転生後モブ令嬢になりました、もう一度やり直したいです

月兎

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自分に起きた事、全て素直に話した
転生前に違う世界で生きて亡くなった事、突然ゲームの世界にいた事

アイクお兄様の顔は、信じられない顔をしながらそれでも話を聞いてくれた

「ごめんな、すぐに飲み込むのは難しいかもしれない」
と頭を抱えるお兄様
「いえ、仕方がない事です」

「でも、イリアーナ…なんだよね?」

「それは本当に、どう伝えればいいのか、イリアーナの記憶も人格もあります、けど転生前の影響をとても受けておりますので…
違うと言われたら違うのかもしれません
ごめんなさい、私が転生前の記憶を取り戻してしまったせいです」

泣かないようにしても、ぱたぱたと涙がこぼれ落ちてしまう

「あぁ!ごめんね!先程あんな風に怒ってしまったから、気に病ませてしまった」

イリアーナの手の上にお兄様はそっと手を乗せて
「大丈夫、もう1人で悩まないで、イリアーナのせいじゃない、僕のせいでイリアーナの心も、手首も傷つけてしまった、本当にごめん…」
と優しく頭を撫でて抱きしめてくれた

受け入れてくれた
そのお兄様の優しさに安心して
イリアーナは、お兄様に抱きついて沢山泣いた

少し落ち着いて涙もおさまってきた頃
「でも信じられないな…イリアーナを責めているわけじゃ無いよ?この世界がゲーム…の中で、イリアーナよりももっと強い光属性の子が居るって…」

「でも本当です、次の進級な時に私と同じ学年に編入してくるはずです!それから…レオン様や…他の攻略対象者様と仲良くなられて…」

「レオン殿下もそのうちの1人なのか…僕は大丈夫だよね?」

「大丈夫ですお兄様モブですから」
「モブ……」 
モブが何かわからなそうな顔をしている
「イリアーナは?」
「私…は……」
「何?ちゃんと言ってごらん?」
「私は、お話の中では死にます」

「今なんて?」
「死にます、レオン様を庇って」
お兄様の目が見開いていく
「イリアーナ!レオン殿下に近づくな!」
いや、そうしようとしてましたけど…

「前言っていたな!婚約解消したいと、よし!しよう!この際オスカー殿下でもいいだろう!」

イヤイヤ、この際で時期国王になられる方に嫁いでいいもんでもなくないか?
と苦笑いしてしまう


「いえオスカー殿下も攻略対象です、多分同じように死にます」
「なんだと!?」
目が更に見開いている、血走っていて怖い…

「それに、オスカー殿下ですと、王妃候補になってしまいますし…面倒な事は嫌ですわ」

「嫌なのか……オスカー殿下も気の毒に…」

「何がですか?」
「いや、何でもない!こちらの話だ」

「とりあえずそのヒロインのアリアが出てくるまでまだ時間はあるのだろう?それにもしかしたら本当に現れないかもしれないし」


「しかし、それで突然クラス替えを申し出てきたのか…」

「御免なさい…あの時正直に本当の事を話すのがとても怖くて、嫌われたくなくて…」

「いやいいんだよ!疑問に思っていた事が繋がってスッキリしたよ、よく今まで頑張ってきたね」

その言葉にまたじわっと涙が溢れてくる

「あ、でも歌を歌うのが好きなのは本当ですよ?」
と言うとお兄様は、フフッと笑った
「知ってるよ、今学園でも有名だからね」

おっとそれはどう言う事だい?
「何が有名なんですか?」
「良く、学園の庭から歌が聞こえてくると、それがイリアーナでまるで歌声が光って聞こえてくると、影で光の女神って言われてるよ」

まじで?何その新しい二つ名…
どうするのよ、私の弱っちい光属性の魔法より、もっとすごい力のヒロインが現れた時、恥ずかしいにも程がある…

「よっ歌姫!」
ボソッっとからかってくるのやめてください

「でもレオン殿下を遠ざけてたのは、死んでしまうかもしれないからなんだよね?
今のイリアーナは本当はどう思ってるの?
レオン殿下の事好きじゃ無いの?」

「イリアーナがレオン様が大好きなのはしっています、でも私はあんなにイリアーナに酷く当たるのに、他の女性とはヘラヘラされていて…最近様子が変な方ですが、あぁいう男性は好きではありません!」


「じゃあもし、イリアーナに優しくて他の女性に見向きもしなかったら?好きになる?」

…そんなこと聞かれても
「そんな事にはならないじゃ無いですか!だから好きになる事ないです!」

「そういえばさ…学園でよくクラウドと居るよね?」

「………お兄様!なんでもその!恋愛に結びつけないでくださいませ!私とクラウドは幼馴染みですよ?それは普通に仲もいいでしょう!?」

「うーん、まぁそうだねぇ…」
もう!本当にヤダ!ちょっと仲良話していたらなぜそうなるの!?
だいたいクラウドにも失礼だわ!


とプンプンしていると、何だかお兄様がそわそわして目が泳いでいる

「ところでイリアーナ…先程言っていた事なんだけど…」

「先程?」

「花の冠とか、家庭教師とか……」

「ああ!書斎のエッチな本とか!」

「言わなくていいから!…………みてたの?」

「そうなりますね」
「その事ロイには…」
「大丈夫です言ってないです」

「…イリアーナ」
「はい」
「ありがとう」
「…いえ」

「でも他にも色々知ってますよ?」
「そうなの!?」
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