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教室に戻ると、クラウドがやっと登校してきてた
「おー!イリアーナ!おはよう!」
あの人、更に日焼けしてるわ…
あの日からまた何かしてたのね…
「おはよう!また日焼けしてない?」
「おーバレたか!最近王都の森の奥で獣が出るようになってさ!獣退治に参加させて貰ってたんだ!」
体鍛えてる時と、戦ってる時と、食べてる時すごい幸せそうだなぁ…
妙に感心…
「そうなのねー」
「イリアーナ何持ってんのそれ?」
「これ?楽譜よ?」
「楽譜?何でそんなもんもってんの?」
「ちょっとね弾いてみたくて探してたの」
「イリアーナは、ピアノ弾けるんだっけ?」
「少しだけね、そんなに上手ではないわ」
「弾けるだけすげえじゃん!
俺弾けないし、あ、でもカスタネットならできるぞ」
長身イケメン細マッチョ(日焼けで真っ黒)がカスタネット…
ぶふぅ…
ダメだ赤と青のカラーのカスタネットを
タンタンリズムとって叩いてるの想像してしまった
吹いてから、ふるふる震えてる私をみて
「笑うなよー、あれー?これ姉上からのやつの匂い?」
「フフッごめんなさい、そうよ、さっそくつけてみたの、やっぱりとても良い香りだわ」
「気に入って貰ってよかったよ!姉上も喜ぶわ!ガブリエラ公爵家令嬢ご愛用って入れたら売れるかもな!」
「私がご愛用した所で、誰も欲しがらないわよー」
とツーンと言うとクラウドは、何だか呆れた顔をしていた
**********************************
むーん…
やっぱりなかなか難しいわね…
イリアーナは家にあるグランドピアノの椅子に座りながら、楽譜と睨めっこしている
転生前は歌うのが好き、でもピアノは弾けなかった
イリアーナはピアノは弾けるけれど、歌うことはしてなかったでも今の私なら…
歌える+弾ける=弾き語り
できるんじゃない!?
が、そんな事はなかった
歌うと歌に気取られちゃうし、弾くと弾く事に気を取られる
結果
私は器用ではない
でもいつか、出来るようになれたらいいな
練習あるのみよね、少しづつ頑張ってみよう
楽譜を一度閉じて、転生前に良く歌っていた歌を、鍵盤をポーンと叩きながら歌っていた
天気がいいので、開けていたバルコニーから
そよそよと風が吹き込み、日の光が入る
それが心地良くて、更に歌を歌っていたら
ピアノの向こうからピョコッとふわふわの頭が見えた
歌うのをやめて声をかけた
「ロイどうしたの?そんな所でこちらへいらっしゃい」と言うと、少し照れながら出てきた
「…本当にアイクお兄様が言ってた通りだ」
「?何が?」
「歌ってる姿がとても綺麗で、天使様みたい」
と少し恥じらいながら言うロイに
やーーーーーーーーん!
天使はロイの方じゃない!?
かんわいいわ!撫で回して、ハスハスしたい!
「そんなこと言ってたの?大袈裟ね」
「学園でそう言われてると聞きました!でも本当に僕にもそう見えました!」
キラキラした目でそんな風に言われたらキューンってきちゃう!
この可愛い子!どうしたらいいのかしら!?
でも学園でそんな話が出てるのは、ちょっと本当にやめて欲しい…
「そうなの?でもやっぱり大袈裟だと思うわよ?私もそろそろ終わりにして…
ロイ一緒にお茶の時間にしない?クラウドから頂いた蜂蜜もあるし」
と言うとパァとまた明るい顔になって
「ハイ!お姉様とお茶とても嬉しいです!」
……………何だろう、本当には無いんだけども、尻尾が限界値超えそうな位フリフリしてるような
幻覚かしら?
ほのぼのしながら
2人でお茶にする事にした
「ロイ!この蜂蜜紅茶に入れるだけじゃなくて、このスコーンにつけてみて!」
「…うわぁ!お姉様!凄く美味しいです!」
目を丸くして、美味しそうに食べているロイの姿をほのぼのと見ていた
すると少ししてロイが下を向いて何か言いたげにしている
ん?どうしたのかしら?と思っていると
「あの!お姉様!」
「どうしたの?」
何か意を決したのか、泳がせていた目をこちらにキュッと向けてきた
「お姉様はどうして変わられたのですか!?」
!!
突然胸を締め付けられるような感覚に襲われる
そうだ、いくら幼くても、無邪気に振る舞っていても気付かないはずがないよね…
「違います!前のお姉様も!今のお姉様も僕は大好きです!ただ気になって」
食い気味にいわれた言葉に偽りは感じない
でも…ロイに色々な事を話す事は、私には出来ない
「…寝込んだときに夢を見たの」
「夢?」
「そう、夢、決して楽しい夢では無くて…
目が覚めてからね、前よりもっと楽しく今を生きたいなって思ったの」
「怖い夢を見られたのですか?」
「そう…ね
出来たらもう見たくは無い夢ね…
でもそのおかげで、自分らしく過ごそうとも思えたわ」
「今、お姉様は楽しいですか?」
そう尋ねる瞳はまだ、幼さの残る少年には似合わない真剣な眼をしていた
「今の私は、他の人には、どう思われてるのかわからないわ、変わり者だと馬鹿にされているかもしれない、でも私は、家族がいるこのお家があって楽しくて、とても幸せよ?」
「そんな!お姉様を変わり者などと言う人はおりません!そんな事言わせません!」
とぷんぷんし始めた
先ほどの真剣な目が嘘のようにまた可愛いロイに戻った
そんなロイを撫で回して、キャッキャ2人でじゃれ合う
ごめんね…
何も、話せなくてごめん
「おー!イリアーナ!おはよう!」
あの人、更に日焼けしてるわ…
あの日からまた何かしてたのね…
「おはよう!また日焼けしてない?」
「おーバレたか!最近王都の森の奥で獣が出るようになってさ!獣退治に参加させて貰ってたんだ!」
体鍛えてる時と、戦ってる時と、食べてる時すごい幸せそうだなぁ…
妙に感心…
「そうなのねー」
「イリアーナ何持ってんのそれ?」
「これ?楽譜よ?」
「楽譜?何でそんなもんもってんの?」
「ちょっとね弾いてみたくて探してたの」
「イリアーナは、ピアノ弾けるんだっけ?」
「少しだけね、そんなに上手ではないわ」
「弾けるだけすげえじゃん!
