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第二章 富士野宮(ふじのみや)宏禎(ひろよし)王
2-8 新会社の設立とスパイ対策
しおりを挟む 明治39年10月には、飛鳥電気製作所を設立しました。
例によって父宏恭王や各界の知人からも資本提供を求め、資本金2万円で設立しました。
場所は、永田町2丁目にあった華族女学校の跡地です。
39年4月の学習院との統合に合わせて校舎も廃棄されることになったのです。
で、私がその跡地に目をつけ、宮家の威光をちらつかせながら伊藤侍従に動いてもらった結果、難なく用地を手に入れることができたのです。
ここは、元々宮内庁の管理する土地と建造物でしたけれど、富士野宮が関わる会社と言う事で比較的簡単に払い下げになったのです。
校舎はレンガ造りでしたが耐震性に乏しい建造物でしたので、将来的には遠慮会釈無く廃棄することとし、当面は倉庫代わりに使うことにしています。
社屋は運動場だったところに新たに建て、プラスクリートのRC造りにしています。
帝国初となる免震構造を採用し、設計上は震度7の激震にも耐えられるようにしています。
先行する飛鳥精機の方は免震構造にはなっていませんが強度的には十分な筈です。
17年後に発生するであろう関東大震災の備えは、この二つの建造物に関する限り取り敢えず大丈夫だと思います。
問題は富士野宮邸ですね。
一部が新築や改築されてはいるものの旧態然とした設計思想と基準で造られた建物ですから震度6程度でも倒壊する恐れが多分にあります。
時期を見ながら補強若しくは建て替えを図る予定ですが、大地震が起きるという予言をせずに家長である父宏恭王を説得できるかどうかそれが問題です。
余分な話に時間を割いてしまいましたが、飛鳥電機製作所は、地脈発電機の製造を担う会社であり、同時に発電エネルギーを有効に使うための各種電気製品を製造するための会社なのです。
電気製品で最初に手がけたのは、携帯無線電話関連器具と、電気機関車の動力モーターです。
この会社の設立で携帯無線電話関連の内職はようやく私の手を離れることになりました。
蒸気機関車はまだまだ進化の余地があるとは言うものの、力が弱すぎることとエネルギー効率が低いので山がちな日本の基幹交通を任せられないのです。
特に蒸気機関車が石炭を燃やして稼働することで発する煤煙は大気汚染の元凶であり、このほかに都市部では焼却灰の廃棄処理も問題となります。
従って、私は時代を先取りして、蒸気機関車を電気機関車にすげ替えてしまうつもりなのです。
勿論将来的には新幹線等の高速幹線の全国展開も頭には描いていますけれど、少なくとも二十年は先の話でしょうね。
明治40年4月に飛鳥電機製作所で電気機関車「テ101」を製造しました。
但し、これが日本で最初の電気機関車というわけではありません。
1891年には足尾銅山で、1899年には笹子トンネル工事のために電気機関車が導入されたという歴史があるようです。
尤も「テ101」は、これら先行車両とは性能が桁違いなのです。
笹子トンネル工事に使われた電気機関車は、米国製で直流500Vの動力モーターを使用し、わずかに15馬力の出力しか出せない小型のモノでした。
「テ101」は、直流1,500Vを使い、機関車重量は62.4トン、出力は5300馬力を超える代物なんです。
しかも電源は、大容量のパラチウム電池であり、最大出力のままで48時間走り続けられる優れものです。
パラチウム電池は、2030年代のリチウムイオン電池の知識と、私が有する錬金術能力を利用して作り上げた全く新たな複合素材からなる蓄電池なのです。
リチウム電池は充電500回程度で能力が落ちますけれど、パラチウム電池の充放電耐性は少なくとも10万回を超えるはずです。
また、電気機関車には非常用地脈発電機も搭載されており、危急の場合には切り替えて三分の一ほどの出力で駆動できるし、動力モーター停止状態での充電も可能となります。
但し、単位時間当たりの放電能力はパラチウム電池が優れていることからメイン動力源は電池となっています。
