15 / 49
15
しおりを挟むまとも?にレオン様とこんなに会話したのいつぶりかしら?
きっとこれまでの数年分は会話したわね
お昼を終えて、教室に戻ると騒ついてたのが途端に静かになって、生温い妙な視線で見られている気がする空気の中
とても楽しそうな顔をして近づいてくる人が居る
「で?どうだった?」
もうニヤニヤ笑が全く隠せていないよ?クラウド…
「もぅ辞めてよ、そうやって話のネタにして遊ぼうとするの」
と少し膨れてみる
「イヤだってこんな気になって面白そうな事中々ないよ?
昨日約束してるお友達になってあげたんだぞ!忘れたのか?レオン殿下に睨まれて怖かったわー!」
と絶対本当はなんとも思ってないくせに言ってくる
「他人事だと思って…そうやって面白がるんだから、こんな所で話せるわけないでしょ?」
周り見てみてよ!皆んなそれぞれお喋りしたり、次の授業の用意してるけど、何があったのか知りたくて耳がこっちに集中してるわよ?
今日朝のマーガレットから始まって、皆んなそんな感じなんだもん!何だか凄く居た堪れないわ!
「まぁ、そっか!でもあんなにイリアーナ相手に、必死になってる姿今まで見たことないんだからそりゃちょっと気になるじゃん」
ん、まぁその気持ちもわからなくない…
「今日帰りに寄り道してかえろーぜ!それならいいだろ?」
人の好奇心は恐ろしいわねー!
でもね
「ごめんねー!今日は家に帰ってからアイクお兄様とロイとお茶会する予定なの、ごめんなさいねぇー!」
ふふーん♪と得意げな顔して伝えると
途端にクラウドの顔が、つまらなさそうな顔になった
「それより、もう授業始まるわ用意しましょ」
とその場を終わらせた。
授業を受けているものイリアーナは、教室の窓から見える青空の中、風に流れながら形を変える雲眺めつつ上の空だった
レオン様には、二度とその話はするなと言われてしまったので、どうしようか考えていた
とりあえず、レオン様以外の人に婚約の解消の方向で何とかならないか、相談してみる事も考えておく
レオン様に話さなきゃいい
でも婚約を無かったことにしたからって、シナリオから外れるかもわからないなぁ
出来るだけ色々対策した方がいいわけよねー
うーん…
悩んでるうちに授業は終わってしまった
帰ればアイクお兄様とロイ様とお茶会が待っている、いそいそと帰り支度を始めた
校門をあと少しで出るところで
「イリアーナ!」とお兄様の声がした
「アイクお兄様!」と振り返ると
アイクお兄様と、その隣にはオスカー殿下がいた
転生前このゲームの中で1番やり込んでいたのがオスカー殿下のルート因みに、次点ではエドワードルート
お兄様もイケメンだし、もちろん攻略対象者であるレオン様も凄い
が、もうオスカー様に至っては、後光が眩しく見えてしまう
あぁ…キラキラ…
心の中で、その尊さに拝んでしまう
「久しぶりだな!イリアーナ!」
何と、またその笑顔の眩しい事、しかも名前まで読んでもらえた事にイリアーナは少し顔を赤らめる
「オスカー殿下お久しぶりです」
「休んでいたと聞いて心配していたが、元気そうで良かったよ」
とニコニコ言ってもらってこれはまたホッコリ
「ご心配をおかけいたしました、もうすっかり元気ですわ」
と返すと
「その様だね、昨日からこちらにまで色々話が回ってきているよ」とまた更に笑顔で言われた
…………こちらにまで、色々……とは?
とビシッと固まってしまっていたイリアーナに、お兄様が力の無い苦笑いで話しかける
「昨日のレオン殿下の様子と、今日のランチの事がね…こちらの学年でも…」
oh…
一体なんて広がっているのか、聞きたいような、聞きたくない様な…
「さようでございますか、お休み中お見舞いのお話をいただいてたのですが、お断りさせて頂いてたので、お見舞いの品のお礼とお休みしていた間のお話しさせてもらっただけですのよ?」
と困った表情をして
伝わっても問題無いありきたりな会話部分だけ切り取って伝える
オスカー殿下がいる為、周りの注目を浴びている今だからこそ、少し大きめの声で…
「そうなのかい?いつも君にはレオンが迷惑をかけてしまっていて…」
と普段のレオン様の素行に思う事があるのか、オスカー様はすままなそうな顔をしていた
オスカー様も大変だな…
一応兄弟ではあるが、攻略対象者でもある
3人の王子は母親が皆んなそれぞれ違う
オスカー様は正妃様との間の子
ハミルトン様とレオン様は別々の側室との子でしかも同じ歳に産まれている
国王陛下はおさかんだな…
母親は違えど兄弟は、小さい頃はとても仲が良かった
が気づいた頃には、遊ぶ何処ろか、ほとんど会話する姿をみなくなっていた
複雑なんだな、きっと色々
「そのような…オスカー殿下がお気になさる事ではございませんわ」
「それは…そうかもしれないけど、それでも何かできる事が、あればいつでも伝えて欲しい」
「お心遣いありがとうございます」
なんと…こんなモブにまで優しい…
「さぁ、ロイも待っているだろうからそろそろ帰ろう、オスカー様こちらで失礼させていただきます」
「あぁではまた明日、イリアーナも」
「はい、オスカー殿下、お先に失礼いたします、ご機嫌よう」
「あぁ」
オスカー様は笑顔で手を振ってくれた
背後に薔薇の花が見える気がする…
0
お気に入りに追加
3,868
あなたにおすすめの小説