俺弾けないし、あ、でもカスタネットならできるぞ」
長身イケメン細マッチョ(日焼けで真っ黒)がカスタネット…
ぶふぅ…
ダメだ赤と青のカラーのカスタネットを
タンタンリズムとって叩いてるの想像してしまった
吹いてから、ふるふる震えてる私をみて
「笑うなよー、あれー?これ姉上からのやつの匂い?」
「フフッごめんなさい、そうよ、さっそくつけてみたの、やっぱりとても良い香りだわ」
「気に入って貰ってよかったよ!姉上も喜ぶわ!ガブリエラ公爵家令嬢ご愛用って入れたら売れるかもな!」
「私がご愛用した所で、誰も欲しがらないわよー」
とツーンと言うとクラウドは、何だか呆れた顔をしていた
**********************************
むーん…
やっぱりなかなか難しいわね…
イリアーナは家にあるグランドピアノの椅子に座りながら、楽譜と睨めっこしている
転生前は歌うのが好き、でもピアノは弾けなかった
イリアーナはピアノは弾けるけれど、歌うことはしてなかったでも今の私なら…
歌える+弾ける=弾き語り
できるんじゃない!?
が、そんな事はなかった
歌うと歌に気取られちゃうし、弾くと弾く事に気を取られる
結果
私は器用ではない
でもいつか、出来るようになれたらいいな
練習あるのみよね、少しづつ頑張ってみよう
楽譜を一度閉じて、転生前に良く歌っていた歌を、鍵盤をポーンと叩きながら歌っていた
天気がいいので、開けていたバルコニーから
そよそよと風が吹き込み、日の光が入る
それが心地良くて、更に歌を歌っていたら
ピアノの向こうからピョコッとふわふわの頭が見えた
歌うのをやめて声をかけた
「ロイどうしたの?そんな所でこちらへいらっしゃい」と言うと、少し照れながら出てきた
「…本当にアイクお兄様が言ってた通りだ」
「?何が?」
「歌ってる姿がとても綺麗で、天使様みたい」
と少し恥じらいながら言うロイに
やーーーーーーーーん!
天使はロイの方じゃない!?
かんわいいわ!撫で回して、ハスハスしたい!
「そんなこと言ってたの?大袈裟ね」
「学園でそう言われてると聞きました!でも本当に僕にもそう見えました!」
キラキラした目でそんな風に言われたらキューンってきちゃう!
この可愛い子!どうしたらいいのかしら!?
でも学園でそんな話が出てるのは、ちょっと本当にやめて欲しい…
「そうなの?でもやっぱり大袈裟だと思うわよ?私もそろそろ終わりにして…
ロイ一緒にお茶の時間にしない?クラウドから頂いた蜂蜜もあるし」
と言うとパァとまた明るい顔になって
「ハイ!お姉様とお茶とても嬉しいです!」
……………何だろう、本当には無いんだけども、尻尾が限界値超えそうな位フリフリしてるような
幻覚かしら?
ほのぼのしながら
2人でお茶にする事にした
「ロイ!この蜂蜜紅茶に入れるだけじゃなくて、このスコーンにつけてみて!」
「…うわぁ!お姉様!凄く美味しいです!」
目を丸くして、美味しそうに食べているロイの姿をほのぼのと見ていた
すると少ししてロイが下を向いて何か言いたげにしている
ん?どうしたのかしら?と思っていると
「あの!お姉様!」
「どうしたの?」
何か意を決したのか、泳がせていた目をこちらにキュッと向けてきた
「お姉様はどうして変わられたのですか!?」
!!
突然胸を締め付けられるような感覚に襲われる
そうだ、いくら幼くても、無邪気に振る舞っていても気付かないはずがないよね…
「違います!前のお姉様も!今のお姉様も僕は大好きです!ただ気になって」
食い気味にいわれた言葉に偽りは感じない
でも…ロイに色々な事を話す事は、私には出来ない
「…寝込んだときに夢を見たの」
「夢?」
「そう、夢、決して楽しい夢では無くて…
目が覚めてからね、前よりもっと楽しく今を生きたいなって思ったの」
「怖い夢を見られたのですか?」
「そう…ね
出来たらもう見たくは無い夢ね…
でもそのおかげで、自分らしく過ごそうとも思えたわ」
「今、お姉様は楽しいですか?」
そう尋ねる瞳はまだ、幼さの残る少年には似合わない真剣な眼をしていた
「今の私は、他の人には、どう思われてるのかわからないわ、変わり者だと馬鹿にされているかもしれない、でも私は、家族がいるこのお家があって楽しくて、とても幸せよ?」
「そんな!お姉様を変わり者などと言う人はおりません!そんな事言わせません!」
とぷんぷんし始めた
先ほどの真剣な目が嘘のようにまた可愛いロイに戻った
そんなロイを撫で回して、キャッキャ2人でじゃれ合う
ごめんね…
何も、話せなくてごめん
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