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第五章 黒杜の一族
5ー11 色々とありまして・・・
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カル・ヴァン・タラ・ヴァンセヤへの訪問は、二週に一度程度とすることにしました。
ギルド内で引きこもりと思われることも何となく気まずいし、ヘレンの件で私の治癒能力がカルバン氏族に知れ渡ったことで、どうも彼らに聖女扱いされそうな気配が感じられるからです。
私は聖女じゃないし、彼らの聖女様に担がれるつもりもありません。
ただ、まぁ、カル・ヴァン・タラ・ヴァンセヤが閉鎖的な極限社会だから、あそこで適切な医療を受けるのが難しいことも分かるのです。
ですから一月に二回ほどは、顔見世をして外部の情報を教え、なおかつ、病気や怪我で困っている人がいたなら救えるものは救ってあげようと思っているのです。
お人よしに過ぎますかねぇ?
◇◇◇◇
季節は晩春月に入りました。
そろそろホープランド・ミニが発生する頃合いです。
気温はまだまだ低いので時期的には早いのですけれど、もう少し気温が高くなればわんさかとギルドの周辺に出てくるようになるはずなんです。
でも、私自身は、まだ本物を見たことがないんです。
そもそもがホープランドでしか見ることのできない蚊ですし、ギルドの図書室で図鑑の絵を見たり、関連資料を漁ったりしているので多少知っている程度なんです。
ホープランド・ミニに対してギルド員の関心度は非常に低いです。
虫除けになる香草があって、それをある程度乾燥させたものを室内に置いておけば、少なくとも室内には侵入してこないのです。
外に出る場合は、匂い袋(?)的なものを持ち歩けばある程度は防げますし、魔境内に入る採掘師の場合ですと、ある程度レベルが上がってしまうとホープランド・ミニに刺されたぐらいでは何も感じないみたいで対策もせずに結構放置している人が多いようです。
私は蚊に刺されるのは嫌ですから、匂い袋も携帯しますし、それ以前に結界を張って蚊や毒虫を寄せ付けないようにしています。
前世で日本人だった私は、日本脳炎やフィラリアなど蚊を媒介にする病気がとても気になります。
熱帯性のマラリアだって蚊を退治することで防げるんです。
その昔、台湾は、マラリアの巣窟だったのですけれど、日本人医師の努力によって、マラリアによる死亡率が極小化したことは良く知られている史実です。
もし仮にツアイス症候群の原因がホープランド・ミニにあると仮定するならば、ホープランド・ミニの根絶を図ることでツアイス症候群もなくなるかもしれません。
但し、一方で、老化の遅延と関連性がある場合は、ホープランド・ミニの根絶に反対する者も居るかもしれません。
ギルド要員が慢性的に少ない現状においては、『老化の遅延』というか『若返り』と言うか、歳を取っても採掘師としての活動を維持できることが最大のメリットでもあるのです。
そのメリットが無くなってしまったなら、ギルドはいずれ組織を保てなくなる恐れもあるのです。
特に現在のギルド本部の位置から考えて、採掘師の活動範囲はそろそろ限界近くに達しています。
私を除く採掘師は、地表に出現する鉱床だけしか採掘できないために、近場は掘り尽くしたために探索活動範囲を限界近くまで引き上げざるを得なくなって居るのです。
仮に地中の様子がわかるようなレーダーセンサーでも新たに開発できれば、現状のままでも二百年程度は大丈夫でしょうけれど・・・。
現状の採掘師の能力と効率を考えるならば、別の場所にギルドの採掘分所を設けるか、宿泊できるような退避ステーションを設置すべきなのです。
無論その開設にも維持にも多額の経費はかかりますけれど、じり貧な現状維持にしがみつくよりはマシかなと私は考えるのです。
でもねぇ、私って一介の採掘師ですよね。
それも昨年秋にタナボタのような感じで成り上がった採掘師なんです。
そりゃぁ、まぁ、高価な黒の魔晶石を継続的に切り出しているから、ギルド内の職員からは若手のホープと呼ばれ、救世主のように崇められていますけれど、とどのつまりは未だ12歳にもなっていない(盛夏上月で12歳になりますけれどね)青二才なのです。
いずれ上層部に向けて私の考えを披露したいとは思いますけれどね。
