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宣言通りに、お昼過ぎにはレオン様は屋敷から立たれた
わざわざ部屋に挨拶に来られて
安静にして早く足を治すように言われたけど…
本当にあの人は、何処かヤバいんじゃないか頭とか大丈夫かな?
何しにこの屋敷に来たんだろう?
無事に何処かへ行ってくれて助かった
これ以上、心を掻き回されるのは、堪ったもんじゃない
その日も自室で大人しくしているだけで、面白くも何ともない
お兄様とロイは殿下が帰られた後から
領地視察に行ってしまい帰ってきたのは夕方だった
「お姉様!お怪我は大丈夫ですか⁉︎」と手にはお花を持っていてイリアーナに渡してきた
「途中で、綺麗なお花畑があって、お姉様にも見せたくなって貰ってきました」
と少し照れながら言うロイにまたホンワカする
「ありがとうロイ!とても可愛くていい香りのするお花だわ嬉しい!今度行く時はロイが案内してね!」
と言うと嬉しそうに頷いてくれた
その後3人でイリアーナの部屋で夕食をとってロイが興奮気味に色々なお土産話を聞かせてくれた
夕食後に、再度部屋にお兄様が訪ねてきた
ソファに座ってマーガレットに入れて貰ったお茶に手をつけると
お兄様は部屋から人払いをした
?
何かなと思っていると
「レオン殿下といてどうだった?」
ぶっ!お茶を噴きそうになる
突然どうしたのお兄様!?
と見上げると至って真剣そうな顔だった
「どうだったとは…どういう事ですか?」
「何か感想あるかなぁと思って…」
「感想……」
「ドキドキしたりしなかった?」
「そっ!それはあんな事になれば、多少はいたしますわ!」
「多少はしたの?」
なっなんなんですの?この尋問は!?
そんなこと聞いてどうするの?
兄妹でそんな話するの!?
「レオン殿下を好意に感じることはなかった?」
ええーーーー!?
そんなこと言われたって!
「そっそもそも!私は人を好きになった事はございませんし、好意がどのようなものか分かりません!」
と慌てて言い切った
言い切ってしまった
「…人を?」
一瞬でお兄様の顔色が変わった
「人を好きになった事ない?」
…これは、言葉を間違えたかも
スッとお兄様が立ち上がり、こちらのソファへやってきた
「イリアーナ、寝込む前の君は、間違いなくレオン殿下の事とても好きだったよね?
好きだからこそ、傷つき、悲しむ姿沢山見てきたよ、私も心配したし、レオン殿下のやり方に腹立ちもしていた。
イリアーナの何が変わったのか、ずっと僕は違和感を覚えて何が違うのか疑問だった、間違いなくイリアーナはレオン殿下に恋をしていた
今まで人を好きになった事は無いという君は一体何者なの?」
その目は、もう優しく妹を見つめる目ではなく、赤の他人を蔑むような冷たい目だった
その目を見てビクッっと恐怖してしまい、青ざめてしまう
その表情を見逃すはずもないアイクお兄様は、イリアーナの手首をギュウと力を込めて握りしめた
「いたっ!」と小さく言うと
「で?君は誰なの?イリアーナはどうした?いつなり変わった?」冷たい声で言われる
あぁ…間違えた
どうしても、言えなかったあの時に、素直に話すべきだったかもしれない
そうすれば、少しは聞き入れてもらえたかも
本当に?あの時言っても、今と何も変わらなかったかもしれない
その不信感しかない目に、どう説明すれば聞き入れてもらえるのか
何か言わなきゃ!余計に怪しまれちゃう!何か、何か言って私!
「…っ」突然訪れた絶望感に、出てきたのは涙だけだった
「そこで泣くのは少しずるいなぁ?君は…自分のした事の罪をわかっているの?」
もう言葉に怒りが含まれていて、そのお兄様に浮かぶ笑みは、般若にしか見えない
「ちがっ!」
「違うんです!」
「何が違うの?イリアーナを早く返してくれる?」更に握る手に力を入れられる
違う!私はイリアーナなの!でも…!
…何が違うんだろう………
以前と性格の変わってしまった、ある意味成り代わっている
戻せと言われても、もう戻れない
どう言えばわかってもらえる?
私の話を聞いてもらえる?
「花の……」
「花の?」
「お花の冠を、お兄様は作ってくれました!でもお花に虫が沢山付いていて、その虫が私の髪の毛に一杯付いて大変な事になりました!」
「うぇ!?」
「お兄様の初恋のお相手は、私の初めての家庭教師の方でしたわ!家庭教師の先生にお逢いしたくてこっそり私の部屋に隠れて入りこんでいたでしょう?」
「ちょ」
「ちょっと!」
「他にも!お父様の書斎の上の方に隠れてあるちょっとエッ」
「ちょっと待ったぁぁぁ!」
「わかった!わかったから!ちょっと待って、それ以上言わないで!」
先程迄とは打って変わって、お兄様の方が顔色が悪い
「なんでそんなこと知ってるの…」と力無げに言って肩を落としている
イリアーナじゃ無いけど、イリアーナだから私
お兄様は少し落ち着きを取り戻してくれたようで、私の話を聞いてくれる気になったみたい
わざわざ部屋に挨拶に来られて
安静にして早く足を治すように言われたけど…
本当にあの人は、何処かヤバいんじゃないか頭とか大丈夫かな?
