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第六章 日米の戦いと紅兵団の役割
6-2 太平洋艦隊とフィリピン陥落
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ハワイを出港した太平洋艦隊主力は、戦艦8隻、巡洋艦16隻、駆逐艦38隻、空母3隻を中核とする総勢152隻、それに陸軍将兵20万人からなる大部隊である。
率いるは、空母ヨークタウンに座上するキンケイド海軍大将である。
前衛を潜水艦12隻で固めるため、潜水艦部隊のみは3日前に出港していた。
1941年(昭和16年)4月21日午前10時頃、艦隊先鋒が間もなく日付変更線に掛かろうとする頃、突然艦隊の無線が平文を打ち出し始めた。
誰が無線封鎖を破っているのかと、多少怒りながらも、ヨークタウン当直通信士が無線をタイプしていくうちに、徐々に当直通信士の顔が青くなった。
当直通信士は、引きちぎるようにして交信文を取ると、司令官室へ走った。
「提督、緊急事態です。
これを、ご覧になってください。」
バタバタと走りこんできた通信士の顔を見るなり、怒鳴りつけてやろうかと思ったキンケイド大将であるが、通信士の青い顔を見て思いなおし、文面に眼を走らせた。
『発 大日本帝国秘密戦隊指揮官
宛 太平洋艦隊司令官 キンケイド大将
貴官が太平洋艦隊を中核とする152隻からなるフィリピン上陸部隊を指揮していることを承知している。
貴官に警告する。
太平洋艦隊は、日付変更線を超えてはならない。
日付変更線を超える船があれば、これを直ちに殲滅する。
これは脅しに非ず。
因みに、前衛として配置した潜水艦12隻は既に我々が殲滅した。』
明らかに敵軍からの挑戦状である。
しかし、司令官がキンケイドということを何故知っているのか。
艦船の隻数についても正確である。
前衛潜水艦の数も合っている。
だが、夜明け前の報告では12隻の潜水艦は健在であり、艦隊の300海里前方まで特異動向認めずとの、連絡が入っていた。
いずれにせよ、キンケイドは、如何なる障害を排除してでもフィリピンに向かわねばならないのだ。
当然のことのように無視をした。
だが、念のため艦橋に上がり、艦隊には警戒警報を発したのである。
10分後、更に、平文の電報が舞い込んだ。
『艦隊先鋒に配置されている数隻の駆逐艦が日付変更線を超えるまで後10分、これが最後の警告である。艦隊をハワイへ引き返せ。
さもなくば、全てを失うだろう。」
だがキンケイドはその警告を無視した。
それから間もなく、10海里ほど前方であろうか水平線近くを走っていた駆逐艦1隻が火を噴いた。
続いてほとんど間をおかずに2隻が同様に火を噴いた。
だが敵影など何処にも見えない。
周辺50海里内は艦載機による哨戒も行っているが、敵はいない。
というより見えないのである。
駆逐艦三隻は船体中央部をへし折られたようにくの字に曲がって沈没した。
よほどのダメージを受けたようである。
更に悲劇は続いた。
救助のために増速して、現場に向かった駆逐艦2隻が同様に火を噴く、更に続く巡洋艦までもが見えない攻撃で火を噴いた。
3隻に続いてさらに3隻が生贄となって沈むとなれば、これはもう無視できない。
いずれも前方に壁があるかのごとくほとんど横一線で攻撃を受けているのである。
後続の艦隊はいずれも攻撃を嫌って闇雲に急速な転舵を行った。
その内の2隻の巡洋艦が連携した動きをとれずに衝突、1隻の艦首がもう一隻の横腹に突き刺さっていた。
他にも大きな損傷は無いものの、接触やニアミスを行った艦が続出していた。
ヨークタウンは前方に展開している艦影に邪魔されて大きな舵は取れないが、それでも何とか方向転換に成功し、東から南に方向を変えていた。
