっ!
Bクラスから突然呼ばれて一気に注目が自分に来るのがわかる
壇上にいるお兄様に目を向けると
目が合わない、何で?
ちょっと待って
私……ゲームの中で生徒会なんかやってた?
シナリオが変わったの?どっち!?
思い出せ!思い出せ!
ぐるぐるぐるぐると必死に思い出す
……………………やってるぅ…
チラッと
毎回ヒロインのアリアの横に見切れてるぅ…
あぁ生徒会役員一緒にやってるから、
アリアに突っかかって文句言ってくる事が出来てたんだ…
そしてそれを私は面倒でスキップしていた、うん
何故私は今までこの展開を忘れてたの?
あぁそうか、転生前の私が馬鹿だからだ
馬鹿は死んでも治らない…
そういう事なのね
と悲しみに暮れていると
「イリアーナ様…」
とエミリアに声をかけられ壇上に行く様に促される
いぎたぐないーーーーーー!
あの中はいりたくないーーーーー!
渋々とのろのろ速度で壇上に向かい
椅子に腰掛けた
壇上から見ると生徒達1人1人がよく見える
隣の子達とヒソヒソ何か言っていたり
興味なさげにしていたり
きっと元のイリアーナなら張り切っていた事だろう…
でも私はただの見せ物になってる気分で心底いやだ…
チラッと横目で見ると
お兄様は硬く目を瞑っている、意地でも目を合わせない気らしい
アリアは顔色がすこぶる悪い、倒れないかしら?
気になって更に横のアリアを見ようとすると
レオン様とオスカー様もこちらを見ていて目があってしまった
レオン様は眉間にシワを寄せて睨まれてしまったけど、オスカー様は相変わらず素敵な笑顔で微笑まれて
ついまた心の中で拝んでしまう
会長としてレオン様が挨拶を行い
新年度の先生方の挨拶も終わり
退室前に壇上裏に生徒会メンバーは呼ばれた
その瞬間を逃さずバシィ!とお兄様を捕まえる
「お兄様…これは…どなたの推薦でこうなったのですか?」
そう言うと、お兄様は諦めた様に
「オスカー殿下だよ…その…イリアーナならBクラス落ちしていたところで問題ないと…」
何と…
確かにオスカー様にそう言われてはお兄様も無理矢理な事はできないか…
「あの!!」ふと声のした方を見たら
アリアがいた
「はい、なにか?」
「あの!今朝は助けて頂いてありがとうございました!」
「…あれは貴方を助けた訳ではなくてよ?」
「それでも!とても嬉しかったんです!ありがとうございます!私アリアと申します!」
そうキラキラした目で言われてしまうと邪険にも出来ない
「イリアーナと申します」
「イリアーナ様!!これからどうぞよろしくお願いします!」
やっぱり、ヒロインと言うだけあるなぁ
とても可愛らしくて、笑顔も素敵で、性格の良さそうな子だなぁ
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