一方で、明日香電機製作所では、電気自動車の開発も進めているのです。
地脈発電機を自動車に搭載すると重量が過大となるために、原則として自動車ではパラチウム電池を動力源とすることにしました。
時速40キロ未満で走行する軽乗用車程度ならば超小型地脈発電機を搭載可能なのですが、小型とはいっても重量で2トン近くもある地脈発電機を搭載するのは非常に不経済なのです。
未だ出現してはいないのですが戦車等の戦闘車両であれば、さほど重量を気にせずとも搭載できるでしょう。
戦車の試作は現段階でもできるのですが、いわゆる軍備として整備するのは第一次大戦頃まで待った方が無難だと考えているのです。
まぁ、斯様に電車や自動車の動力については十分に目途がついたのですが、困ったのは圧延鋼板です。
流石に20世紀末から21世紀にかけて日本で生産されていた超優秀な圧延鋼板は、明治末期の段階ではいずこの製鉄所でも製造できていないのです。
どこまで進化させるかを迷いながらも、八幡製鉄から鋼板を購入し、それを飛鳥電気製作所で加工することにしました。
そのための技術者養成にほぼ一年を要し、実際に電気機関車や自動車が世間の陽の目を見るのは明治41年半ばのことになりました。
世界で最初の電気自動車は1840年までに欧州で造られているのですが、実用性には乏しく、その半世紀後に出現したガソリン車によって完全に駆逐されつつあります。
ベンツが1886年に特許を得たガソリン車は、前々世では、その後半世紀を経ずして世界中に溢れることになりましたが、その歴史は覆されるかもしれません。
飛鳥電気製作所が明治41年(1908年)10月に電気自動車「韋駄天」を発売したからです。
米国ではフォード社がT型自動車を開発し終えたばかりでしたが、ハンドル廻り、ブレーキ及び足廻り、ハウス廻り、サスペンション、照明などあらゆる面で、フォード社の試作機の性能を凌駕した製品を送り出したのです。
21世紀初頭の技術とデザインを惜しみなく使った自動車だから、いかにフォード社と言えどもこれに追いつくのは至難の業でしょう。
帝国政府は、当該電気自動車の販売を国内に限るとして原則輸出を禁止しています。
農商務、内務及び外務省の許可を取り付けたときにのみ輸出販売がなされるようになったのです。
中古車も譲渡はできないようになっており、一律にディーラーが買い取るシステムになっています。
無論、私は電気自動車で世界を席巻する意図はないのですから、帝国政府の指示に従順に従うまでですよ。
但し、これがために帝国の最新技術を何とか手に入れようと欧米列挙諸国からのスパイが大挙して帝国に入り込むことになってしまいました。
最先端の自動車製造技術はそのまま軍事技術の優位性を示す指標ともなりえるものだからです。
見識ある各国の指導者がそのことを見据えて布石を打ったと考えるべきでしょう。
そうして学習院初等科の生徒に過ぎない私の周囲にも数多くの不審者が出没するようになりました。
勿論、彼らがどうあがいても私に手を出せるわけではありません。
実質的に私の能力で彼らの不穏な動きを止めることができますし、陸海軍の特務士官が複数私の周囲に警護のために張り付くようになったからです。
陸海軍首脳も流石に私の特異な能力に何とはなしに気づいたようです。
帝国の至宝ともなり得る存在を害されてはならじと精一杯の警護が始まったのです。
私としては鬱陶しい限りなのですが、大事に警護されている者が余り文句を言うわけにもいきません。
これとは、別に紀尾井町の富士野宮邸の近くに常時50名以上の警官が常駐する大番所が設置されたのも明治40年末のことでした。
内務大臣からの特別指示が国家警察にあったようですね。
外国人の場合は、気安く宮家の者に接触できる筈もなく、外国人スパイの多くは周辺で情報を漁るしかなかったのですが、大番屋ができて警官が周囲を巡回するだけで所謂プレゼンス効果で心にやましい者は、近づきがたくなるものです。
私が実質的なドンとなっている会社には、私の作り上げたゴーレム部隊がセキュリティをしっかりと確保しています。