古い書簡を調べていて気付きましたけれど、実は過去にもそうした提案がなされて検討したことがあるみたいなんです。
結局は支部と言うか、ステーションというか、魔境内に一定の安全な施設を建設するための場所の問題、建設費の問題、更には補給の問題等で暗礁に乗り上げ、最終的にその提案が放棄された経緯があるようです。
ですから単に提唱しても否決されるのは目に見えています。
仮に提案するなら漠然とした案ではなく、きっちりと細部まで詰めた計画を持ち込まねば無理でしょうね。
特に現在の幹部連中は、過去の事例も調べずに動こうとするような阿呆な人や、昔の威光に縋る頭の固い人ばかりの様ですから、余りアテにはなりません。
彼らにグーの音も出させないほどの綿密で完璧なプランを立てなければ実現は難しいですね。
晩春月の第一週も大過なく過ごし、いつも通り黒魔晶石も無事納品が終わっています。
今月の終わりには特大の黒魔晶石を納品するつもりで準備し、私担当のユリアさんを通じて、予め黒魔晶石の大きさと搬入予定を関係先に知らせています。
◇◇◇◇
晩春月13日の銀曜日、私はカル・ヴァン・タラ・ヴァンセヤに来ています。
午前中は、長のクロヴェキ・ディルマさんと歓談(側近もご一緒ですよ)、ハシレアと一緒に昼食を頂くことになっているのは前回と一緒ですね。
私は、情報収集のために長にホープランド・ミニの挿絵の写しを見せたところ、長が随分と驚いていました。
「こ、これは、・・・。
まさか、モルセ・ヴォカティオ・クリシヴではないか・・・・。
シルヴィ殿、これを一体何処で見つけられたのかな?
まさかこの集落のそばではあるまいな?」
「この蚊をご存じでしたか、これは我々ギルドの近くに夏場に出現する蚊です。
我々はホープランド・ミニと呼称しています。」
「我らは、モルセ・ヴォカティオ・クリシヴと呼び、発見したなら必ず殲滅するように昔から言い伝えられているものです。
これに刺されると、十日以内に石化して死ぬとされています。
従って、ハチの巣を退治する時のように全身を覆い隠して、対処します。
もうかれこれ五十年程もこの近辺では見かけたことはありませぬ故、根絶したかと思うていたに・・・。
南ではまだ生き残っていましたか・・・。」
「石化?
身体の一部が石化するのですか?」
長は重々しく頷いて言った。
「最初は一部じゃが、石化は刺された部位から順次広がり全身に回る。
その過程で死亡することになるが、死しても全身が石になるまで変化は終わらない。」
「長はそれをご覧になったことがあるのですか?」
「あぁ、儂の従妹が幼いころに刺されて死んだ。
その様子はその後の退治の様子を含めてようく知っておる。」
「あのぉ、つかぬ事をお聞きしますが、その亡骸は石化のままで葬られたのですか?」
「無駄とは承知しつつも一度は荼毘に付されるが、石化した遺体に炎など無意味じゃ。
ほとんど亡くなったときの状態のままで土に埋められた。
但し、ご先祖様の骨と一緒には埋葬できんでな。
別の場所に埋めてある。」
「少なくとも南のホープランド・ミニはそこまでの致死性を持ちません。
刺されても血を吸われるぐらいで、ギルドの職員は気にも留めていない方が多いですね。
ただ、ギルド職員について回るツアイス症候群の原因がこの蚊による疑いが濃厚になりました。
可能であれば、50年前に亡くなった方のご遺体を確認させていただけますか?」
「先日もその何とか症候群の話をしておったな。
その病気も石化を伴うのかな?」
「はい、臓腑の大事な部分である心の臓が石化して死に至ります。
私が見た事例では発症して三日後には亡くなりました。
但し、全身の石化にはなりません。」
「それはこの蚊に刺されてのことか?」、
「それはわかりませんが、仮に刺されたにしても、相当時間が経過していると思われます。
何せ、蚊が出現するのは夏場ですが、死亡者が出たのは冬場のことでしたから。」
「ほう、それはまた、・・・。
我らの知っておるモルセ・ヴォカティオ・クリシヴとは少し様相が違う様じゃな。
モルセ・ヴォカティオ・クリシヴの場合は刺されて一刻も経たぬうちに刺された箇所の石化が始まるでな。
刺された部位によっても異なるが、よう保って十日ほどで死に至る。
儂の従妹の場合は刺されてから三日で死に、六日目には身体全体が石化しておった。」
「確かに、種が違うかあるいは突然変異か進化した形態なのかもしれません。」
「うん?
