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第二章 ホブランドでの始まり
2-13 ホブランド第四日目 お家探し
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翌日、三の時近く、俺は商業ギルドに向かっていた。
商業ギルドだからと言って不動産情報を持ち合わせているとは限らないが、他に適当な場所を知らない。
元の世界ならば、JRにしろ、地下鉄にしろ、駅の近くには必ず不動産屋があり、気軽に賃貸情報を得られたものだが、生憎とこのホブランドではそれらしき店を見たことが無い。
俺としては根拠地としてならば、少なくとも500坪ぐらいの土地が欲しいと思っているのだが、こちらの測地系では、概ね両手を広げたぐらいの長さを、1イードというが、およそで1m65センチぐらいの長さになる。
こっちの人族はどっちかというと大柄な白人種に近いからその平均身長というのでもなく、何でも樵の大男が手を伸ばして細い材木の両端を抱えた時の長さを基準にしたと言われているが、確かに手のひらを伸ばした状態で計れば中肉中背の俺でももっと長くなるだろう。
因みにこちらのイード木尺を非常用に持っていた小さなメジャーで計測したら、1イードは165.4cmと確認している。
で、1イード四方の広さを1ベードという。
まぁ、感覚的には一坪なんだが、日本の一坪と比べるとちょっと小さい。
日本の一坪は、3.30579㎡あるが、ホブランドの1ベードは、1.654×1.654
で、2.73571㎡しかないので一坪の8割ほどしかないのだ。
従って500坪の土地とすれば、620ベードほどの広さが必要となる。
まぁ、いよいよとなれば都市の城壁の外にそんな土地を保有しても良いかなとは思っている。
フレゴルドの街の周囲を取り巻く城壁は、非常に高さがあって堅固なものだが、その外側に比較的高さが低い土塁のような土壁を設けて耕作地にしている部分がある。
フレゴルドの場合、都市の南東側にその耕作用の飛び地があるのだ。
この飛び地は、都市の一部であって一部でない。
耕作用地は都市部にすむ農民の借用地となっているが、原則的に当該土地を魔物や魔獣から守らねばならないのは借用者であって、王家直轄地を任された代官の責任にはなっていないのである。
仮にそこが魔物や魔獣に襲撃されても、代官所が手勢を繰り出して追い払うようなことはしないのである。
耕作地としての使用は保証されており、そこで育成した作物は街の食料補給の根幹となっている場合が多い。
従って、自分で柵を設けて囲った土地は個人で利用しても構わない可能性がある。
耕作地ならぬ庭を造り、そこに管理用の小屋があっても不思議はない筈だ。
で、今、俺は相談のためにマッチョのオハラさんの前に居る。
商業ギルドの受付嬢の前は詰まっていてオハラさんしかいなかったことが最大の理由であってオハラさんを好んでいるわけではないから、念のため申し添えておく。
俺は極々正常なNormalであってBL志向ではないぞ。
「オハラさん、市内で店を構えて同時にそこに住めるような賃貸物件か或いは売り出し物件などの情報は何処に行けば得られますか?」
「ああ、それならば二階の不動産係に行って問い合わせれば、ギルド手持ちの情報は教えてくれると思います。
建造物が無い土地だけの物件もある筈です。」
「教えてくださってありがとうございます。
ついでに教えてください。
この街の外、南東側に土塁で囲った耕作地がありますけれど、城壁の外の土地って、勝手に耕作したり、開発したりしてもいいものなんですか?」
「ああ、あれは代官所から許可を貰えばだれでもできます。
ただ、土地は王家からの借り物という設定になりますので、広さにより、土地賃貸税がかかります。
元々耕作用に想定されていますので千ベールの広さで年に大銅貨5枚程度の筈です。
但し、他の人が借りている場所を借りることはできません。」
「例えば、その王家から借りた土地の周囲に柵を巡らし、内部に小屋を建てるなんてことはできるんですか?」
「ええ、できると思いますよ。
実際にこの街の外側にある耕作地でも納屋代わりの小屋は結構造られていますからね。」
「わかりました。
ありがとうございました。
二階の不動産係に行って相談してみます。」
◇◇◇◇
で、俺は二階の不動産係の前に居る。
