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第七章 変革のために
7-10 グラシム・マリオス
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ハイハーイ、シルヴィですよぉ。
一週間ぶりのご無沙汰でございました。
多少落ち着いては参りましたが皆さま流行り病に負けずに頑張ってくださいね。
私が好きだった小説の連載が突如途絶えてしまってちょっと心配しているんです。
これまでの経過から言うと突然やめる様な人ではないと思うんですけれど、事故か病かいずれかの可能性があるかもしれません。
まぁ、その辺は置いといて、私は、今、ワイオブルグ公都の甘味処に居ます。
前世で言う喫茶店風のお店で、庭のような戸外にテーブルが並べられていて、お茶というよりもケーキなどの甘味を楽しむ場所なんです。
従って、客層はセレブ系のお嬢様かご婦人が圧倒的に多く、これまで数回訪れた際にも男性のお客は見かけていません。
今日は、同期のクレア、マリアン、ハルナの三人と一緒に来ていたのです。
クレアは採掘師、マリアンとハルナは加工師になっています。
職場は違っても、同じ寮に住んでいるわけですから頻繁に顔を合わせますし、お付き合いはずっと続いているんですよ。
このお店は道路に面していて、半尋(ひろ)程度の高さの植え込みで道路とは仕切られていますが、通行人からは客の入りがよく見えるようになっているんです。
最大6人ほどが腰を下ろせる円形テーブルの真ん中には大きなパラソルが立てられていて強い日差しを遮ってくれています。
テーブル、椅子、仕切り用の花を植えた植え込みなどがとってもお洒落なデザインですし、店員も非常に丁寧な対応をしてくれますのでとても評判が良いお店なんです。
それなのに、今日は何故か異分子が紛れ込んでいます。
椅子には座っていませんけれど、油断のできない魔法師グラシム・マリオスが目の前に立っていて、色々と私に話しかけてくるんです。
女性客ばかりのところに押しかけるというのも随分と度胸が要るとると思うのですけれど、この目の前の魔法師は全然気にしていないような感じですね。
魔法師のマントを着用している所為で周囲からことのほか浮いている状況で、目立っていますから早く立ち去ってほしいのですけれど、彼は諦めそうにありません。
仕方がないので溜息をつきながら言いました。
「そこに立っていると通行の邪魔になるでしょうし、お店への迷惑にもなると思います。
そこに座られてせめてご注文ぐらいされてはいかがですか?」
グラシム・マリオスはにんまりして、お礼を言ってきた。
「ありがとう存じます。
では失礼をして同席をさせていただきます。」
怪しき魔法師のグラシム・マリオスは、私のほぼ正面に座りながら、ウェイトレスを呼んで、ハーブティーとクッキーのセットを頼んでいました。
その仕草は結構場慣れしているようにも思えます。
何せ、魔法師ギルドの魔法師は、前科がありますからねェ。
万が一にでも私の友人たちに闇魔法などを仕掛けられないよう最大限の警戒をしているんです。
彼が持っているという魔法の気配を知ることのできる能力というのは大変珍しいのではないかと思います。
私も魔法の発動があれば察知できますけれど、多分陰陽師の系列に近い私の能力と彼のスキルは違うような気がします。
どうも、「召喚精霊」と「使い魔」を明確には見分けられていないようですから、私の能力とは多分違うようですね。
彼の言う「使い魔」とは、多分テイムした魔物を指しているような気がします。
クビラを「魔物」と見るなんてちょっと失礼ですけれど、まぁ、正体のわからない怪しい存在と見たのでしょうね。
私も正体を明かすつもりはありません。
そうしてクビラ達6人が忽然と例の会議の場に姿を現したことから、おそらくは転移魔法の存在を疑っているでしょうし、クビラを召喚精霊と仮定しても六体も一緒ですから誰が召喚したかはわかっていないはずです。
また、おそらくドランからは転移魔法を含め様々な魔法の顕現を邪魔されたことを聞いていて、シルヴィ・デルトンがそうした魔法の発動を邪魔できることを承知しているでしょうけれど、あの会議の場で発動した闇魔法を消し去ったのがクビラなのかそれとも別の誰かなのかも今のところ見当がついていないのだと思います。
こちらとしてはできるだけ情報を与えない方がこちらの利益になりますので、なるべく言質を与えないよう努力しましょう。
困るのは、彼が闇魔法や精神干渉系の魔法を発動しようとした場合に、私がどう対応するかですけれど、その場合は正体がばれるのを承知で邪魔をするつもりでいます。
戯れであっても、私の力量を測る目的の試しであっても、それを実行しようとしたなら発動前に魔法陣を破棄し、その上で魔法師ギルドとの没交渉を宣言します。
言い訳など一切聞きませんし、魔法師ギルドとは今後一切関わらないようにします。
無論のことですが、私が作成していた魔道具等で魔法師ギルドへの提供していたものがあれば、当該魔道具の提供も取りやめます。
取り敢えず、通信装置などは確実に魔法師ギルドも持っているからその対象になるでしょう。
そこまでの覚悟を決めてから、相手が何をしたいのかをじっくりと見極めることにしました。
注文の品がすぐに届けられて、怪しき魔法師は私の目の前でハーブティーを飲み、クッキーを上品(?)に齧っています。
「それで?