なんじゃ?
その何とか変異とか進化とかは?」
「あぁ、突然変異とは生物が生き残るために形態や性状を変えることがあるのです。
一番簡単な例が植物でしょうか。
木の実は時として動物に食べられやすいように味を変えたりします。
例えば味の良いアポは好んで食べるでしょうけれど、酸っぱいアポはできるだけ避けてしまいますでしょう?
でもアポを食べてもらうことでその種を離れた場所に散布してもらいたい親の木は、食べやすいアポに変えるのです。
味を変えられなかったアポの木は子孫が絶え、味を変えられたアポは子孫が増える。
これがある意味で突然変異であり、生き残るに有意な方に変化した場合を進化と言うのです。」
「なるほど、神の摂理じゃな。
それで、果樹が残っておるわけか・・・。」
ホープランド・ミニがモルセ・ヴォカティオ・クリシヴのままであったなら、おそらくは危険視されて根絶されていただろう。
だが、一見無害なように見せかけることでその種を存続できたという事かもしれない。
ホープランド・ミニの毒性は間違いなく石化に在るのだろう。
但し、宿主が石化したのでは繁殖ができないように思うのだけれど、石化原因と媒体であるホープランド・ミニは別物か?
細菌などの病原菌に知恵があるとは思わないけれど、生存に適する形態に進化することはあり得る。
石化した遺体がその後どう変化したかについては一応調べてみる価値はあるよね。
=========================
2月15日及び3月29日、一部の字句修正を行いました。
By サクラ近衛将監
ギルド内で引きこもりと思われることも何となく気まずいし、ヘレンの件で私の治癒能力がカルバン氏族に知れ渡ったことで、どうも彼らに聖女扱いされそうな気配が感じられるからです。
私は聖女じゃないし、彼らの聖女様に担がれるつもりもありません。
ただ、まぁ、カル・ヴァン・タラ・ヴァンセヤが閉鎖的な極限社会だから、あそこで適切な医療を受けるのが難しいことも分かるのです。
ですから一月に二回ほどは、顔見世をして外部の情報を教え、なおかつ、病気や怪我で困っている人がいたなら救えるものは救ってあげようと思っているのです。
お人よしに過ぎますかねぇ?
◇◇◇◇
季節は晩春月に入りました。
そろそろホープランド・ミニが発生する頃合いです。
気温はまだまだ低いので時期的には早いのですけれど、もう少し気温が高くなればわんさかとギルドの周辺に出てくるようになるはずなんです。
でも、私自身は、まだ本物を見たことがないんです。
そもそもがホープランドでしか見ることのできない蚊ですし、ギルドの図書室で図鑑の絵を見たり、関連資料を漁ったりしているので多少知っている程度なんです。
ホープランド・ミニに対してギルド員の関心度は非常に低いです。
虫除けになる香草があって、それをある程度乾燥させたものを室内に置いておけば、少なくとも室内には侵入してこないのです。
外に出る場合は、匂い袋(?)的なものを持ち歩けばある程度は防げますし、魔境内に入る採掘師の場合ですと、ある程度レベルが上がってしまうとホープランド・ミニに刺されたぐらいでは何も感じないみたいで対策もせずに結構放置している人が多いようです。
私は蚊に刺されるのは嫌ですから、匂い袋も携帯しますし、それ以前に結界を張って蚊や毒虫を寄せ付けないようにしています。
前世で日本人だった私は、日本脳炎やフィラリアなど蚊を媒介にする病気がとても気になります。
熱帯性のマラリアだって蚊を退治することで防げるんです。
