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第二章 覚醒・死者と生者の想い
2-8 その他装備品
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ー 吉崎視点 ー
私は空力特性に見合った航空機の諸材料を知っているし、必要な加工もできる。
従って、それを私の会社の技師や従業員に教え込むことが非常に重要なことになる。
空気摩擦を軽減するためには一定の条件下では塗装が大事なのだけれど、それよりも材料表面の摩擦係数を極小化した材料を使うことが本来は望ましい。
セラカーボンは、実のところ非常に理想的な航空機材料だ。
私が依田隆弘として京大で研究していた際には見つけられなかった素材だ。
シャルンの錬金術師としての能力と材料工学研究者の依田の能力が結びついて初めて生まれた素材なのだ。
軽く、強靭で、ち密な表面を持っている。
単純に言ってナノカーボンの分子とケイ素の分子が表面を覆いつくしているような材料だから歪みがほとんどない。
同時に凹凸の少ない機体はレーダー反射率を減少させる効果もある。
端的に言ってセラカーボンで造った円柱状の機体にレーダー波を当てた場合、反射波は胴体部分のほんの一部(形状としては直線?)しか返さない。
他の部分は、反射角度が違うので侵入角度方向へは戻らないのである。
つまりは労せずしてステルス化が期待できるわけである。
レーダーの受像装置は、反射波の多寡で大きさを画面上に表すけれど、極小化された反射波はノイズと見做されるほど小さいものになるだろう。
尤も、軍用機には往々にして部隊の識別のために塗装が行われるわけだが、このセラカーボンの機体には本来であればしない方がいい。
しかしながら、目視による部隊の識別のためにはそうも言っていられない場合もあるようなので、レーダー反射の少ない特殊塗料の開発も一応しておいた。
当然のことながら、専用の塗料以外のものは使わせないことにしているし、塗装上の注意事項もマニュアル化している。
下手な塗装を施された日には、それだけで戦力の低下になる。
現場でも機体のステルス化に相当の注意を払ってもらわねば困るというものだ。
一方で、未確認航空機が制限空域に侵入してきた場合、味方であるか敵であるかを迅速的確に判断するのは非常に大事なことである。
そのための識別装置が必要だろうと思われる。
航空機自動識別システム(Aero-Automatic Identification System)だな。
当節、横文字(特に英語)は嫌われるから、表向きは「航空機自動識別装置」とでも言うしかない。
安直に「敵味方識別装置」でも良いのかな?
当座の運用では、基地側に装置を設置、味方航空機側には小さなトランスポンダ状の装置を設置することでいいだろうが、盗用された場合若しくは複製された場合の対策は別途講じておく必要がある。
この場合のトランスポンダは、通常の電波でのやり取りでは敵側にも知られることになるので、通常電波は使わない。
私の亜空間魔法の派生から生まれた空間共振波を用いる。
こいつはある意味で高次元構造波(HSSW)であって、これまで知られている電波とは全く違うから、通常の通信機では痕跡すらつかめない代物だ。
従って、敵方に知られずデジタル通信が可能であり、これを利用した通信機も一応試作はしてある。
大型航空機の場合は通信員のような操作要員が乗せられるし、機器搭載のスペースもあるので、AAISの小型解析装置をレーダー等に組み込むことも可能だろう。
小型航空機の場合は、精々位置測定装置と基地の方角を特定できるHSSW方式の方探ぐらいをレーダーに組み込むことになる。
実は小型航空機にもトランスポンダだけでなく、種々の秘密装備を組み込んであるのだが、そいつは今後の陸海軍の動向次第で運用開始の可否を検討しようと思う。
余り沢山盛りすぎるとおそらくパイロットの理解が追い付かないだろうし、自助努力をしなくなる。
正直なところ、ゲーム感覚で戦争をされては困るんだ。
従って、敢えて不便なまま若しくは性能を落としたままの機器を使わせることもあり得るのだ。
実際のところ、ルー101(劣化版を含む)には、既にレーダー装置と共に必要と思われる各種装置をある程度組み込んでいる。
後で追加して装備する手間を省くためであり、必要な装置をつけるのに無駄なことはしない。
当然に無線装置もかなり優秀なものを組み込んでいる。
本来はこの時点で通信衛星を打ち上げておきたいところなんだが、今のところそこまで手が回らないし、現状では、無人偵察機を大型化して、房総上空で周回させることで足りている。
