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第一章 出逢い
1-12 父と娘、そして妖精?精霊?
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マイケルから色々と注意を受けたが、それでも自分が手がけた以上最後までその行く末を確認するのは自分の義務だと感じた。
「マイケル、それにメリンダ・・・。
アンのことですけれど、今夜、マイケルやメリンダがアンを監視するなら私もご一緒してはいけないでしょうか?
私が招き入れてマイケルやメリンダまで迷惑をかけているのが何だか申し訳なくて、だから最後まで見届けたいと思っているんです。」
ふっと小さくため息をついてメリンダが言った。
「いいわよ。
今夜10時半に私の部屋にいらっしゃい。」
ヘンリーが言った。
「あのぉ、良くはわかりませんけれど、妹が一緒なら僕も駄目ですか?」
「駄目です。
女性の問題ですから、男性は立ち入り禁止。」
メリンダはきっぱりと言い切った。
サラは部屋に戻り、浴槽に浸かって身体を洗った。
衣装はできるだけ黒っぽいものにし、時間を待った。
そうして、10時半にメリンダの部屋を訪れた。
ドアを開けてメリンダは中に入れてくれ、ドアを後ろ手に閉めて微笑みながら言った。
「サラ、どこかへその格好で出かけるつもりで来たのかしら?」
「ええ、監視するなら黒っぽい服装がいいかなと思って。
違うんですか?」
「ええ、外に出かけたりしないわよ。
ここからアンの意識を探っているだけよ。
万が一の場合には出かけるかもしれないけれど、その時は貴方を置いてゆく。」
「そんなぁ・・・。
だって、それじゃ間に合わないかも・・・。」
「大丈夫よ。
瞬時に向こうにはつけるんだし、ここにいても処置はできるの。
だから本当は貴方がいる必要はないのよ。
でも貴方の友達思いに免じて特別に監視だけ許したの。」
不意にサラはメリンダとコンタクトに入ったことに気づいた。
アンの意識が見える。
メリンダがアンの意識を探り、その内容をサラに伝えていることに気づいた。
アンは既に一糸まとわぬ姿でベッドに横たわっていた。
身体の上にバスタオルを被せて裸体を隠しているだけなのだ。
アンがある意味で恐怖に慄きながら父を待っているのが痛いほどわかる。
そのまま暫く時が過ぎた。
その間も動揺を必死に抑えながらアンが色々な妄想をしている。
そうして小さな音で緊張感が増した。
廊下の外に誰かが立ち、そして、ノックをした。
アンはベッドに寝たまま小さな声で「どうぞ」といった。
ドアが開き、暗い室内に大きな男の影が浮かびあがった。
ドアが静かに閉められ、アンの身体が震えた。
アンは黙っており、男も黙っていた。
ベッドにゆっくりと近寄り、覆いかぶさってきて、額に口付けをした。
それから静かに男が言った。
「アン、済まなかった。
私はお前を娘として愛している。
あの時はどうかしていた。
今更、許して欲しいとは言わない。
だが、何時でも娘のお前を愛している。
それだけはどうか信じて欲しい。
おやすみ。」
アンの意識が唐突に安堵感と幸福感に覆われた。
男は後ろを向いて、ドアの方へ向かった。
「お父さん。
私はお父さんを父として心から愛しています。
だから、先日の出来事は全て忘れます。」
「ありがとう。
アン。
お休み。」
「おやすみなさい。
お父さん。」
呆気ない幕切れであった。
アンは声を出さずに泣いていた。
父を信じられて良かったと思い、メリンダやサラに深く感謝していた。
それから起き上がって下着をつけ、パジャマを着てベッドに入った。
メリンダとのコンタクトが唐突に切られた。
「はい、おしまいよ。
ハッピーエンドでよかったわね。
もう11時を過ぎているわ。
お友達はちゃんとパジャマを着てベッドに入ったでしょう。
サラも、おやすみなさい。」
