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「イリアーナ!どうしたんだ!?」
屋敷に戻り手当を受けていると、お兄様がすっ飛んできた
「ごめんなさい、はしゃいで転んでしまって…その時に足を怪我してしまいました」
「痛かったろう?小川から帰りはどうしたの?歩いては痛かったろう?すぐに迎えを出したのに…」
「いえ…あの…それが…殿下が………」
駄目だこれ以上は、恥ずかしくて言えない
何かを察したお兄さま、よく見ると口の端だけ上がっている
「へぇ……」
お兄様まで…いつのまに魂を売られたのですか?
レオン様の事嫌っていたはずでは…
「!!とりあえず少しの間、私は大人しくします!後のおもてなしは、お兄様とロイでなさったら!?」と拗ねてみた
「もっと詳しく聞きたいのに…でもそうだね、足の痛みが引くまで少し安静にはしたほうがいいだろうね、食事はイリアーナ部屋でとったほうがいいだろうし…
食後に外で、夜の星を殿下と見てみるのはどうだい?」
まだこれ以上魂を売るのか?
「今日も、怒られてばかりでしたよ?暫くは怒られるの充分です、と言うより嫌です」
「どうしても?」
「はい、殿下とは相性が悪いといってるではないですか」
「そうか…残念だな…」
諦めてもらえて何よりです
「とりあえず夕食はこちらに用意するね?」
「お兄様…ありがとうございます」
夕食の時間になり、食事がイリアーナの元へと運ばれてきた
カチャカチャとお皿にナイフとフォークが当たる音だけが響く
脳内でお兄様の声で
「誰もイリアーナ1人で…とは言ってないからね」言われている気がする、お兄様の好感度はすでにマイナスに振り切っている
目の前にはイリアーナの部屋で夕食をとるレオン様がいた
私はお兄様の半分は、優しさで出来ていると思っていたけれど違っていたのかもしれない
でも何なんだ?
今までほぼ接触も無かったのに何故突然、休暇先に現れてこんな事になってるのか検討がつかない
シナリオを無視したような行動ばかりとっているからバクでも起きたのかもしれない…
そうなるとこれからの展開もよくわからなくなるなぁ…
元々たいして覚えてないけれど
「あの…先程はありがとうございました」
お礼はちゃんと言っておこうと口に出す
「あぁ、怪我が軽く済んで何よりだ」
相変わらず目が合うことはないけれど、意外と普通な返事が返ってきた
やっぱり何処か頭でもうったんだろうか…
私に変化が起きてからの殿下の行動は、何処か以前と違っていてどうしたものか戸惑う
「…明日の昼頃にここを立つ」
「さようですか、何かご入用のものはございますか?」
「……少しは名残惜しくは思わんのか」
ボソボソと全く聞き取れなかった
「今何か言われましたか?」キョトンとした顔をして聞き直したらむっすっとした顔をして「何でもない」と言われた
まぁ何でもないならいいか
食事も終わりデザートが出されていた頃イリアーナの部屋の窓の外から光の筋が見えた
ん?と思ってよく見たら
次々と光の筋が空から走る
「すごい!流星群だわ!」いつも見れる光景ではないので見に行こうと立ち上がると
「歩き回っては、また悪くするぞ」
と注意された、でもやっぱり見たい
せめてバルコニーからでも見ようと歩こうとすると
突然フワッとまたもや抱き抱えられてしまった
1日に2度も経験すると思っていなかったので抵抗する
「降ろしてください!バルコニーまでなら歩けますから!」
と足をばたつかせると
「うるさい!すぐそこだろうが!」
と言われてバルコニーまで連れて行かれた
恥ずかしかったけれど、次々と空から流れる星を見てそれどころじゃなくなった
「凄いわ!とても綺麗!」大興奮で目をキラキラさせてその光景を眺めていたら視線を感じたので、フッとレオン様を見ると目を細めて微笑まれていた
……目線があってしまい途端に気まずくなる
「お心遣いありがとうございます…綺麗で感動いたしたしました、もう充分ですので…」
と部屋に戻って降ろしてもらうようにお願いしてみた
お昼に見た笑顔より、更にきらめいていた微笑みに、イリアーナは動悸が激しくなりすぎて耐えられそうにない、もう無理
突然ギュッっと、レオン様の腕に力が入って更にビックリして、目が回りかける
何なのもう降ろして欲しいのに!
「前のままにしてくれてたら良かったのに…」突然上から降ってきた言葉に、意味がわからず
「前のままとは?」聞き返すと「何でもない」と返されて
やっと部屋に戻って降ろしてくれた
「そろそろ私も部屋に戻る、安静にな」
とだけ言い残して去って行かれた
寝る準備を整えて、布団に入って考える
ゆっくりできると思って、ここに来たのに朝から目まぐるしかったわ
足の痛みも治るまで、お兄様やロイとも遊べない
今日はひたすら恥ずかしい想いばかりした気がする、今日は災難だわ
…でも流星群見れたしと思っていると、一緒にレオン様の微笑みを思い出してしまい
じたばた悶えてしまう
屋敷に戻り手当を受けていると、お兄様がすっ飛んできた
「ごめんなさい、はしゃいで転んでしまって…その時に足を怪我してしまいました」
「痛かったろう?小川から帰りはどうしたの?歩いては痛かったろう?すぐに迎えを出したのに…」
「いえ…あの…それが…殿下が………」
駄目だこれ以上は、恥ずかしくて言えない
何かを察したお兄さま、よく見ると口の端だけ上がっている
「へぇ……」
お兄様まで…いつのまに魂を売られたのですか?