自己紹介は済んだでしょうから、これでお別れでしょうか?
それとも私どもに何か御用がございますか?」
「そうですね。
取り敢えずお知り合いには成れたわけですけれど、できればより親しくなれませんでしょうか?」
「親しくなって何をしようと?」
「いえ、今のところ、取り敢えず何かをしでかそうとは考えておりませんが、・・・。
敢えて言うなれば情報収集ぐらいでしょうか?」
「なんの情報を集めていらっしゃるの?」
「え?
えっと、そうですなぁ。
例えば、貴方がドランと対峙された際に使われた魔法を封止し、あるいは破却する方法は如何様なものかと個人的には非常に関心を持っております。」
「魔法の破却ですか?
例の不審者がそう申されたのですか?」
「はい、例の不法侵入を試みたドランが、発動しようとした魔法を全て邪魔されて発動できなかったと申し立てております。
おそらくはシルヴィ・デルトン嬢が何らかの魔法を使われたのだと思いますが、使われた当人もまた事情を聴いた我らもトンと見当のつかない魔法ですので、如何にしたらそんなことができるのかと不思議に思っているところなのです。
また、会議の折に我がギルドの副会長が不届きにも発動させた魔法についても、確かに発動したにもかかわらず効果が生じずに消滅してしまいましたが、あれも我ら魔法師にとっては天地が逆さまになったかのごとき衝撃でございました。
魔法陣が発動したのに効果が発生せずに消滅した。
これは正直なところあり得ざる出来事なのです。
発動に失敗して魔法の効果が発生しないことならばあり得ます。
しかしながら発動したものを消滅させる手法は無いと考えられていました。
あれを為したのは、シルヴィ・デルトン嬢、貴方なのでしょうか?」
「さて、そのような質問に答えることはできません。
できると言っても問題にされるでしょうし、できないと申しても問題視されそうです。
私からは回答できません。」
「ふむ、我が魔法師ギルドにおいても、魔法を扱う者の能力については秘匿するのが当たり前でございますから・・・。
シルヴィ・デルトン嬢が回答を保留するのも当然の権利でございます。
ただ、訊いてみてお答えがあれば幸いという程度の質問なのです。
いずれにせよ、貴女は、我が魔法師ギルドにおいても五指に入る能力者を、単独で制圧したお人です。
我が方では、相応の能力ありきとみて対応することにいたしております。
無論、本件に関して報復などの襲撃は一切ないことを、魔法師ギルドを代表して保証いたします。」
「あのぉ、このような場所であまりそのような話はなされない方が宜しいのではございませんか?」
「はい、多分、ご承知かと存じますが、このテーブルを中心として半尋ほどの空間に魔道具による結界を張らせていただきました。
部外者に聞かれる心配はございません。」
「結界の役割は承知していますが、・・・。
ご存じでしょうか?