アンの感情に共感し、サラも少し泣いていた。
ぺこりと頭を下げて言った。
「はい、ありがとうございました。
これで心置きなく今夜は眠れます。
おやすみなさい。」
◇◇◇◇
翌朝、サラの目覚めは爽快であった。
ウーンと伸びをし、ふと気づくと天井で大きな顔が笑っていた。
思わずぎょっとして跳ね起きたが、部屋中に小人がたくさんいた。
サラが跳ね起きた瞬間に、シーツの上にいてベッドから転げ落ちた小人もいた。
叫び声を上げかけて、マイケルの言葉を思い出し、ぐっと飲み込んだ。
「貴方達、ひょっとして、妖精さんに精霊さん?」
一斉に返事が帰ってきた。
『おはよう、サラ。』
「あ、あの、おはよう。」
一番近くにいた小人さんが近づいて言った。
『漸く気づいてくれたねぇ。
何はともあれ喜ばしいことだ。
わしらにも話し相手ができたからなぁ。
わしは、絨毯のペイルじゃ。』
それからは押し合いへし合いで小人が詰め寄り、一斉に自己紹介を始めた。
天井からも自己紹介があった。
「駄目よ。
いっぺんには名前を覚えられないわ。
少しずつにしてくれない。
一日に5人まで。
もっとたくさん覚えられるかもしれないけれど、少しずつ覚えた方がいいでしょう。
それにこの部屋だけじゃなくって別の部屋にもいるんでしょう?
今日の当番はペイル、ジャメッド、ダントゥス、ベンデ、エプロの五人だけ。
五人は優先的に話ができる。
他の人は申し訳ないけれど明日以降まで待って頂戴。
明日以降は、ペイルが5人を選んでね。
じゃ、他の人たちは暫く姿を隠していて。」
瞬時に大勢の小人が消え、部屋には四人の小人と天井の大きな顔が残った。
「今は6時15分だから、後15分だけね。
一人三分間、お話しましょ。
学校から帰ったらまたお話してあげる。」
こうしてサラの新しい一日が始まった。
6時半になって化粧室に入るとそこにもたくさんの小人がいる。
挨拶だけはしたが、時間がない。
中にはサラの指先ほどの小人もいた。
歯を磨き、顔を洗って、化粧室をでて、クローゼットから制服を取り出し身につけた。
姿見で着付けを確認し、居間に行くと
そこにもたくさん屯している。
ここも挨拶だけにとどめた。
ソファに腰を降ろし、電影をつけて、ニュースを確認し、カバンに今日の授業の教科書を詰め込んだ。
7時5分前になって廊下に出ると、そこにもたくさんいた。
思念で挨拶をし、そのまま階段を降りるとそこも一杯である。
結局数歩歩くたびに思念で「おはよう」を繰り返していた。
食堂で席についてすぐにヘンリー、メリンダ、マイケルの三人が現れた。
朝食を終えて、キレイン茶を飲みながら、マイケル、メリンダ、ヘンリーの三人には、目覚めた時に妖精と精霊が見えて話もできたことを思念で報告した。
ヘンリーはまだのようである。
時間は7時20分、時間があるので玄関口にカバンを置いて庭を散策した。
三匹の犬とも挨拶し、植え込みに随分と小人さんがいるのを見つけた。
小人とは別に樹木の傍には子供や大人もいる。
メリーに植え込みや樹木の傍に誰か見えるかと聴くと誰もいないと返事が返って来た。
どうやら、これが草花の妖精に樹木の精霊らしい。
そのうちのいくつかに話しかけ、そうであることを確認した。
どうやら普段目に見えないものが一度に見えるようになったらしい。
人と区別するのが大変だが、幸いにして彼らの衣装は全て特別である。
衣装でほとんど見分けがつくだろう。
その日学校では早くからアンが待っていた。
サラの姿が見えると走りよってきて、素敵な笑顔を見せながら抱きついた。
「サラ、メリンダの言うとおりだった。
全て上手く行ったわ。
貴方のお陰よ。
ありがとう。」
「おめでとう。
よかったわね。」
サラは友達を心から祝福した。
「マイケル、それにメリンダ・・・。
アンのことですけれど、今夜、マイケルやメリンダがアンを監視するなら私もご一緒してはいけないでしょうか?