艦隊の前進は事実上止められたのである。
わずかに数分で6隻が何かに攻撃され轟沈されたのであり、1隻が衝突で完全に航行不能となっていた。
もう一隻も航行は可能であるが、艦首からの浸水により航行速度は6ノット以下に落ちていた。
キンケイドは決断を迫られていた。
ハワイに戻るかそれともこのまま強行突破をするかどうかである。
だが、眼に見えない敵と戦う事は出来ない。
何処から攻撃されているのかすら不明なのである。
キンケイドは一旦前進を取りやめて艦載機による索敵を一挙に三倍に増やしてみた。
潜水艦による攻撃の可能性もあることから潜水艦の探索も行った。
だが、必死の捜索にも関わらず敵の姿は見つからないし、手がかりすらも得られないのである。
キンケイドは、参謀とも協議して、戦艦カリフォルニアとネバダの2隻を調査のために前方海域へ向かわせてみた。
戦艦ならば攻撃に対する防御力が巡洋艦や駆逐艦に比べて遥かに上だからである。
だが、予想に反して、同じ悲劇を生んだ。
カリフォルニアもネバダも、同じように艦中央部から火を噴き、轟沈したのである。。
艦載機で上空から見ていた搭乗員がカリフォルニアの爆発直前に高速の物体が東南の方向から矢のように突き刺さったように見えたと報告してきた。
爆発の位置から見て、おそらくはバイタルパートを突き破って何かが火薬庫に飛び込み、爆発しているものと判断された。
これでは、如何に無鉄砲でも前進は出来ない。
その数時間後、歴史的な大艦隊はハワイへと退却したのである。
陸軍将兵等20万人を犠牲には出来ない。
キンケイドは辞職を覚悟の上で苦渋の決断であった。
ハワイからの増援部隊が、19日に出港してフィリピンへ向かったこと、21日に何らかの敵の攻撃を受け、9隻の戦闘艦を失って撤退したことは、マッカーサーの元へも逐一報告が届いていた。
マッカーサーは、極度の驚きと怒りで絶句してしまった。
だがポートモレスビーを基地としている前遣艦隊は無事なのである。
ハワイからの直行ルートが駄目なら、何故に南太平洋周りで来ない。
そうでなくば、フィリピンの我々を見捨てることになる。
マッカーサーは、憤懣の行き場をフィリピン自由放送に求めて、軍執行部の無能さと臆病さを罵った。
だが、その放送も長くは続かなかった。
4月29日、日本軍から降伏勧告が行われ、翌日夜明けから総攻撃を行うと最終通告があったのである。
4月30日夜明けと共に日本軍の機械化部隊の砲撃が始まったのである。
土塁からは20キロ以上も離れている仮設司令部に雨霰のように砲弾が降り注ぐ、只の榴弾ではない。
空中で炸裂して広範囲に炸裂弾や焼夷弾を撒き散らすのである。
その範囲で地上にいたものは先ず助からなかった。
塹壕に隠れていてもほとんど同じである。
弾は上から降ってくるのである。
砲撃は丸一日続き、あらかじめ敷設していた地雷原も粗方無くなっていた。
地雷原の上で炸裂する榴弾や炸裂弾が地中に埋められていた地雷を誘爆させ、広範囲にわたって地雷源を撤去してしまったのである。
バターン半島は丸裸同然となってしまった。
生き残った将兵にも戦う気力は失われていた。
5月1日、戦車、装甲車を先頭に日本軍が押し寄せてきた時にはさすがのマッカーサーも降伏せざるを得なかった。
彼我の戦力はそれほどに違っていたのである。
フィリピン攻略部隊のうち、バターン方面軍第一機甲軍団約4万人に比べ、マッカーサーの部隊は1万人にまで減少していた。
バターンに立てこもった際には、米軍は10万人の軍団を擁していた。
幾つかの戦闘と爆撃で2万人を失い、総攻撃の前には8万人が生き残っていた。
だが、熾烈な砲撃はわずか1日で7万人を殺戮したのである。