何しにこの屋敷に来たんだろう?
無事に何処かへ行ってくれて助かった
これ以上、心を掻き回されるのは、堪ったもんじゃない
その日も自室で大人しくしているだけで、面白くも何ともない
お兄様とロイは殿下が帰られた後から
領地視察に行ってしまい帰ってきたのは夕方だった
「お姉様!お怪我は大丈夫ですか⁉︎」と手にはお花を持っていてイリアーナに渡してきた
「途中で、綺麗なお花畑があって、お姉様にも見せたくなって貰ってきました」
と少し照れながら言うロイにまたホンワカする
「ありがとうロイ!とても可愛くていい香りのするお花だわ嬉しい!今度行く時はロイが案内してね!」
と言うと嬉しそうに頷いてくれた
その後3人でイリアーナの部屋で夕食をとってロイが興奮気味に色々なお土産話を聞かせてくれた
夕食後に、再度部屋にお兄様が訪ねてきた
ソファに座ってマーガレットに入れて貰ったお茶に手をつけると
お兄様は部屋から人払いをした
?
何かなと思っていると
「レオン殿下といてどうだった?」
ぶっ!お茶を噴きそうになる
突然どうしたのお兄様!?
と見上げると至って真剣そうな顔だった
「どうだったとは…どういう事ですか?」
「何か感想あるかなぁと思って…」
「感想……」
「ドキドキしたりしなかった?」
「そっ!それはあんな事になれば、多少はいたしますわ!」
「多少はしたの?」
なっなんなんですの?この尋問は!?
そんなこと聞いてどうするの?
兄妹でそんな話するの!?
「レオン殿下を好意に感じることはなかった?」
ええーーーー!?
そんなこと言われたって!
「そっそもそも!私は人を好きになった事はございませんし、好意がどのようなものか分かりません!」
と慌てて言い切った
言い切ってしまった
「…人を?」
一瞬でお兄様の顔色が変わった
「人を好きになった事ない?」
…これは、言葉を間違えたかも
スッとお兄様が立ち上がり、こちらのソファへやってきた
「イリアーナ、寝込む前の君は、間違いなくレオン殿下の事とても好きだったよね?
好きだからこそ、傷つき、悲しむ姿沢山見てきたよ、私も心配したし、レオン殿下のやり方に腹立ちもしていた。
イリアーナの何が変わったのか、ずっと僕は違和感を覚えて何が違うのか疑問だった、間違いなくイリアーナはレオン殿下に恋をしていた
今まで人を好きになった事は無いという君は一体何者なの?」
その目は、もう優しく妹を見つめる目ではなく、赤の他人を蔑むような冷たい目だった
その目を見てビクッっと恐怖してしまい、青ざめてしまう
その表情を見逃すはずもないアイクお兄様は、イリアーナの手首をギュウと力を込めて握りしめた
「いたっ!」と小さく言うと
「で?君は誰なの?イリアーナはどうした?いつなり変わった?」冷たい声で言われる
あぁ…間違えた
どうしても、言えなかったあの時に、素直に話すべきだったかもしれない
そうすれば、少しは聞き入れてもらえたかも
本当に?あの時言っても、今と何も変わらなかったかもしれない
その不信感しかない目に、どう説明すれば聞き入れてもらえるのか
何か言わなきゃ!余計に怪しまれちゃう!何か、何か言って私!
「…っ」突然訪れた絶望感に、出てきたのは涙だけだった
「そこで泣くのは少しずるいなぁ?君は…自分のした事の罪をわかっているの?」
もう言葉に怒りが含まれていて、そのお兄様に浮かぶ笑みは、般若にしか見えない
「ちがっ!」
「違うんです!」
「何が違うの?イリアーナを早く返してくれる?」更に握る手に力を入れられる
違う!私はイリアーナなの!でも…!
…何が違うんだろう………
以前と性格の変わってしまった、ある意味成り代わっている
戻せと言われても、もう戻れない
どう言えばわかってもらえる?
私の話を聞いてもらえる?
「花の……」
「花の?」
「お花の冠を、お兄様は作ってくれました!でもお花に虫が沢山付いていて、その虫が私の髪の毛に一杯付いて大変な事になりました!」
「うぇ!?」
「お兄様の初恋のお相手は、私の初めての家庭教師の方でしたわ!家庭教師の先生にお逢いしたくてこっそり私の部屋に隠れて入りこんでいたでしょう?」
「ちょ」
「ちょっと!」
「他にも!お父様の書斎の上の方に隠れてあるちょっとエッ」
「ちょっと待ったぁぁぁ!」
「わかった!わかったから!ちょっと待って、それ以上言わないで!」
先程迄とは打って変わって、お兄様の方が顔色が悪い
「なんでそんなこと知ってるの…」と力無げに言って肩を落としている
イリアーナじゃ無いけど、イリアーナだから私
お兄様は少し落ち着きを取り戻してくれたようで、私の話を聞いてくれる気になったみたい
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