不動産係は、主任と係の二人だけのようだ。
で、係のハンナさんが俺に対応してくれている。
ハンナさんは25歳の既婚女性なんだけれど、結婚して三年、まだ子供さんがいないみたい。
ステータスを見てみると、なんと状態異常が出ていた。
状態異常(卵管閉塞)って、これじゃぁ妊娠できないよねぇ。
ウーン、治癒魔法何とかしたいなぁ。
近衛騎士で治癒魔法を使えるパメラさんに聞いたところでは、水属性魔法か聖属性魔法のいずれかがあれば治癒魔法が取得できるのだそうだ。
俺はどっちも持っている。
ウーン、店で関連の書籍を当たってみるか。
良い書籍があれば、意外と簡単に取得できるかもしれん。
ハンナさん、色々と不動産情報を教えてくれました。
街の中で目抜き通りに面した区画での売り物件は無しで、賃貸物件が二件ほど。
どちらも工房としてはなんとか使えても住まいには広さが足りない。
中心から離れた物件の内二件はスラム街に近くお勧めできないと言うので、却下。
やや中心に近いながら辛うじてお勧めできるかなという物件が一軒だけ。
築40年の木造二階建てで、かなり傷んではいるものの多少手を入れれば住居としても工房としても使える代物だが、庭ナシ、広さが100坪もありません。
これで錬金術と薬師の工房を作るのは結構しんどいかもしれない。
まぁ、どうしても無けりゃ、これしか選択の余地が無いんだけれど・・・。
だが、ハンナさん、ボソッと言った。
「余りお勧めできませんが、曰く付きの物件でよければ、もう一つありますね。
広さ2500ベードの大邸宅と言ってもいい物件です。」
「何それ?
いいのあるじゃん。
でも曰く付きって何?」
「はい、一つには売主が問題でギルド内での信用度がかなり低い方なんです。
そうして物件には、どうやら呪いが掛かってるみたいなんです。
そこを借りられたリ、購入しようとされた方が亡くなったり、大怪我をされて逃げ出したりされています。
何れの方も住む以前の段階で死ぬか、逃げ出されていますね。
生き残っている方の話では怨霊が棲みついているとか。
所有者のグレマンさんが、教会の聖職者にお願いして怨霊払いも試したみたいですけれど、聖職者の方が怨霊払いの最中に急病になってしまって、頓挫しています。
その後5年も放置されたまま誰も屋敷の中には入っていません。
庭師すら怖がって敷地内には入らなくなってしまったので、今では草ぼうぼう、ツタ草が家の屋根や壁を覆ってしまって、本当に外見だけでも幽霊屋敷ですね。
グレマンさん、怨霊を退治してくれたなら安く譲ってやってもいいと言ってますけれど、誰も買い手が現れませんから、もう三年以上も塩漬け状態です。」
あ、これは二重でダメなやっちゃ。
怨霊払いがかなり難しいと思われること。
もう一つは家主が信用できない奴だから、事前には良い条件をほのめかしておいて怨霊払いができた途端に手のひら返すやっちゃな。
こういうやつは怨霊払いをする前にきちんと契約書で縛ってしまわねば駄目だ。
怨霊払いをするかしないかではなく、怨霊の有無にかかわらず家の権利を譲渡する契約だ。
「因みに、いくらぐらいで売るって言ってるんですか?」
「えっと三年前は白金貨5枚でしたけれど年々下がって今年は白金貨1枚白輪金貨8枚まで落ちてますね。
来年だと白輪金貨12枚ぐらいまで落ち込むかもしれません。
グレマンさん、日ごろの無茶な商売のやり方でかなり周囲の信用を落としてまして、結構資金繰りに困っているようなんです。
だから交渉次第ではもっと値切れるかもしれません。
グレマンさん今年の初めには人を頼んで邸を取り壊そうとまでしたようなんですけれど、請け負った人が開始早々に5人ほども怪我を負ってしまって、その話は立ち消えになってます。
だから、その屋敷の敷地を囲う東側の石塀の一部が破損しています。
修理さえも手掛けられませんから。」
うーん、商業ギルド流石に情報通だ。
俺は念のため、当該物件の住所を聞いておいた。
ついでに、街の外の土地の使用についても確認したが、やはり代官所での許可がいることと、千ベード当たり年間大銅貨5枚と銅貨4枚が必要だそうだ。
無論、借りた敷地内に建物を建てることも構わないが、維持管理は全て借主の責任になるそうだ。
仮に、そこに盗賊が入って何かが盗まれたり魔物の襲撃があっても王家は関知しないと言うことらしい。
まぁ、そんなんじゃ、人が住む家なんぞは作らないよね。
でも、開拓なんてしないのだろうか?