稀に人の唇を見て、話を見られる人がいらっしゃるのです。
あなたから見て左側45度方向にいらっしゃるご婦人は、耳が不自由なのですが読唇術と言ってヒトの唇を見て言っていることがわかるお人のようです。
ご注意ください。
結界を張って音だけ遮ってもあなたの唇は読まれますので、そのような場合は手で覆うなりして唇を読まれないようにすべきかもしれません。」
「本当に、あのご婦人が?
魔力はほとんど持たれない方のようですが、そのような特殊なスキルをお持ちなのですね。
いやいやこれは初めて知りました。
お言葉に従って、今後は十分に注意することにいたします。
では、私もこの辺で失礼をいたします。
また公都に来られた際には、是非とも魔法師ギルドの支部をお尋ねください。
気軽に顔を出していただければ幸いでございます。
それではごきげんよう。」
回答が返ってこないことを見越して質問し、こちらの顔色を窺っていたようですね。
本当に油断も隙もありゃしない。
私たち四人も、その後間もなく席を立って、甘味処を出たのでした。
後は、四人で公都の公園などを巡って夕刻の便で魔晶石ギルド本部に戻ったのです。
何となくグラシム・マリオスが介入してきただけでひっかきまわされてしまいました。
クレア達友人は、魔晶石ギルド内での一連の騒ぎは噂で知ってはいても詳細は知らなかったはずなんです。
それなのに、クビラの話やら、魔法の破却の話やら勝手にばらしまわって、それを聞いたことで起きる三人の友人の反応を窺っていたようです。
まぁね、私の臨時の卒業試験で、対戦したリカルドさんが魔法を発動しようとしたのを全て無効にした際には、同期生が見ていましたから何があったのかは噂程度には知っていた可能性もありますけれど・・・。
仮に聞かれたにしても、友人三名に事の次第や私の能力を詳しく説明するつもりはありません。
彼女たちを巻き込みたくないですからね。
詳細を知らない方が後々困らないと思います。
やれやれ、グラシム・マリオスは今後も何かと私の周囲に出没しそうな予感がします。
==========================
9月28日、一部の字句修正を行いました。
By サクラ近衛将監
一週間ぶりのご無沙汰でございました。
多少落ち着いては参りましたが皆さま流行り病に負けずに頑張ってくださいね。
私が好きだった小説の連載が突如途絶えてしまってちょっと心配しているんです。
これまでの経過から言うと突然やめる様な人ではないと思うんですけれど、事故か病かいずれかの可能性があるかもしれません。
まぁ、その辺は置いといて、私は、今、ワイオブルグ公都の甘味処に居ます。
前世で言う喫茶店風のお店で、庭のような戸外にテーブルが並べられていて、お茶というよりもケーキなどの甘味を楽しむ場所なんです。
従って、客層はセレブ系のお嬢様かご婦人が圧倒的に多く、これまで数回訪れた際にも男性のお客は見かけていません。
今日は、同期のクレア、マリアン、ハルナの三人と一緒に来ていたのです。
クレアは採掘師、マリアンとハルナは加工師になっています。
職場は違っても、同じ寮に住んでいるわけですから頻繁に顔を合わせますし、お付き合いはずっと続いているんですよ。
このお店は道路に面していて、半尋(ひろ)程度の高さの植え込みで道路とは仕切られていますが、通行人からは客の入りがよく見えるようになっているんです。
最大6人ほどが腰を下ろせる円形テーブルの真ん中には大きなパラソルが立てられていて強い日差しを遮ってくれています。
テーブル、椅子、仕切り用の花を植えた植え込みなどがとってもお洒落なデザインですし、店員も非常に丁寧な対応をしてくれますのでとても評判が良いお店なんです。
それなのに、今日は何故か異分子が紛れ込んでいます。
椅子には座っていませんけれど、油断のできない魔法師グラシム・マリオスが目の前に立っていて、色々と私に話しかけてくるんです。
女性客ばかりのところに押しかけるというのも随分と度胸が要るとると思うのですけれど、この目の前の魔法師は全然気にしていないような感じですね。