私が招き入れてマイケルやメリンダまで迷惑をかけているのが何だか申し訳なくて、だから最後まで見届けたいと思っているんです。」
ふっと小さくため息をついてメリンダが言った。
「いいわよ。
今夜10時半に私の部屋にいらっしゃい。」
ヘンリーが言った。
「あのぉ、良くはわかりませんけれど、妹が一緒なら僕も駄目ですか?」
「駄目です。
女性の問題ですから、男性は立ち入り禁止。」
メリンダはきっぱりと言い切った。
サラは部屋に戻り、浴槽に浸かって身体を洗った。
衣装はできるだけ黒っぽいものにし、時間を待った。
そうして、10時半にメリンダの部屋を訪れた。
ドアを開けてメリンダは中に入れてくれ、ドアを後ろ手に閉めて微笑みながら言った。
「サラ、どこかへその格好で出かけるつもりで来たのかしら?」
「ええ、監視するなら黒っぽい服装がいいかなと思って。
違うんですか?」
「ええ、外に出かけたりしないわよ。
ここからアンの意識を探っているだけよ。
万が一の場合には出かけるかもしれないけれど、その時は貴方を置いてゆく。」
「そんなぁ・・・。
だって、それじゃ間に合わないかも・・・。」
「大丈夫よ。
瞬時に向こうにはつけるんだし、ここにいても処置はできるの。
だから本当は貴方がいる必要はないのよ。
でも貴方の友達思いに免じて特別に監視だけ許したの。」
不意にサラはメリンダとコンタクトに入ったことに気づいた。
アンの意識が見える。
メリンダがアンの意識を探り、その内容をサラに伝えていることに気づいた。
アンは既に一糸まとわぬ姿でベッドに横たわっていた。
身体の上にバスタオルを被せて裸体を隠しているだけなのだ。
アンがある意味で恐怖に慄きながら父を待っているのが痛いほどわかる。
そのまま暫く時が過ぎた。
その間も動揺を必死に抑えながらアンが色々な妄想をしている。
そうして小さな音で緊張感が増した。
廊下の外に誰かが立ち、そして、ノックをした。
アンはベッドに寝たまま小さな声で「どうぞ」といった。
ドアが開き、暗い室内に大きな男の影が浮かびあがった。
ドアが静かに閉められ、アンの身体が震えた。
アンは黙っており、男も黙っていた。
ベッドにゆっくりと近寄り、覆いかぶさってきて、額に口付けをした。
それから静かに男が言った。
「アン、済まなかった。
私はお前を娘として愛している。
あの時はどうかしていた。
今更、許して欲しいとは言わない。
だが、何時でも娘のお前を愛している。
それだけはどうか信じて欲しい。
おやすみ。」
アンの意識が唐突に安堵感と幸福感に覆われた。
男は後ろを向いて、ドアの方へ向かった。
「お父さん。
私はお父さんを父として心から愛しています。
だから、先日の出来事は全て忘れます。」
「ありがとう。
アン。
お休み。」
「おやすみなさい。
お父さん。」
呆気ない幕切れであった。
アンは声を出さずに泣いていた。
父を信じられて良かったと思い、メリンダやサラに深く感謝していた。
それから起き上がって下着をつけ、パジャマを着てベッドに入った。
メリンダとのコンタクトが唐突に切られた。
「はい、おしまいよ。
ハッピーエンドでよかったわね。
もう11時を過ぎているわ。
お友達はちゃんとパジャマを着てベッドに入ったでしょう。
サラも、おやすみなさい。」
アンの感情に共感し、サラも少し泣いていた。
ぺこりと頭を下げて言った。
「はい、ありがとうございました。
これで心置きなく今夜は眠れます。
おやすみなさい。」
◇◇◇◇
翌朝、サラの目覚めは爽快であった。
ウーンと伸びをし、ふと気づくと天井で大きな顔が笑っていた。