普通王様にしろ領主にしろ、領内の生産が増えれば経営が楽になるから奨励するはずなのに、なぜしないのだろうと思う。
その疑問をぶつけたら、ハンナさんが簡単に答えてくれました。
「ここは僻地で最前線だからじゃないでしょうか。
ここから北側へ進めば進むほど開拓が進んでいます。
魔物や魔獣も討伐されてかなり数が少ないんです。
でも、ここは違います。
城壁の一歩外に出たら、そこはもう魔物や魔獣の生息領域なんです。
ですから開拓も簡単にはできません。
例えば数人の農民を守るために百人の兵隊さんが必要だとしたなら、その兵隊さんの食料だけで開拓村の食料が消えます。
生産性がほとんど無く、持ち出しだけの事業を行っても意味はありません。
少なくとも警護の人たちの糊口を賄って、尚且つ余剰の生産が無ければ開拓の意味が無いんです。
ですから、此処の産業は主として冒険者たちの狩猟やダンジョン収益がメインなんです。
そのため、錬金術・薬師ギルドや商業ギルドの活動も冒険者の活動をサポートする活動が主体なんです。」
なるほど、その説明で一応の理解ができました。
民活利用などと声掛けしても、結局最後は、お役所は関知しないということだ。
商業ギルドだからと言って不動産情報を持ち合わせているとは限らないが、他に適当な場所を知らない。
元の世界ならば、JRにしろ、地下鉄にしろ、駅の近くには必ず不動産屋があり、気軽に賃貸情報を得られたものだが、生憎とこのホブランドではそれらしき店を見たことが無い。
俺としては根拠地としてならば、少なくとも500坪ぐらいの土地が欲しいと思っているのだが、こちらの測地系では、概ね両手を広げたぐらいの長さを、1イードというが、およそで1m65センチぐらいの長さになる。
こっちの人族はどっちかというと大柄な白人種に近いからその平均身長というのでもなく、何でも樵の大男が手を伸ばして細い材木の両端を抱えた時の長さを基準にしたと言われているが、確かに手のひらを伸ばした状態で計れば中肉中背の俺でももっと長くなるだろう。
因みにこちらのイード木尺を非常用に持っていた小さなメジャーで計測したら、1イードは165.4cmと確認している。
で、1イード四方の広さを1ベードという。
まぁ、感覚的には一坪なんだが、日本の一坪と比べるとちょっと小さい。
日本の一坪は、3.30579㎡あるが、ホブランドの1ベードは、1.654×1.654
で、2.73571㎡しかないので一坪の8割ほどしかないのだ。
従って500坪の土地とすれば、620ベードほどの広さが必要となる。
まぁ、いよいよとなれば都市の城壁の外にそんな土地を保有しても良いかなとは思っている。
フレゴルドの街の周囲を取り巻く城壁は、非常に高さがあって堅固なものだが、その外側に比較的高さが低い土塁のような土壁を設けて耕作地にしている部分がある。
フレゴルドの場合、都市の南東側にその耕作用の飛び地があるのだ。
この飛び地は、都市の一部であって一部でない。
耕作用地は都市部にすむ農民の借用地となっているが、原則的に当該土地を魔物や魔獣から守らねばならないのは借用者であって、王家直轄地を任された代官の責任にはなっていないのである。
仮にそこが魔物や魔獣に襲撃されても、代官所が手勢を繰り出して追い払うようなことはしないのである。
耕作地としての使用は保証されており、そこで育成した作物は街の食料補給の根幹となっている場合が多い。