その昔、台湾は、マラリアの巣窟だったのですけれど、日本人医師の努力によって、マラリアによる死亡率が極小化したことは良く知られている史実です。
もし仮にツアイス症候群の原因がホープランド・ミニにあると仮定するならば、ホープランド・ミニの根絶を図ることでツアイス症候群もなくなるかもしれません。
但し、一方で、老化の遅延と関連性がある場合は、ホープランド・ミニの根絶に反対する者も居るかもしれません。
ギルド要員が慢性的に少ない現状においては、『老化の遅延』というか『若返り』と言うか、歳を取っても採掘師としての活動を維持できることが最大のメリットでもあるのです。
そのメリットが無くなってしまったなら、ギルドはいずれ組織を保てなくなる恐れもあるのです。
特に現在のギルド本部の位置から考えて、採掘師の活動範囲はそろそろ限界近くに達しています。
私を除く採掘師は、地表に出現する鉱床だけしか採掘できないために、近場は掘り尽くしたために探索活動範囲を限界近くまで引き上げざるを得なくなって居るのです。
仮に地中の様子がわかるようなレーダーセンサーでも新たに開発できれば、現状のままでも二百年程度は大丈夫でしょうけれど・・・。
現状の採掘師の能力と効率を考えるならば、別の場所にギルドの採掘分所を設けるか、宿泊できるような退避ステーションを設置すべきなのです。
無論その開設にも維持にも多額の経費はかかりますけれど、じり貧な現状維持にしがみつくよりはマシかなと私は考えるのです。
でもねぇ、私って一介の採掘師ですよね。
それも昨年秋にタナボタのような感じで成り上がった採掘師なんです。
そりゃぁ、まぁ、高価な黒の魔晶石を継続的に切り出しているから、ギルド内の職員からは若手のホープと呼ばれ、救世主のように崇められていますけれど、とどのつまりは未だ12歳にもなっていない(盛夏上月で12歳になりますけれどね)青二才なのです。
いずれ上層部に向けて私の考えを披露したいとは思いますけれどね。
古い書簡を調べていて気付きましたけれど、実は過去にもそうした提案がなされて検討したことがあるみたいなんです。
結局は支部と言うか、ステーションというか、魔境内に一定の安全な施設を建設するための場所の問題、建設費の問題、更には補給の問題等で暗礁に乗り上げ、最終的にその提案が放棄された経緯があるようです。
ですから単に提唱しても否決されるのは目に見えています。
仮に提案するなら漠然とした案ではなく、きっちりと細部まで詰めた計画を持ち込まねば無理でしょうね。
特に現在の幹部連中は、過去の事例も調べずに動こうとするような阿呆な人や、昔の威光に縋る頭の固い人ばかりの様ですから、余りアテにはなりません。
彼らにグーの音も出させないほどの綿密で完璧なプランを立てなければ実現は難しいですね。
晩春月の第一週も大過なく過ごし、いつも通り黒魔晶石も無事納品が終わっています。
今月の終わりには特大の黒魔晶石を納品するつもりで準備し、私担当のユリアさんを通じて、予め黒魔晶石の大きさと搬入予定を関係先に知らせています。
◇◇◇◇
晩春月13日の銀曜日、私はカル・ヴァン・タラ・ヴァンセヤに来ています。
午前中は、長のクロヴェキ・ディルマさんと歓談(側近もご一緒ですよ)、ハシレアと一緒に昼食を頂くことになっているのは前回と一緒ですね。
私は、情報収集のために長にホープランド・ミニの挿絵の写しを見せたところ、長が随分と驚いていました。
「こ、これは、・・・。
まさか、モルセ・ヴォカティオ・クリシヴではないか・・・・。
シルヴィ殿、これを一体何処で見つけられたのかな?
