転生後モブ令嬢になりました、もう一度やり直したいです

月兎

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夏なので涼しく見える薄い水色のワンピース
髪も可愛らしく編み込んだハーフツインにされていた

…この顔でこの格好…大丈夫かしら?
似合ってないんじゃないかしら?

と心配になったけど、相手はまぁレオン様だし別にいいか

「イリアーナ様素敵ですわ!これでレオン殿下もお喜びになられますわよ!」
と大絶賛して見送ってくれた

主人の憂鬱な心も知らずに…


とりあえずレオン様のいる応接室へとむかった
部屋にはレオン殿下と護衛の方々とアイクお兄様がいた

「おはようイリアーナ」とお兄様が声を掛けた
「おはようございますお兄様…レオン殿下もおはようございます」

と伝えると
「ぁあ…おはよう」と言われた
用事があるのは、お兄様にじゃない?私居ない方が…
と思っているとお兄様から

「イリアーナこちらに座って、それでは殿下失礼いたします」
と言ってお兄様は立ち上がる

いやーーーーーーーー!
行かないでぇぇ!
と心の中で地団駄踏んでみるも、お兄様は含みのあるにっこり笑顔でこちらを見て部屋から出て行ってしまった


「イリアーナ座らないのか?」
仕方ないのでお兄様がさっきまで座っていた場所に座る

「突然訪ねてすまない」

本当だよ、突然現れすぎだよ
今日…お兄様とロイと…色々!楽しみにしてたのに!

「イエ…でもどうされたのですか?何か急用でも?」

と聞いてみると
「いや、そう言うわけでは…ただ昨日領地に休養に戻ると言う話を聞いて、近くを通る予定だったので寄った」

「何処かへ向かわれる途中でしたのね、この後すぐ立たれるのですか?」
是非そうして欲しい

「アイザックと話していたが、今日と明日2日ほどこちらでお世話になる」

お兄様!!なぜそんな事を!!
今イリアーナの中のお兄様好感度が一気に下がりました

「そぅ…ですか、ではお疲れでしょうし今日はお休みになられたらかいかがですか?」
そのまま2日間ずっと寝てくれてていいよ?

「先程、アイザックから勧められた場所があってな、イリアーナが案内すると言っていたぞ」

ハイ、お兄様それは無いわ
お兄様はロイと2人で楽しむのね…
酷すぎる…

「そうですか、どこの場所でしょう?」

「澄んで綺麗な小川があるから、そこでピクニックでもして身体を休めたらいいと言っていた」

小川か…あぁ、ロイと行ってお魚釣りとかしながら遊びたかったな…
キャッハウフフして楽しめたのに…

小川は敷地内にあるので、少し遠いいけれど歩いていける
サクサク無言で歩く

少し離れた先に護衛の方とピクニックの用意の為侍女もいる
なんならあちらに混ざりたい

「…今年はなぜ領地に?」
突然レオン様から話しかけられて少しビックリしてつい
「えっ?」と言ってしまった

「王都で過ごすことが多かったろう」
と言ってフィッと顔を逸らしてしまわれた

「気分転換です」

「そうか…」
会話の続かないのどうすればいいんだろう?
レオン様と言えばチャラくて良く話すような感じのイメージが強いのにな…
私に、話を盛り上げられるスキルあるかしら?と思いながらもあまりの沈黙に耐えられずに話しかけてみることにした

「殿下こそ何処へ向かわれるご予定なのです
か?」

「何処へ…」
何かレオン様の目が泳いでいる

「もしかして、言えないような事ですかね?それなら申し訳ございません」
察するに触れないでいた方がいいのだろう
お華の所にでも向かわれる途中なのかしら?

目的の小川についた
小川の少し離れた所に、屋根付きのテーブルが設置されているためそこで侍女達がセッティングをしてくれていた
作業が終わったようで案内しでくれた後少し離れた所に待機している

小川を眺めながら、珍しく少しリラックスした顔をしたレオン様が
「風が気持ち良いな」
と言ってきた

「さようで御座いますね、お先に軽食とられますか?」
朝食を済ませていなかったようなので、ブランチにする事にして用意をして貰っていた

「そうだな、いただこう」
…この前も思ったけれど何だかんだ言っても王子よね…食事の所作がとても綺麗だわ
イリアーナも食事を済ませていなかったので、一緒に一緒に食べる事にした

空気も良く、景色もいい、領地で朝一で採れたフレッシュなお野菜や卵が使われているサンドイッチなど、とても美味しくて食も進む

美味しそうに食べ進めるイリアーナを見て
フッとレオン様が笑った

!!
笑われた事に気付いて、恥ずかしくて顔が真っ赤になってしまう上に、心臓が突然バクバク言いはじめる
レオン様がイリアーナに笑い掛けたのはいつぶりか
もう分からないくらい昔の話で、その微笑みは破壊力抜群だった

ヤダー何これ!
顔の火照りだけでもどうにかしたくて手で冷やそうと両手を両頬に当ててみるのにどうにもならない
過去1度も経験したことのない動悸と火照りに襲われてパニックになった
小川の方に目線をやり

「あ!今お魚が跳ねましたわ!少し見て参ります!」
と言って誤魔化してその場を離れようと、小川の方に急いで向かった

「おい!そんなに急いでは危ないぞ!」
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