魔法師のマントを着用している所為で周囲からことのほか浮いている状況で、目立っていますから早く立ち去ってほしいのですけれど、彼は諦めそうにありません。
仕方がないので溜息をつきながら言いました。
「そこに立っていると通行の邪魔になるでしょうし、お店への迷惑にもなると思います。
そこに座られてせめてご注文ぐらいされてはいかがですか?」
グラシム・マリオスはにんまりして、お礼を言ってきた。
「ありがとう存じます。
では失礼をして同席をさせていただきます。」
怪しき魔法師のグラシム・マリオスは、私のほぼ正面に座りながら、ウェイトレスを呼んで、ハーブティーとクッキーのセットを頼んでいました。
その仕草は結構場慣れしているようにも思えます。
何せ、魔法師ギルドの魔法師は、前科がありますからねェ。
万が一にでも私の友人たちに闇魔法などを仕掛けられないよう最大限の警戒をしているんです。
彼が持っているという魔法の気配を知ることのできる能力というのは大変珍しいのではないかと思います。
私も魔法の発動があれば察知できますけれど、多分陰陽師の系列に近い私の能力と彼のスキルは違うような気がします。
どうも、「召喚精霊」と「使い魔」を明確には見分けられていないようですから、私の能力とは多分違うようですね。
彼の言う「使い魔」とは、多分テイムした魔物を指しているような気がします。
クビラを「魔物」と見るなんてちょっと失礼ですけれど、まぁ、正体のわからない怪しい存在と見たのでしょうね。
私も正体を明かすつもりはありません。
そうしてクビラ達6人が忽然と例の会議の場に姿を現したことから、おそらくは転移魔法の存在を疑っているでしょうし、クビラを召喚精霊と仮定しても六体も一緒ですから誰が召喚したかはわかっていないはずです。
また、おそらくドランからは転移魔法を含め様々な魔法の顕現を邪魔されたことを聞いていて、シルヴィ・デルトンがそうした魔法の発動を邪魔できることを承知しているでしょうけれど、あの会議の場で発動した闇魔法を消し去ったのがクビラなのかそれとも別の誰かなのかも今のところ見当がついていないのだと思います。
こちらとしてはできるだけ情報を与えない方がこちらの利益になりますので、なるべく言質を与えないよう努力しましょう。
困るのは、彼が闇魔法や精神干渉系の魔法を発動しようとした場合に、私がどう対応するかですけれど、その場合は正体がばれるのを承知で邪魔をするつもりでいます。
戯れであっても、私の力量を測る目的の試しであっても、それを実行しようとしたなら発動前に魔法陣を破棄し、その上で魔法師ギルドとの没交渉を宣言します。
言い訳など一切聞きませんし、魔法師ギルドとは今後一切関わらないようにします。
無論のことですが、私が作成していた魔道具等で魔法師ギルドへの提供していたものがあれば、当該魔道具の提供も取りやめます。
取り敢えず、通信装置などは確実に魔法師ギルドも持っているからその対象になるでしょう。
そこまでの覚悟を決めてから、相手が何をしたいのかをじっくりと見極めることにしました。
注文の品がすぐに届けられて、怪しき魔法師は私の目の前でハーブティーを飲み、クッキーを上品(?)に齧っています。
「それで?
自己紹介は済んだでしょうから、これでお別れでしょうか?
それとも私どもに何か御用がございますか?」
「そうですね。
取り敢えずお知り合いには成れたわけですけれど、できればより親しくなれませんでしょうか?」
「親しくなって何をしようと?」
「いえ、今のところ、取り敢えず何かをしでかそうとは考えておりませんが、・・・。
敢えて言うなれば情報収集ぐらいでしょうか?」
「なんの情報を集めていらっしゃるの?」
「え?
えっと、そうですなぁ。
例えば、貴方がドランと対峙された際に使われた魔法を封止し、あるいは破却する方法は如何様なものかと個人的には非常に関心を持っております。」
「魔法の破却ですか?