従って、自分で柵を設けて囲った土地は個人で利用しても構わない可能性がある。
耕作地ならぬ庭を造り、そこに管理用の小屋があっても不思議はない筈だ。
で、今、俺は相談のためにマッチョのオハラさんの前に居る。
商業ギルドの受付嬢の前は詰まっていてオハラさんしかいなかったことが最大の理由であってオハラさんを好んでいるわけではないから、念のため申し添えておく。
俺は極々正常なNormalであってBL志向ではないぞ。
「オハラさん、市内で店を構えて同時にそこに住めるような賃貸物件か或いは売り出し物件などの情報は何処に行けば得られますか?」
「ああ、それならば二階の不動産係に行って問い合わせれば、ギルド手持ちの情報は教えてくれると思います。
建造物が無い土地だけの物件もある筈です。」
「教えてくださってありがとうございます。
ついでに教えてください。
この街の外、南東側に土塁で囲った耕作地がありますけれど、城壁の外の土地って、勝手に耕作したり、開発したりしてもいいものなんですか?」
「ああ、あれは代官所から許可を貰えばだれでもできます。
ただ、土地は王家からの借り物という設定になりますので、広さにより、土地賃貸税がかかります。
元々耕作用に想定されていますので千ベールの広さで年に大銅貨5枚程度の筈です。
但し、他の人が借りている場所を借りることはできません。」
「例えば、その王家から借りた土地の周囲に柵を巡らし、内部に小屋を建てるなんてことはできるんですか?」
「ええ、できると思いますよ。
実際にこの街の外側にある耕作地でも納屋代わりの小屋は結構造られていますからね。」
「わかりました。
ありがとうございました。
二階の不動産係に行って相談してみます。」
◇◇◇◇
で、俺は二階の不動産係の前に居る。
不動産係は、主任と係の二人だけのようだ。
で、係のハンナさんが俺に対応してくれている。
ハンナさんは25歳の既婚女性なんだけれど、結婚して三年、まだ子供さんがいないみたい。
ステータスを見てみると、なんと状態異常が出ていた。
状態異常(卵管閉塞)って、これじゃぁ妊娠できないよねぇ。
ウーン、治癒魔法何とかしたいなぁ。
近衛騎士で治癒魔法を使えるパメラさんに聞いたところでは、水属性魔法か聖属性魔法のいずれかがあれば治癒魔法が取得できるのだそうだ。
俺はどっちも持っている。
ウーン、店で関連の書籍を当たってみるか。
良い書籍があれば、意外と簡単に取得できるかもしれん。
ハンナさん、色々と不動産情報を教えてくれました。
街の中で目抜き通りに面した区画での売り物件は無しで、賃貸物件が二件ほど。
どちらも工房としてはなんとか使えても住まいには広さが足りない。
中心から離れた物件の内二件はスラム街に近くお勧めできないと言うので、却下。
やや中心に近いながら辛うじてお勧めできるかなという物件が一軒だけ。
築40年の木造二階建てで、かなり傷んではいるものの多少手を入れれば住居としても工房としても使える代物だが、庭ナシ、広さが100坪もありません。
これで錬金術と薬師の工房を作るのは結構しんどいかもしれない。
まぁ、どうしても無けりゃ、これしか選択の余地が無いんだけれど・・・。
だが、ハンナさん、ボソッと言った。
「余りお勧めできませんが、曰く付きの物件でよければ、もう一つありますね。
広さ2500ベードの大邸宅と言ってもいい物件です。」
「何それ?