フィリピンは事実上陥落したのである。
==================================
時系列に誤りがあったの一部修正しました。
率いるは、空母ヨークタウンに座上するキンケイド海軍大将である。
前衛を潜水艦12隻で固めるため、潜水艦部隊のみは3日前に出港していた。
1941年(昭和16年)4月21日午前10時頃、艦隊先鋒が間もなく日付変更線に掛かろうとする頃、突然艦隊の無線が平文を打ち出し始めた。
誰が無線封鎖を破っているのかと、多少怒りながらも、ヨークタウン当直通信士が無線をタイプしていくうちに、徐々に当直通信士の顔が青くなった。
当直通信士は、引きちぎるようにして交信文を取ると、司令官室へ走った。
「提督、緊急事態です。
これを、ご覧になってください。」
バタバタと走りこんできた通信士の顔を見るなり、怒鳴りつけてやろうかと思ったキンケイド大将であるが、通信士の青い顔を見て思いなおし、文面に眼を走らせた。
『発 大日本帝国秘密戦隊指揮官
宛 太平洋艦隊司令官 キンケイド大将
貴官が太平洋艦隊を中核とする152隻からなるフィリピン上陸部隊を指揮していることを承知している。
貴官に警告する。
太平洋艦隊は、日付変更線を超えてはならない。
日付変更線を超える船があれば、これを直ちに殲滅する。
これは脅しに非ず。
因みに、前衛として配置した潜水艦12隻は既に我々が殲滅した。』
明らかに敵軍からの挑戦状である。
しかし、司令官がキンケイドということを何故知っているのか。
艦船の隻数についても正確である。
前衛潜水艦の数も合っている。
だが、夜明け前の報告では12隻の潜水艦は健在であり、艦隊の300海里前方まで特異動向認めずとの、連絡が入っていた。
いずれにせよ、キンケイドは、如何なる障害を排除してでもフィリピンに向かわねばならないのだ。
当然のことのように無視をした。
だが、念のため艦橋に上がり、艦隊には警戒警報を発したのである。
10分後、更に、平文の電報が舞い込んだ。
『艦隊先鋒に配置されている数隻の駆逐艦が日付変更線を超えるまで後10分、これが最後の警告である。艦隊をハワイへ引き返せ。
さもなくば、全てを失うだろう。」
だがキンケイドはその警告を無視した。
それから間もなく、10海里ほど前方であろうか水平線近くを走っていた駆逐艦1隻が火を噴いた。
続いてほとんど間をおかずに2隻が同様に火を噴いた。
だが敵影など何処にも見えない。
周辺50海里内は艦載機による哨戒も行っているが、敵はいない。
というより見えないのである。
駆逐艦三隻は船体中央部をへし折られたようにくの字に曲がって沈没した。
よほどのダメージを受けたようである。
更に悲劇は続いた。
救助のために増速して、現場に向かった駆逐艦2隻が同様に火を噴く、更に続く巡洋艦までもが見えない攻撃で火を噴いた。
3隻に続いてさらに3隻が生贄となって沈むとなれば、これはもう無視できない。
いずれも前方に壁があるかのごとくほとんど横一線で攻撃を受けているのである。
後続の艦隊はいずれも攻撃を嫌って闇雲に急速な転舵を行った。
その内の2隻の巡洋艦が連携した動きをとれずに衝突、1隻の艦首がもう一隻の横腹に突き刺さっていた。
他にも大きな損傷は無いものの、接触やニアミスを行った艦が続出していた。
ヨークタウンは前方に展開している艦影に邪魔されて大きな舵は取れないが、それでも何とか方向転換に成功し、東から南に方向を変えていた。
艦隊の前進は事実上止められたのである。
わずかに数分で6隻が何かに攻撃され轟沈されたのであり、1隻が衝突で完全に航行不能となっていた。
もう一隻も航行は可能であるが、艦首からの浸水により航行速度は6ノット以下に落ちていた。