不審者たちが如何に誤魔化そうと彼らが会社の敷地内に侵入することはできません。
尤もそうしたことを理解しない不届き者は、最初の一か月ほどで底をついたようです。
何しろ、僅か二週間の間に半殺しの状態で捕まった侵入者が30人を超え、そのことがあからさまにマスコミに報道されれば、さすがに相手も気づくというものです。
尤もその分、飛鳥精機と飛鳥電気製作所の社員に内々に接触する者は増えましたが、あいにくと当該社員は私のコントロール下にありますから、ハニートラップを含め誘惑・賄賂の類はヒュプノにより完璧に撥ね退けられています。
業を煮やして、社員の家族の誘拐など非合法活動に手を出そうとした組織は人知れず太平洋の藻屑となってもらいました。
危ない組織は特別チームのゴーレムで秘密裏に監視し、計画が実行に移される段階で阻止され、関わった者は全て魔道具の転送機で南緯60度、西経125度付近の海上に飛ばされています。
当該海域は航行船舶も皆無の海域で万が一にも助かる恐れはありません。
所謂南氷洋に近く海水温度も10度以下と低いですしね。
持って一時間、低体温症で思考能力と運動能力が失われ溺死若しくは心停止してしまいます。
ある意味で非常に残酷な話ではありますが、国家間の犯罪と言うのは往々にして取り締まれません。
エスピオナージの世界は非道で冷酷なものなのです。
正直なところ自分から関わりたいとは思いませんが身にかかる火の粉は払わねばならないでしょう。
それゆえ仏心の無いゴーレムに始末をお願いしているのです。
因みに特別チームのゴーレムは人型のゴーレムもいますが、鳥型、虫型と千差万別で、余程のことがなければゴーレムとはわからないモノも含まれています。
ですから闇で動く組織の連中の行動は、その存在が分かった時点でいつでも筒抜けと言って差し支えないでしょう。
今のところは海外の情報収集にまで使ってはいませんけれど、必要に応じて使う覚悟はあります。
国際社会は弱肉強食ですから、気の良い宮様だけでは居られないのです。
私も獰猛な肉食獣にならねばならないことが酷く億劫なのですけれどね。
例によって父宏恭王や各界の知人からも資本提供を求め、資本金2万円で設立しました。
場所は、永田町2丁目にあった華族女学校の跡地です。
39年4月の学習院との統合に合わせて校舎も廃棄されることになったのです。
で、私がその跡地に目をつけ、宮家の威光をちらつかせながら伊藤侍従に動いてもらった結果、難なく用地を手に入れることができたのです。
ここは、元々宮内庁の管理する土地と建造物でしたけれど、富士野宮が関わる会社と言う事で比較的簡単に払い下げになったのです。
校舎はレンガ造りでしたが耐震性に乏しい建造物でしたので、将来的には遠慮会釈無く廃棄することとし、当面は倉庫代わりに使うことにしています。
社屋は運動場だったところに新たに建て、プラスクリートのRC造りにしています。
帝国初となる免震構造を採用し、設計上は震度7の激震にも耐えられるようにしています。
先行する飛鳥精機の方は免震構造にはなっていませんが強度的には十分な筈です。
17年後に発生するであろう関東大震災の備えは、この二つの建造物に関する限り取り敢えず大丈夫だと思います。
問題は富士野宮邸ですね。
一部が新築や改築されてはいるものの旧態然とした設計思想と基準で造られた建物ですから震度6程度でも倒壊する恐れが多分にあります。
時期を見ながら補強若しくは建て替えを図る予定ですが、大地震が起きるという予言をせずに家長である父宏恭王を説得できるかどうかそれが問題です。
余分な話に時間を割いてしまいましたが、飛鳥電機製作所は、地脈発電機の製造を担う会社であり、同時に発電エネルギーを有効に使うための各種電気製品を製造するための会社なのです。
電気製品で最初に手がけたのは、携帯無線電話関連器具と、電気機関車の動力モーターです。
この会社の設立で携帯無線電話関連の内職はようやく私の手を離れることになりました。
蒸気機関車はまだまだ進化の余地があるとは言うものの、力が弱すぎることとエネルギー効率が低いので山がちな日本の基幹交通を任せられないのです。
