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第三章 新たなる展開?
3-11 黒木武夫中佐 その二
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当然のことながら、既に偽装も終えているらしいが、こっちは人の手配がまだほとんどついていない状況だ。
4隻分600名近くの人間は、流石に右から左に揃えられるもんじゃない。
そうは言いながらも、試運転を造船所に任せっぱなしというわけにも行かないから、艦政本部から4名、横須賀工廠から10名の技師を引きずり込んで、公試運転だけは立ち会うことにした。
とにかく外部には一切秘密とするらしく、灯火管制を実施して深夜に造船所を出港した。
直ぐに高速で走りだして本土から離れ始めたんだが・・・。
まぁ、驚きの連続だった。
未だ名前のない軽巡一号艦は、最大速度を45.7ノットまで出しやがった。
機関は水素反応炉から生じる熱量を特殊な液化ガスに与え、生じた大量のガスをタービンに導いて動力軸を回す方式の新型エンジンらしいが、何やらキーンという金属音のするエンジンだったな。
正直なところドックの技師から説明を受けても、俺にはその動作原理は理解できなかった。
こいつの欠点は、第一に、最初に高出力の発電機からの給電が必要ということであり、第二に、一旦稼働を始めればほぼ燃料が要らないエンジンではあるが、出力調整がなかなかに難しいエンジンのようで、馬鹿げた話だが、出力調整のための高負荷装置を別に組み込んでいる様だ。
つまりは、低速運転の場合は電動モーターによる駆動方式のほか艦内の無用とも思える大電力を必要とする電気機械を稼働させ、高速運転の場合は駆動軸にタービンを直結して高出力を出す方式にしている様だ。
普通の蒸気タービンでも、一旦全速運転にすると簡単に速度は落とせないのが普通なんだが、艦本ボイラー以上に直接の出力調整は難しいようだ。
プロペラ駆動軸と同時に独立系の発電機もガスタービンで駆動しているので、一旦水素反応炉が始動してしまえば燃料が不要になるらしい。
造船所技師の説明によれば、最大出力は優に100万キロワットを超えるようだ。
現物はかなり小さいものだ。
反応路そのもので直径2m、長さ10m程度の両端が球形の円筒状のものが4基、液化ガスの熱交換器が同じく4基、高速と低速のガスタービンが各4基、それに減速機が付属した駆動軸及び電動モーターが8機備え付けられているが、その容積は従来の巡洋艦の主機機関室に比べると三分の一以下になるかもしれない。
そうして驚愕の装置群が搭載されていることがわかった。
なにやら艦政本部の通信部門でも研究中とは聞いていたが、先ずはレーダーだな。
こいつには二種類ある。
一つは対水上艦用のレーダーで、少なくとも24海里以内の水上艦の方位と距離が画面の上で即座に把握できる。
レーダー自体はもっと遠距離まで届くんだが、この軽巡は艦橋が低いのでレーダーの発信機の取り付け位置もさほど高くはない。
その為に索敵範囲は一応24海里回程度ということになってはいるんだが、例えば相手が大きければもっと遠くでもレーダーには映ることになる。
レーダーレンジは一応48海里まで切り替えが可能なようだ。
立ち合いのドック側技師の説明では、この対水上艦用のレーダー情報は射撃管制にも使えるそうだ。
もう一つは対航空機用のレーダー、こいつは航空機が高空に居れば、直線距離で200海里でも航空機の方位、距離が判別できる。
単純に言えば敵の動向がかなり遠距離からわかるということだ。
おまけにこいつには敵味方識別装置が組み込まれている。
少なくとも吉崎航空機製作所が製造した航空機の機体にはその為の通信装置が組み込まれているらしい。
俺は通信系については不得手なんで細かいことはよくわからんが、四菱製にしろ、仲嶋製にしろ、味方の航空機であれば、この識別のための小型装置をすぐに搭載できる代物なんだそうだ。
そうして驚くべきことに、軽巡唯一の主砲と思われる5インチ(127ミリ)単装砲と、対空用の40ミリ単装砲がいずれもこのレーダー情報と連動しており、目標が決まれば射程距離にある限り、狙い撃ちできるらしい。
しかも担当者が目標を選定すれば、後は砲自体が自動で動いて最適の射撃をするらしい。
本来、艦砲というものは海象気象にかなり左右される。
狙いをつけていても艦の動揺により数度の誤差は常に存在するから、遠距離での射撃はなかなか当たりにくいんだ。
ところがこの艦に搭載している二種類の砲は艦の動揺を感知して狙いを補正する機能があるようだ。
例えばこの程度の巡洋艦であれば、ちょっと時化れば左右15度ほどの傾きはすぐにも生じる。
しかも重心が低くできているからその周期が結構早い。
それに砲撃を合わせるにはかなりの熟練が必要なんだが、ジャイロスコープという超小型機器を内蔵していて、狙った方向と射角をきっちりと抑えるのでほぼ100%当たるらしい。
ほぼ100%というのは、流石に艦が海面を叩いた時に生ずるような急激な重力変化には追従装置が対応できないらしい。
また砲術というのは、風速とか気温とかにも影響されるんだが、それはどうするんだと聞いたら、機械が自動的に最適値を選択するので心配はいらねぇと抜かしやがったぜ。
ひょっとしてこいつが普及すれば花の砲術士官はお払い箱か?