こいつにはパルスジェットエンジンと特殊な揚力増大魔道具を搭載しており、高度3万5千mにまで上昇させて滑空させ、直径二百キロぐらいを周回させつつ徐々に降下させながら全周を監視できるシステムにしている。
一機で五日間程度の滞空時間がとれることから、三日おきに工場の滑走路から交替機を離陸させている状況だ。
この偵察機一機により、半径550キロから660キロ前後の範囲がレーダー及び通信の範囲に入る。
これにより範囲は限定されるが、通信システムの確立と、海上及びその上空もしっかりと監視ができることになる。
現時点では金谷の吉崎航空機製作所を中心とした空域だけであるけれど、本土防衛のためには絶対に範囲を拡大してやっておくべきことだと思っている。
いずれ、この防空システム体制も海軍に提供することになるだろうが、何も無ければ、どんなに早くとも後二、三年は後になるだろうな。
このシステムがあれば、少なくともドー○ットル中佐の東京空襲なんかは未然に防ぐことができるはずだ。
可能ならば偵察衛星を打ち上げるのが一番良いのだけれど、あれは維持が大変で正直なところ金食い虫だ。
偵察衛星よりは、高々度偵察機の運用か若しくは無人飛行船の方が経費的にはマシじゃないかと思っている。
無人飛行船ならば有人機よりも滞空時間が飛躍的に増やせるし、概ね本土から千キロまでの東方海域が8隻程度(交代運用を考えると16隻程度)でカバーできるようになるだろう。
高度が30キロ以上ならば地上からの目は届きにくいし、気づかれても下界からの対策はなかなか取りにくいはずだ。
別途、早期警戒機と対潜哨戒機を作る予定ではあるのだけれどね。
そのほかに将来計画で欠かせないのは、長距離爆撃機とより精度の高い誘導型噴進弾の開発かな。
その為にターボファンエンジンとロケットエンジンの開発が必要になる。
原爆は作らないつもりだが、場合により10トン爆弾程度の特殊爆弾は造る必要があるかもしれないとは思っている。
攻略のためではなく講和を促すための脅し材料だな。
少なくとも米国やソ連に原爆を造らせてはならないと考えている。
勿論ナチスドイツもだが、・・・。
ナチスドイツはいずれ自滅するだろうとは思っている。
そもそもが無理をしすぎている。
少なくとも依田の生きていた時間線の歴史におけるナチスドイツは、あっちにもこっちにも手を付けて結局手が回らなくなった感じだな。
それに煽られて走り出す日本政府のリーダーや軍部もどうかとは思うが、・・・。
私は空力特性に見合った航空機の諸材料を知っているし、必要な加工もできる。
従って、それを私の会社の技師や従業員に教え込むことが非常に重要なことになる。
空気摩擦を軽減するためには一定の条件下では塗装が大事なのだけれど、それよりも材料表面の摩擦係数を極小化した材料を使うことが本来は望ましい。
セラカーボンは、実のところ非常に理想的な航空機材料だ。
私が依田隆弘として京大で研究していた際には見つけられなかった素材だ。
シャルンの錬金術師としての能力と材料工学研究者の依田の能力が結びついて初めて生まれた素材なのだ。
軽く、強靭で、ち密な表面を持っている。
単純に言ってナノカーボンの分子とケイ素の分子が表面を覆いつくしているような材料だから歪みがほとんどない。
同時に凹凸の少ない機体はレーダー反射率を減少させる効果もある。
端的に言ってセラカーボンで造った円柱状の機体にレーダー波を当てた場合、反射波は胴体部分のほんの一部(形状としては直線?)しか返さない。
他の部分は、反射角度が違うので侵入角度方向へは戻らないのである。
つまりは労せずしてステルス化が期待できるわけである。
レーダーの受像装置は、反射波の多寡で大きさを画面上に表すけれど、極小化された反射波はノイズと見做されるほど小さいものになるだろう。
尤も、軍用機には往々にして部隊の識別のために塗装が行われるわけだが、このセラカーボンの機体には本来であればしない方がいい。
しかしながら、目視による部隊の識別のためにはそうも言っていられない場合もあるようなので、レーダー反射の少ない特殊塗料の開発も一応しておいた。
当然のことながら、専用の塗料以外のものは使わせないことにしているし、塗装上の注意事項もマニュアル化している。
下手な塗装を施された日には、それだけで戦力の低下になる。
現場でも機体のステルス化に相当の注意を払ってもらわねば困るというものだ。
一方で、未確認航空機が制限空域に侵入してきた場合、味方であるか敵であるかを迅速的確に判断するのは非常に大事なことである。
そのための識別装置が必要だろうと思われる。
航空機自動識別システム(Aero-Automatic Identification System)だな。
当節、横文字(特に英語)は嫌われるから、表向きは「航空機自動識別装置」とでも言うしかない。
安直に「敵味方識別装置」でも良いのかな?