特に蒸気機関車が石炭を燃やして稼働することで発する煤煙は大気汚染の元凶であり、このほかに都市部では焼却灰の廃棄処理も問題となります。
従って、私は時代を先取りして、蒸気機関車を電気機関車にすげ替えてしまうつもりなのです。
勿論将来的には新幹線等の高速幹線の全国展開も頭には描いていますけれど、少なくとも二十年は先の話でしょうね。
明治40年4月に飛鳥電機製作所で電気機関車「テ101」を製造しました。
但し、これが日本で最初の電気機関車というわけではありません。
1891年には足尾銅山で、1899年には笹子トンネル工事のために電気機関車が導入されたという歴史があるようです。
尤も「テ101」は、これら先行車両とは性能が桁違いなのです。
笹子トンネル工事に使われた電気機関車は、米国製で直流500Vの動力モーターを使用し、わずかに15馬力の出力しか出せない小型のモノでした。
「テ101」は、直流1,500Vを使い、機関車重量は62.4トン、出力は5300馬力を超える代物なんです。
しかも電源は、大容量のパラチウム電池であり、最大出力のままで48時間走り続けられる優れものです。
パラチウム電池は、2030年代のリチウムイオン電池の知識と、私が有する錬金術能力を利用して作り上げた全く新たな複合素材からなる蓄電池なのです。
リチウム電池は充電500回程度で能力が落ちますけれど、パラチウム電池の充放電耐性は少なくとも10万回を超えるはずです。
また、電気機関車には非常用地脈発電機も搭載されており、危急の場合には切り替えて三分の一ほどの出力で駆動できるし、動力モーター停止状態での充電も可能となります。
但し、単位時間当たりの放電能力はパラチウム電池が優れていることからメイン動力源は電池となっています。
一方で、明日香電機製作所では、電気自動車の開発も進めているのです。
地脈発電機を自動車に搭載すると重量が過大となるために、原則として自動車ではパラチウム電池を動力源とすることにしました。
時速40キロ未満で走行する軽乗用車程度ならば超小型地脈発電機を搭載可能なのですが、小型とはいっても重量で2トン近くもある地脈発電機を搭載するのは非常に不経済なのです。
未だ出現してはいないのですが戦車等の戦闘車両であれば、さほど重量を気にせずとも搭載できるでしょう。
戦車の試作は現段階でもできるのですが、いわゆる軍備として整備するのは第一次大戦頃まで待った方が無難だと考えているのです。
まぁ、斯様に電車や自動車の動力については十分に目途がついたのですが、困ったのは圧延鋼板です。
流石に20世紀末から21世紀にかけて日本で生産されていた超優秀な圧延鋼板は、明治末期の段階ではいずこの製鉄所でも製造できていないのです。
どこまで進化させるかを迷いながらも、八幡製鉄から鋼板を購入し、それを飛鳥電気製作所で加工することにしました。
そのための技術者養成にほぼ一年を要し、実際に電気機関車や自動車が世間の陽の目を見るのは明治41年半ばのことになりました。
世界で最初の電気自動車は1840年までに欧州で造られているのですが、実用性には乏しく、その半世紀後に出現したガソリン車によって完全に駆逐されつつあります。
ベンツが1886年に特許を得たガソリン車は、前々世では、その後半世紀を経ずして世界中に溢れることになりましたが、その歴史は覆されるかもしれません。
飛鳥電気製作所が明治41年(1908年)10月に電気自動車「韋駄天」を発売したからです。
米国ではフォード社がT型自動車を開発し終えたばかりでしたが、ハンドル廻り、ブレーキ及び足廻り、ハウス廻り、サスペンション、照明などあらゆる面で、フォード社の試作機の性能を凌駕した製品を送り出したのです。
21世紀初頭の技術とデザインを惜しみなく使った自動車だから、いかにフォード社と言えどもこれに追いつくのは至難の業でしょう。
帝国政府は、当該電気自動車の販売を国内に限るとして原則輸出を禁止しています。