新型の大和型戦艦は、照準装置のために莫大な金をかけて来たんだが・・・。
それに砲術士官も艦砲の数だけいるんだが、この軽巡については、ドック技師一人で全部の武器を動かせると抜かしやがったぜ。
つまり7千トンの巡洋艦でありながら砲術士官は最小で一人ということになるのかな?
まぁ、俺は大砲屋じゃなく、どっちかというと航空屋の方なんで、人の心配をする義理も無いんだが、何となく同期の大砲屋の行く末を案じてしまうよな。
もう一つ凄いことに、四隻の軽巡と空母がこのレーダーの情報を共有して、攻撃もダブらないように調整ができるんだそうだ。
人間が調整するんじゃなく、そっちの方も機械が自動調整するんだと。
単純な話、射程距離内に二機の敵性航空機が入ってきたとする。
二機ぐらいなら一隻の艦だけでも十分に対応できるらしいが、例えば一つを一番艦が、もう一つを二番艦が射撃するというようなことを管制できるのだそうだ。
無駄弾を打たずに攻撃できるところがすごいと思う。
海軍ではそれぞれの武器ごとに指揮官が居て、その指揮官の指示で射手と砲手が動くことになる。
ところが多数の航空機が襲来する修羅場になると、艦長や砲術長が機銃全ての指揮を執るわけには行かず、機銃台座付近にいる指揮官がそれぞれ個別に目標を設定するのだ。
この場合だと、同じ艦でも二重、三重で標的を狙って無駄弾になるケースもあるわけだ。
それを最小限度の労力で補ってくれるのが自動射撃管制装置であるらしい。
そんなすごい兵器ではあるんだが、この軽巡一隻について、5インチ(127ミリ)砲一基、40ミリ対空砲2基、20ミリガトリング砲4基ではあまりに少な過ぎるだろう。
127ミリ砲一門では、駆逐艦にすら負けるやもしれないのだ。
5千トン型軽巡の川内ですら、50口径三年式14cm砲単装7基7門、40口径三年式8cm単装高角砲2門を持っているんだが、これだけガタイが大きければもっと武装を充実できると思うんだが・・・。
と、俺はそう思っていた。
翌日に行われた模擬戦闘を見て、俺は腰が抜けるほど驚いたぜ。
模擬戦闘は一切の実弾は使わない。
この軽巡には戦闘指揮所と呼ばれる特殊な部屋がある。
窓が一切無い部屋であり、よくわからん電子表示なる画面が沢山ある部屋なんだが、ここに居ながらにして船外の状況がすべて把握できるし、操船までできるという凄い装置が収まっている。
ここで、127ミリ単装砲、40ミリ対空砲、それに20ミリガトリング砲のすべてを操作できる。
20ミリガトリング砲は毎分4800発の弾丸を発射できるらしいんだが、例えば三連射だけするというような微調整までできるらしい。
そうしてここに来て初めて、この軽巡本来の武器を教えてもらった。
前部甲板に隠されていた誘導弾発射装置だ。
船首尾方向に6列、舷側方向に12列、合わせて72基の発射孔があり、そこから戦闘指揮所のボタン一つで誘導弾が発射されるらしい。
まずは、対空誘導弾発射装置から36発が順次あるいは斉射若しくは任意に発射できるらしい。
自動装填で一基の発射孔には二発まで弾込めできるから合計で72発の対空誘導弾が発射できるようだ。
しかも、こいつも何故か百発百中らしいから、4隻の軽巡が居れば280機以上の航空機が落とせることになる。
この対空誘導弾の射程距離は20キロ。
従ってこの範囲に近づいた敵機は間違いなく撃ち落とされるらしい。