レオン様の事嫌っていたはずでは…
「!!とりあえず少しの間、私は大人しくします!後のおもてなしは、お兄様とロイでなさったら!?」と拗ねてみた
「もっと詳しく聞きたいのに…でもそうだね、足の痛みが引くまで少し安静にはしたほうがいいだろうね、食事はイリアーナ部屋でとったほうがいいだろうし…
食後に外で、夜の星を殿下と見てみるのはどうだい?」
まだこれ以上魂を売るのか?
「今日も、怒られてばかりでしたよ?暫くは怒られるの充分です、と言うより嫌です」
「どうしても?」
「はい、殿下とは相性が悪いといってるではないですか」
「そうか…残念だな…」
諦めてもらえて何よりです
「とりあえず夕食はこちらに用意するね?」
「お兄様…ありがとうございます」
夕食の時間になり、食事がイリアーナの元へと運ばれてきた
カチャカチャとお皿にナイフとフォークが当たる音だけが響く
脳内でお兄様の声で
「誰もイリアーナ1人で…とは言ってないからね」言われている気がする、お兄様の好感度はすでにマイナスに振り切っている
目の前にはイリアーナの部屋で夕食をとるレオン様がいた
私はお兄様の半分は、優しさで出来ていると思っていたけれど違っていたのかもしれない
でも何なんだ?
今までほぼ接触も無かったのに何故突然、休暇先に現れてこんな事になってるのか検討がつかない
シナリオを無視したような行動ばかりとっているからバクでも起きたのかもしれない…
そうなるとこれからの展開もよくわからなくなるなぁ…
元々たいして覚えてないけれど
「あの…先程はありがとうございました」
お礼はちゃんと言っておこうと口に出す
「あぁ、怪我が軽く済んで何よりだ」
相変わらず目が合うことはないけれど、意外と普通な返事が返ってきた
やっぱり何処か頭でもうったんだろうか…
私に変化が起きてからの殿下の行動は、何処か以前と違っていてどうしたものか戸惑う
「…明日の昼頃にここを立つ」
「さようですか、何かご入用のものはございますか?」
「……少しは名残惜しくは思わんのか」
ボソボソと全く聞き取れなかった
「今何か言われましたか?」キョトンとした顔をして聞き直したらむっすっとした顔をして「何でもない」と言われた
まぁ何でもないならいいか
食事も終わりデザートが出されていた頃イリアーナの部屋の窓の外から光の筋が見えた
ん?と思ってよく見たら
次々と光の筋が空から走る
「すごい!流星群だわ!」いつも見れる光景ではないので見に行こうと立ち上がると
「歩き回っては、また悪くするぞ」
と注意された、でもやっぱり見たい
せめてバルコニーからでも見ようと歩こうとすると
突然フワッとまたもや抱き抱えられてしまった
1日に2度も経験すると思っていなかったので抵抗する
「降ろしてください!バルコニーまでなら歩けますから!」
と足をばたつかせると
「うるさい!すぐそこだろうが!」
と言われてバルコニーまで連れて行かれた
恥ずかしかったけれど、次々と空から流れる星を見てそれどころじゃなくなった
「凄いわ!とても綺麗!」大興奮で目をキラキラさせてその光景を眺めていたら視線を感じたので、フッとレオン様を見ると目を細めて微笑まれていた
……目線があってしまい途端に気まずくなる
「お心遣いありがとうございます…綺麗で感動いたしたしました、もう充分ですので…」
と部屋に戻って降ろしてもらうようにお願いしてみた
お昼に見た笑顔より、更にきらめいていた微笑みに、イリアーナは動悸が激しくなりすぎて耐えられそうにない、もう無理
突然ギュッっと、レオン様の腕に力が入って更にビックリして、目が回りかける
何なのもう降ろして欲しいのに!
「前のままにしてくれてたら良かったのに…」突然上から降ってきた言葉に、意味がわからず
「前のままとは?」聞き返すと「何でもない」と返されて
やっと部屋に戻って降ろしてくれた
「そろそろ私も部屋に戻る、安静にな」
とだけ言い残して去って行かれた
寝る準備を整えて、布団に入って考える
ゆっくりできると思って、ここに来たのに朝から目まぐるしかったわ
足の痛みも治るまで、お兄様やロイとも遊べない
今日はひたすら恥ずかしい想いばかりした気がする、今日は災難だわ
…でも流星群見れたしと思っていると、一緒にレオン様の微笑みを思い出してしまい
じたばた悶えてしまう
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