まさかこの集落のそばではあるまいな?」
「この蚊をご存じでしたか、これは我々ギルドの近くに夏場に出現する蚊です。
我々はホープランド・ミニと呼称しています。」
「我らは、モルセ・ヴォカティオ・クリシヴと呼び、発見したなら必ず殲滅するように昔から言い伝えられているものです。
これに刺されると、十日以内に石化して死ぬとされています。
従って、ハチの巣を退治する時のように全身を覆い隠して、対処します。
もうかれこれ五十年程もこの近辺では見かけたことはありませぬ故、根絶したかと思うていたに・・・。
南ではまだ生き残っていましたか・・・。」
「石化?
身体の一部が石化するのですか?」
長は重々しく頷いて言った。
「最初は一部じゃが、石化は刺された部位から順次広がり全身に回る。
その過程で死亡することになるが、死しても全身が石になるまで変化は終わらない。」
「長はそれをご覧になったことがあるのですか?」
「あぁ、儂の従妹が幼いころに刺されて死んだ。
その様子はその後の退治の様子を含めてようく知っておる。」
「あのぉ、つかぬ事をお聞きしますが、その亡骸は石化のままで葬られたのですか?」
「無駄とは承知しつつも一度は荼毘に付されるが、石化した遺体に炎など無意味じゃ。
ほとんど亡くなったときの状態のままで土に埋められた。
但し、ご先祖様の骨と一緒には埋葬できんでな。
別の場所に埋めてある。」
「少なくとも南のホープランド・ミニはそこまでの致死性を持ちません。
刺されても血を吸われるぐらいで、ギルドの職員は気にも留めていない方が多いですね。
ただ、ギルド職員について回るツアイス症候群の原因がこの蚊による疑いが濃厚になりました。
可能であれば、50年前に亡くなった方のご遺体を確認させていただけますか?」
「先日もその何とか症候群の話をしておったな。
その病気も石化を伴うのかな?」
「はい、臓腑の大事な部分である心の臓が石化して死に至ります。
私が見た事例では発症して三日後には亡くなりました。
但し、全身の石化にはなりません。」
「それはこの蚊に刺されてのことか?」、
「それはわかりませんが、仮に刺されたにしても、相当時間が経過していると思われます。
何せ、蚊が出現するのは夏場ですが、死亡者が出たのは冬場のことでしたから。」
「ほう、それはまた、・・・。
我らの知っておるモルセ・ヴォカティオ・クリシヴとは少し様相が違う様じゃな。
モルセ・ヴォカティオ・クリシヴの場合は刺されて一刻も経たぬうちに刺された箇所の石化が始まるでな。
刺された部位によっても異なるが、よう保って十日ほどで死に至る。
儂の従妹の場合は刺されてから三日で死に、六日目には身体全体が石化しておった。」
「確かに、種が違うかあるいは突然変異か進化した形態なのかもしれません。」
「うん?
なんじゃ?
その何とか変異とか進化とかは?」
「あぁ、突然変異とは生物が生き残るために形態や性状を変えることがあるのです。
一番簡単な例が植物でしょうか。
木の実は時として動物に食べられやすいように味を変えたりします。
例えば味の良いアポは好んで食べるでしょうけれど、酸っぱいアポはできるだけ避けてしまいますでしょう?
でもアポを食べてもらうことでその種を離れた場所に散布してもらいたい親の木は、食べやすいアポに変えるのです。
味を変えられなかったアポの木は子孫が絶え、味を変えられたアポは子孫が増える。
これがある意味で突然変異であり、生き残るに有意な方に変化した場合を進化と言うのです。」
「なるほど、神の摂理じゃな。
それで、果樹が残っておるわけか・・・。」
ホープランド・ミニがモルセ・ヴォカティオ・クリシヴのままであったなら、おそらくは危険視されて根絶されていただろう。
だが、一見無害なように見せかけることでその種を存続できたという事かもしれない。
ホープランド・ミニの毒性は間違いなく石化に在るのだろう。
但し、宿主が石化したのでは繁殖ができないように思うのだけれど、石化原因と媒体であるホープランド・ミニは別物か?
細菌などの病原菌に知恵があるとは思わないけれど、生存に適する形態に進化することはあり得る。
石化した遺体がその後どう変化したかについては一応調べてみる価値はあるよね。
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2月15日及び3月29日、一部の字句修正を行いました。
By サクラ近衛将監
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