時速2000キロを超える速度で飛翔する誘導弾を避けられるわけがないし、そもそもが敵の20mの範囲に至ると爆発して、敵機に甚大な損害を与えるらしい。
説明では、爆発点を頂点にして半径8m長さが30mほどの釣り鐘状に爆炎が広がり、同時に直径4ミリほどの鉄球が周囲に飛散するらしい。
単純に言うと、誘導弾の爆発に巻き込まれて火だるまになるか、細かい鉄のビーズで穴だらけになるかだが、どちらにしても周辺空域にいるであろう敵機とパイロットが生き残るのは至難の業だ。
こいつは大型航空機であっても撃墜できるらしい。
対空誘導弾内部に仕込まれたレーダーにより追尾するか、若しくは、航空機なら必ず積んでいるエンジンの排熱を追尾することもできるらしい。
レーダー重視だと機体の中央部、赤外線重視だとエンジン部を狙うらしい。
少なくともこいつが航空機殺しなのは間違いない。
さらに水上艦に対しては対艦誘導弾なるものがあるらしい。
こいつは前部甲板の例の孔一列分12基があって、予備弾が無いから撃ってしまえば基地に戻るまで補充は効かないそうだ。
こいつも発射孔から射出させるといったん上昇してからやがて海面上10m付近を時速千キロで飛行し、レーダーで捕らえた水上艦中央部に衝突するらしい。
しかもえぐいことに、こいつは当たって爆発するんじゃなくって高熱のガスを前方に噴射して敵艦の装甲をぶち破り、衝突してから百分の2秒後に爆発するということだ。
概ね外板から4m乃至5m程度で爆発して敵艦に被害を生じさせるようなんだが・・・。
その爆発力は1トン爆弾に匹敵するというから、多分戦艦クラスでも一発で大破することは間違いない。
下手をすれば轟沈だ。
4隻分600名近くの人間は、流石に右から左に揃えられるもんじゃない。
そうは言いながらも、試運転を造船所に任せっぱなしというわけにも行かないから、艦政本部から4名、横須賀工廠から10名の技師を引きずり込んで、公試運転だけは立ち会うことにした。
とにかく外部には一切秘密とするらしく、灯火管制を実施して深夜に造船所を出港した。
直ぐに高速で走りだして本土から離れ始めたんだが・・・。
まぁ、驚きの連続だった。
未だ名前のない軽巡一号艦は、最大速度を45.7ノットまで出しやがった。
機関は水素反応炉から生じる熱量を特殊な液化ガスに与え、生じた大量のガスをタービンに導いて動力軸を回す方式の新型エンジンらしいが、何やらキーンという金属音のするエンジンだったな。
正直なところドックの技師から説明を受けても、俺にはその動作原理は理解できなかった。
こいつの欠点は、第一に、最初に高出力の発電機からの給電が必要ということであり、第二に、一旦稼働を始めればほぼ燃料が要らないエンジンではあるが、出力調整がなかなかに難しいエンジンのようで、馬鹿げた話だが、出力調整のための高負荷装置を別に組み込んでいる様だ。
つまりは、低速運転の場合は電動モーターによる駆動方式のほか艦内の無用とも思える大電力を必要とする電気機械を稼働させ、高速運転の場合は駆動軸にタービンを直結して高出力を出す方式にしている様だ。
普通の蒸気タービンでも、一旦全速運転にすると簡単に速度は落とせないのが普通なんだが、艦本ボイラー以上に直接の出力調整は難しいようだ。
プロペラ駆動軸と同時に独立系の発電機もガスタービンで駆動しているので、一旦水素反応炉が始動してしまえば燃料が不要になるらしい。
造船所技師の説明によれば、最大出力は優に100万キロワットを超えるようだ。