思わずぎょっとして跳ね起きたが、部屋中に小人がたくさんいた。
サラが跳ね起きた瞬間に、シーツの上にいてベッドから転げ落ちた小人もいた。
叫び声を上げかけて、マイケルの言葉を思い出し、ぐっと飲み込んだ。
「貴方達、ひょっとして、妖精さんに精霊さん?」
一斉に返事が帰ってきた。
『おはよう、サラ。』
「あ、あの、おはよう。」
一番近くにいた小人さんが近づいて言った。
『漸く気づいてくれたねぇ。
何はともあれ喜ばしいことだ。
わしらにも話し相手ができたからなぁ。
わしは、絨毯のペイルじゃ。』
それからは押し合いへし合いで小人が詰め寄り、一斉に自己紹介を始めた。
天井からも自己紹介があった。
「駄目よ。
いっぺんには名前を覚えられないわ。
少しずつにしてくれない。
一日に5人まで。
もっとたくさん覚えられるかもしれないけれど、少しずつ覚えた方がいいでしょう。
それにこの部屋だけじゃなくって別の部屋にもいるんでしょう?
今日の当番はペイル、ジャメッド、ダントゥス、ベンデ、エプロの五人だけ。
五人は優先的に話ができる。
他の人は申し訳ないけれど明日以降まで待って頂戴。
明日以降は、ペイルが5人を選んでね。
じゃ、他の人たちは暫く姿を隠していて。」
瞬時に大勢の小人が消え、部屋には四人の小人と天井の大きな顔が残った。
「今は6時15分だから、後15分だけね。
一人三分間、お話しましょ。
学校から帰ったらまたお話してあげる。」
こうしてサラの新しい一日が始まった。
6時半になって化粧室に入るとそこにもたくさんの小人がいる。
挨拶だけはしたが、時間がない。
中にはサラの指先ほどの小人もいた。
歯を磨き、顔を洗って、化粧室をでて、クローゼットから制服を取り出し身につけた。
姿見で着付けを確認し、居間に行くと
そこにもたくさん屯している。
ここも挨拶だけにとどめた。
ソファに腰を降ろし、電影をつけて、ニュースを確認し、カバンに今日の授業の教科書を詰め込んだ。
7時5分前になって廊下に出ると、そこにもたくさんいた。
思念で挨拶をし、そのまま階段を降りるとそこも一杯である。
結局数歩歩くたびに思念で「おはよう」を繰り返していた。
食堂で席についてすぐにヘンリー、メリンダ、マイケルの三人が現れた。
朝食を終えて、キレイン茶を飲みながら、マイケル、メリンダ、ヘンリーの三人には、目覚めた時に妖精と精霊が見えて話もできたことを思念で報告した。
ヘンリーはまだのようである。
時間は7時20分、時間があるので玄関口にカバンを置いて庭を散策した。
三匹の犬とも挨拶し、植え込みに随分と小人さんがいるのを見つけた。
小人とは別に樹木の傍には子供や大人もいる。
メリーに植え込みや樹木の傍に誰か見えるかと聴くと誰もいないと返事が返って来た。
どうやら、これが草花の妖精に樹木の精霊らしい。
そのうちのいくつかに話しかけ、そうであることを確認した。
どうやら普段目に見えないものが一度に見えるようになったらしい。
人と区別するのが大変だが、幸いにして彼らの衣装は全て特別である。
衣装でほとんど見分けがつくだろう。
その日学校では早くからアンが待っていた。
サラの姿が見えると走りよってきて、素敵な笑顔を見せながら抱きついた。
「サラ、メリンダの言うとおりだった。
全て上手く行ったわ。
貴方のお陰よ。
ありがとう。」
「おめでとう。
よかったわね。」
サラは友達を心から祝福した。
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