例の不審者がそう申されたのですか?」
「はい、例の不法侵入を試みたドランが、発動しようとした魔法を全て邪魔されて発動できなかったと申し立てております。
おそらくはシルヴィ・デルトン嬢が何らかの魔法を使われたのだと思いますが、使われた当人もまた事情を聴いた我らもトンと見当のつかない魔法ですので、如何にしたらそんなことができるのかと不思議に思っているところなのです。
また、会議の折に我がギルドの副会長が不届きにも発動させた魔法についても、確かに発動したにもかかわらず効果が生じずに消滅してしまいましたが、あれも我ら魔法師にとっては天地が逆さまになったかのごとき衝撃でございました。
魔法陣が発動したのに効果が発生せずに消滅した。
これは正直なところあり得ざる出来事なのです。
発動に失敗して魔法の効果が発生しないことならばあり得ます。
しかしながら発動したものを消滅させる手法は無いと考えられていました。
あれを為したのは、シルヴィ・デルトン嬢、貴方なのでしょうか?」
「さて、そのような質問に答えることはできません。
できると言っても問題にされるでしょうし、できないと申しても問題視されそうです。
私からは回答できません。」
「ふむ、我が魔法師ギルドにおいても、魔法を扱う者の能力については秘匿するのが当たり前でございますから・・・。
シルヴィ・デルトン嬢が回答を保留するのも当然の権利でございます。
ただ、訊いてみてお答えがあれば幸いという程度の質問なのです。
いずれにせよ、貴女は、我が魔法師ギルドにおいても五指に入る能力者を、単独で制圧したお人です。
我が方では、相応の能力ありきとみて対応することにいたしております。
無論、本件に関して報復などの襲撃は一切ないことを、魔法師ギルドを代表して保証いたします。」
「あのぉ、このような場所であまりそのような話はなされない方が宜しいのではございませんか?」
「はい、多分、ご承知かと存じますが、このテーブルを中心として半尋ほどの空間に魔道具による結界を張らせていただきました。
部外者に聞かれる心配はございません。」
「結界の役割は承知していますが、・・・。
ご存じでしょうか?
稀に人の唇を見て、話を見られる人がいらっしゃるのです。
あなたから見て左側45度方向にいらっしゃるご婦人は、耳が不自由なのですが読唇術と言ってヒトの唇を見て言っていることがわかるお人のようです。
ご注意ください。
結界を張って音だけ遮ってもあなたの唇は読まれますので、そのような場合は手で覆うなりして唇を読まれないようにすべきかもしれません。」
「本当に、あのご婦人が?
魔力はほとんど持たれない方のようですが、そのような特殊なスキルをお持ちなのですね。
いやいやこれは初めて知りました。
お言葉に従って、今後は十分に注意することにいたします。
では、私もこの辺で失礼をいたします。
また公都に来られた際には、是非とも魔法師ギルドの支部をお尋ねください。
気軽に顔を出していただければ幸いでございます。
それではごきげんよう。」
回答が返ってこないことを見越して質問し、こちらの顔色を窺っていたようですね。
本当に油断も隙もありゃしない。
私たち四人も、その後間もなく席を立って、甘味処を出たのでした。
後は、四人で公都の公園などを巡って夕刻の便で魔晶石ギルド本部に戻ったのです。
何となくグラシム・マリオスが介入してきただけでひっかきまわされてしまいました。
クレア達友人は、魔晶石ギルド内での一連の騒ぎは噂で知ってはいても詳細は知らなかったはずなんです。
それなのに、クビラの話やら、魔法の破却の話やら勝手にばらしまわって、それを聞いたことで起きる三人の友人の反応を窺っていたようです。
まぁね、私の臨時の卒業試験で、対戦したリカルドさんが魔法を発動しようとしたのを全て無効にした際には、同期生が見ていましたから何があったのかは噂程度には知っていた可能性もありますけれど・・・。
仮に聞かれたにしても、友人三名に事の次第や私の能力を詳しく説明するつもりはありません。
彼女たちを巻き込みたくないですからね。
詳細を知らない方が後々困らないと思います。
やれやれ、グラシム・マリオスは今後も何かと私の周囲に出没しそうな予感がします。
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9月28日、一部の字句修正を行いました。
By サクラ近衛将監
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