このやってられない世界で
みなせ
ファンタジー
筋肉馬鹿にビンタをくらって、前世を思い出した。
悪役令嬢・キーラになったらしいけど、
そのフラグは初っ端に折れてしまった。
主人公のヒロインをそっちのけの、
よく分からなくなった乙女ゲームの世界で、
王子様に捕まってしまったキーラは
楽しく生き残ることができるのか。
皇帝の番~2度目の人生謳歌します!~
saku
恋愛
竜人族が治める国で、生まれたルミエールは前世の記憶を持っていた。
前世では、一国の姫として生まれた。両親に愛されずに育った。
国が戦で負けた後、敵だった竜人に自分の番だと言われ。遠く離れたこの国へと連れてこられ、婚約したのだ……。
自分に優しく接してくれる婚約者を、直ぐに大好きになった。その婚約者は、竜人族が治めている帝国の皇帝だった。
幸せな日々が続くと思っていたある日、婚約者である皇帝と一人の令嬢との密会を噂で知ってしまい、裏切られた悲しさでどんどんと痩せ細り死んでしまった……。
自分が死んでしまった後、婚約者である皇帝は何十年もの間深い眠りについていると知った。
前世の記憶を持っているルミエールが、皇帝が眠っている王都に足を踏み入れた時、止まっていた歯車が動き出す……。
※小説家になろう様でも公開しています

皇太子夫妻の歪んだ結婚
夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。
その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。
本編完結してます。
番外編を更新中です。

取り巻き令嬢Aは覚醒いたしましたので
モンドール
恋愛
揶揄うような微笑みで少女を見つめる貴公子。それに向き合うのは、可憐さの中に少々気の強さを秘めた美少女。
貴公子の周りに集う取り巻きの令嬢たち。
──まるでロマンス小説のワンシーンのようだわ。
……え、もしかして、わたくしはかませ犬にもなれない取り巻き!?
公爵令嬢アリシアは、初恋の人の取り巻きA卒業を決意した。
(『小説家になろう』にも同一名義で投稿しています。)
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。

前世と今世の幸せ
夕香里
恋愛
【商業化予定のため、時期未定ですが引き下げ予定があります。詳しくは近況ボードをご確認ください】
幼い頃から皇帝アルバートの「皇后」になるために妃教育を受けてきたリーティア。
しかし聖女が発見されたことでリーティアは皇后ではなく、皇妃として皇帝に嫁ぐ。
皇帝は皇妃を冷遇し、皇后を愛した。
そのうちにリーティアは病でこの世を去ってしまう。
この世を去った後に訳あってもう一度同じ人生を繰り返すことになった彼女は思う。
「今世は幸せになりたい」と
※小説家になろう様にも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる