公爵令嬢は乙女に憧れる。

ハル

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1、私は公爵令嬢になったらしい。

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「…うん。ここどこよ。」




さて、私は今、どこにいるのでしょうか3、2、1…こっこでーす!ここ、ここ。
正解は、どこかわからないけど豪華な部屋のベットの上でした!
だからどこだよーーーー!


ガチャッ
「失礼します。…お、お嬢様!目が覚めたのですね!」

お嬢様??
どこにいるんだろう!見てみたいな!

「お嬢様?いかがなさいましたか?」

あの人…私見ながら言ってる?

「あ、あのぉ…私、お嬢様?」
「え?あ、はい。左様でございますが?」
「(マジか。)あ、そう。」()はボソッと言ってる感じです。
「ま、まさか…旦那様ー!奥様ー!大変でございますーーーー!」
「お、おう。元気な人だなぁ。」

さて、私は気付いた。体が私じゃないことに!だって前より小さくて、お肌すべすべ。色白で、髪がプラチナ。どう考えても私じゃない。

ありえないことが多すぎてボーっと現実逃避をして20分くらいしたら人がいっぱい。最初に会った元気な人もだけどなんか見たことある…?
あぁ。あー。うん。この子の記憶かな?うん。もう、いつも私は天真爛漫とか言われるけどさ、ここまであり得ないことが続くと流石に冷静になる。冷静になるのはやれば出来るのだ。えっへん。

「リューリア、私が誰か分かるかい?記憶喪失と聞いたんだが…。」

…えーっと、…………あぁ、多分父親だ。で、お父様って呼んでたはず。

「お父様…?」
「あぁ、そうだよ。」
「私はわかるかしら?」

この流れ的にお母様だな。

「お母様ですよね?」
「えぇ、そうよ。あなたの歳は分かるかしら?」
「26歳です。」
シーーーーン…

あ、間違えた。これは前世の歳だわ。

「あ、えへ、間違えました…えーっと…6歳ですよね。うん。」

誤魔化せるのかこれ。

「…そうよ?びっくりしたわ。26歳なんて…まだまだ先じゃない。おませさん。」
「いやいやいや、セルイノ…どうやったら26歳と間違うと思うんだ。リューリア、どうして間違ったのかな?」
「え、あ、あぅ。お茶目な冗談ですわ、ははは。」
「それに、所々おかしな所があるよ。今まではははと笑う事などなかった。どうしたんだい?」

前世の記憶持ちでーす。


………言えるかーーーーーー!



「父上、リューリアが前世の記憶持ちでーすって言ってるよ。」
「………え、お兄様…私の心の声よめるの?」
「知ってるはずでしょ?なんで忘れたの。」

いや、だからって普通人の心よむ?

「だって話そうとしないから…久々に人の心よんだよ。」
「許可を取るのが普通だと思いますが?」
「…それはごめん。」

はぁ、とりあえず公爵家の令嬢になったみたいです。皆さまよろしくお願いしますね。
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