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楽しい休暇は気づけばあっという間に終わり、明日から新学期が始まる
新しい教材などを用意していたら、お兄様が部屋へやって来た
「明日の用意は済んだ?」
「お兄様!あと少しで終わるよー!」と言うとニコニコしながら、イリアーナの頭を撫でて来た
そう気安く話していると、どんどん扱いが、私がロイにするような扱いになって来た
頭を撫でなでされるのは、照れくさいけどちょっと嬉しい…でもそんな歳じゃない…複雑な気分…
ごめんね…ロイ
今になってロイの気持ち少し分かったわ…
「お兄様…私、頭を撫でられて喜ぶ年じゃ…」
と言うと少し目を丸くして
「あっ!そっかごめんね、つい」と笑っている
「今日なにかあった?」と聞くと
「イヤ、明日からの学校生活が心配で…」
お兄様にあの話をしてから、めちゃくちゃ過保護になってしまわれた
仕方ないけど…
でも、婚約者のまま海外に逃亡したら、他国と戦争になりかねない、仮にも貴重な光属性だし…
家族を思うと、家出もできない離れたくない
お兄様には知られてしまったけれど、口止めしている、やっぱり中々信じてもらえる話ではないしね…
少しだけシナリオからずれた行動をしている事で、バグ発生しないかな?
とか、ヒロインが現れない可能性もあるかもしれない
と無理矢理プラス思考に考える事にしている
なる様になれだ!
「大丈夫よ!きっと何とかなるわよ!」
お兄様に安心させる様に、そう自分に言い聞かせた
朝、登校する準備をして、クラウドのお姉様から頂いた香水を軽くつけた、いい香りで気分も明るくなっていいかもしれない
長期休暇あけの学園は、とても新鮮に感じる、皆んな少し日焼けしたり、休暇を楽しんだんだろう
それぞれ休暇日中の話題などで盛り上がっていて、そんな姿のクラスメイト達を見るだけでも何だか楽しい気持ちになる
イリアーナの屋敷には大きい書庫があったので今まで行く機会も無かったけど、屋敷にない楽譜の本を見てみたかったので、朝の授業の始まる前の時間に図書室へと向かった
するとカウンターに眼鏡をかけた優しげな男性がいた
「こんにちは、こちらの図書室の利用は初めてですか?」
「あ、はい楽譜を探しにきたのですけれど…」
「楽譜ですか?」
と言うと、図書室内の案内図を指でなぞりながら
「こちらですね、少し奥の方になりますけれど、窓側の奥にある机の横の棚です」
と親切に教えてくれた
「ありがとうございます」
「イエ、もしお探しの物が無い時や、貸し出しの時は、私ヘルプにお声掛けください」
………ヘルプ…
何と…思い出したそうか、図書室に行くと利用出来るヘルプ機能キャラ
何かわからない時には、ここに来たら教えてくれる…
実際にもいるんだ
…ん?実際ってなんだろう?
まぁいいや深く考えてはいけない、そういうものだ、うん…
教えてもらった棚に向かい、お目当ての曲の楽譜を探す…
「あ、あった!」
と楽譜と手に取った時、隣の机から人の気配を感じたのでそちらに目をやると
ウェェ!
レオン様が寝ぼけた様子で目を擦っている
、しかも夏季休暇後だというのに、妙に青白く目の下に隈があるみたい
バチィ!と目があってしまった
「イリアーナ!ここで何している!?」
うえーーーーん!
「ご機嫌よう、殿下少し探し物にきましたのもう見つかりましたので失礼しますわ」と取り繕った笑顔でご挨拶して
逃げるように、受付のヘルプさんの元へ行く
「こちら貸し出しお願いしてもよろしいかしら?」
と慌てながら言うと「こちらですね、初めての利用ですので、こちらのカードに記入が必要なんです…」
うぁぁぁぁ!早くして欲しいのに!
急いでカードに記入してみたものの
無情にもコツコツと靴音が、聞こえてイリアーナの後ろで止まった
気にせず記入してヘルプさんの説明を聞く
「~期限は3週間ですので期限までに返却お願いいたします」
「かしこまりました、ありがとうございます」
クルッと振り返ると、まだ居た
「あら、殿下もお帰りですのね」と言うと
「あぁ、もう授業も始まるしな」と言われてしまった、そりゃそうか
「そうですよね、それでは失礼致します」
と去ろうとすると、筆記用具と教材を持っていたレオン様も一緒についてきた
「本を借りないのですか?」
「あぁ、調べ物をしていただけだ」
…レオン様が、調べ物…
明日嵐にならないかしら?
