転生後モブ令嬢になりました、もう一度やり直したいです

月兎

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3人で馬車に乗り初等部、中等部、高等部とそれぞれ学園の建物は分かれているので、ロイは初等部、イリアーナとアイクは高等部、それぞれの門の前でおろしてもらう


馬車の中では3人で会話を楽しんでいた分、門の前に降りた時から、ドキドキが止まら
ない

アイクの手を借り馬車から降りると周りの生徒から騒めきが起きた

以前からイリアーナは注目されている生徒ではあったけれど、今日は今までよりさらに視線をかんじる、少し居心地の悪さを感じながらも、気を取りなおし、勇気を出して門をくぐった

「ここからイリアーナ1人で大丈夫か?もし少しでも体調が悪くなるならすぐに知らせろ、それから、保健室に向かうんだぞ?座学は良いとして…体を動かす事はまだ辞めておけよ?」

アイクお兄様が、まるでお母様の様な小言を…

でも転生前兄弟のいなかった自分にとって凄く嬉しい

「はい、お兄様体調には充分気をつけますわ」とふわっと微笑むと
周りの生徒の顔が男女問わず赤らんでいる

???

「……イリアーナ、その、何とも言いにくいのだが、笑顔の破壊力が凄いのでそういう顔は家にいる時だけにしなさい…」

……oh

そういえばイリアーナって、クールな感じで澄ましてて、いっつもレオンに怒ってる所しか知らないや

笑顔は、破壊力がすごいのねなるほど

「そうなのですね、難しいですわね…努力いたします」

転生前は接客業をやってただけに、無条件に人前では愛想笑いなってしまうかもなぁ…
気をつけよう…

イリアーナはこの時自分が、メイクを変えていた事も忘れていたし、今迄と違う見た目の為
どこの令嬢か?あの馬車は、ガブリエラ公爵のものでは無いのか?
と騒がれていて
様子の違うイリアーナとその微笑みに、周りの生徒が心を持っていかれた事に気づいてはいなかった

そしてそんな、ボケボケの隙がありすぎる様子にアイクは更に心配が増した

さて、これからクラスに向かうイリアーナは努力の塊なので、Sクラス、優秀な生徒十数名しか在籍できないクラスに在籍している

レオン王子は…
国の王子である特権…
も手伝ってSクラス…に入れればよかったものの
残念ながら学園の方針に基づきそんなこともなくAクラスに在籍している
……Aクラスのトップだしそれでも凄いからね?

女遊びをやめて、真面目に励めばすぐにSクラスに上がれる位の能力はあるけど、それを辞めるわけにはいかないらしい

それがまたイリアーナをヤキモキとさせていたし、レオンはそんな口煩く纏わり付くイリアーナが嫌だったんだろう

クラスが違ってよかった、今後どうするのかとか何も考えてはいないけれど、とりあえず私から構いにいかなきゃいいだけだ
その間に色々考えよう

普段より人の視線を感じながら、教室に向かって歩いていると、後ろから急ぎ足で歩く足音が聞こえてきたと思った瞬間
右腕をガシっと掴まれた

「きゃっ!」突然の事にビックリしたイリアーナ
転生前の突然襲われた記憶もあり、恐怖を感じてしまって怯えた表情で、腕を掴んだ相手の顔を見る

「殿下…」

えー…
朝から会うとか無いわ… 
とか思っていると

レオンはイリアーナの顔を見て驚く
「ちょ!待て!イリアーナそれで学園に来たのか!?」

煩いな、何であった早々に、顔面に文句つけられにゃいかんのだ
どんな顔だろうが他人の顔にケチつけるだなんて本当失礼な人だわ…
垂れ目上等だわ!!

と思ってしまって、つい不快そうに、目を細めてしまう

「何か問題がございまして?」


「…イヤ、問題しかなかろう…」

ボソボソ何言ってるのか聞こえないんですけど

「そろそろ、離して頂いてよろしいですか?授業の準備もございますので、失礼しても?」

とちょっとびびってしまった手前涙目になってはいたももの、淑女として毅然とした態度で、レオンに手を離してもらえるよう伝えることが出来た…自分を褒めたい…

レオンの目が泳いでいる…なんだ?と思っていたら
「あぁ、すまない」とパッと手を離したので
礼をとって失礼しようとする

「体調は大丈夫なのか?見舞を断られたので心配していたんだ」

「それはお気遣いありがとうございます、もう大丈夫です、お見舞いの品もありがとうございました、それでは失礼いたします」

イリアーナを心配する事もあるのかとちょっと感心しつつも、早く退散したい気持ちも強くてちょっと適当になる
まぁいいか、相手も相手だし

とそのままレオンを、放って教室に向かう

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