当座の運用では、基地側に装置を設置、味方航空機側には小さなトランスポンダ状の装置を設置することでいいだろうが、盗用された場合若しくは複製された場合の対策は別途講じておく必要がある。
この場合のトランスポンダは、通常の電波でのやり取りでは敵側にも知られることになるので、通常電波は使わない。
私の亜空間魔法の派生から生まれた空間共振波を用いる。
こいつはある意味で高次元構造波(HSSW)であって、これまで知られている電波とは全く違うから、通常の通信機では痕跡すらつかめない代物だ。
従って、敵方に知られずデジタル通信が可能であり、これを利用した通信機も一応試作はしてある。
大型航空機の場合は通信員のような操作要員が乗せられるし、機器搭載のスペースもあるので、AAISの小型解析装置をレーダー等に組み込むことも可能だろう。
小型航空機の場合は、精々位置測定装置と基地の方角を特定できるHSSW方式の方探ぐらいをレーダーに組み込むことになる。
実は小型航空機にもトランスポンダだけでなく、種々の秘密装備を組み込んであるのだが、そいつは今後の陸海軍の動向次第で運用開始の可否を検討しようと思う。
余り沢山盛りすぎるとおそらくパイロットの理解が追い付かないだろうし、自助努力をしなくなる。
正直なところ、ゲーム感覚で戦争をされては困るんだ。
従って、敢えて不便なまま若しくは性能を落としたままの機器を使わせることもあり得るのだ。
実際のところ、ルー101(劣化版を含む)には、既にレーダー装置と共に必要と思われる各種装置をある程度組み込んでいる。
後で追加して装備する手間を省くためであり、必要な装置をつけるのに無駄なことはしない。
当然に無線装置もかなり優秀なものを組み込んでいる。
本来はこの時点で通信衛星を打ち上げておきたいところなんだが、今のところそこまで手が回らないし、現状では、無人偵察機を大型化して、房総上空で周回させることで足りている。
こいつにはパルスジェットエンジンと特殊な揚力増大魔道具を搭載しており、高度3万5千mにまで上昇させて滑空させ、直径二百キロぐらいを周回させつつ徐々に降下させながら全周を監視できるシステムにしている。
一機で五日間程度の滞空時間がとれることから、三日おきに工場の滑走路から交替機を離陸させている状況だ。
この偵察機一機により、半径550キロから660キロ前後の範囲がレーダー及び通信の範囲に入る。
これにより範囲は限定されるが、通信システムの確立と、海上及びその上空もしっかりと監視ができることになる。
現時点では金谷の吉崎航空機製作所を中心とした空域だけであるけれど、本土防衛のためには絶対に範囲を拡大してやっておくべきことだと思っている。
いずれ、この防空システム体制も海軍に提供することになるだろうが、何も無ければ、どんなに早くとも後二、三年は後になるだろうな。
このシステムがあれば、少なくともドー○ットル中佐の東京空襲なんかは未然に防ぐことができるはずだ。
可能ならば偵察衛星を打ち上げるのが一番良いのだけれど、あれは維持が大変で正直なところ金食い虫だ。
偵察衛星よりは、高々度偵察機の運用か若しくは無人飛行船の方が経費的にはマシじゃないかと思っている。
無人飛行船ならば有人機よりも滞空時間が飛躍的に増やせるし、概ね本土から千キロまでの東方海域が8隻程度(交代運用を考えると16隻程度)でカバーできるようになるだろう。
高度が30キロ以上ならば地上からの目は届きにくいし、気づかれても下界からの対策はなかなか取りにくいはずだ。
別途、早期警戒機と対潜哨戒機を作る予定ではあるのだけれどね。
そのほかに将来計画で欠かせないのは、長距離爆撃機とより精度の高い誘導型噴進弾の開発かな。
その為にターボファンエンジンとロケットエンジンの開発が必要になる。
原爆は作らないつもりだが、場合により10トン爆弾程度の特殊爆弾は造る必要があるかもしれないとは思っている。
攻略のためではなく講和を促すための脅し材料だな。
少なくとも米国やソ連に原爆を造らせてはならないと考えている。
勿論ナチスドイツもだが、・・・。
ナチスドイツはいずれ自滅するだろうとは思っている。
そもそもが無理をしすぎている。
少なくとも依田の生きていた時間線の歴史におけるナチスドイツは、あっちにもこっちにも手を付けて結局手が回らなくなった感じだな。
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