「そうですか…」
「足はどうだ?もう良いか?」
「えっ!?あぁ!足ですね!もうすっかり良くなりました!その節は大変ご迷惑をおかけしました」
「こっちこそ、あの様に突然伺って申し訳ない事をした」
「あっ!ハイ!まぁそうですね…
あ!ごめんなさい間違えました!全然問題ございませんわ!」
やばい取り繕うの忘れてた…
するとチラリとこちらを見て
ため息をつかれた
うわまた怒られる…
と身構えてみたものの、そのまま何も言われる事はなかった…
「それでは、私教室に戻りますので…」
とクラスに分かれる道で礼を取った
「あぁ」とだけぶっきらぼうに言われだけどそのまま、そそくさと教室に向かう
その時、後ろ姿をずっとレオン様に眺められている事にイリアーナは、全く気付いていなかった
新しい教材などを用意していたら、お兄様が部屋へやって来た
「明日の用意は済んだ?」
「お兄様!あと少しで終わるよー!」と言うとニコニコしながら、イリアーナの頭を撫でて来た
そう気安く話していると、どんどん扱いが、私がロイにするような扱いになって来た
頭を撫でなでされるのは、照れくさいけどちょっと嬉しい…でもそんな歳じゃない…複雑な気分…
ごめんね…ロイ
今になってロイの気持ち少し分かったわ…
「お兄様…私、頭を撫でられて喜ぶ年じゃ…」
と言うと少し目を丸くして
「あっ!そっかごめんね、つい」と笑っている
「今日なにかあった?」と聞くと
「イヤ、明日からの学校生活が心配で…」
お兄様にあの話をしてから、めちゃくちゃ過保護になってしまわれた
仕方ないけど…
でも、婚約者のまま海外に逃亡したら、他国と戦争になりかねない、仮にも貴重な光属性だし…
家族を思うと、家出もできない離れたくない
お兄様には知られてしまったけれど、口止めしている、やっぱり中々信じてもらえる話ではないしね…
少しだけシナリオからずれた行動をしている事で、バグ発生しないかな?
とか、ヒロインが現れない可能性もあるかもしれない
と無理矢理プラス思考に考える事にしている
なる様になれだ!
「大丈夫よ!きっと何とかなるわよ!」
お兄様に安心させる様に、そう自分に言い聞かせた
朝、登校する準備をして、クラウドのお姉様から頂いた香水を軽くつけた、いい香りで気分も明るくなっていいかもしれない
長期休暇あけの学園は、とても新鮮に感じる、皆んな少し日焼けしたり、休暇を楽しんだんだろう
それぞれ休暇日中の話題などで盛り上がっていて、そんな姿のクラスメイト達を見るだけでも何だか楽しい気持ちになる
イリアーナの屋敷には大きい書庫があったので今まで行く機会も無かったけど、屋敷にない楽譜の本を見てみたかったので、朝の授業の始まる前の時間に図書室へと向かった
するとカウンターに眼鏡をかけた優しげな男性がいた
「こんにちは、こちらの図書室の利用は初めてですか?」
「あ、はい楽譜を探しにきたのですけれど…」
「楽譜ですか?」
と言うと、図書室内の案内図を指でなぞりながら
「こちらですね、少し奥の方になりますけれど、窓側の奥にある机の横の棚です」
と親切に教えてくれた
「ありがとうございます」
「イエ、もしお探しの物が無い時や、貸し出しの時は、私ヘルプにお声掛けください」
………ヘルプ…
何と…思い出したそうか、図書室に行くと利用出来るヘルプ機能キャラ
何かわからない時には、ここに来たら教えてくれる…
実際にもいるんだ
…ん?実際ってなんだろう?
まぁいいや深く考えてはいけない、そういうものだ、うん…
教えてもらった棚に向かい、お目当ての曲の楽譜を探す…
「あ、あった!」
と楽譜と手に取った時、隣の机から人の気配を感じたのでそちらに目をやると
ウェェ!
レオン様が寝ぼけた様子で目を擦っている
、しかも夏季休暇後だというのに、妙に青白く目の下に隈があるみたい
バチィ!と目があってしまった
「イリアーナ!ここで何している!?」
うえーーーーん!
「ご機嫌よう、殿下少し探し物にきましたのもう見つかりましたので失礼しますわ」と取り繕った笑顔でご挨拶して
逃げるように、受付のヘルプさんの元へ行く
「こちら貸し出しお願いしてもよろしいかしら?」
と慌てながら言うと「こちらですね、初めての利用ですので、こちらのカードに記入が必要なんです…」
うぁぁぁぁ!早くして欲しいのに!
急いでカードに記入してみたものの
無情にもコツコツと靴音が、聞こえてイリアーナの後ろで止まった
気にせず記入してヘルプさんの説明を聞く
「~期限は3週間ですので期限までに返却お願いいたします」
「かしこまりました、ありがとうございます」
クルッと振り返ると、まだ居た
「あら、殿下もお帰りですのね」と言うと
「あぁ、もう授業も始まるしな」と言われてしまった、そりゃそうか
「そうですよね、それでは失礼致します」
と去ろうとすると、筆記用具と教材を持っていたレオン様も一緒についてきた
「本を借りないのですか?」
「あぁ、調べ物をしていただけだ」
…レオン様が、調べ物…
明日嵐にならないかしら?
「そうですか…」
「足はどうだ?もう良いか?」
「えっ!?あぁ!足ですね!もうすっかり良くなりました!その節は大変ご迷惑をおかけしました」
「こっちこそ、あの様に突然伺って申し訳ない事をした」
「あっ!ハイ!まぁそうですね…
あ!ごめんなさい間違えました!全然問題ございませんわ!」
やばい取り繕うの忘れてた…
するとチラリとこちらを見て
ため息をつかれた
うわまた怒られる…
と身構えてみたものの、そのまま何も言われる事はなかった…
「それでは、私教室に戻りますので…」
とクラスに分かれる道で礼を取った
「あぁ」とだけぶっきらぼうに言われだけどそのまま、そそくさと教室に向かう
その時、後ろ姿をずっとレオン様に眺められている事にイリアーナは、全く気付いていなかった
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