いいのあるじゃん。
でも曰く付きって何?」
「はい、一つには売主が問題でギルド内での信用度がかなり低い方なんです。
そうして物件には、どうやら呪いが掛かってるみたいなんです。
そこを借りられたリ、購入しようとされた方が亡くなったり、大怪我をされて逃げ出したりされています。
何れの方も住む以前の段階で死ぬか、逃げ出されていますね。
生き残っている方の話では怨霊が棲みついているとか。
所有者のグレマンさんが、教会の聖職者にお願いして怨霊払いも試したみたいですけれど、聖職者の方が怨霊払いの最中に急病になってしまって、頓挫しています。
その後5年も放置されたまま誰も屋敷の中には入っていません。
庭師すら怖がって敷地内には入らなくなってしまったので、今では草ぼうぼう、ツタ草が家の屋根や壁を覆ってしまって、本当に外見だけでも幽霊屋敷ですね。
グレマンさん、怨霊を退治してくれたなら安く譲ってやってもいいと言ってますけれど、誰も買い手が現れませんから、もう三年以上も塩漬け状態です。」
あ、これは二重でダメなやっちゃ。
怨霊払いがかなり難しいと思われること。
もう一つは家主が信用できない奴だから、事前には良い条件をほのめかしておいて怨霊払いができた途端に手のひら返すやっちゃな。
こういうやつは怨霊払いをする前にきちんと契約書で縛ってしまわねば駄目だ。
怨霊払いをするかしないかではなく、怨霊の有無にかかわらず家の権利を譲渡する契約だ。
「因みに、いくらぐらいで売るって言ってるんですか?」
「えっと三年前は白金貨5枚でしたけれど年々下がって今年は白金貨1枚白輪金貨8枚まで落ちてますね。
来年だと白輪金貨12枚ぐらいまで落ち込むかもしれません。
グレマンさん、日ごろの無茶な商売のやり方でかなり周囲の信用を落としてまして、結構資金繰りに困っているようなんです。
だから交渉次第ではもっと値切れるかもしれません。
グレマンさん今年の初めには人を頼んで邸を取り壊そうとまでしたようなんですけれど、請け負った人が開始早々に5人ほども怪我を負ってしまって、その話は立ち消えになってます。
だから、その屋敷の敷地を囲う東側の石塀の一部が破損しています。
修理さえも手掛けられませんから。」
うーん、商業ギルド流石に情報通だ。
俺は念のため、当該物件の住所を聞いておいた。
ついでに、街の外の土地の使用についても確認したが、やはり代官所での許可がいることと、千ベード当たり年間大銅貨5枚と銅貨4枚が必要だそうだ。
無論、借りた敷地内に建物を建てることも構わないが、維持管理は全て借主の責任になるそうだ。
仮に、そこに盗賊が入って何かが盗まれたり魔物の襲撃があっても王家は関知しないと言うことらしい。
まぁ、そんなんじゃ、人が住む家なんぞは作らないよね。
でも、開拓なんてしないのだろうか?
普通王様にしろ領主にしろ、領内の生産が増えれば経営が楽になるから奨励するはずなのに、なぜしないのだろうと思う。
その疑問をぶつけたら、ハンナさんが簡単に答えてくれました。
「ここは僻地で最前線だからじゃないでしょうか。
ここから北側へ進めば進むほど開拓が進んでいます。
魔物や魔獣も討伐されてかなり数が少ないんです。
でも、ここは違います。
城壁の一歩外に出たら、そこはもう魔物や魔獣の生息領域なんです。
ですから開拓も簡単にはできません。
例えば数人の農民を守るために百人の兵隊さんが必要だとしたなら、その兵隊さんの食料だけで開拓村の食料が消えます。
生産性がほとんど無く、持ち出しだけの事業を行っても意味はありません。
少なくとも警護の人たちの糊口を賄って、尚且つ余剰の生産が無ければ開拓の意味が無いんです。
ですから、此処の産業は主として冒険者たちの狩猟やダンジョン収益がメインなんです。
そのため、錬金術・薬師ギルドや商業ギルドの活動も冒険者の活動をサポートする活動が主体なんです。」
なるほど、その説明で一応の理解ができました。
民活利用などと声掛けしても、結局最後は、お役所は関知しないということだ。
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