現物はかなり小さいものだ。
反応路そのもので直径2m、長さ10m程度の両端が球形の円筒状のものが4基、液化ガスの熱交換器が同じく4基、高速と低速のガスタービンが各4基、それに減速機が付属した駆動軸及び電動モーターが8機備え付けられているが、その容積は従来の巡洋艦の主機機関室に比べると三分の一以下になるかもしれない。
そうして驚愕の装置群が搭載されていることがわかった。
なにやら艦政本部の通信部門でも研究中とは聞いていたが、先ずはレーダーだな。
こいつには二種類ある。
一つは対水上艦用のレーダーで、少なくとも24海里以内の水上艦の方位と距離が画面の上で即座に把握できる。
レーダー自体はもっと遠距離まで届くんだが、この軽巡は艦橋が低いのでレーダーの発信機の取り付け位置もさほど高くはない。
その為に索敵範囲は一応24海里回程度ということになってはいるんだが、例えば相手が大きければもっと遠くでもレーダーには映ることになる。
レーダーレンジは一応48海里まで切り替えが可能なようだ。
立ち合いのドック側技師の説明では、この対水上艦用のレーダー情報は射撃管制にも使えるそうだ。
もう一つは対航空機用のレーダー、こいつは航空機が高空に居れば、直線距離で200海里でも航空機の方位、距離が判別できる。
単純に言えば敵の動向がかなり遠距離からわかるということだ。
おまけにこいつには敵味方識別装置が組み込まれている。
少なくとも吉崎航空機製作所が製造した航空機の機体にはその為の通信装置が組み込まれているらしい。
俺は通信系については不得手なんで細かいことはよくわからんが、四菱製にしろ、仲嶋製にしろ、味方の航空機であれば、この識別のための小型装置をすぐに搭載できる代物なんだそうだ。
そうして驚くべきことに、軽巡唯一の主砲と思われる5インチ(127ミリ)単装砲と、対空用の40ミリ単装砲がいずれもこのレーダー情報と連動しており、目標が決まれば射程距離にある限り、狙い撃ちできるらしい。
しかも担当者が目標を選定すれば、後は砲自体が自動で動いて最適の射撃をするらしい。
本来、艦砲というものは海象気象にかなり左右される。
狙いをつけていても艦の動揺により数度の誤差は常に存在するから、遠距離での射撃はなかなか当たりにくいんだ。
ところがこの艦に搭載している二種類の砲は艦の動揺を感知して狙いを補正する機能があるようだ。
例えばこの程度の巡洋艦であれば、ちょっと時化れば左右15度ほどの傾きはすぐにも生じる。
しかも重心が低くできているからその周期が結構早い。
それに砲撃を合わせるにはかなりの熟練が必要なんだが、ジャイロスコープという超小型機器を内蔵していて、狙った方向と射角をきっちりと抑えるのでほぼ100%当たるらしい。
ほぼ100%というのは、流石に艦が海面を叩いた時に生ずるような急激な重力変化には追従装置が対応できないらしい。
また砲術というのは、風速とか気温とかにも影響されるんだが、それはどうするんだと聞いたら、機械が自動的に最適値を選択するので心配はいらねぇと抜かしやがったぜ。
ひょっとしてこいつが普及すれば花の砲術士官はお払い箱か?
新型の大和型戦艦は、照準装置のために莫大な金をかけて来たんだが・・・。
それに砲術士官も艦砲の数だけいるんだが、この軽巡については、ドック技師一人で全部の武器を動かせると抜かしやがったぜ。
つまり7千トンの巡洋艦でありながら砲術士官は最小で一人ということになるのかな?