農商務、内務及び外務省の許可を取り付けたときにのみ輸出販売がなされるようになったのです。
中古車も譲渡はできないようになっており、一律にディーラーが買い取るシステムになっています。
無論、私は電気自動車で世界を席巻する意図はないのですから、帝国政府の指示に従順に従うまでですよ。
但し、これがために帝国の最新技術を何とか手に入れようと欧米列挙諸国からのスパイが大挙して帝国に入り込むことになってしまいました。
最先端の自動車製造技術はそのまま軍事技術の優位性を示す指標ともなりえるものだからです。
見識ある各国の指導者がそのことを見据えて布石を打ったと考えるべきでしょう。
そうして学習院初等科の生徒に過ぎない私の周囲にも数多くの不審者が出没するようになりました。
勿論、彼らがどうあがいても私に手を出せるわけではありません。
実質的に私の能力で彼らの不穏な動きを止めることができますし、陸海軍の特務士官が複数私の周囲に警護のために張り付くようになったからです。
陸海軍首脳も流石に私の特異な能力に何とはなしに気づいたようです。
帝国の至宝ともなり得る存在を害されてはならじと精一杯の警護が始まったのです。
私としては鬱陶しい限りなのですが、大事に警護されている者が余り文句を言うわけにもいきません。
これとは、別に紀尾井町の富士野宮邸の近くに常時50名以上の警官が常駐する大番所が設置されたのも明治40年末のことでした。
内務大臣からの特別指示が国家警察にあったようですね。
外国人の場合は、気安く宮家の者に接触できる筈もなく、外国人スパイの多くは周辺で情報を漁るしかなかったのですが、大番屋ができて警官が周囲を巡回するだけで所謂プレゼンス効果で心にやましい者は、近づきがたくなるものです。
私が実質的なドンとなっている会社には、私の作り上げたゴーレム部隊がセキュリティをしっかりと確保しています。
不審者たちが如何に誤魔化そうと彼らが会社の敷地内に侵入することはできません。
尤もそうしたことを理解しない不届き者は、最初の一か月ほどで底をついたようです。
何しろ、僅か二週間の間に半殺しの状態で捕まった侵入者が30人を超え、そのことがあからさまにマスコミに報道されれば、さすがに相手も気づくというものです。
尤もその分、飛鳥精機と飛鳥電気製作所の社員に内々に接触する者は増えましたが、あいにくと当該社員は私のコントロール下にありますから、ハニートラップを含め誘惑・賄賂の類はヒュプノにより完璧に撥ね退けられています。
業を煮やして、社員の家族の誘拐など非合法活動に手を出そうとした組織は人知れず太平洋の藻屑となってもらいました。
危ない組織は特別チームのゴーレムで秘密裏に監視し、計画が実行に移される段階で阻止され、関わった者は全て魔道具の転送機で南緯60度、西経125度付近の海上に飛ばされています。
当該海域は航行船舶も皆無の海域で万が一にも助かる恐れはありません。
所謂南氷洋に近く海水温度も10度以下と低いですしね。
持って一時間、低体温症で思考能力と運動能力が失われ溺死若しくは心停止してしまいます。
ある意味で非常に残酷な話ではありますが、国家間の犯罪と言うのは往々にして取り締まれません。
エスピオナージの世界は非道で冷酷なものなのです。
正直なところ自分から関わりたいとは思いませんが身にかかる火の粉は払わねばならないでしょう。
それゆえ仏心の無いゴーレムに始末をお願いしているのです。
因みに特別チームのゴーレムは人型のゴーレムもいますが、鳥型、虫型と千差万別で、余程のことがなければゴーレムとはわからないモノも含まれています。
ですから闇で動く組織の連中の行動は、その存在が分かった時点でいつでも筒抜けと言って差し支えないでしょう。
今のところは海外の情報収集にまで使ってはいませんけれど、必要に応じて使う覚悟はあります。
国際社会は弱肉強食ですから、気の良い宮様だけでは居られないのです。
私も獰猛な肉食獣にならねばならないことが酷く億劫なのですけれどね。
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