キンケイドは決断を迫られていた。
ハワイに戻るかそれともこのまま強行突破をするかどうかである。
だが、眼に見えない敵と戦う事は出来ない。
何処から攻撃されているのかすら不明なのである。
キンケイドは一旦前進を取りやめて艦載機による索敵を一挙に三倍に増やしてみた。
潜水艦による攻撃の可能性もあることから潜水艦の探索も行った。
だが、必死の捜索にも関わらず敵の姿は見つからないし、手がかりすらも得られないのである。
キンケイドは、参謀とも協議して、戦艦カリフォルニアとネバダの2隻を調査のために前方海域へ向かわせてみた。
戦艦ならば攻撃に対する防御力が巡洋艦や駆逐艦に比べて遥かに上だからである。
だが、予想に反して、同じ悲劇を生んだ。
カリフォルニアもネバダも、同じように艦中央部から火を噴き、轟沈したのである。。
艦載機で上空から見ていた搭乗員がカリフォルニアの爆発直前に高速の物体が東南の方向から矢のように突き刺さったように見えたと報告してきた。
爆発の位置から見て、おそらくはバイタルパートを突き破って何かが火薬庫に飛び込み、爆発しているものと判断された。
これでは、如何に無鉄砲でも前進は出来ない。
その数時間後、歴史的な大艦隊はハワイへと退却したのである。
陸軍将兵等20万人を犠牲には出来ない。
キンケイドは辞職を覚悟の上で苦渋の決断であった。
ハワイからの増援部隊が、19日に出港してフィリピンへ向かったこと、21日に何らかの敵の攻撃を受け、9隻の戦闘艦を失って撤退したことは、マッカーサーの元へも逐一報告が届いていた。
マッカーサーは、極度の驚きと怒りで絶句してしまった。
だがポートモレスビーを基地としている前遣艦隊は無事なのである。
ハワイからの直行ルートが駄目なら、何故に南太平洋周りで来ない。
そうでなくば、フィリピンの我々を見捨てることになる。
マッカーサーは、憤懣の行き場をフィリピン自由放送に求めて、軍執行部の無能さと臆病さを罵った。
だが、その放送も長くは続かなかった。
4月29日、日本軍から降伏勧告が行われ、翌日夜明けから総攻撃を行うと最終通告があったのである。
4月30日夜明けと共に日本軍の機械化部隊の砲撃が始まったのである。
土塁からは20キロ以上も離れている仮設司令部に雨霰のように砲弾が降り注ぐ、只の榴弾ではない。
空中で炸裂して広範囲に炸裂弾や焼夷弾を撒き散らすのである。
その範囲で地上にいたものは先ず助からなかった。
塹壕に隠れていてもほとんど同じである。
弾は上から降ってくるのである。
砲撃は丸一日続き、あらかじめ敷設していた地雷原も粗方無くなっていた。
地雷原の上で炸裂する榴弾や炸裂弾が地中に埋められていた地雷を誘爆させ、広範囲にわたって地雷源を撤去してしまったのである。
バターン半島は丸裸同然となってしまった。
生き残った将兵にも戦う気力は失われていた。
5月1日、戦車、装甲車を先頭に日本軍が押し寄せてきた時にはさすがのマッカーサーも降伏せざるを得なかった。
彼我の戦力はそれほどに違っていたのである。
フィリピン攻略部隊のうち、バターン方面軍第一機甲軍団約4万人に比べ、マッカーサーの部隊は1万人にまで減少していた。
バターンに立てこもった際には、米軍は10万人の軍団を擁していた。
幾つかの戦闘と爆撃で2万人を失い、総攻撃の前には8万人が生き残っていた。
だが、熾烈な砲撃はわずか1日で7万人を殺戮したのである。
フィリピンは事実上陥落したのである。
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時系列に誤りがあったの一部修正しました。
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