まぁ、俺は大砲屋じゃなく、どっちかというと航空屋の方なんで、人の心配をする義理も無いんだが、何となく同期の大砲屋の行く末を案じてしまうよな。
もう一つ凄いことに、四隻の軽巡と空母がこのレーダーの情報を共有して、攻撃もダブらないように調整ができるんだそうだ。
人間が調整するんじゃなく、そっちの方も機械が自動調整するんだと。
単純な話、射程距離内に二機の敵性航空機が入ってきたとする。
二機ぐらいなら一隻の艦だけでも十分に対応できるらしいが、例えば一つを一番艦が、もう一つを二番艦が射撃するというようなことを管制できるのだそうだ。
無駄弾を打たずに攻撃できるところがすごいと思う。
海軍ではそれぞれの武器ごとに指揮官が居て、その指揮官の指示で射手と砲手が動くことになる。
ところが多数の航空機が襲来する修羅場になると、艦長や砲術長が機銃全ての指揮を執るわけには行かず、機銃台座付近にいる指揮官がそれぞれ個別に目標を設定するのだ。
この場合だと、同じ艦でも二重、三重で標的を狙って無駄弾になるケースもあるわけだ。
それを最小限度の労力で補ってくれるのが自動射撃管制装置であるらしい。
そんなすごい兵器ではあるんだが、この軽巡一隻について、5インチ(127ミリ)砲一基、40ミリ対空砲2基、20ミリガトリング砲4基ではあまりに少な過ぎるだろう。
127ミリ砲一門では、駆逐艦にすら負けるやもしれないのだ。
5千トン型軽巡の川内ですら、50口径三年式14cm砲単装7基7門、40口径三年式8cm単装高角砲2門を持っているんだが、これだけガタイが大きければもっと武装を充実できると思うんだが・・・。
と、俺はそう思っていた。
翌日に行われた模擬戦闘を見て、俺は腰が抜けるほど驚いたぜ。
模擬戦闘は一切の実弾は使わない。
この軽巡には戦闘指揮所と呼ばれる特殊な部屋がある。
窓が一切無い部屋であり、よくわからん電子表示なる画面が沢山ある部屋なんだが、ここに居ながらにして船外の状況がすべて把握できるし、操船までできるという凄い装置が収まっている。
ここで、127ミリ単装砲、40ミリ対空砲、それに20ミリガトリング砲のすべてを操作できる。
20ミリガトリング砲は毎分4800発の弾丸を発射できるらしいんだが、例えば三連射だけするというような微調整までできるらしい。
そうしてここに来て初めて、この軽巡本来の武器を教えてもらった。
前部甲板に隠されていた誘導弾発射装置だ。
船首尾方向に6列、舷側方向に12列、合わせて72基の発射孔があり、そこから戦闘指揮所のボタン一つで誘導弾が発射されるらしい。
まずは、対空誘導弾発射装置から36発が順次あるいは斉射若しくは任意に発射できるらしい。
自動装填で一基の発射孔には二発まで弾込めできるから合計で72発の対空誘導弾が発射できるようだ。
しかも、こいつも何故か百発百中らしいから、4隻の軽巡が居れば280機以上の航空機が落とせることになる。
この対空誘導弾の射程距離は20キロ。
従ってこの範囲に近づいた敵機は間違いなく撃ち落とされるらしい。
時速2000キロを超える速度で飛翔する誘導弾を避けられるわけがないし、そもそもが敵の20mの範囲に至ると爆発して、敵機に甚大な損害を与えるらしい。
説明では、爆発点を頂点にして半径8m長さが30mほどの釣り鐘状に爆炎が広がり、同時に直径4ミリほどの鉄球が周囲に飛散するらしい。
単純に言うと、誘導弾の爆発に巻き込まれて火だるまになるか、細かい鉄のビーズで穴だらけになるかだが、どちらにしても周辺空域にいるであろう敵機とパイロットが生き残るのは至難の業だ。
こいつは大型航空機であっても撃墜できるらしい。
対空誘導弾内部に仕込まれたレーダーにより追尾するか、若しくは、航空機なら必ず積んでいるエンジンの排熱を追尾することもできるらしい。
レーダー重視だと機体の中央部、赤外線重視だとエンジン部を狙うらしい。
少なくともこいつが航空機殺しなのは間違いない。
さらに水上艦に対しては対艦誘導弾なるものがあるらしい。
こいつは前部甲板の例の孔一列分12基があって、予備弾が無いから撃ってしまえば基地に戻るまで補充は効かないそうだ。
こいつも発射孔から射出させるといったん上昇してからやがて海面上10m付近を時速千キロで飛行し、レーダーで捕らえた水上艦中央部に衝突するらしい。
しかもえぐいことに、こいつは当たって爆発するんじゃなくって高熱のガスを前方に噴射して敵艦の装甲をぶち破り、衝突してから百分の2秒後に爆発するということだ。
概ね外板から4m乃至5m程度で爆発して敵艦に被害を生じさせるようなんだが・・・。
その爆発力は1トン爆弾に匹敵するというから、多分戦艦クラスでも一発で大破することは間違いない。
下手をすれば轟沈だ。
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