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「えっ?」
突然、脳内へ大量に流れ込む記憶に追いつけない
脳内も
…………心も
突然溢れて止まらなくなった涙に困惑して
顔に触れた指が、掬い上げた涙にイリアーナは戸惑う
「なっ!なんだ突然⁉︎さっきまで怒って説教していたのに!次は泣き落としか?」
「えっ?」
と声に驚き見ると、目の前には突然泣いたイリアーナに戸惑いながらも、苛立ちを隠せないレオンがいた
どぅ……して?
どうなっているの?
私は何故…今ここにいるの?
「申し訳ございません…少し気分がすぐれないようです…本日は失礼いたします」
パニックになりながらも、とりあえず自宅に帰ろうと慌てて礼をとってその場を去ろうとした
身体がふらついてしまった所をレオンがサッと手で支える
「っ!本当に何なんだ⁉︎突然!おかしいぞ?
…………一応…これでも婚約者だ、送る…」
慌ててレオンから離れて少し距離をとって
少し身構えてしまう
「いぇ…殿下に送っていただくほどのことではございません…それに殿下に送っていただくと家のものが大事にしてしまいますわ…」
「いゃ…それだけ顔色が悪ければ大事だろう…」
「本当に!…大丈夫です、お心遣い感謝いたします…それでは失礼いたします」
今度こそしっかり礼を取りその場を後にできた
「………なんだったんだ?今までどんな女性と一緒にいても泣きはしなかったのに…」
去るイリアーナの後ろ姿を困惑した表情で見送った
自分の部屋に戻り顔色が悪いのを侍女達に心配されるも
少しでも早く一人になりたかったイリアーナは
今日は少しゆっくり休ませて欲しいと告げ
侍女達を下げさせた
1人になったイリアーナは、抑えていたどうすればいいか分からない感情を、全て吐き出すように泣いた
全部………全部思い出した
私は以前違う世界で産まれ、育ち、生活をして、突然襲われ殺された
犯人はバイト先にたまに食事に来ていた
レジで会計してお釣りを渡す時
必ず両手で私の手を握りしめてきて、気持ち悪いなと思っていた相手だった
そして
この世界の事も…
目の前にいたレオン…びっくりした
ゲームのキャラクターで見たことある人がそこにいるんだもん…
そしたらイリアーナとして生きてきた記憶も全部入ってきて……
家族に沢山愛されて、大切にされて
初めて会った時からレオンに一目惚れして…イリアーナはレオンと仲良くしたくて、振り向いて欲しくて、自分を見て欲しいのに
小さい時はそれなりに仲が良かったのに、いつからかレオンは冷たくなって…
それでもレオンと話したくて母のお茶会についていって、邪険にされて…
嫌われてるのに、他家とのバランス、私の持つ魔力などによってほとんど無理矢理結んだようなもの
レオンに好かれてないってわかっていて、望まれていないことが苦しくて、でもそれでも嬉しくて…
婚約者として立派な淑女になろうと、一生懸命勉強やお稽古を頑張った
でも…
気づいたらレオンは他の女性とばかり仲良く話て時間を過ごして、私の事は目も合わせてくれなくて…
イリアーナは沢山傷つき悲しんでいた
好きなのに報われない気持ちに…
そして…ここから先は未来に起こる事で…
私はイベントの最中に死ぬんだ…
大好きなレオンを救いたくて…
悲しみや、切なさで胸が潰れそうになる
イリアーナとしての記憶と、転生前の楽しかった事、嬉しかった事、悲しかった事、切ない感情、襲われ…殺される恐怖、母への後悔
転生するまえの母…
お母さん…ごめんなさい
馬鹿ばっかりで、ろくに親孝行もしなかった上に、親より先に死ぬなんて、本当に救い用のない馬鹿だ
あんな形で最後になるなんて思ってなかった…
ごめんなさい…ごめんなさい……
お母さんにもう一度会いたい…
突然、脳内へ大量に流れ込む記憶に追いつけない
脳内も
…………心も
突然溢れて止まらなくなった涙に困惑して
顔に触れた指が、掬い上げた涙にイリアーナは戸惑う
「なっ!なんだ突然⁉︎さっきまで怒って説教していたのに!次は泣き落としか?」
「えっ?」
と声に驚き見ると、目の前には突然泣いたイリアーナに戸惑いながらも、苛立ちを隠せないレオンがいた
どぅ……して?
