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ルミエルとローラント
35・お父様とお話し
しおりを挟む「では、ゆっくり歩いてローラント様のところまで行ってください。」
「はい。」
う、緊張するよ~…どうしよう。転けないかな?化粧崩れてない?表情筋生きてる?
「エル、そう緊張するな。大丈夫だから。」
「う、はい。」
そうは言われても…。
「君に聞きたかったことがあるんだ。」
君に?エルってさっきまで言ってたのにどうしたんだろ?
「君はルミエルではないね。」
「っ!!…はい。」
「いつから?」
「婚約破棄された直後です。」
「君には…よく現状が理解出来なかっただろう。」
「えぇ…まぁ。」
「元々、君たちの結婚は不可能だったんだ。ローラントとの契約だからね。でも、公爵令嬢が魔族と結婚というのは体裁が悪い。魔族を侮辱しているわけではない。ただ、異種族だからね。それだけだ。そしたら王が、婚約破棄すれば自由になれるのでは?と言ってくれてね。」
「それで婚約だけ。」
「そうだ。」
王太子殿下…ただのコマ扱いじゃん。あ、一応今バージンロード歩いてるから。かなりゆっくり。そして遠いね。日本のバージンロードの5倍はあるよ。
「それで、話は戻るが…君は誰だい?」
「小宮鈴華です。鈴華が名前で、苗字が小宮。異世界人です。」
「そうか。ルミエルは…もう居ないのかな?」
「はい。彼女は…いろいろ誤解したまま死んでしまったようです。」
「そうか。………鈴華さん。いや、エル、君は私の可愛い娘だ。何かあればいつでも帰ってきなさい。」
やっぱりいいお父様だ。他人と分かっても、娘と言う。ありがとう。
「ありがとう。」
「さ、もう直ぐ着くよ。ローラントと幸せにな。」
「はい。」
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