どうなっているの?
私は何故…今ここにいるの?
「申し訳ございません…少し気分がすぐれないようです…本日は失礼いたします」
パニックになりながらも、とりあえず自宅に帰ろうと慌てて礼をとってその場を去ろうとした
身体がふらついてしまった所をレオンがサッと手で支える
「っ!本当に何なんだ⁉︎突然!おかしいぞ?
…………一応…これでも婚約者だ、送る…」
慌ててレオンから離れて少し距離をとって
少し身構えてしまう
「いぇ…殿下に送っていただくほどのことではございません…それに殿下に送っていただくと家のものが大事にしてしまいますわ…」
「いゃ…それだけ顔色が悪ければ大事だろう…」
「本当に!…大丈夫です、お心遣い感謝いたします…それでは失礼いたします」
今度こそしっかり礼を取りその場を後にできた
「………なんだったんだ?今までどんな女性と一緒にいても泣きはしなかったのに…」
去るイリアーナの後ろ姿を困惑した表情で見送った
自分の部屋に戻り顔色が悪いのを侍女達に心配されるも
少しでも早く一人になりたかったイリアーナは
今日は少しゆっくり休ませて欲しいと告げ
侍女達を下げさせた
1人になったイリアーナは、抑えていたどうすればいいか分からない感情を、全て吐き出すように泣いた
全部………全部思い出した
私は以前違う世界で産まれ、育ち、生活をして、突然襲われ殺された
犯人はバイト先にたまに食事に来ていた
レジで会計してお釣りを渡す時
必ず両手で私の手を握りしめてきて、気持ち悪いなと思っていた相手だった
そして
この世界の事も…
目の前にいたレオン…びっくりした
ゲームのキャラクターで見たことある人がそこにいるんだもん…
そしたらイリアーナとして生きてきた記憶も全部入ってきて……
家族に沢山愛されて、大切にされて
初めて会った時からレオンに一目惚れして…イリアーナはレオンと仲良くしたくて、振り向いて欲しくて、自分を見て欲しいのに
小さい時はそれなりに仲が良かったのに、いつからかレオンは冷たくなって…
それでもレオンと話したくて母のお茶会についていって、邪険にされて…
嫌われてるのに、他家とのバランス、私の持つ魔力などによってほとんど無理矢理結んだようなもの
レオンに好かれてないってわかっていて、望まれていないことが苦しくて、でもそれでも嬉しくて…
婚約者として立派な淑女になろうと、一生懸命勉強やお稽古を頑張った
でも…
気づいたらレオンは他の女性とばかり仲良く話て時間を過ごして、私の事は目も合わせてくれなくて…
イリアーナは沢山傷つき悲しんでいた
好きなのに報われない気持ちに…
そして…ここから先は未来に起こる事で…
私はイベントの最中に死ぬんだ…
大好きなレオンを救いたくて…
悲しみや、切なさで胸が潰れそうになる
イリアーナとしての記憶と、転生前の楽しかった事、嬉しかった事、悲しかった事、切ない感情、襲われ…殺される恐怖、母への後悔
転生するまえの母…
お母さん…ごめんなさい
馬鹿ばっかりで、ろくに親孝行もしなかった上に、親より先に死ぬなんて、本当に救い用のない馬鹿だ
あんな形で最後になるなんて思ってなかった…
ごめんなさい…ごめんなさい……
お母さんにもう一度会いたい…
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